地域で活動するこども食堂は、地域の子どもたちに食事を通して居場所を提供しています。
こども食堂は子どもたちに食べ物を提供します。子どもたちが安心して食事を楽しみ、居場所を見つけるためには継続して実施することが重要で、安全・安心への最新の注意が必要です。
こども食堂とは?目的やメリット、これからの課題、支援方法などについて解説
また、こども食堂の活動に貢献したいと少しでも思う人は、まずは30秒の無料支援をスタートしてみませんか?
約30秒のアンケートに回答いただくと、こども食堂を支援する団体に10円の支援金が届きます。記事を読み進める前にぜひお試しください!
\たったの30秒!/
こども食堂はどんなところ?
こども食堂は子どもたちへの食事の提供をはじめ、子どもの「孤食」を防ぐ場として、そして地域のつながりや連携を作る場としても活用されています。
また食事の提供だけでなく、子どもたちへの学習支援、親たちの子育ての不安を解消、食事を作る負担の軽減をする役割も担っているほか、子どもや大人、学生や高齢者など多様な年代の人が関わることでお互いの居場所ができ、地域のつながりや連携をつくりだしているのです。
自主的な活動として始まったこども食堂は、地域のニーズによって、また、運営の方法によって様々な形になります。そのため安全と安心への取り組みも地域、それぞれのこども食堂の特色によって異なります。
子ども食堂の運営は、主にNPO法人などの非営利団体やによって行われています。
アレルギーを持っている子どもには、こども食堂はどう対応する?
アレルギーは半世紀前まではほとんどなかったといわれていますが、現在患者は増加傾向にあります。
アレルギーの一つである食物アレルギーも同じく増加傾向にあり、日本では、乳児で5〜10%、幼児で5%、学童期以降で1.5〜3%の人が何らかの食物アレルギーを持っているとされています。
子どもたちへの食事を提供するこども食堂は、地域のニーズや運営によって形態が異なるため、食物アレルギーに対応した食事を提供するかどうかはも運営団体の方針によって違います。アレルギーへの対応には事前にこども食堂への相談が必要です。
全国の子ども食堂のサポートを行うプロジェクトでは「こども食堂安心手帖」を作成しており、こども食堂を安心して続けていくために、運営する上で気を配らなくてはならないことをまとめています。
食物アレルギーを持つ子どもに対応するための手順などについても記載されているため、参考にしてはいかがでしょうか。
(出典:総務省「乳幼児の食物アレルギー対策に関する実態調査」)
(出典:全国食支援活動協力会「こども食堂あんしん手帖」)
アレルギーに対応するこども食堂の調理・片付けとは?
食物アレルギーに対応するために必要なことは何でしょうか。
地域で不特定多数に食事を提供する場合、こども食堂の運営者は自分の立ち位置を決めて対応の度合いを判断します。
アレルギーに対応していない場合でも「アレルギー対応していない」と明確に伝えることも責任ある方法です。
どのような対応をするとしても「調理にどんな食品・食材を使ったか」は最低限把握しておく必要があります。
アレルギー対応をしないという方針からきめ細やかに対応をするまで、「どこまでやるか」は運営者の余力や活動場所などによって様々です。
まずは食物アレルギーの対応方針を決めましょう。
以下の3点を確認しておきます。
基本方針が決まったら以下の対応を進めます。
食物アレルギーへの対応をしない場合
「対応していない」ということをはっきりと示し、参加者にもはっきりと伝えます。
繰り返しになりますが、対応をしない場合でも「調理にどんな食品を使ったか」は最低限把握し、食材情報の管理や事故の際の対応などを統括する責任者を決めておくと良いでしょう。
食物アレルギー対応をする場合
参加者の食物アレルギーを把握します。
アレルゲンは人によって様々ですが、中でも特にアレルギーが起こりやすいとされている食品があります。
発症度、重篤度から考えて、表示する必要性が高いものとして表示が義務化されている「特定原材料」の7品目と可能な限り表示することが推奨されている「特定原材料に準ずる20品目」があります。
参加者から質問があった場合には使用した食材について、正確な情報に基づいて説明をしましょう。
これらの情報はスタッフ全員で共有し、対応方法もスタッフ全員に伝えておくことが大切です。
(出典:厚生労働省「食品表示について」)
調理中の注意
調理中はアレルゲンの混入に注意しましょう。混入の可能性がある場合は必ず参加者に伝えます。
また、調理をする順番も工夫する必要があります。
例えば先にアレルギーに対応した料理を作り、器に入れてふたやラップをしておきます。他の料理との混同を避けるなどの方法があります。
あと片付け
あと片付けの際は次のことに注意しましょう。
アレルゲンを間違って口にしないよう、食べ残しやゴミはすぐに片付けます。
また、アレルギーの原因物質を吸い込んだり、皮膚から体内に入ってアレルギーを起こすこともまれにあるため、部屋の掃除もこまめにしましょう。
(出典:全国食支援活動協力会「こども食堂あんしん手帖」)
こども食堂はアレルギーにどのように対応している?
実際に活動しているこども食堂ではどのような対応をしているのでしょうか。いくつかの事例を挙げてご紹介します。
事例1
A食堂では、除去食でアレルギーに対応しています。活動当初から乳、卵、小麦、そば、エビ、カニを除去しており、牛乳の代わりに豆乳を使い、カレーなどのルーを使用する場合には、小麦粉不使用のものを使います。
初めての参加者には名前、連絡先の他、アレルギーについても聞いています。
除去している食材以外のアレルギーの人が来たら代替食で対応しています。
事例2
B食堂は予約制で開催しています。予約の時に食物アレルギーについて聞き、アレルゲンを除去します。その子どもに合わせた食事を提供しています。
アレルギー対応をしていないところでもアレルギーの有無を尋ねていることが多く、対応できないことを示しつつできる範囲で気を配っています。
事例3
C食堂ではアレルギー対応はしていませんが、名簿に記入してもらう際にアレルギーの有無を聞いています。
アレルギーのある子どもにはアレルゲンを聞いて、その食材の使用の有無を伝えています。アレルゲンが入っている場合は、食べないようにしてもらっています。
事例4
D食堂ではアレルギー対応はしていません。毎回、受付スタッフ用にアレルギーの一覧表を作成しています。
事例5
E食堂ではアレルギー対応はしていませんが、3ヶ月分のメニューを先に決めて町内会の回覧板で回し、保護者とお子さんに参加を判断してもらっています。
また、アレルギーの人が多い乳製品や卵の使用を抑えられるようにメニューを決めています。時には近所の学校の栄養士にメニューのチェックをしてもらうこともあります。
活動日当日はゆで卵を自分で盛り付けられるようにするなど、参加者自身が食べられない食材を避けられるような工夫もしています。
(出典:全国食支援活動協力会「こども食堂あんしん手帖」)
子どもがアレルギーを持っていても、事前に相談してみよう
ここまで見てきたように、個々のこども食堂によってアレルギーへの対応は様々です。
子どもが食物アレルギーを持っていても参加をあきらめるのではなく、まずは事前に相談してみましょう。