シリア難民に対する支援の現状は?日本が行うシリアへの支援活動について

シリア(難民)

シリア難民に対する支援の現状は?日本が行うシリアへの支援活動について

シリア内戦によって多くの難民が生まれたシリアに対して、日本政府はどのような支援を行っているのでしょうか。
この記事では、日本が行うシリア難民に対する支援の現状について紹介します。

シリアの難民問題とは?原因や人数、日本におけるシリア難民認定申請の現状

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シリア難民に対する日本の支援の現状

シリア難民に対する日本の支援の現状
シリアでは長年の圧政やアラブの春を契機に、2011年3月以降から政府と反対勢力による激しい戦闘が続いています。居住地や仕事を奪われ、命の危険にさらされて自国にいられなくなったシリア人たちは周辺諸国に逃れ、シリアの周辺国には多くの難民が存在しています。
さらに、紛争により家や財産を奪われたシリア難民は、シリア国内にも数多く存在し、貧困に苦しみながら支援を必要としています。

日本は諸外国に比べて、難民の受け入れ人数が非常に少ない国です。日本の難民申請認定はハードルが高く、2018年に日本での在留が認められた難民認定申請者は82人、そのうちシリア難民は3人という状況でした。
しかし、日本はシリア難民の受け入れ人数自体は少ないものの、シリアに対する資金協力支援活動については積極的に行っています。
まずは、日本がシリア難民に対して行っている支援について理解を深めていきましょう。

(出典:法務省「平成30年における難民認定者数等について」)

シリアから流出した難民等に対する緊急無償資金協力

シリアにおける難民の生命が脅かされる状況を受け、日本では2012年2月、5月、8月の3回に合計1,300万ドルの緊急無償資金協力を行いました。

この緊急無償資金協力によって、シリア国内の避難民だけではなく、ヨルダン・レバノン・トルコといった周辺諸国に逃れたシリア難民に対しても支援が行われています。
日本による緊急無償資金援助は、国際機関などを通じて、医療や食料、衛生用品、毛布や暖房用燃料などの必要な支援が難民などに届けられています。

シリア危機の影響を受ける中東三か国に対する緊急無償資金協力

2018年、日本政府はシリア危機の影響によって劣悪な環境での生活をせざるを得なくなったシリア・ヨルダン・レバノンに対して、合計1,400万米ドル(シリア370万米ドル・ヨルダン400万米ドル・レバノン630万米ドル)の緊急無償資金協力を行っています。

シリアに対しての支援として、東グータ地区など武力衝突による戦闘影響を受けた地域に食料・生活必需品だけではなく、教育などの支援提供を行いました。
約5万人にのぼるパレスチナ難民の生活環境の改善、医療支援によって約43万人のシリア国内避難民の健康状態の改善につながっています。

また、シリア難民が多く逃れたヨルダンでは、シリア難民キャンプの子どもや女性、障がい者などの脆弱な人々への予防接種などを実施しました。
これにより、4万3,000人の健康状態の改善だけではなく、ヨルダン北東部に住むシリア難民約1万2,000件の診察、115万人のパレスチナ難民に医薬品の提供を行えることになったのです。
また、日本からの資金協力では、ごみ処理の強化も行われ、約40万人にのぼるパレスチナ難民の衛生環境の改善につながっています。

資金援助によってレバノンでは、シリア難民約4万人に対して必要な食料が提供され、さらに3万4,000人のパレスチナ難民にも食料の提供が行えるようになりました。
また、約3,000件にものぼる難民の入院治療にも対応できるようになり、人道危機の改善が期待されることになりました。

  • 日本は諸外国に比べて、難民の受け入れ人数が非常に少なく、2018年に在留が認められた難民認定申請者は82人、そのうちシリア難民は3人である
  • 日本による緊急無償資金援助は、国際機関などを通じて、医療や食料、衛生用品、毛布や暖房用燃料などに使われている
  • 2018年にはシリア・ヨルダン・レバノンに対して、合計1,400万米ドル(シリア370万米ドル・ヨルダン400万米ドル・レバノン630万米ドル)の緊急無償資金協力を行った
  • (出典:外務省「シリアから流出した難民等に対する緊急無償資金協力」)
    (出典:外務省「シリア危機の影響を受ける中東三か国に対する緊急無償資金協力」)

    日本が行うシリア難民支援のODA(政府開発援助)とは

    日本が行うシリア難民支援のODA(政府開発援助)とは
    日本は国際協力活動として、シリアへのODA(政府開発援助)を行っています。
    政府開発援助とは、政府・政府関係機関が開発途上地域の開発を目的とした国際協力活動を行う公的資金を指しています。

    日本はシリアや国際機関に対して、資金の贈与や技術提供などを行い、人道支援を含んだ開発を進めています。
    次に、日本が行ってきたシリアへのODAを紹介します。

    (出典:外務省「開発協力,ODAって何だろう」)

    アレッポ保健分野強化支援計画

    2019年のアレッポ(シリアの北部にある都市)保健分野強化支援計画では、ODAとして日本は5.69億円の無償資金協力を行いました。
    この計画では、アレッポ県東にあるアレッポ地区の小児向け基幹病院に対して、新生児保育器やCTスキャン、人工呼吸器といった医療資機材を提供するに至りました。

    日本による医療資機材の提供によって、アレッポや周辺のシリア国内避難民だけではなく、国外からの帰還民や市民に安定した保健医療サービスを供給することが可能となり、シリア国内の人道危機の改善が進むことが期待されています。

    アレッポにおける地域社会のための早期保護支援計画

    2019年のアレッポにおける地域社会のための早期保護支援計画には、ODAとして日本は2.60億円の無償資金協力を行いました。

    この計画では、アレッポ県東にあるアレッポ地域などにコミュニティーセンターを設置し、子ども・女性・障がい者といった脆弱な人々を含んだシリア国内避難民や帰還民など、シリア危機によって影響を受けた人々の保護活動などを支援することになりました。
    難民のニーズに応えた支援を行い、シリア国内の人道危機の改善が進むことが期待されています。

    アレッポ早期復旧及び生計支援計画

    2019年のアレッポ早期復旧及び生計支援計画では、ODAとして日本は4.24億円の無償資金協力を行いました。

    この計画では、アレッポ県東にあるアレッポ地域にて、生産セクターへの資機材提供や小児科病院の修復などの、緊急性のある基本インフラの修復支援を行っています。
    保健サービス提供の強化を行うだけではなく、地域経済の早期復旧支援を行うことで、持続可能な生活支援につながると考えられています。

    そして、アレッポ地域や周辺地域に住むシリア国内避難民や市民の生活環境や基本的な社会サービスの改善が期待されています。

  • ODA(政府開発援助)とは、政府・政府関係機関が開発途上地域の開発を目的とした国際協力活動を行う公的資金
  • ODAでは医療資機材の提供やコミュニティーセンターを設置、緊急性のある基本インフラの修復支援などを行っている
  • (出典:外務省「日本のODAプロジェクト シリア 無償資金協力 案件概要」)

    シリア難民への支援として私たちにできることは?

    シリア難民への支援として私たちにできることは?
    日本政府はシリアをはじめとした様々な国に対して資金援助等の支援を行っています。
    しかし、シリアでの支援に必要な金額はまだまだ不足しているのが現状です。

    シリアの現状や日本の支援活動などを知った上で、シリア難民への支援として、今私たちにできることは何かを一緒に考えてみませんか。

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