ここ数年ロヒンギャ難民はますます増加しており、2019年時点で既に91万人以上が難民として苦しい生活を送っています。
ロヒンギャ難民を支援するためにはまず彼らがどういった人々なのか、なぜ迫害が起きたのかを知ることが大切です。
この記事では彼らの生活や迫害が起きた理由について紹介します。
ロヒンギャ難民とは?問題の原因や彼らの生活、必要な支援について詳しく解説
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(出典:ユニセフ「ロヒンギャ難民緊急募金」,2019)
ロヒンギャとは
一般的に「ロヒンギャ」という言葉が指すのは、ミャンマーのイスラム系少数民族とされています。
ロヒンギャ族はインドのベンガル地方(現在のバングラデシュ)に暮らす民族で、言語はロヒンギャ語(ベンガル語のチッタゴン方言の一つ)を話すとされています。民族の人口は推定100万人とされており、イスラム教徒(ムスリム)として何世代にもわたり同国で暮らしています。
ミャンマーのバングラデシュに近い地域に居住していたロヒンギャ族は、現在はバングラデシュに避難していたり、ミャンマーに戻ったりしているために居住地域は両国にまたがっています。
(出典:財務省財務総合政策研究所「ロヒンギャ問題の歴史的背景」,2018)
(出典:英国内法務省「国別政策及び情報ノート ビルマ:ロヒンギャ」,2017)
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ロヒンギャ問題とは?
ロヒンギャの難民問題は第二次世界大戦の前後から長く続いていますが、大きな要因としてはミャンマー連邦共和国により国籍が剥奪され、ミャンマーとバングラデシュから「不法移民」として扱われています。
そのためどの国からも保護されないために難民とならざるをえなくなっています。
ロヒンギャは現在、ロヒンギャ武装勢力とミャンマー治安部隊の衝突という構図が長く続いていますが、ロヒンギャ族が迫害された経緯については第二次世界大戦後までさかのぼります。
1948年、ビルマ(現在のミャンマー)はイギリスから独立し、ラカイン北西部にあったロヒンギャ集住地域を中央政府の直轄地にして、ラカイン人仏教徒から彼らを保護しようと考えていました。
しかし1962年に起こった軍事クーデター以降、状況は一変。国軍主導のビルマ民族中心主義と、それに基づく中央集権的な社会主義体制(ビルマ式社会主義)によって、ロヒンギャに対する扱いが急速に差別的になりました。
不法移民対策と称してロヒンギャ族への抑圧を強め、1978年には20万人から25万人規模の難民が流出しました。
そして1982年に法改正が行われ、改正国籍法(現行国籍法)が施行されました。これにより、ロヒンギャは正式に「非国民」であるとされ、国籍がはく奪されてしまったのです。
そうした状態が継続しており、2012年の6月にはロヒンギャとアラカン仏教徒との間に大規模な衝突が起き、200人以上の死傷者が出ました。
さらに13万人以上のロヒンギャが住む場所を失い、政府によって難民キャンプに強制的に移動させ、そこから出られないようにされたのです。
そして仏教徒過激派組織などを中心にロヒンギャの排斥、国外追放の暴動がしばしば起こり、ミャンマーの軍総司令官はロヒンギャはミャンマーの国民、民族ではなくバングラデシュからの不法移民であると公式に表明しています。
タイやマレーシアなどの周辺の諸国でもロヒンギャは、自らの地域では不十分な生活水準を改善するために地域を移動する「経済移民(生活水準の改善や雇用を求めて別の地域へ移動する人々)」であって「難民」ではないとしており、どこの国にも属さずに保護されていない状況となってしまいました。
(出典:財務省財務総合政策研究所「ロヒンギャ問題の歴史的背景」,2018)
(出典:英国内法務省「国別政策及び情報ノート ビルマ:ロヒンギャ」,2017)
ロヒンギャ問題が発生した理由は?
現在のロヒンギャが問題になっている背景には「昔衝突した因縁」「民族」「宗教」「土地」などが絡んでいます。
世界大戦時にイギリス軍側として日本軍側のアラカン人と激しく衝突した経緯や、ムスリムであるロヒンギャと仏教徒であるアラカン人という宗教の違いなどが挙げられるでしょう。
そうした背景があり、ビルマ(ミャンマー)が市民権法を制定して国内を整えていく際に国民として認められなかったことが現在まで響いています。
そして2017年8月、ミャンマーのラカイン州北部で新たに激しい衝突が勃発。ロヒンギャの人々は隣国のバングラデシュへ避難を始めました。
ラカイン州北部での衝突の際、一般の市民が激しい暴力や性的暴行を受け、家族を殺されたり家屋を焼かれるなど残虐な行為を受けたとの証言がされています。
これによりロヒンギャの難民問題がさらに浮き彫りとなり、世界的な問題となりました。
(出典:英国内法務省「国別政策及び情報ノート ビルマ:ロヒンギャ」,2017)
ロヒンギャ難民たちは多くの支援を必要としている
2017年の夏にミャンマーで激化した暴力から逃れるために、少数民族のロヒンギャの人々が隣国のバングラデシュに逃れてから2年以上が経過。
2019年時点では避難したロヒンギャは91万人にものぼっています。
難民が避難しているキャンプでは、人々を保護するために援助物資が空輸で行われており、シェルターや毛布、ビニールシート、家族用のテントなどが運ばれています。
また、難民の中には保護者がいない子ども、乳幼児を抱える女性、身寄りのない高齢者なども多く、専門の保護チームによるケアも行われています。
そして、多くの人が密集して暮らすキャンプでは、水の確保や衛生面を改善することで病気の予防や子どもたちが教育を受ける機会の増幅につながり、教育の支援を行うことが貧困から脱する要因となるなど、支援活動は横断的に行う必要があるのです。
そのため、難民キャンプでは「水と衛生」「保健」「栄養」「教育」「子どもの保護や開発のためのコミュニケーション」など多岐にわたる支援活動が行われています。
以下は具体的に行われている支援活動の内容です。
栄養 | ・5歳未満の子どもに急性栄養不良の治療を提供する ・生後6-59ヶ月の子どもにビタミンAを投与する |
保険 | ・生後0-11ヶ月の子どもにワクチンを接種させる ・病気の新生児を治療する |
水と衛生 | ・国内の基準を満たす安全な水を利用できるようにする ・基準を満たす衛生的なトイレを利用できるようにする |
教育 | ・4~14歳の子どもが乳幼児期の子どもの教育を含め、教育を受ける ・15~18歳の青少年がライフスキルを学び、学習、雇用やエンパワーメントの向上について学ぶ |
開発のためのコミュニケーション | ・個別訪問のメッセージや対話を通じて重要な健康のための行動や保健、栄養、水と衛生、教育と子どもの保護などの分野のサービスの紹介を受ける |
(出典:ユニセフ「ロヒンギャ難民緊急募金」,2019)
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ロヒンギャ問題の原因や現状を知ったうえで私たちにもできること
ロヒンギャ難民はここ数年でさらに増加しており、過酷な環境での生活を強いられています。
難民キャンプでは、安全な水の供給やトイレの設置、ワクチン接種、教育などの支援活動を行っていますが、まだまだ活動資金や人材が足りず支援が行き届いていません。
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