20世紀半ば以降に見られる地球規模の気温の上昇によって様々な問題を引き起こしています。温室効果ガスは年々上昇の一途を辿っており世界の国々が課題として考える問題となっているのです。
そんな地球温暖化に対して実際にどのような対策が行われているのでしょうか。
今回は地球温暖化の世界の現状から実際に行われている対策まで解説します。
地球温暖化のメカニズムや原因、現状は?私たちへの影響やすぐにできる対策も解説
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地球温暖化とは
地球温暖化には温室効果ガスが大きく関連しています。
大気中に含まれる二酸化炭素などの温室効果ガスには海や陸などの地球の表面から地球の外に向かう熱を大気に蓄積し再び地球の表面に戻す性質があります。
18世紀半ばの産業革命の開始以降、人間活動による化石燃料の使用や森林の減少などにより大気中の温室効果ガス濃度は急激に増加したのです。
この急激に増加した温室効果ガスにより大気の温室効果が強まったことが地球温暖化を引き起こしている要因と考えられます。
- 地球温暖化は温室効果ガスが大きな影響を与えている
- 産業革命以降、地球の温室効果ガスが急増
- それにともない地球温暖化も進行していると考えられている
(出典: 気象庁「地球温暖化の原因」)
地球温暖化の現状
地球温暖化によって気温の上昇が続いています。
IPCC第5次評価報告書では気温が132年間に0.85℃の上昇が確認されています。また、2000年〜2012年には気温上昇の停滞が見られますが、この理由として海洋深層による熱の吸収、他に太陽活動の低下や火山活動などが挙げられます。
しかし2014年以降は上昇を続け、2016年は観測史上最も暑い年となったのです。
断続的な気温上昇の影響を受けて雪氷も減少を続けています。北極域の海氷面積も1970年後半以降顕著に減少しており海氷面積が最も小さくなる夏季では、減少傾向を示しています。
1979年〜2012年の減少率は10年当たり73〜107万㎢の範囲にあるのです。
日本においても気温上昇が続いており年平均気温は長期的に100年あたり約1.19℃の割合で上昇しています。
これは世界の平均気温が132年で0.85℃上昇しているというIPCC第5次評価報告書で示された観測結果と比較して高い上昇率となっています。
(出典:環境省「 IPCC 第5次評価報告書の概要 -第1作業部会(自然科学的根拠)-)」,2014)
(出典:環境省「STOP THE 温暖化 2017」,2017)
考えられる将来の地球の状態
IPCC第5次評価報告書によれば、2081年から2100年の世界の平均地上気温は、1986年から2005年の平均よりも最小で0.3℃、最大で4.8℃上昇すると予測しています。
この未来予測について、地球温暖化に関する科学の最高峰の報告書ではIPCCの第5次評価報告書は、これからの100年間でどのくらい平均気温が上昇するか4つのシナリオを提示して予測を示しています。
それによると、最も気温上昇の低いシナリオ(RPC2.6シナリオ)で、おおよそ2°C前後の上昇、最も気温上昇が高くなるシナリオ(RPC8.5シナリオ)で4°C度前後の上昇が予測されているのです。
さらに、今後も温室効果ガスを排出し続けた場合には、21世紀末には、世界の平均海面水位が45㎝〜82㎝上昇する可能性が高いと予測されています。
一方、21世紀末に温室効果ガスの排出をほぼゼロにした場合でも、26㎝〜55㎝上昇する可能性が高いと予測されているのです。
その他にも湿潤地域と乾燥地域での降水差拡大、海水の減少加速などが将来起こりえることとして考えられています。
(出典:環境省「STOP THE 温暖化 2017」,2017 )
地球温暖化を抑制するために行われている対策
世界的な問題として認知されている地球温暖化問題を抑制するために様々な対策が取られています。
「世界の温室効果ガス減少」を達成するためには世界の国々が足並みを合わせて取り組みを進めることが求められるのです。
SDGs(持続可能な開発目標)
2015年9月に国連サミットで採択された、持続可能な開発のための2030年アジェンダは、持続可能な開発目標を中核とする2016年以降2030年までの国際目標です。
先進国、途上国を問わず全ての国に適用される普遍性が最大の特徴となっています。
環境関連に関するゴールも含まれており、日本でも気候変動、エネルギー、持続可能な消費と生産等の分野を中心に国内外においてアジェンダの実施に貢献していきます。
地球温暖化に対するゴールは、「13 気候変動に具体的な対策を」で設定されているのです。
SDGの目標13について詳しく知りたい人は、以下の記事で内容や日本の取り組みを紹介しています。ぜひご一読ください。
>>持続可能な開発目標・SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」のターゲットや現状は?
2020 年以降の削減目標案(約束草案)
各国は2015年に開催された国連気候変動枠組条約第21回締約国会議に先立って、2020年以降の削減目標案を提出しました。
192ヵ国・地域が提出し、条約締約国全体の温室効果ガス排出量の約99%をカバーしているのです。
パリ協定
2015年11月末から12月にかけてフランスのパリにて行われたCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)で「パリ協定」が合意され、2016年11月に発行されました。
パリ協定には、「すべての国に適用」され「包括的」で、「長期にわたり永続的」に、「前進・向上する」という4つ特徴及び意義があります。
また、温室効果ガスの主要排出国だけでなく途上国も含めたすべての国が、温室効果ガスの削減目標の作成や提出、維持し、その目標を達成するための国内での取り組みを遂行することを規定したり、5年ごとに世界全体の実施状況を検討する仕組みを作りました。
パリ協定は、歴史上初めて、すべての締約国が参加する世界共通の目標となり、その目標や取り組みは現在もつながっています。
- 「世界の温室効果ガス減少」を目指し、各国が協力して取り組むことが大切
- 具体的な取り組みはSDGs、2020 年以降の削減目標案、パリ協定などが挙げられる
- 日本もそれぞれに対し精力的な取り組みを行っている
(出典:環境省「STOP THE 温暖化 2017」,2017)
地球温暖化防止に向けて一人ひとりができる対策
地球温暖化防止に向けて、私たちができることは生活で発生する二酸化炭素の抑制です。
家庭排出される二酸化炭素のほとんどがテレビをつける際の動力や自家用車、給湯、暖房、冷房などから来ており、これらの利用を減らすことで家庭から排出される二酸化炭素の量を大きく減らすことができます。
以下は個人レベルで行える取り組みです。
- エアコンの冷房の設定温度を27度から28度にする
- エアコンの暖房の設定温度を21度から20度にする
- エアコンを1日1時間短くする
- 冷蔵庫に詰め込みすぎない
- 冷蔵庫を壁から離す
- 使っていない電源プラグを抜く
- 間隔を開けずにお風呂に入る
- シャワーの流しっぱなしをやめる
- まとめて洗濯する
上記の他にも省エネ製品の買い替え・購入することも挙げられます。年々エネルギー効率が上がっているため電気代も大幅に抑えることが可能です。
(出典:国立環境研究所 地球環境研究センター「温暖化の対策」)
また、環境問題へ取り組む支援団体へ寄付するのもおすすめです。
グリーンピース・ジャパンは、世界55以上の国と地域で環境問題へ取り組んでいる団体です。政府や企業から財政支援を受けず、サポーターとボランティアが一体になって熱帯雨林の再生やプラスチックごみ削減に努めています。
地球温暖化防止には一人ひとりの対策も重要
今回は、地球温暖化の世界の現状と行われている対策について解説しました。
地球温暖化防止には一人ひとりの小さな行動が大きな意味を持ちます。
まずは現状をしっかりと捉えた上で小さな行動から変えていくことが大切です。
また、自然保護活動をおこなう団体へ寄付することで、個人で取り組む以上の環境保全効果を期待できます。
「美しい地球を守りたい」という人は、以下の記事から団体の活動内容をぜひチェックしてみてください。
>>大切な自然を守りたい!寄付できる自然保護活動団体を5つ紹介
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