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気候変動と災害の関係は?自然への影響や今後の予測について解説

産業の発達などから派生する温室効果ガスの排出が、地球における大きな問題となっています。

この記事では、気候変動と災害の関係と、自然への影響、今後発生が予測されていることなどについて詳しく解説します。

持続可能な開発目標・SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」のターゲットや現状は?

気候変動の要因とは

気候変動の要因として「自然要因」と「人為的要因」に大別されます。

「自然要因」は、大気自身に内在するもののほか海洋変動、火山噴火によるエーロゾルの増加、太陽活動などの変化が関係するものです。特に、地球表面の7割を占めるとされる海洋は、大気との間で海面を通じて熱や水蒸気などを交換しており、海流や海面水温などの変動は大気の連動にも影響を及ぼします。

「人為的要因」には人間活動に伴う二酸化炭素などの温室効果ガスの増加、森林破壊などが挙げられます。
二酸化炭素などの温室効果ガスの増加は、地上気温を上昇させ、森林破壊などの植生の変化は、水の循環や地球表面の日射の反射量などにも影響を及ぼします。

さらに近年は、大量の石油や石炭などの化石燃料の消費が起因した、大気中の二酸化炭素濃度の増加に対する懸念も強まっています。

  • 気候変動の要因として「自然要因」と「人為的要因」に分けられる
  • 「自然要因」は、大気自身に内在するもののほか海洋変動、火山噴火によるエーロゾルの増加、太陽活動などの変化が関係するもの
  • 「人為的要因」には人間活動に伴う二酸化炭素などの温室効果ガスの増加、森林破壊など

(出典:気象庁 「気候変動」)

気候変動が要因となり今後予測される自然災害とは


「人為的要因」や「自然要因」によって引き起こされる気候変動によって、自然災害の発生要因になることが懸念されています。

水害・土砂災害

近年は豪雨の増加傾向により、土砂災害の激甚化・形態の変化が懸念されています。例えば、深層崩壊(山崩れ・崖崩れなどの斜面崩壊のうち、すべり面が表層崩壊よりも深部で発生し、表土層だけでなく 深層の地盤までもが崩壊土塊となる比較的規模の大きな崩壊現象)の増加による大規模な被害、河川が堰き止められることによる天然ダムの形成やその決壊による洪水被害、大量の土砂による河床上昇に伴う二次災害などが挙げられます。

2017年に発生した九州北部豪雨は、広範囲にわたる斜面崩壊や、土石流が直接的な災害原因となりました。具体的には多量の土砂が下流域に流出し、河川を埋め尽くす河床上昇を引き起こし、甚大な洪水氾濫を助長する要因となったのです。

気候変動によって、このような豪雨の頻度が増加することで、甚大な洪水被害が全国各地で発生することが懸念されています。

台風による高潮

高潮は、気圧や風によって海面が平常より高くなる現象を指します。
台風による高潮は、内湾の奥で顕著になることが知られ、台風の強度や進行方向によって大きく変化します。

過去を振り返ると日本でも台風によって甚大な高潮被害が発生しており、2004年の台風16号は、瀬戸内地方に高潮による大きな被害をもたらしました。特に香川県高松市では、沿岸の冠水とともに、河川沿いに海水が逆流し、大規模な浸水被害が発生しているのです。

将来の台風の出現特性を日本の各地域まで定量的に予測することは現時点ではまだ難しい状態ですが、一つの試算として、東日本で高潮偏差が増加し、西日本では同程度あるいは減少し、必ずしも全国で一様には変化しないという結果も得られています。

  • 「人為的要因」や「自然要因」によって引き起こされる気候変動によって、自然災害の発生要因になることが懸念されている
  • 豪雨の増加傾向により、土砂災害の激甚化・形態の変化が懸念されている
  • 高潮は、気圧や風によって海面が平常より高くなる現象

(出典:環境省 文部科学省 農林水産省 国土交通省 気象庁 「気候変動の観測・予測及び影響評価統合レポート2018 〜日本の気候変動とその影響〜」 )

気候変動による自然環境への影響

最後に、気候変動による自然環境に対する影響についてまとめます。

海水温の上昇

海洋の温暖化は、1971年から2010年の間に蓄積されたエネルギーの90%を占めます。また1971年から2010年において、海洋表層においても年々水温が上昇しています

深層でも1992年から2005年の期間において、3000mから海底までの層で海洋は温暖化した可能性が高いとされています。
日本周辺の海水温上昇率を見ると、+1.08℃/100年とされており、世界全体で平均した海面水温の上昇率(+0.51℃/100年)よりも大きな値を記録しました。

このような海水温の上昇は、生態系にも大きな影響を及ぼします

日本近海に生息するサンゴは、海水温の上昇とともに褐色藻がサンゴから抜け出し、死んでしまうのです。
死んだサンゴは骨格が白く透けて白化してしまいます。未来に残さなければいけない貴重な生態系に影響を及ぼすのです。

将来予測では、日本沿岸のサンゴの分布に適する水温の海域は北上するとされており、サンゴの形成に適さない酸性化域に生息範囲が強制的に移行。将来的に、日本沿岸の熱帯・亜熱帯サンゴ礁の分布に適する海域は2020年〜30年代に半減、2030年〜2040年代にサンゴが消失すると予測されているのです。

北極海の海氷の減少

北極域の海氷域面積は、1979年以降、減少しています。1年あたりの減少率は北海道の面積にほぼ匹敵します。

世界平均気温の上昇に伴って、21世紀中には北極域の海氷域面積が1年を通じて減少し、海氷の厚さが薄くなり続ける可能性が非常に高いと予測されています。

21世紀末(2081〜2100年)における北極域の9月の海氷域面積は、20世紀末(1986〜2005年)と比較して、RCP2.6シナリオで43%、RCP8.5シナリオで94%減少すると予測されています。特にRCP8.5シナリオでは、今世紀半ばには、北極海の氷が9月にほぼなくなる可能性が高いとされています。

熱帯低気圧の最大風速及び降雨量の増加

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書では、地球全体での熱帯低気圧の発生頻度は減少、または基本的に変わらない可能性が高くなりました。同時に地球全体で平均した熱帯低気圧の最大風速及び降雨量は増加する可能性が高いが、地域別の予測の確信度は低いとされているのです。

最近の研究によると、日本の南海上からハワイ付近及びメキシコの西海上にかけて猛烈な台風(最大風速が59m/秒以上)の通過が増加する可能性が高いとの予測が報告されています。

  • 海洋表層において、年々水温が上昇
  • 北極域の海氷域面積は、1979年以降、減少
  • 地球全体で平均した熱帯低気圧の最大風速及び降雨量は増加する可能性が高い

(出典:環境省 文部科学省 農林水産省 国土交通省 気象庁 「気候変動の観測・予測及び影響評価統合レポート2018 〜日本の気候変動とその影響〜」 )

気候変動への対策が急務


気候変動が進行することによって、私たちの生活を大きく揺るがしていくかもしれません。
まずは、気候変動の現状を知った上で、身の回りの小さなことから改善していくことが大切です。

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