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老後破産をしてしまう原因や今からしておきたい対策とは?

この記事を要約すると

近年、高齢者の貧困が問題となっているなかで「老後破産」という言葉があります。
これは、高齢者が貧困により破産状態の生活を送らざるを得ないような状態を言います。
老後に生活していく資金がなくなったり、家賃を支払えなくなってしまったりと、これらはどうして起こるのでしょうか。

ここでは老後破産の原因やそうならないための対策について紹介していきたいと思います。

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老後破産とは


老後破産は現在増加し続けている社会問題で、2014年時点で約200万人の高齢者が老後破産に近い状態で生活をしているとされています。

現在単身世帯の高齢者が600万人ほどで、そのうち生活保護を受給している人数が100万人ほど、300万人ほどが貧困状態にあり、残り200万人が破産状態に陥っているのです。

現役世代にある程度貯蓄をしており、定年退職時には退職金を得た高齢者でも、その後10年、20年と生活をしていくうちに資金が不足してきて生活が苦しくなってきているという現状があります。

破産状態に陥ってしまうと病気やケガの際にはさらに貯蓄が減少し、仕事をしている場合であれば、それもできなくなって収入がさらに減るというリスクがあります。

(出典:総務省統計局公式サイト)
(出典:厚生労働省公式サイト)

老後破産や高齢者貧困に陥ってしまう原因は?


ではどうして高齢者貧困、老後破産という状態に陥ってしまうのでしょうか。

男性、もしくは結婚している女性の場合は定年まで会社勤めをしていた場合はその間に貯蓄をしていくことが理想とされています。
つまりこの間は収入が支出を上回っている状態になっているために貧困に陥る可能性は低くなります。
そして定年退職をした後の収入は多くの場合、公的年金に頼ることになります。

年金の受給額は多くの場合、仕事をしていたときの収入と比べると少なくなります。
基礎年金だけであれば月額7万円弱、厚生年金を合わせても15~18万円ほどです。

収入がこのように減っても支出が急に減るわけではありません。
このように定年後の家計は「赤字」になることが多いのです。

この赤字を埋めていくのが現役時代にしていた貯蓄や退職金です。
しかし貯蓄や退職金はいつまでもあるわけではありません。
それらが底を尽きたときに貧困、破産という状態になってしまうのです。
その他にも貧困、破産状態になってしまう原因があります。
ここではそれらについて紹介していきます。

賃金の伸び悩み・下落

最近では定年後にも再任用や嘱託という形式で仕事を続ける場合があります。
また、別の仕事を非正規雇用などで行うことも増えています。

これは昔と比べて定年後の年齢でも健康的に元気な人が多く、まだ仕事をすることができるという状態であることが関係しています。

しかし、そういった状態での勤務は現役のときよりも安い賃金になることがほとんどです。
再任用や嘱託の場合は、時短勤務であったり、役職には就けないということが多く、月収や年収は大きく下がります。

非正規雇用の場合は時給や日給で計算されることが多く、この場合も現役の正規雇用だったときと比べると急激に収入は低下することになります。
こうして勤労収入が大きく減ってしまうことが貧困につながっているのです。

非正規雇用

上記で述べたように非正規雇用の収入は現役のときよりも大きく下がります。
最近ではネットにもシニアワーク専門のものがあったり、ハローワークで特集されているものなど高齢者の仕事は多く求人が出ています

しかしその多くは時給や日給制の非正規雇用であり、やはり月収や年収としては物足りない金額であることが多いのです。

病気やケガ・身体の不調

高齢者にとって病気やケガは大きなリスクとなります。
高齢者の医療費は現役のときよりも安くなることが多いのですが、病気になる頻度が高くなったり、大きな病気の場合は公的保険では賄いきれないこともあります。

そして病気やケガの間は働くことができず収入が低下するということも加えて、症状が重い場合には介護の問題も出てきます。
在宅介護では足りなくなってくると介護施設やデイサービスなどの利用を行う必要が出てきますが、こういった費用も出費として考えなければならないのです。

年金額が不十分

まずゆとりのある生活を営んでいくためには現在の年金額ではそもそも足りていないということがあります。
それに加えて、現役世代に厚生年金を支払っていなかった人はその給付を受けることができずにさらに額が下がってしまうということにもなります。

(出典:独立行政法人科学技術振興機構公式サイト)

生活保護受給者に高齢者が占める割合は増加


これらの事情から高齢者の貧困率、破産率はどんどん増加しており生活保護を受給している人の中で65歳以上の高齢者の割合が高くなっている傾向があります。

2017年2月時点では生活保護受給世帯数は約164万世帯。高齢者世帯の増加により、世帯全体は増加していますが、高齢者以外の年代については世帯数が減少傾向にあります。
つまり、高齢者以外の世帯数の減少数を上回る勢いで高齢者の生活保護受給者が増えていることがわかります。

1989年(平成元年)には30万人にもおよばなかった高齢者の生活保護の受給者ですが、2015年にはおよそ96万8,000人ほどとなり、生活保護受給者全体の45.5%を65歳以上の高齢者が占めています
この数は少子高齢化が進むとともに今後も増えていくことが予想されているのです。

(出典:厚生労働省公式サイト)

老後破産を避けるためにしておきたい対策


では老後破産を避けるためにはどういった対策をしなければならないでしょうか。
ここではその対策について紹介していきます。

就労している間にできるだけ貯蓄する

現役世代の間にどれだけ貯蓄できるかどうかが大きなポイントと言われています。
住宅ローンや子どもの教育費などがかかっているあいだは貯蓄は難しいと言われますが、少額でも貯蓄していれば大きな額となっていきます。

しかし、この時期に教育費に制限なく使っていてまったく貯蓄ないというケースが増えていたり、晩婚などによって子どもが生まれるのが遅かった場合には定年退職時期まで教育費がかかるということもあります。
この場合は特に計画性が必要です。

また、住宅ローンの支払いが終わった後や子どもが成長した後などは貯蓄を増やす大きなチャンスです。

住宅ローンは定年までに返済しておく

マイホームを購入するときの住宅ローンは家計にとって大きな支出です。
これが定年後にも残っていると、収入が大きく減った後もローンを支払い続けることとなり、家計にも大きな負担となります

マイホームを購入する際には老後の資金を考えた上でローンを組む必要があります。
また、できる限り定年退職までにローンが終了するように組むのがポイントと言えるでしょう。

定年後の人生設計をしておく

定年後には収入が大きく減るために、貯蓄を切り崩していくことになります。
その時期や金額をしっかりと踏まえた上で計画的に家計を考えていかなければいけません
どれだけお金がかかるのか、どれだけ貯蓄していかなければならないのかを設計していくのです。

何にどれくらいかかるかわからない、どうやれば貯蓄できるかわからないという場合には専門家であるファイナンシャルプランナーに相談するのも良いでしょう。

健康を意識した生活を心がける

老後で計画を狂わせてしまうのは健康に関することです。
治療費や介護費用がかかる上に、勤労収入がなくなってしまうような恐れもあります。

まずは健康を第一に考え、もしものときに老後資金を考える際に医療費、介護費のことも加えることができればより良いでしょう。

しかし病気やケガには防げない部分もあります。
そんなときのために保険に加入して、それを最大限に活用するという方法があります。

老後のために今からできることを考えよう


老後の生活については、誰もが考えておくべき課題です。
老後に向けて、何事もなく健康で迎えられたとしても、生活していくためには資金が必要です。年金制度が今のまま保たれる補償もありません。就労している間に老後に向けた貯蓄をすることはもちろん、健康を害した時のための保険など、今できることもたくさんあります。

老後破綻を避けるため、またゆとりある生活をするために、今からできることを考えておくと良いでしょう。

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