リサイクル

日本のごみ問題の現状と私たちにできることとは

ごみに関する問題は一部の地域で起こっていることではなく、世界的に起こっている問題です。

日本でも大量のごみが発生していますが、ごみの量や問題となっていること、またそれに対しどのような取り組みが行われているかを知ることも大切です。

この記事では日本のごみ事情と、自分たちができる対策について紹介します。

世界でも深刻なごみ問題とは?問題の原因や現状、リサイクルについて解説

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日本のごみ問題の現状


ごみ問題は、経済発展の度合や処分するための土地の確保、また振り分けられる予算などによって国ごとに事情が異なります。

ごみ、廃棄物の管理システムに関して、大きく4つの段階に分けることができ、日本は段階3の「ごみ削減と3R導入の段階」にいるとされています。

段階 段階名 内容
1 公衆衛生の段階 ごみが収集される
2 環境保全の段階 ごみが適切に埋め立て処分される
3 ごみ削減と3R導入の段階 ごみが中間処理される(資源化、焼却による埋め立て量の削減)
4 循環型経済の構築の段階 資源管理による持続可能な社会

それぞれの段階についてみてみると、世界のごみ管理が遅れている国や地域ではごみの収集が組織的に行われずに各自でそのあたりに捨てたりしていることもあります。
まずは組織的にごみを収集するというシステムが整うと次の段階に移ります。

次は集めたごみを適切な場所に埋め立て処理されるという段階です。
陸地では穴を掘って埋めたり、海辺や水辺では埋め立てて陸地として活用するという方法があります。

そして次の段階に入ると「ごみの削減」に向けた取り組みが行われます。
日本では3R(リデュース、リユース、リサイクル)が推進され、ごみの削減が推奨されていきます。
また、ごみをそのままの形で埋めるのではなく、焼却できるものは焼却してから埋め立てるといったことが実施されます。

4段階目に入るとごみを「資源」として活用し、循環型の経済を構築することが可能となっていきます。
日本は3段階目から4段階目に向けて動いている途中です。

日本のごみの量は2016年時点で総排出量が4,167万トン(東京ドーム約112杯分)、1人1日当たりのごみ排出量が901グラム*と発表されています。

最終処分量は前年比4.2%減少していることから、リサイクルの取り組みの効果が表れていることがわかります。

*出典:環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和2年度)について」

ごみ削減と3R導入

日本ではそれぞれの地方自治体がごみの削減に取り組んでおり、さらに3Rについても注力しています。

3つの「R」とは「Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)」の頭文字を表し、限りある資源の採取を抑えて環境負荷を減らした循環型社会を実現するためのキーワードです。

プラスチックは捨ててしまえばごみとなってしまいますが、分別し再利用すれば資源にもなります。
この3Rはどれもプラスチックごみを出さないための工夫であり、これを意識することで海洋プラスチックごみ削減にも繋がるのです。

例えばリデュースは、レジ袋を使用しないためにマイバックを持参することや、使い捨て食器や容器の使用を減らすことを目的としています。
またリユースはボディソープやシャンプーなどもともとの容器に詰め替え、再使用することで廃棄されるボトルの量を減らすといった考え方です。

リサイクルはプラスチックを分別回収し、原料として再利用する方法です。
どれもちょっとした行動でできることばかりであり、私たちがすぐにでもできる削減方法でもあります。

(出典:3R活動推進ファーラム公式サイト)

以下の記事では海洋プラスチックごみに対する日本や海外の取り組みや、私たちにできることを紹介しています。
>>海洋プラスチックごみ問題とは?日本や海外の取り組み、私たちができることを解説

国民一人あたりの所得に対するごみの量は?


日本では高度成長経済の時期に「作る、増やす、捨てる」ことを繰り返し、急激に経済が成長しました。

その時期はごみの量が増加傾向にありましたが、近年では廃棄物管理の3段階目に突入しているということもあり、ある程度落ち着いてきています。

同様に先進国と呼ばれる国では大量のごみが出ますが、ごみの発生を抑制する対策が取られていくことから、この先急激に増加していくことは少ないと考えられています。
ただし、発生するごみの量は一人あたりの所得が高くなるほど増加する傾向があり、先進国と呼ばれる国々では既に発生しているごみの量が軒並み多くなっています。

日本ではごみの量自体は先進国の中でも少ない方で、様々な取り組みを行っていることからさらに資源化などが進められると予想されています。

一方で開発途上国では有機質のごみの割合が多く、廃棄物の管理が1段階から2段階目あたりにある国が多いため、今後大幅なごみの増加が考えられます。

(出典:独立行政法人 国際協力機構JICA公式サイト)

日本がごみ・廃棄物削減のために行った取り組み


日本ではごみ・廃棄物を削減するために様々な取り組みが行われています。

3Rに関する法制度

3Rに関しての法制度では「環境基本法」と「環境基本計画」が元となり、以下の3つの項目が土台となっています。

  • 人類存続の基盤である限りある環境の恵沢を現在及び将来の世代が享受でき、それを将来にわたって承継すること(第3条)
  • 全ての者の公平な役割分担の下で、環境への負担の少ない持続的発展可能な社会を構築すること(第4条)
  • 国際的協調による積極的な地球環境の保全を推進すること(第5条)

循環型社会形成推進基本法

資源を再利用し、無駄をなくして余計な資源を使わないことを実現するためにできた法令です。
この法律では、以下のことが目的となっています。

  • 廃棄物、リサイクル対策を総合的かつ計画的に推進するための基盤を確立するとともに、
    個別の廃棄物、リサイクル関係法律の整備と相まって、循環型社会の形成に向け実効ある取組の推進を図る

また、この決まりとともに以下の法律についても一体的に内容の整備が行われています。

  • 廃棄物処理法等の改正
  • 再生資源利用促進法の改正
  • 建設資材リサイクル法
  • 食品リサイクル法
  • グリーン購入法

個別リサイクル法

各家庭、個人がリサイクルに取り組んでいくことを定めた法令です。
以下のようにリサイクルされる資源によって、それぞれ決まりが設けられています。

家電リサイクル法

家庭などで不要になったテレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機などを廃棄する際には、消費者・小売業者、製造業者の役割分担を明確にし、廃棄物の減量化やリサイクルを促進します。
消費者は処分する際に費用がかかります。

食品リサイクル法

食品関連事業者などから廃棄されていく食品廃棄物の発生抑制と減量化をすることで最終処分量を減少させるとともに、肥料や飼料などとしてリサイクルを図ることを目的としています。
事業者は食品を廃棄する際に注意しなければならない法令です。

建設リサイクル法

建築物などの解体に伴い、排出される特定建設資材の分別およびリサイクルを促進することを目的としています。

自動車リサイクル法

廃車となる自動車のリサイクル・適正処理を行うため、新たなリサイクルシステムの構築を図るものです。
自動車は不要になってもそのまま廃棄することはできません。

たいていは業者に処理を依頼することになりますが、その処分の費用や税に関しては販売の際に徴収されていることが多くなっています。

小型家電リサイクル法

携帯電話、スマホ、ゲーム機などの小型電子機器の再資源化を促進する法律です。
これらも一般のごみと一緒に廃棄することはできません。

資源有効利用促進法

資源有効利用促進法は、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の取り組みを推進するための法律です。

主に事業者に対して、3Rの取り組みが必要となる業種や製品を政令で指定することで自主的に取り組むべき具体的な内容を省令で定めており、10業種・69品目が指定されています。

製品の製造、設計段階で3Rを意識した対策や配慮、分別回収、事業者による自主回収やリサイクルシステムの構築などが規定されています。

グリーン購入法

国などによる環境物品等の調達の推進、情報の提供その他の環境物品等への需要の転換を促進するために必要な事項を定め、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築を図るための法令です。
(出典:環境省公式サイト)

ごみを減らすために私たちにできること


ごみを適切に処分していくことも重要ですが、まずはごみを出す量を減らすことが重要です。

3Rの実施

先述したように、日本では3Rを推進しています。
ここではそれぞれのRについて具体的に解説します。

Reduce(リデュース)

製品を製造する際に使用する資源の量を減らしたり、ごみ廃棄物の発生自体を減少させることです。

耐久性が高い製品を製造することや、製品の寿命を延長させるためのメンテナンス体制の整備などもこれに含まれています。

私たちができるリデュースの行動は、プラスチック製のストローの使用をやめたり、自分の箸を持ち歩く、またスーパーやコンビニなどで使用するマイバッグを持ち歩くことなどがあります。

Reuse(リユース)

一度使用した製品やその部品などを何度も繰り返して使用することです。

リターナル容器や空き瓶などを捨ててしまわずにリユース回収して、もう一度使用できるようにすることや、その実現を可能にする製品の提供や修理、開発なども取り組みに含まれます。

Recycle(リサイクル)

ごみ廃棄物を原材料やエネルギー資源として有効活用することです。
プラスチックや瓶などの分別回収もこれの重要な取り組みの一つだと言えます。

(出典:3R活動推進ファーラム公式サイト)
(出典:環境省公式サイト)

必要なものだけを買う

買い物する際は、本当に必要なものかどうかよく考えて購入することが重要です。余分な量や不要なものを買ってしまうと、使えるのに廃棄することとなり、ごみが増えてしまいます。

また、無駄な買い物を抑えることで生産過程のごみや廃棄物を減らすことにもつながります。

食品ロスを減らす

先進国では食品ロスの問題が深刻になっています。
年間522万トン*の食品廃棄物等が出され、前年度より48万トン減少しました。そのうち52%が事業系食品ロス、48%が家庭系食品ロスと、割合は大差がなくなってきました。
しかし事業系食品ロスはは、売れ残り、返品、食べ残しなど本来食べられるはずなのに廃棄されている食品なのです。
食べられる量だけ注文する、使える分だけ購入するなど、適切な量をしっかりと判断することが重要です。

以下の記事では食品ロスに対して私たちができる具体的な取り組みについて紹介しています。ぜひご一読下さい。
>>食品ロスの問題とは?世界や日本の現状、行われている取り組みとは

*出典:農林水産省「食品ロスとは」

ボランティア活動をする

地域の取り組みや団体の取り組みとしてボランティア活動が行われていることがあります。
ごみ集めや環境問題についてのイベントなどに参加するということも、ごみの問題に対して貢献することができます。

団体の寄付をする

ボランティア活動に割く時間がなかなかない、という方は支援団体の活動を寄付でサポートするのはいかがでしょうか?

一般社団法人 グリーンピース・ジャパンは、世界55以上の国と地域で活動しており、国連での各会議にオブザーバーの資格で出席し、環境問題の専門家として各国政府へアドバイスや提言を行っています。
>>グリーンピースについて詳しくみる

日本のごみを減らすためには私たち一人ひとりの意識が大切

日本ではごみの排出量が減少しているとはいえ、まだまだ大量に出ています。これらを適切に処理をするだけでなく、まずはごみを出さない、削減するということを心掛ける必要があります。

先述した3Rや食品ロスを減らすことなどは、私たちの日頃の生活から意識し行動に移すことが可能です。まずはできることから初めてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
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