紛争は世界の様々な地域で起こり、特にアフリカでは頻繁に起こっていました。
現在はその数こそ減ってきているものの、未だに継続している地域や、激化している紛争もあり、解決の糸口が見えていないものもあります。
なぜアフリカで紛争が起こるか、そして紛争を解決する方法はあるのでしょうか。
この記事ではアフリカで起こる紛争の理由や解決策などについて紹介します。
アフリカで起きている紛争の地域は?原因や現状、必要な支援について解説
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アフリカはどんな地域?
アフリカはヨーロッパの南に位置し、大陸中央には赤道が通っており熱帯や乾燥帯の地域が広がっています。
その気候のため熱帯雨林で高温多湿な地域がギニア湾岸からコンゴ盆地にかけて広がっています。また、北はサハラ、南はカラハリ砂漠が広がっており特徴的な土地です。
面積はおよそ3026万k㎡であり、この中には島国を合わせ54もの国(国連加盟国)が存在しています。
国々の人口を合わせるとアフリカだけで9.5億人(2006年統計)ほどいるとされていますが、その多くが苦しい生活を強いられています。
アフリカは石油や天然ガスを始め、ダイヤモンドや金、プラチナ、リンなど豊富な天然資源に恵まれていますが、貧困国が多いのが実状です。
これはエイズやマラリアなどの感染症の蔓延や腐敗政治など様々な要因が取り立たされています。
他にもかつてはヨーロッパの植民地支配を受けた地域が多く、独立しても奴隷問題や民族問題から紛争の原因となってしまい、なかなか国が発展しないという問題も起こっているのです。そのため多くの国が貧困に喘いでいる状態です。
人口は9.5億人(2006年統計)ほどいるとされているが、その多くが苦しい生活を強いられている
(出典:外務省「参考資料:アフリカの現状と日本の対アフリカ政策」,2007)
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アフリカの紛争は複雑な要因が絡み合っている
かつてのアフリカでは紛争が多発し、終息し数が減ってはいるものの、今でも紛争が起こる地域や、激化・深刻化している地域もあります。その原因は複雑であり、様々な要因が絡み合っているのです。
その要因をまとめると、以下の5つに分類されます。
それぞれの要因について掘り下げてご紹介します。
歴史的背景
アフリカにおける紛争の要因は、歴史的背景を除いて語ることはできません。
1885年に行われたベルリン会議にて列強と呼ばれた国々はアフリカの領土分割を行いました。
地図を見たとき、国境が直線的に決められているのは、この領土分割の際、その土地の状態などを鑑みず、地図上で決定した名残りだと言われています。
これによりそれまで関係のなかった地域や民族が勝手な思惑で統合されてしまい、植民地時代が終わったあとも根強い問題として起こってしまったのです。
元々考え方や価値観が違う民族同士が統合されていたため、独立国となった後、様々な面で相次いで対立することとなってしまうのは想像に難くありません。
国民を統合するため、政治的あるいは経済的権力が著しく集中したため、独裁政治、腐敗政治、縁故主義を助長する結果となってしまいました。
これらの抑圧、貧富の格差の拡大、民族間の衝突など様々な歪みが生まれてしまい、紛争へと発展してしまうこととなったのです。
仮にこれらが起こらなかった国も冷戦終結とともに状況が一変することとなりました。
それまでアンゴラなど競合していた超大国によるアフリカへの支援が冷戦終結により終わりを迎え、それまで行ってきた経済的生活様式や政治による恒久的な支配を維持することができなくなり、騒動や暴動による国内の情勢不安が顕著となってしまったのです。
それらの動きに対して国連は平和維持、平和創設へと乗り出しましたが、ソマリアの平和を回復できなかったことや、ルワンダで起こった大虐殺を防止できず、今でも紛争や内戦が激化している地域を生み出す結果となってしまったのです。
内的要因
第二次世界大戦後、30年以上の時間をかけてアフリカ諸国は独立をしてきました。
この中で紛争の原因を植民地主義に求めるのは止めようという認識が広がりつつあります。それは事実として、要因が歴史的背景だけに留まらないためです。
アフリカ諸国の政治権力の性質は腐敗政治を生み出すには適したものとなってしまっています。
政治的な勝利は富や資源、利益誘導、要職の名誉と特権を得ることができ、「1人勝ち」と言う言葉に相応しい状態です。
大半のアフリカ諸国は多民族的性質であり、政党がその基盤を地域や民族に置いていると、権力を有する政党とそれを指示する民族に偏った政治になることもあるため、民族間の対立が起こりやすくなり、紛争の可能性を一層高めてしまうのです。
こうなれば、民族の存続自体が国家権力の支配によって確保できると考え、紛争が発生してしまい激化することも回避できなくなってしまいます。
外的要因
冷戦中にはアフリカの政府を支援する動きがありました。
あるいは転覆させようといった思惑の国もあったようですが、冷戦終結と同時にその支援や転覆の思惑は大きく数を減らしました。
しかし完全になくなったわけではありません。アフリカには石油をはじめ重要な資源が豊富にあります。
それを求め海外からの介入が発生してしまうのです。
これが紛争を抑止する効果を担うこともあれば、紛争を助長、継続させてしまうこともあり、紛争が起こる外的要因としては無視できないものとなっています。
また、アフリカから遠い国の介入だけでなく、近隣国も利害関係を有することがあるため、これが紛争を起こす要因にもなってしまうのです。
経済的要因
紛争は多くの人に損害しか与えませんが、一部の人にとっては利益となることも多くあります。
アフリカでの紛争でまず利益を得るのは国際的武器商人です。
戦争には武器が必要となります。そうなるとそれを調達し、現地の紛争当事者に売りさばくことで利益を得る商人が存在します。
また、紛争当事者においても、紛争に勝つことで政治的な権力や地位を手に入れることができ、将来的な利益に繋がることを思惑として持っている人もいます。
あるいはかつて独立のために戦ってきた仲間が、新政府の樹立と共に富を独占したことによる反発からデモが発生し、紛争へと発展してしまうことがあります。
これらの経済的な要因から紛争が始まり激化するといったことが起きてしまうのです。
資源の奪い合い
経済的な要因にも関係しますが、資源の奪い合いも紛争の要因として無視できません。
アフリカは石油をはじめとした豊富な資源にあふれています。
資源を基にした利権構造は中央政府を腐敗させ、国民に不安と不満を与えることとなります。
これにより反政府勢力が収奪を行い、これが紛争や内戦を引き起こすきっかけになることもあります。
実際に石油やダイヤモンド資源を確保したことにより、数十億USドルを超える利益を上げるケースも少なくありません。
武装蜂起における戦利品として天然資源の利用権が投機の対象となり、内戦が勃発することもあるのです。
ただし資源の奪い合いだけで紛争や内戦が起こるわけではなく、あくまで紛争発生のリスクを高めていること、他の要因と複雑に絡み合って結果的に紛争を引き起こしてしまうことも合わせて覚えておく必要があります。
(出典:経済産業省「アフリカの鉱物資源の重要性と我が国の取組み」(2009))
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アフリカの紛争地で行われている支援活動
アフリカではかつて紛争があった、あるいは紛争が今も起こっている地があり、そこには多くの難民や避難民が存在します。
このような人々には人道支援が必要となり、様々な団体が支援活動を行っています。
支援が必要なものを大まかに分けると「食糧支援」「衛生支援」「医療支援」「教育支援」などが挙がります。
食糧支援
紛争地域や難民キャンプでは食糧不足の問題から満足な食事を取れず、栄養不良に陥っている人や子どもがあふれています。
難民の多くは、明日の食事も得られるかどうか分からない状況にあります。これをすぐにでも解消するため、NPO・NGOは栄養強化ペーストや緊急食糧支援などを行っています。
衛生支援
避難所や難民キャンプの衛生問題は深刻です。
住む場所を追われたことにより、衛生的な施設が満足にない不衛生な環境で過ごしている難民が多いのです。特にトイレがないことから排泄などは野外でしていることも少なくありません。
そのような場所に衛生的なトイレを設置し、また衛生意識を高めるため難民にトイレの清掃や、石鹸による手洗いをする習慣を身につけさせています。
医療支援
上記の栄養不良や不衛生な環境は、難民、特に子どもたちの健康状態を悪化させています。
そのため5歳を迎えることなく亡くなる子どもも多く、国によっては4人に1人の子どもが5歳まで生きられないといった状況に陥っている地域もあります。
そのような子どもを1人でも減らすために、ワクチンの摂取や栄養不良の治療などを行っています。また母子の健康のために、栄養指導などの支援を行っています。
教育支援
難民の多くは水道施設がないことから、子どもたちが生きるために水を確保すべく何時間もかけて水汲みに行くといった作業をしなければいけません。
また、難民居住区には満足に教育を受ける施設もなく、勉強をしたくてもできない子どもたちがたくさんいるのです。
これは壊れてしまった学校の新たな開設や修繕の支援、そして教科書などの支給などを行い、教育を受けられる機会を少しでも多く設け、解決への支援が行われています。
アフリカの紛争地の人々に対して私たちができる支援
アフリカでは様々なNPO・NGOが可能な限り難民や被災者を救うべく、日々活動しています。
私たちが現地へ行ってアフリカの人々を支援することも、NPO・NGOを直接手助けすることも残念ながらできません。
しかし募金や寄付、寄贈といった方法により支援活動をサポートすることは可能です。
それぞれの方法を簡単にですが紹介します。
募金
街角や駅前などで行われている街頭募金に参加するという方法があります。
これであれば面倒な手続きなどはなく、財布からお金を出して募金するだけで支援することができます。
ただし気をつけなければいけないのが、しっかりとした団体の募金活動かどうかという点です。
支援活動がしっかり分かる団体、募金したお金の使い道がはっきりしている団体に募金するよう注意が必要です。
継続寄付
募金同様、寄付による支援は身近で実施しやすい方法です。
継続寄付は定額を毎月寄付する方法であり、支払い方法はクレジットカードや口座振替、コンビニ支払、ペイジー、郵便局・ゆうちょ銀行払込用紙など選ぶことができます。
金額も選ぶことができ、500円や1,000円といった少額の寄付が可能で団体によっては寄付金控除といわれる税制控除も受けられるため、負担にもなりにくいのも特徴です。
継続的に行う必要のある支援活動には、安定した金額が必要となるため継続的な寄付は大きな助けとなります。
都度の寄付
毎月の寄付が厳しい場合は都度の寄付を行うこともできます。こちらも寄付金額を選べることがほとんどなので無理のない範囲で寄付が可能です。
支払い方法も継続寄付に似たものが多く、少しお金に余裕が出てきたときなどに利用することをおすすめします。
こちらも少額からの寄付が可能なため、自由度の高い支援方法です。
遺贈・遺言による寄付
遺産を寄付して活動を支えることもできます。相続または遺贈により取得された財産を寄付することが可能です。
また、本人からの遺言書によってNPO・NGOに直接遺贈するという方法もあります。どちらも相続税の非課税対象となるため負担になりにくいという特徴があります。
物資の寄付
アフリカでは日常生活に必要な物資が不足しています。自分たちの身の回りのもので不要となったものでも、支援物資として寄付できます。
靴下や肌着などのほかに、不要となった文房具や本、書き損じたハガキや使わない切手など寄付できるものはたくさんあります。
現地で必要な物は時と場合によって変化します。
そのため物資を寄付する際は寄付を受け付けている団体を探し、事前に寄付の旨を伝える必要があります。
(出典:日本ユニセフ 公式サイト「アフリカ栄養危機」,2019)
紛争で苦しむ人を一人でも減らそう
紛争の原因と言うものは根深く、簡単に解決できるものではないことは分かっていただけたのではないでしょうか。
歴史的な背景や、内的・外的要因、経済的要因など様々な要因や思惑が複雑に絡み合い、発生してしまいます。
もちろん国際社会はそれを解決すべく動いているものの、すべての難民の人々が安心した生活を送れるようになるまでには時間がかかります。
そのような人々の苦しみを少しでも早く解決するためにNPO・NGOが活動し、私たちの寄付や寄贈が活動をサポートしています。
1人でも紛争で苦しむ人を減らすため、まずは紛争や現状について知り、少しでも行動を起こすことから支援が始まります。