ロヒンギャ

ロヒンギャとは?迫害の歴史や難民問題、私たちにできる支援を解説

ミャンマーから逃れ、バングラデシュに74万人以上が避難しているロヒンギャ難民(2017年時点)。

いったい何が原因でロヒンギャへの迫害が激化したのでしょうか。ロヒンギャ難民の実状や緊急支援の経過などをご紹介します。

(出典:国連難民高等弁務官事務所UNHCR「今知ってほしい、ロヒンギャ難民についての5つの事実」)

世界の難民問題の原因や解決策とは?受け入れ国での生活や日本の対応、支援協会の活動は?

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ロヒンギャとはどんな人々?

ミャンマー西部に暮らすイスラム系少数民族

ロヒンギャとは、ミャンマー(旧ビルマ)に暮らすイスラム教を信仰する少数民族の一つです。

主に同国西部のラカイン州に集中して居住しており、100万人以上いたと推定されています。

ミャンマー政府から認められない存在

長い歴史を持つ民族であるにもかかわらず、ミャンマー政府から正式な国籍を与えられていません。そのため、ロヒンギャの人々は「無国籍者」とされ、教育・医療・移動の自由など、基本的な人権を制限されながら生活を余儀なくされています。

また、ロヒンギャはビルマ語とは異なる独自の言語「ロヒンギャ語」を話し、固有の文化や習慣を守りながら暮らしてきました。

しかし、ミャンマー政府は彼らを「バングラデシュからの不法移民」とみなし、国民としての存在そのものを否定しています。

ロヒンギャの迫害の歴史とジェノサイド

難民の女の子

出来事 内容
1982年 国籍法の制定 「ビルマ国籍法」により、ロヒンギャは公式に国民として認められず、無国籍状態に置かれる。基本的な権利が制限されるようになる。
1988年 民主化運動と弾圧 民主化を求める全国的なデモが起こるが、軍政は崩壊した後も強権を維持し、抑圧は続いた。
2012年 民族間の衝突 民政移管から約1年後、ロヒンギャと仏教徒の間で大規模な衝突が発生。多数の死傷者と避難民が出る。
2017年 掃討作戦と大量虐殺 ロヒンギャ武装組織による警察施設襲撃を受け、ミャンマー軍が大規模な掃討作戦を実施。約6,700人が殺害され、74万人以上がバングラデシュへ避難したとされる。
2021年 再び軍事クーデター 民主化の流れが断たれ、再び軍が政権を掌握。ロヒンギャを含む市民に対する弾圧が再び強まった。

ミャンマー(旧ビルマ)の近現代史は、ロヒンギャに対する差別と無国籍化の歴史とも深く関わっています。

1948年、ミャンマーは長らく宗主国だったイギリスから独立を果たしました。しかしその後、国内の安定は長く続かず、1962年には軍部によるクーデターが発生。以降、ビルマ系民族を中心とする軍事独裁体制が築かれ、少数民族への差別が強まっていきます。

ロヒンギャ問題は今に始まったことではなく、ロヒンギャがラカイン州に移住してきたころから差別は根深く存在し続けていました。

特に2017年のミャンマー軍による掃討作戦と大量虐殺は大きな犠牲をもたらしました。ロヒンギャの武装組織によるミャンマーの警察施設の武力攻撃ををきっかけに、ミャンマー軍が徹底的な反撃に出たのです。

その結果、ミャンマー軍がロヒンギャを弾圧するための掃討作戦を開始し、ジェノサイド(大量虐殺)といわれる最悪な結果につながったのです。

2017年8月には武装部隊や暴徒により村全体に火がつけられ、罪のない人々が虐殺されました。たった1カ月で6,000人以上のロヒンギャが死亡したといわれています。

虐殺されたロヒンギャのうち730人は5歳未満の子どもであり、女性や女児は性的暴力の対象ともなりました。
ミャンマー軍のラカイン州掃討作戦は2017年9月5日には終結しましたが、武力に訴えた暴力や殺傷はいまだに続いているとされています

これらの迫害ゆえにロヒンギャは2017年8月以降、74万人以上の人々がバングラデシュに流入していると言われています。しかしそこでの避難生活では十分な食料や水、医療を受けられずにいるのです。

さらに、2021年2月には再びミャンマーで軍によるクーデターが発生し、民主化の動きが大きく後退しました。政情不安が続くなか、ロヒンギャを含む少数民族への人権侵害への懸念も高まっています。

(出典:英国内法務省「国別政策及び情報ノート ビルマ:ロヒンギャ」,2017)
(出典:国境なき医師団(MSF)「6700人以上のロヒンギャ、ミャンマーで殺害される——MSFが独自調査」)

バングラデシュへの避難と難民生活

難民の子供
バングラデシュは、多くのロヒンギャ難民を受け入れてきました。しかし、世界でも有数の人口密度を誇る国であり、これ以上の人口増加には大きな懸念を抱えています。加えて、治安の不安定さや自然災害の頻発、経済基盤の脆弱さも相まって、難民を継続的に受け入れる余裕は限られているのが現実です。

2017年以降にミャンマーから避難してきたロヒンギャ難民はおよそ100万人に達しており、その多くがコックスバザール地区の過密なキャンプで生活しています。難民キャンプでは、食料や水、医療サービスの不足が深刻化。さらに、2025年には国際的な支援減少により配給を削減する事態にもなりました。

このような状況下で、ロヒンギャの人々は依然として過酷で不衛生な環境に置かれ、持続的な支援と解決策が強く求められています。
出典:国連UNHCR「バングラデシュ(ロヒンギャ)」

  • ロヒンギャとはミャンマーのイスラム系少数民族のこと。主にミャンマー西部に住んでおり、国籍を持っていない
  • ロヒンギャはミャンマー軍により激しい迫害を受けている
  • 100万人以上のロヒンギャがバングラデシュに避難をしているが厳しい環境での暮らしを強いられている

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ロヒンギャの人々が迫害されている原因や問題とは


ロヒンギャは、ミャンマー西部ラカイン州に長く暮らしてきたイスラム系少数民族ですが、政府からは「不法移民」と見なされ、1982年に制定された国籍法により国民として認められなくなりました。

その結果、ロヒンギャの人々は無国籍状態となり、教育・医療・移動・結婚といった基本的な人権が制限されるようになりました。

また、ミャンマーでは人口の約9割が仏教徒であり、宗教的な偏見や民族的対立も根強く、社会からの差別や排除も深刻です。さらに、ラカイン州からの移動制限や結婚許可制度、重い課税、財産の没収など、制度的・物理的な抑圧が続いています。

出典:法務省「ビルマ:ロヒンギャ」
出典:Human Rights Watch「ビルマ:差別的な国籍法、改正すべき」

ロヒンギャ難民への緊急支援

2017年8月から9月にかけて急激にロヒンギャ難民が増加したため、バングラデシュでは難民支援の手が追い付かなくなり、世界各国からの支援も必要となりました。そのため国連や世界中のNPO・NGOから助けの手が差し伸べられています。

ロヒンギャ難民に対して行われている緊急支援にはほかにもどのようなものがあるでしょうか。

一例として、ロヒンギャとミャンマー軍が衝突して以来7回にわたる空輸物資支援が行われています。

物資はバングラデシュならではのモンスーンにも対応できるように、12万人以上が使える毛布などの防寒アイテムや防水シートなどが提供されています。
そして弱い立場にある子どもや女性たち、高齢者が支援の手から見過ごされることないように配慮もされています。

空輸物資として支給されたテントや防水シートは難民が使用できるように共同シェルターを設置し、難民生活でもできるだけ安心感を覚え、快適な生活を送れるようにしているのです。

身体や心のケア・医療の支援

バングラデシュは途上国で人口密度が多く、災害が頻発するため国内の情勢や財政、衛生環境などを完璧に管理することができていません。そのため難民が病気になりやすく、せっかく避難してきたにもかかわらず命を落としてしまう恐れがあります。

そうした危険をできるだけなくすために、ヘルスセンターを増設し、コレラなどの感染症を予防するための措置も施されているようです。
さらに精神的な傷を負った難民のケアも行っています。地道で辛抱強いカウンセリングによって、親を目の前で虐殺され深い傷を負った子どもも少しずつ笑顔を取り戻しています。

また、バングラデシュで難民生活を送っている子どものうち保護者と離ればなれになってしまった子どもも多くいるため、そうした子どもたちができるだけ早く親と再開できるように、NPO・NGOは子どもたちから詳細を聞き取りして、他の公的機関やコミュニティと連携してサポートしています。

世界的なロヒンギャ難民への緊急支援は物資を配るだけではなく、難民の声を聞き命を守るために働いています。難民と信頼関係を築くように働きかけ、難民を家庭に受け入れる協力をしている団体もあるようです。

次々に増えていくロヒンギャ難民を安全に保護し、せっかく守られた命を落とすことがないように、そして心もケアすることができるように支援が引き続き行われていくことでしょう。

  • ロヒンギャも守られるべき人権があり、様々な支援が行われている
  • ロヒンギャとミャンマー軍が衝突して以来7回にわたる空輸物資支援により防寒・防水ができる物資などが支給されている
  • 保健や精神的なケアなどの医療支援、家族と再会するための支援なども行われている

(出典:国連難民高等弁務官事務所UNHCR「今知ってほしい、ロヒンギャ難民についての5つの事実」)

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ロヒンギャ難民のために私たちができることはたくさんある

ロヒンギャ難民を支援するために、物資が届けられたり、カウンセリングが行われたりなど様々な活動がされています。
では、私たちにもロヒンギャ難民を支援するためにできることがあるでしょうか。

例えば寄付による支援やボランティアなど、日本で暮らす私たちにも実際にできる支援方法はたくさんあります

寄付による支援

ロヒンギャ難民が生活していくために、お金を寄付することで支援できます。2017年9月頃からバングラデシュに多くのロヒンギャ難民が流入しています。

避難生活では満足な食事もままならないため、栄養失調の子どもたちが多くいます。バングラデシュでは支援に必要な資金が足りなければ、食材の提供が滞り、栄養失調の子どもたちへの支援も削減されてしまうため、子どもたちを救うためにより多くの資金が必要とされています。

ロヒンギャ難民の支援は今も行われていますが、資金が足りなくなると人員削減や物資削減をしなければいけません

そのためにも私たちの寄付が必要です。
毎月少額の寄付を継続的に行うこともできますし、任意の金額を一回だけ、という寄付も選ぶことができます。

私たちの少しの支援が多くの人を助ける力となるのです。

ボランティア

ロヒンギャ難民を支援するためにボランティアとして難民キャンプに行くこともできるでしょう。ロビンギャ難民の多くは衛生面でもバングラデシュの気候や自然災害に関しても知識が浅く、危険にさらされています。

現在、ボランディア育成プログラムとしてサイクロン対策プログラムが行われています。
これ以上、死者を増やさないために、サイクロンのリスクを学び最適な処置ができるようサポートしています。

軍手や長靴、ヘルメットなどは支給されますので、必要なものを持ってロヒンギャ難民を助けるために出掛けることができるでしょう。

また、日本にいながらもボランティアとして活動をすることも可能です。
NPO・NGOのイベントに参加してロヒンギャ難民の支援のために募金を呼びかけたり、問題を周知するためのイベントの手伝うこと間接的に支援活動を行うことができます。

  • ロヒンギャ難民を支援するために、物資が届けられたり、カウンセリングが行われたりなど様々な活動がされている
  • 私たちはNPO・NGOに寄付することで現地の支援活動をサポートすることができる
  • 海外ボランティアへ行ったり、日本で行われているNPO・NGOのイベントに参加するボランティアなどでも支援が可能

ロヒンギャ難民の迫害を知ったうえで私たちににもできること

ロヒンギャはミャンマーで起きた問題によりバングラデシュへ避難しています。しかし、バングラデシュも難民を受け入れるほどの余裕がないというのが現状です。

日本にはロヒンギャ難民を支援している人々や団体がありますが、活動を継続して行うには資金や人材がまだまだ足りていません。

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お手数おかけしますが、お力添えいただけますようお願いいたします。

動画はこちら
この記事を書いた人
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