絶滅危惧種(陸)

絶滅危惧種に指定される動物は?世界規模で見てみよう

この地球上にある大陸や島には人間をはじめとして非常に多くの生物が存在しています。
哺乳類や爬虫類、両生類、昆虫、植物と種類も様々です。

生態系を形成し、生物多様性の中で共存していますが、そんな中にはいくつかの要因で絶滅の危機に瀕している動物もいます。

この記事では絶滅危惧種に指定されている動物を世界規模で紹介します。

陸の絶滅危惧種とは?レッドリストにある動物の種類・数、原因と対策についても紹介

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絶滅危惧種とIUCN

私たちの周りには様々な生物がそれぞれの環境の中で生息しています。海や山、空、川、地中といった場所で、温度や湿度などその環境に合わせて生活しています。

しかしその環境や生息場所が私たち人間の生活によって奪われている生物もいます。

海洋汚染による環境の悪化や森林伐採などによる森の減少、土壌汚染、あるいは地球温暖化による気温の上昇や気候変動による洪水、干ばつ、森林火災など生物の生息域を脅かす様々な要因を生み出しているのです。

ただ生物全てを常に観察し、調査できるわけではなく、どれだけの種が絶滅に瀕しているのか、どのような状況になっているのかなど把握するのは至難の業になります。

しかしそのままにしておけば、知らず知らずのうちに絶滅して、二度と地球上に現れることがない生物も出てしまいます。

生物の絶滅はただその姿を消すだけでなく、生物多様性の観点から連鎖的に他の生物や環境にも影響を及ぼす可能性が高くなります。
そのようなことを防ぐために、世界中の絶滅危惧種の情報を取りまとめているIUCNという組織があります。

国際自然保護連合(IUCN)とは

IUCNとは自然及び天然資源の保全に関する国際同盟(通称:国際自然保護連合)の略称であり、絶滅危惧種の情報を集め、取りまとめている組織です。

その目的は自然及び天然資源の保全に関わる国家や政府機関、国内及び国際的非政府機関の連合体として、全地球的な野生生物の保護、自然環境・天然資源の保全の分野で専門家による調査研究を行っています。

また関係各方面への勧告・助言、開発途上地域に対する支援などの実施やワシントン条約においては締約国の意思決定に資する科学的な情報提供、ラムサール条約においては事務局業務を担っています。

この組織が国際的に情報をまとめ絶滅のおそれがある野生生物の種をリスト化したものが「レッドリスト」と呼ばれるものになります。

2019年12月時点での報告では112,432種がこのリストに記載されており、そのうち30,178種が絶滅危惧種として登録されています。

(出典:環境省「日本の絶滅危惧種と生息域外保全」)
(出典:外務省「国際自然保護連合(IUCN)」,2019)

  • 生物の絶滅はただその姿を消すだけでなく、他の生物や環境にも影響を及ぼす可能性が高くなる
  • 世界中の絶滅危惧種の情報を取りまとめているIUCN(通称:国際自然保護連合)という組織がある
  • IUCNは関係各方面への勧告・助言、開発途上地域に対する支援などの実施やワシントン条約においては締約国の意思決定に資する科学的な情報提供、ラムサール条約においては事務局業務を担っている
  • 絶滅危惧種に指定されている動物

    IUCNのレッドリストには30,000種以上の生物が絶滅危惧種に指定されていますが、これはレッドリストで評価されている生物の27%、約3割が絶滅危惧種であるということになります。
    そのうち哺乳類は25%、両生類は41%と高い割合で絶滅危惧種が存在しています。

    野生動物が多く生息するスマトラ島のマーブルキャット(Pardofelis marmorata)やスマトラサイ(Dicerorhinus sumatrensis)、ガラパゴス諸島に生息するガラパゴス・ゾウガメ(Chelonoides niger species complex)やガラパゴスリクイグアナ(Conolophus subcristatus)など多くの生物が絶滅危惧種に指定されています。

    1つの島の中でも絶滅に瀕する種は多く、世界的に見れば高い割合で陸上に住む生物が絶滅危惧種となっていることから、地球温暖化や気候変動、乱獲など様々な原因で個体数を減らし続けています。

    絶滅危惧種が多い国

    世界的に見て絶滅危惧種の数は3万種を超えており、非常に多いことが分かりますが、これを国ごとに見ていくと、絶滅に瀕している生物が多い国や地域が見えてきます。

    順位 国名
    1 エクアドル
    2 アメリカ合衆国
    3 マダガスカル
    4 インドネシア
    5 マレーシア
    6 メキシコ
    7 タンザニア
    8 中華人民共和国
    9 インド
    10 ブラジル

    上記は2017年時点で発表されたIUCNレッドリストの国別絶滅危惧種を多い国を順にリストアップしたものであり、エクアドルが最も多いことがわかります。

    どの国も多くの動植物が生息している国や地域ですが、その中でもエクアドルは生物の宝庫であり、太古からその姿をほとんど変えない生物が多く生息しているガラパゴス諸島が属しています。

    野生動物が多数生息するガラパゴス諸島の危機

    ガラパゴス諸島は今では希少生物となってしまった動植物が多く生息しています。

    エクアドルが1832年に環境保全の領有宣言を行いましたが、その後は多くの人々がこの島に入植し、観光地へと変えてしまいました。

    研究者や観光客が多く訪れるこの島の環境は変化していき、自然が破壊され、野生生物の住処が奪われ、絶滅してしまった種も少なくありません。

    地球温暖化や気候変動、外来種の侵食など様々な要因が重なり、陸だけでなく周辺の海を含め絶滅に瀕している種が2000以上も存在しています。

    ガラパゴス諸島の中でも特に有名なのは、先ほども出てきた世界最大のリクガメと言われている「ガラパゴス・ゾウガメ」です。

    ガラパゴス・ゾウガメというのはガラパゴス諸島に生息するリクガメの総称ではあり、これを細分化すると複数に分類されますが、どの種も絶滅危惧種として指定されています。
    一度は絶滅したと言われている種も含まれているだけに、ここで絶滅してしまえば今度こそ地球から姿を消してしまうことになります。

    (出典:IUCN「RED LIST」)
    (出典:外務省「絶滅危惧種の多い国」,2017)
    (出典:外務省「エクアドルという国-日本・エクアドル外交関係樹立100周年」)

  • レッドリストで評価されている生物の27%、3割が絶滅危惧種、そのうち哺乳類は25%、両生類は41%の絶滅危惧種がいる
  • エクアドルが1832年に環境保全の領有宣言を行い、その後は多くの人々がこの島に入植し、観光地へと変えたことによって、自然環境が崩れることになった
  • エクアドルは絶滅に瀕している種が2000以上も存在している
  • 絶滅危惧種を守るために

    絶滅危惧種であることが分かっても、なにもしなければいずれ絶滅してしまいます。
    レッドリストによりその種の危機が伝えられることで、その関係がある政府や関係機関、団体は絶滅危惧種を保護するための活動に移ります。

    その要因となっている地球温暖化や気候変動への取り組みは、もちろん絶滅危惧種だけでなく私たちが暮らす環境を守るためにも行われていますが、これらを緩和することによって総合的に地球に住む生き物全てを守ることにつながります。

    野生生物が暮らす環境を保全していくことも1つの手です。森林の破壊や海洋の汚染を抑え、改善することで彼らの住処が守られることになります。

    しかし人間の生産活動による絶滅危惧種への影響はこれだけではありません。不必要な乱獲や取引が個体数を減らす要因となっています。

    そのため世界ではワシントン条約を結び、野生生物の取引の制限を設けています。

    ワシントン条約とは

    この条約は1973年に採択された野生動植物の国際取引の規制のための条約です。1972年に開かれた国連人間環境会議において以下のような勧告が出されました。

    「特定の種の野生動植物の輸出、輸入及び輸送に関する条約案を作成し、採択するために、適当な政府又は政府組織の主催による会議を出来るだけ速やかに召集する」

    この勧告を受け、米国およびIUNCが中心となってこの条約の作成を進め、ワシントンD.C.で締結されました。

    この条約では野生動植物の国際取引の規制を輸出国と輸入国とが協力して実施することにより、絶滅のおそれのある野生動植物の保護を図ることを目的としています。
    日本は1980年にこの条約の締約国となり、2018年9月末時点で182カ国および欧州連合が締結しています。
     

    基準 規制内容 対象種の例
    絶滅のおそれのある種で、取引による影響を受ける、あるいは受けるおそれのあるもの ・商業目的のための取引禁止
    ・学術目的(繁殖目的を含む)の取引は可能
    ・輸出国、輸入国双方の許可書が必要
    ジャイアントパンダ
    アフリカゾウ
    トラ
    チンパンジー
    クモノスガメ
    アジアアロワナなど
    現在は、必ずしも絶滅のおそれはないが、取引を規制しなければ絶滅の危機のおそれがあるもの ・商業目的の取引は可能
    ・輸出国政府が発行する輸出許可書が必要
    ホッキョクグマ
    トモエガモ
    カメレオン
    ピラルクなど
    締約国が自国内の保護のため、他の締約国の協力を必要とするもの ・商業目的の取引は可能
    ・輸出国政府の発行する輸出許可書、または原産地証明書などが必要
    ワニガメ(アメリカ)
    セイウチ(カナダ)
    ハナガメ(中国)
    タイリクイタチ(インド)

    上記のように規制は3種類に分けられており、商業取引における規制が設けられています。

    多くの動物は毛皮製品の材料になったり、ペットとして取引されたり、あるいは漢方の材料になるなど乱獲されたことでその個体数を減らしてしまった野生生物が対象となっています。

    (出典:外務省「ワシントン条約」)
    (出典:政府広報オンライン「希少な野生生物を守る 「種の保存法」」)

  • 不必要な乱獲や取引を減らすため、野生生物の取引の制限を設けたワシントン条約を結んだ
  • ワシントン条約の目的は野生動植物の国際取引の規制を輸出国と輸入国とが協力して実施することにより、絶滅のおそれのある野生動植物の保護を図ることを目的としている
  • 絶滅危惧種の動物を守るために私たちも生活を見直そう

    取引などに関しては政府や関係機関による取締りが重要となりますが、私たち自身もこのような野生生物が材料として使われているものをできるだけ使わない、購入しないということも絶滅危惧種を守る取り組みにつながります。

    商品としての需要がないと判断されれば、そもそも乱獲されることはないからです。

    また、絶滅危惧種を増やす原因となっている地球温暖化や気候変動、森林や海洋の汚染も、その一因には私たちの生活が関わっています。

    このような環境破壊につながる行動を控えることを心がけ、地域の環境保全運動などに参加することも絶滅危惧種だけでなく、全体的な野生生物を保護することにもなります。

    私たちにできることは間接的ではあるものの多数あります。絶滅危惧種について知り、一人ひとりができることを今日から始めていきましょう。

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