2019年に第7回TICAD(第7回アフリカ開発会議)が横浜で開催されるなど、最近注目されているアフリカ。
以前は、貧しい場所や援助の対象という見方が多かったですが、経済発展しているビジネスチャンスがある場所、という見方もされてきました。
今回は、そんなアフリカの状況について紹介します。
アフリカの貧困が子どもたちに与える影響は?どんな支援が行われている?
また、貧困問題に関心があるという方は、簡単30秒でできるアンケートに応えて、問題について理解を深めながら支援してみませんか?
約30秒のアンケートに回答いただくと、貧困解消のために活動する団体に10円の支援金が届きます。記事を読み進める前にぜひお試しください!
\たったの30秒!/
アフリカはどんな地域?
アフリカは世界の面積の22.2%を占めており、国連加盟国の50以上もの国が集まった大陸です。
アフリカ大陸、全54か国の合計の人口は2018年時点で12億7,600万人で、2050年には約25億人、世界全体の4分の1になると予想されています。
また、世界から注目されているもう一つの要素は、アフリカ大陸の経済成長度です。
先進国が低成長や衰退を見せる中で、アフリカの経済成長は高水準を維持しています。例えば、アフリカの平均実質GDP成長率は、2014年3.7%から2015年3.6%になり、世界の平均3.1%を上回りました。
しかしながら、GDPの全体量を見ると、世界に比べてまだまだ少ないのが現状です。特に、サブサハラ・アフリカ地域は、世界と比べて著しく低く、世界の中で最も貧しい地域です。
(出典:外務省「アフリカの現状と日本の対アフリカ政策」)
(出典:公益財団法人 日本ユニセフ協会 公式サイト)
(出典:アフリカ開発銀行グループ「アフリカの経済とトレンド」)
- 以前は、アフリカは貧しい場所や援助の対象という見方が多かったが、経済発展しているビジネスチャンスがある場所という見方もされてきた
- アフリカは世界の面積の22.2%を占めており、アフリカ大陸、全54か国の合計の人口は2018年時点で12億7,600万人、2050年には約25億人、世界全体の4分の1になると予想されている
- アフリカの経済成長は、高水準を維持しているがGDPの全体量を見ると、世界に比べてまだまだ少ない
アフリカの貧困率とその原因
2019年時点で、アフリカは世界で一番貧困な地域です。
世界銀行によると、世界の人口の10%である7億3,600万人が、一日1.90ドル以下で生活し、貧困に苦しんでいます。
中でも、2015年の統計によれば貧困層の半数以上がサブサハラ・アフリカ地域に住んでいます。
サブサハラ地域以外での貧困率の平均値が1.5~12.4%ですが、サブサハラ・アフリカでは約41%が貧困ライン以下となっていることからもわかる通り、この地域の貧困は深刻です。
以下の図では世界の中で貧困率が高い地域を表していますが、アフリカ大陸が一番青くなっており、また、貧困の格差が広がっている国も多くあります。
図:地図で見る世界の貧困率 2015年
貧困の理由は複雑に絡み合い、また地域や家庭ごとに異なるので、簡単に説明できません。しかし、挙げるとすれば、以下の問題が代表的に上げられると思います。
人的資本の弱さ
教育が不十分であったり、栄養失調など健康面で働けなかったりするため、競争力を持った人材をビジネスに投資するのが難しく、経済的な競争率をあげることができません。
ハンディキャップのあるクリエーターの商品に特化した通販サイト。お買い物で障がい者福祉や作り手を応援
厳しいビジネス環境と貿易条件
他の諸国に勝てる輸出品が少なく、外貨獲得の手段があまりありません。
そうなると国内のお金が少なくなり、国内で少ないパイを取り合う事態になります。
また税金を集めにくいため、政府の財政が少なく、公共政策を充実させることが難しくなります。
不十分なインフラ
電気や水、インターネットなど、生活やビジネスにおいて必要なものが安定的に供給されないために自国のビジネスが発展せず、外国からの投資も進みません。
蔓延する汚職問題と国際的な援助の存在
汚職のため、国際的な援助金が正しく使われないことで、逆に国内の貧困格差が維持されてしまうことにつながります。
また国が援助に頼り切る性質になることで、援助慣れを引き起こし、自助努力を阻害する原因になります。
問題はたくさんありますが、このような背景がアフリカの貧困問題を引き起こしています。
(出典:世界銀行「世界の貧困に関するデータ」)
- 2019年時点で、アフリカは世界で一番貧困な地域
- サブサハラ地域以外での貧困率の平均値は1.5~12.4%になっており、サブサハラ・アフリカでは約41%が貧困ライン以下となっている
- 貧困の理由は、教育が不十分であったり、栄養失調など健康面で働けなかったりするため、経済的な競争率をあげることができない。また不十分なインフラや汚職問題があり、援助金が正しく使われないことで、逆に国内の貧困格差が維持されてしまっている
アフリカが貧困から脱却するための解決策
主な3つの支援、対策について見てみましょう。
農村地域への支援
一つ目は、農村を支援対象とすること。なぜなら、世界の貧困層の大半は農村に暮らしているためです。
アフリカの多くの国の主要産業は農業で、貧困者の多くが農村で農業に従事しています。
それゆえ、アフリカ地域の経済の発展は、農業の成長と切っても切れない関係があります。
例えば、マラウイはGDPの84.7%を農業から生み出しており、83.4%の実行は農村エリアに住んでいて、その数字は2007年からあまり変わっていません。
そして、農村の農民は高い貧困率と割合が高い一方で、低い農作物の生産性に苦しんでいます。
農業を援助することで貧困者の収入が拡大し、それが農村エリアでの需要を引き上げ、消費を促し、その結果他の産業も併せて発展させることができます。
農村エリアの農業への支援が、国全体の経済発展につながっていくのです。農業の支援は今まで後回しにされ、ビジネスや構造改革の支援が中心でしたが、近年また農業分野への支援が注目され始めています。
女性への支援
女性は社会的に男性より弱い立場になりやすく、識字やビジネススキルも男性より身に付けられずに貧困に苦しむことが多いです。
また、女性を対象にした支援は、安定した食料の確保や、子どもの健康上の向上につながる傾向にあること。女性は、家族や子どもの世話を担うことが多く、得たお金を子どもの教育や健康に投資しやすいのです。そのような背景から、社会的に弱い立場にある貧困女性を対象にした、ビジネス支援や現金給付政策(Cash transfer)など様々な取り組みが行われています。
汚職や国際援助の見直し
汚職を考慮した国際援助の見直しです。
近年、中国をはじめブラジル、ロシア、インドのBRICsが援助に参画し、日本を含めたDAC(OECD開発援助委員会)の伝統的な援助の枠組みが変わりつつあります。
徐々に民間セクターとコラボレーションした援助の枠組みも促進されています。
中国が行うアフリカへの援助(ビジネス)には賛否両論あると思いますが、援助の国際バランスが今後代わっていくのは避けられません。
汚職によって上手くいかなかった国際援助を改めて、新しい援助の形を考えていくときが来ているのではないでしょうか。
(出典:ワールド・ビジョン・ジャパン「開発途上国の貧困問題解決のため私たちにできる3つのこと」)
- アフリカの多くの国の主要産業は農業で、貧困者の多くが農村で農業に従事している
- 農業の支援は今まで後回しにされ、ビジネスや構造改革の支援が中心でしたが、近年ま た農業分野への支援が注目されはじめている
- 女性は社会的に男性より弱い立場になりやすく、識字やビジネススキルも男性より身に 付けられずに貧困に苦しむことが多い
アフリカで貧困で苦しむ人々のために行われている支援とは
厳しいアフリカの環境に対し、様々な形で支援が行われています。
日本がアフリカへ行っている貧困対策・支援
日本は、TICAD(Tokyo International Conference on African development、アフリカ開発会議)を中心に、長年アフリカの抱える問題に積極的に取り組んでいます。
国際社会との協調の下で、アフリカ連合などを通じたアフリカ自身の取り組みを後押しする枠組みとして、日本は国連や国連補助機関、世界銀行、アフリカ連合委員会(AUC)などとの取り組みをアレンジする役割も果たしています。
国際機関がアフリカへ行っている貧困対策・支援
国際機関にとっても、アフリカは長年優先度の高い地域として指定され、援助が続けられてきました。
2002年には国際機関の援助額全体の38%をアフリカが占めており、世界最大の援助対象地域です。
様々な国際機関が、それぞれの方法でアフリカにアプローチしています。
(出典:国際連合広報センター 公式サイト)
食糧提供・改善
国連の食糧農業機関は、飢餓へのグローバルな取り組みの先頭に立ち、食糧安全保障、つまり人々が十分で良質な食糧を毎日得られるような活動を行っています。
貧困など根本的な環境改善
国連開発計画(UNDP)は、貧困を削減し、良い政治を促進させ環境を保全する様々なプロジェクトを実施しています。
NGO・民間セクターがアフリカへ行っている貧困対策・支援
最後に注目すべきが、NGOや民間セクターなどのアフリカへの援助の存在です。草の根レベルで、より現地に寄り添った支援を提供しています。
アフリカ諸国の子どもたちの環境改善の支援
例えば、とある国際NGOはエチオピア、ウガンダ、ケニア、コンゴ共和国、タンザニア、マラウイ、ルワンダ、ソマリア、スーダンをアフリカの支援国とし、子どもたちを取り巻く環境改善を促進し、一人ひとりが健康や幸せを享受することができる社会を目指して活動しています。
(出典:ワールド・ビジョン・ジャパン「開発途上国の貧困問題解決のため私たちにできる3つのこと」)
- 日本は、TICAD(Tokyo International Conference on African development、アフリカ開発会議)を中心に、長年アフリカの抱える問題に積極的に取り組んでいる
- 2002年には国際機関の援助額全体の38%をアフリカが占めており、世界最大の援助対象地域
- 様々な国際機関が、それぞれの方法でアフリカにアプローチしている
ハンディキャップのあるクリエーターの商品に特化した通販サイト。お買い物で障がい者福祉や作り手を応援
私たちにもできることを考えてみよう
アフリカについて興味を持ち発信することで、周りの意識も変えていくことができます。
また国際機関などで寄付などの支援を募っているので、少額でも寄付することでアフリカの人々の大きな支えとなるため、私たちにできることから少しずつ考えて、行動してみてはいかがでしょうか。