気候変動に具体的な対策を

気候変動が世界に与える影響や現状について知ろう

生活の利便性が向上していくと同時に、「気候変動」による問題は年々大きくなっています。
産業革命以来、石油や石炭などの化石燃料を燃やすことでエネルギーを取り出したことで、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度上昇などの様々な要因が絡むことで、気候変動が進行しています。

気候変動が世界に与える影響や現状について、解説します。

持続可能な開発目標・SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」のターゲットや現状は?

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世界では気候変動によりどんな変化が起こっている?

気候変動は世界規模で様々な変化をもたらしています。

一つ目が「気温の上昇」であり、世界の年平均気温は19世紀後半以降100年あたり0.72℃の割合で上昇しています。

二つ目は「海水温の上昇」です。

海洋の温暖化は、1971年〜2010年の間に蓄積されたエネルギーの90%以上を占めています。世界の年平均海面水温は、1891〜2016年において100年あたり0.53℃の割合で上昇しているのです。

そして三つ目に「北極海の海氷現象」が挙げられます。

1979年以降、北極域の海氷域面積は減少傾向にあります。

1年あたりの減少率は北海道の面積にほぼ匹敵するのです。世界平均気温の上昇に伴い、21世紀中には北極域の海氷域面積が1年を通じて減少し、海氷の厚さが薄くなり続ける可能性が非常に高いと予測されています。

  • 気候変動による変化は以下の3点
    「気温の上昇」、「海水温の上昇」、「北極海の海氷現象」
  • (出典:環境省 文部科学省 農林水産省 国土交通省 気象庁 「気候変動の観測・予測及び影響評価統合レポート2018 〜日本の気候変動とその影響〜」 )

    気候変動が続くと将来どうなる?

    気候変動がこのまま続いていくと、将来の地球にどう影響するのでしょうか?
    気候変動に関して科学的および社会経済的な見地から包括的な評価を行うとしている「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)」の第5次報告書では、

    今世紀末の世界平均気温変化はRCPシナリオによれば0.3~4.8℃の範囲、平均海面水位の上昇は0.26~0.82mの範囲となる可能性が高い

    としています。

    つまり、どのようなシナリオを当てはめたとしても、21世紀末(2081~2100年)の気温は、1986~2005年の平均に比べて上昇するのは明らかであり、最大で4.8℃も上がる可能性が高いというのです。
    同様に平均海面水位は最大で0.82m上昇する可能性があります。
    IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次報告書によれば、2050年には世界の温室効果ガスの排出量を、2010年に比べて40%~70%削減する必要があるため、気候変動における問題を拡大しないよう一人ひとりの小さな改善が鍵を握っていると言えます。

    RCPとは

    国連はIPCCの第5次評価報告書で「RCP」という言葉を用いていますが、RCPとは、「代表濃度経路シナリオ(Representative Concentration Pathways)」のことです。
    2.6や4.5といった数字は、数値が高いほど温室効果ガスの濃度が高く、地球温暖化を引き起こす効果が高いということになります。

  • IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、気候変動に関して科学的および社会経済的な見地から包括的な評価を行っている
  • 世界平均気温は最大で4.8℃も上昇する可能性がある
  • 2050年には世界の温室効果ガスの排出量を、2010年に比べて40%~70%削減する必要がある
  • (出典:環境省「IPCC 第5次評価報告書の概要 -WG1(自然科学的根拠)-」)

    気候変動が世界に与える影響とは?


    気候変動は世界にどのような影響を与えるのでしょうか。
    まずは、世界の平均気温の上昇です。
    現段階で、世界の平均気温は産業革命前(18世紀中旬以前)よりもすでに1℃上昇しています。日本の年平均気温でいえば、1898~2014年の間で100年あたり約1.15℃の割合で上昇しています。
    そして、世界平均気温が上昇するにつれて、ほとんどの陸域で日々及び季節の時間スケールで異常が起こると考えられています。

    現象及び変化傾向 21世紀初頭(2016-2035年) 21世紀末(2081-2100年)
    ほとんどの陸域で寒い日や寒い夜の頻度の減少や昇温 可能性が高い ほぼ確実
    ほとんどの陸域で暑い日や暑い夜の頻度の増加や昇温 可能性が高い ほぼ確実
    ほとんどの陸域で継続的な高温/熱波の頻度や持続期間の増加 正式に評価されていない 可能性が非常に高い
    大雨の頻度、強度、大雨の降水量の増加 多くの陸域で可能性が高い 中緯度の大陸のほとんどと湿潤な熱帯地域で可能性が非常に高い

    ほぼ確実:>99%,可能性が非常に高い:>90%,可能性が高い:>66%,どちらかと言えば:>50%
    確信度(証拠の量と一致度):非常に高い>高い>中緯度>低い>非常に低い

    現象及び変化傾向 21世紀初頭(2016-2035年) 21世紀末(2081-2100年)
    干ばつの強度や持続期間の増加 確信度が低い 地域規模から世界規模で可能性が高い(確信度は中程度)
    強い熱帯低気圧の活動度の増加 確信度が低い 北西太平洋北大西洋でどちらかと言えば
    極端な高い潮位の発生や高さの増加 可能性が高い 可能性が非常に高い

    ほぼ確実:>99%,可能性が非常に高い:>90%,可能性が高い:>66%,どちらかと言えば>:50%
    確信度(証拠の量と一致度):非常に高い>高い>中緯度>低い>非常に低い

    つまり、極端に暑い日が増加したり、大雨の頻度が増加したりする可能性があるのです。
    当然、人間への影響は大きいですし、多くの野生生物はこうした環境の変化についていくことができず、減少・絶滅する恐れが出てきます。
    私たち人類や野生生物の絶滅未来を守るためには、気温の上昇を止めることが必要です。

  • 18世紀中旬以前に比べ、世界の平均気温は1℃上がっている
  • 気温が上昇し続ければ8種類のリスクを抱えることになる
  • 野生生物は数が減少または絶滅する可能性が高くなる
  • (出典:環境省 「IPCC 第5次評価報告書の概要 -WG1(自然科学的根拠)-」)

    個人レベルでできる対策をしよう


    今回は気候変動が世界に与える影響について解説しました。
    気候変動の進行を少しでも緩和するために、私たち個人でもできることがあります。

    例えば、日常生活における省エネが一つの方法です。
    省エネ家電を使い、生活に利用するエネルギーを減らすことも私たちにできる対策です。

    また、CO2排出量の少ない公共交通機関を選択することも重要です。
    徒歩や自転車、電気自動車などの燃費の良い次世代自動車を活用することも気候変動の緩和策として効果があります。

    まずは個人レベルから危機感を持ち、気候変動を緩和する対策を始めてみましょう。

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