アフリカ(貧困)

アフリカで深刻な貧困の状況は?原因や解決策、必要な支援について解説

近年、アフリカは経済成長などによって注目が集まっています。以前は、「貧しい場所」「支援の対象」と見られていましたが、近年アフリカに対しての見方が変わってきています。

アフリカはどんな地域なのか、貧困の状況やその原因、解決策や支援について解説します。

アフリカの貧困が子どもたちに与える影響は?どんな支援が行われている?

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アフリカはどんな地域?

アフリカは世界の面積の22.2%を占めており、国連加盟国の27.6%(54か国)もの国が集まった大陸です。

人口は2006年時点で約9億人で世界人口の14%を占めていましたが、人口増加率は世界一で、2050年には世界の20%を占めると推定されています。そのため、将来は巨大市場になることが期待されています。

アフリカ大陸の20の国が2004年から2006年のGDP経済成長率の平均が5%を超え、インフレ率が10年前の5分の1になり、経済実績は良い状態を示しています。しかし1日1ドルで生活する人が2004年時点で全人口の41.1%、18か国で飢餓率が35%を超え、依然として貧困問題は深刻な状態です。

また世界から注目されているもう一つの要素は、アフリカの経済成長度です。先進国が低成長や衰退を見せる中で、アフリカの経済成長は、世界的・地理的な逆風にもかかわらず、高水準を維持しています。

アフリカの平均実質GDP成長率は、2014年3.7%から2015年3.6%になり、世界の平均3.1%を上回りました。また、エチオピア、タンザニア、ルワンダ、コートジボワール、コンゴ民主共和国など(実質GDP成長率7%以上、2015年)世界の最も成長率の高い国が数多く存在しています。

しかし人口が増え続ける一方で、世界的に見ると産出率がまだ少ないのが現状です。

また経済の急成長にもかかわらず、アフリカの貧困者の数は増加しており、格差は広がっています。多くの人々に生活手段を与えるセクター(農業や小企業等)の構造的な改革が必要だと考えられており、教育や、貧困層へのサポート、生産性の向上、政治のアカウンタビリティ向上など、課題が多く存在します。

アフリカは、人口増加や経済の急成長に期待は集まっているものの、世界に比べて生産性は低く、貧困対策や構造的な改革が重要な大陸です。

(出典:外務省「参考資料:アフリカの現状と日本の対アフリカ政策」)
(出典:アフリカ開発銀行グループ「アフリカの経済とトレンド」)

サブサハラ・アフリカとは

国際連合の定義によると、サブサハラ・アフリカはアフリカのうちサハラ砂漠より南の地域、つまり北アフリカを除いた国々(ただしスーダンは含む)の総称を指します。

北アフリカは他のアフリカの国より発展している傾向にあり、それを除くサブサハラアフリカは、世界で最も貧しい地域です。ただ、それだけ今後の伸びしろは大きく、最後に残された開拓地として注目されています。

サブサハラ・アフリカの2019年現在の人口は約10億人であり、中国やインドよりも少ないです。
しかし国連の人口推計によると、今後は人口増加に伴い、2035年には中国とインドを抜き、2070年には中国やインドの2倍ほどまで増加すると予想されています。

(出典:国際連合「United Nations, World Population Prospects 2017」)

  • アフリカの人口増加率は世界一で、2050年には世界の20%を占めると推定されている
  • アフリカの経済成長度は世界から注目を集めている
  • アフリカの経済成長は凄まじいが、世界に比べて生産性は低く、貧困対策や構造的な改革が必要である

サブサハラ・アフリカの貧困率とその原因

サブサハラ・アフリカは世界や他の新興国地域と比べてGDPが著しく低く、世界の中で最も貧しい地域とされています。
世界の主要新興国地域別の一人当たりGDPでみてみると、サブサハラ・アフリカは中東、北アフリカや中南米、アジア新興国などの地域に比べて、かなり低いことが見られます。

2015年時点で、貧困層の半数強がサブサハラ・アフリカに集中しており、85%以上がサブサハラ・アフリカもしくは南アジアに、残りの15%がそれ以外に住んでいます。また、サブサハラ・アフリカの41.1%が国際貧困ライン以下(1日1.90ドル以下)で暮らしており、近年は北アフリカの極度の貧困率増加も問題となっています。

地図で見る世界の貧困率2015年

(出典:世界開発指標The World Bank「世界の貧困に関するデータ」

上図は、世界の貧困率(2015年、世界銀行)を表しており、サブサハラ・アフリカに貧困な場所が偏っていることがわかります。

(出典:国際通貨基金(IMF)「World Economic Outlook Database」)
(出典:世界開発指標 The World Bank「世界経済見直し」

  • サブサハラ・アフリカは世界や他の新興国地域と比べてGDPが著しく低く、世界の中で最も貧しい地域
  • 2015年時点で貧困層の半数強がサブサハラ・アフリカに集中している
  • サブサハラ・アフリカの41.1%が国際貧困ライン以下(1日1.90ドル以下)で暮らしている

アフリカの貧困が子どもたちに与える影響

貧困はアフリカで暮らす子どもたちに様々な影響や深刻な被害を与えています。

栄養不良

2017年には、世界の9人に1人、8億2100万人が飢餓状態であり、健康で活動的な生活を送るために必要な食料を得られておらず、栄養失調の状況にあります。

2017年に死亡した15歳未満の子どもは約630万人、そのうち5歳未満が540万人を占めています。また、その約半数が新生児です。
5歳未満の死亡原因は予防可能もしくは治療可能なものであり、出産時の合併症、新生児敗血症、肺炎や下痢、マラリアです。

栄養失調は直接の死因ではありませんが、病気にかかりやすくなったり回復できなかったりするのは、栄養失調によって免疫力や体力の低下が原因となります。

栄養失調の恐ろしさは、病気を引き起こす可能性だけでなく、知能や身体の発達を遅らせる可能性があること。小学校に上がっても先生の話が理解できない、集中力に欠けるなど、学業に支障をきたし、学校中退の原因にもなっています。栄養失調は、子どもの未来を閉ざす可能性があると見られています。

(出典:国連世界食糧計画(WFP)「世界の飢餓人口の増加は継続ー最新の国連報告書」,2018 )
(出典:公益財団法人 日本ユニセフ協会「子どもの死亡に関する報告書発表 5歳未満で亡くなる子ども、年間540万人 その約半数が、生後28日以内の新生児 新生児の予防可能な死亡削減へさらなる取り組み必要」,2018)

不衛生な水

アフリカでは、貧困が一つの原因となり、衛生面に問題のない住居に住めず、安全な水を利用できない子どもが多くいます。

2016年、世界で安全な水を手に入れられない人は6億6300万人います。その半数近くが、サブサハラ・アフリカに住んでいます。
多くの家に水道が配備されておらず、下水施設も十分に設置されていない地域が大多数であるため、不衛生な環境から抜け出すことが難しいのです。

子どもたちの多くは、池や川などに頼るしかなく、ようやく水源にたどり着いても、動物の糞尿や泥や細菌などが混じった、飲むのに適さない水であることが多々あります。

汚れた水を飲むことで抵抗力の弱い子どもたちは下痢になることが多いのですが、その下痢こそが乳幼児や子どもの主な死亡原因になっています。
また身体や生活環境を衛生に保てないことで、肺炎など様々な病気に感染しやすくなります。

(出典:公益財団法人 日本ユニセフ協会「どんなに汚くてもこの水を飲むしかない」)

感染症と病気

サブサハラ・アフリカ地域では、依然として感染症が原因となり、多くの死亡者が出ています。アフリカ地域の死亡原因は1位から、HIV/エイズ、下気道感染症、下痢性疾患、マラリア、脳卒中、早産による合併症と続き、多くの死因が感染症です。

三大感染症のHIV/エイズ・マラリア・結核は、特に深刻な問題です。
HIV/エイズでは、例えばアフリカ大陸の東南部に位置するマラウイには、2018年時点で毎年2万8,000人が新たにHIVに感染しているとされ、若者の10人に1人がHIVに感染していると考えられています。

感染の主な経路は性交渉と母子感染です。HIVの知識普及やコンドームの配布などが政府やNGO、国際機関などによって行われていますが、今もなおHIV/エイズは成人の死因の一つとなっています。

またマラリアも深刻な感染症のひとつです。2018年には世界で約2億2,000万人がマラリアを発症し、約43万5,000人が死に至りました。

以下の図は、マラリアの感染リスクのある国を示していますが、サブサハラ・アフリカのほとんどの地域が、感染リスクのある場所となっています。

マラリアのリスクのある国

(出典:厚生労働省検疫所FORTH)

貧困や財政難のため、伝染病予防や医療ケアを充実させる対策が取れず、問題の解決が進まないのが現状です。病気によって働くことができないために収入を増やすことができず、貧しい生活を抜け出せない人が多くいます。

(出典:国境なき医師団「マラウイ:HIVとともに生きる子どもたち。苦しみの先に見えた希望のひかり」,2018)
(出典:厚生労働省検疫所FORTH「マラリアについて」)

教育の機会損失

2017年、世界中で学校に通えない子どもたちは6,100万人いて、半数以上がサブサハラ・アフリカに住んでいます。
そして、貧困は子どもたちから教育機会を奪う、深刻な理由の一つです。

家計が苦しいために、保護者が子どもの勉強より労働を優先させてしまい、家事や兄弟の世話、水汲みで学校に行かせてもらえないことがあります。
また親が十分な教育を受けていないために、教育の大切さを実感できておらず、子どもを進んで学校に通わせないこともあります。

教育は子ども自身だけでなく、その家族や国の未来を変えていく効果があります。
教育を受ける期間が1年延びるごとに、子どもが大きくなってからの収入が10%増加するというデータがあります。また、国の学校教育履修期間が平均的に1年延びると、その国の貧困率が9%下がると言われています。

そんな重要な教育問題に対して、様々な対策が行われているものの、問題は複雑で一筋縄ではいきません。

例えば、退学率の高さは、親の収入だけではなく、学校や教育の質も関わっています。
先生の教える力が足りなかったり、学校がうまく運営されていなかったりするために、子どもが学業にやる気や自信を無くし、退学することにつながります。

(出典:独立行政法人国際協力機構JICA「学校に行けない子どもたち」)
(出典:ワールド・ビジョン・ジャパン「教育と子どもたち」)

  • 5歳未満の死亡原因は予防可能もしくは治療可能なものであり、出産時の合併症、新生児敗血症、肺炎や下痢、マラリアである
  • 世界で安全な水を手に入れられない人は6億6300万人おり、 半数近くがサブサハラ・アフリカに住んでいる
  • サブサハラ・アフリカ地域では、多くの人が感染症が原因で亡くなっている(HIV/エイズ、下気道感染症、下痢性疾患、マラリア、脳卒中、早産など)

日本政府がアフリカに行っている支援

日本は長年、「アフリカ問題の解決なくして21世紀の世界の安定と繁栄はない」という視点のもと、アフリカの抱える問題に積極的に取り組んでいます。

その中心となっているのがTICAD(Tokyo International Conference on African development、アフリカ開発会議)です。

1993年に初めてTICADが開催され、2019年には第7回が横浜で実施されました。
アフリカへの国際援助や協力は、SDGsの達成を中心とする「アジア・アフリカ協力の推進」、「民間セクターと市民社会の参加拡大」、「環境問題への取り組み」、「経済成長の加速化」、「人間の安全保障の実現」など、幅広い分野で行われています。

(出典:外務省「アフリカ開発会議(TICAD)」,2019)

  • 日本は、長年アフリカを支援しており、その中心となっているのがTICAD(アフリカ開発会議)である
  • 1993年に初めてTICADが開催され、2019年には第7回が横浜で実施された
  • アフリカへの国際援助や協力は、SDGsの達成を含めた幅広い分野で行われている

民間や国際機関がアフリカへ行っている貧困対策・支援

国連において、アフリカは長年優先度の高い地域として指定されています。2002年には、開発援助額の38%をアフリカが占めており、世界最大の援助対象地域となっています。

例えば、アフリカで発生する干ばつや、紛争、食糧危機、コレラなどの危機によって命の危険にさらされる子どもたちを救う活動をしています。

2017年、ブルキナファソやモーリタニア、マリ、セネガル、ニジェールの6か国では、重度の栄養失調の子どもの割合が増え、160万人の子どもが栄養不良に苦しんでいます。
NPO・NGOは目の前に迫る危機を食い止めるために、アフリカ栄養危機緊急募金を通じて、この問題に対処する活動を行っています。

他にも、モザンビークやジンバブエ、マラウイで起こっているサイクロンなどの災害や、環境問題などが原因の飢饉に対して、緊急支援を行っています。日本はこのNPO・NGOを通じて、アフリカの飢餓解消に向けて、栄養事業を展開しています。

また国連の補助機関では、近年民間セクターとのコラボレーションも活発に進んでいます。
持続可能な開発目標(SDGs)の達成のために、民間セクターが主導して貧困層のための雇用を創出し、支援を必要とする人に必要な商品・サービスの提供が期待されています。

(出典:国際連合広報センター(UNIC)「経済開発」)
(出典:公益財団法人 日本ユニセフ協会「アフリカ栄養危機」,2019)

  • 国連にとって、アフリカは世界最大の援助対象国であり開発援助額の38%を占めている
  • 2017年、ブルキナファソを含めた6か国では、重度の栄養失調の子どもの割合が増え、160万人の子どもが栄養不良に苦しんでいる
  • NPO・NGOは目の前に迫る危機を食い止めるために、アフリカ栄養危機緊急募金を通じて様々な支援活動を行っている

アフリカの貧困の人々のために私たちができることは?


それでは、私たちがアフリカの人々のためにできる支援は何でしょうか。

アフリカについて知ること

身近でできることは、「アフリカについて興味を持ち、その現状について知ること」です。

アフリカで起こっていることを知る機会はまだ多くありませんが、インターネットや本の情報は増えており、アフリカで実際に活動する人にイベントやSNSを通じて会える機会も増えています。

情報を得た後は、実際にアフリカに行ってみるのも良いでしょう。実際にアフリカで生活する人に会い、話すことで、支援を必要とする人の現状を知ることにつながります。

寄付

アフリカの人々のためにできる2つ目の身近なことは、寄付です。
国連機関やNPO・NGOなど、精力的な支援活動への寄付は、直接現地の人々の生活を助けます。

例えば、大規模な食糧危機によって発生する、栄養失調や感染症で命の危機にさらされている子どもたちを救うための活動が行われています。

そのほか紛争で深刻な飢餓に苦しむ中央アフリカ共和国の人々を援助するための支援や、紛争による食糧高騰などで人々の命綱となる緊急食糧支援を実施するための支援なども呼び掛けています。

    私たちにできること

  • アフリカの現状について情報を拡散、共有すること
  • 国連機関やNPO・NGOなどに寄付すること

少しの気持ちと行動がアフリカの貧困の人々の大きな支えに


アフリカは近年経済発展が注目されていますが、実際には貧困に苦しむ人々がとても多い地域です。

貧困は、教育や健康の問題に深刻な影響を与えています。そして、それによって教育が受けられなかったり、病気になったりすることで、貧困から抜け出せなくなるのです。

日本に暮らす私たちにも、彼らのためにできることがあります。
まずはアフリカで深刻な貧困の現状を知り、行動を起こしてみてはいかがでしょうか。

年間約50万人が参加、
累計2億円の支援金額を達成!

「ちょっといい明日づくり」に挑戦する私たちgooddoと一緒に、まずは無料で社会支援をしてみませんか?

この無料支援は、「世界中の子どもたちの命と健康を守る」ために活動している「公益財団法人 日本ユニセフ協会」に10円の寄付として贈られます。

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この記事を書いた人
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