砂漠化は世界各地で起こっている深刻な問題です。これは地球温暖化や気候変動だけでなく、現地の人々の土地の利用の仕方も要因となっています。
このまま砂漠化が進んでいけばどのような影響が出るのか、砂漠化を防止するための対策と合わせて、この記事で紹介します。
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進行する世界の砂漠化の現状
世界では1977年に国連環境計画(UNEP)が砂漠化の状況を報告して以来、その深刻さから国連環境開発会議(UNCED)の発足や砂漠化対処条約を締結するなど、対応に追われています。
この砂漠化が今どのような状況なのか、紹介します。
世界では18世紀の産業革命、そして第二次世界大戦以後に急速な工業化が進み、温室効果ガスが大量に排出され続けてきました。
それにより大気は汚染され、地球温暖化が起こり、気候変動が顕著に現れるようになっています。
気温の上昇と異常少雨、干ばつはこれまで乾燥帯になかった地域も次々と乾燥地域と変わり、それに伴って砂漠化が進行しました。
砂漠化は、いわゆる「砂漠」のように一面が砂の大地に覆われているだけではありません。乾燥や半乾燥、乾燥半湿潤地域において、気候変動や人間の活動を含む様々な要因で起こる土地の劣化のことを言います。
現在、乾燥地域は赤道直下を含む広い範囲で観測されており、その分布は地表面積の43.1%に及ぶとされています。
またその地域に住む人口は34.7%と、世界の人口の3割強である約20億人が住んでいるというデータがあります。この乾燥地域に住む人の大半が開発途上国に存在しています。
さらにこの乾燥地域では世界の家畜の約半分が飼育されており、栽培植物の30%が乾燥地特有の植物種で、世界の耕地のうち44%がこの乾燥地域にあると言われています。
これは1977年、そして1991年に国連環境計画がまとめた報告よりも、さらに増加しており砂漠化の進行が進んでいることが分かります。
要因から考える砂漠化の進行
砂漠化の要因は気候的なものと人為的なものの2種類に分類でき、氷がない土地の面積の4分の1は人為的要因により土地の劣化が起こりやすいとされています。
人為的要因で砂漠化が進行するのは過剰な農耕や開拓によるものが大きいとされていますが、農業地による土壌侵食は、土壌形成の10~20倍から100倍であると推定されています。
また気候変動、特に干ばつ状態にある乾燥地域の延べ面積は1961年から2013年の期間に年平均1%よりわずかに大きい割合で増加し、年々変動性は大きくなっています。
気候変動は土地の劣化を悪化させる可能性が高く、干ばつの頻度や熱ストレス、乾期、風、海面水位の上昇および波動活動、永久凍土の融解の増大など様々な影響を受けています。
これらの要因が複雑に作用し、砂漠化は進行しているという現状があります。
- 第二次世界大戦以後に急速な工業化が進み、温室効果ガスが大量に排出され続けたことにより、大気は汚染され、地球温暖化が起こり、気候変動が顕著に現れるようになった
- 砂漠化とは、乾燥や半乾燥、乾燥半湿潤地域において、気候変動や人間の活動を含む様々な要因で起こる土地の劣化のこと
- 砂漠化の要因は<気候的なものと人為的なものの2種類に分類でき、氷がない土地の面積の4分の1は人為的要因により土地の劣化が起こりやすい
(出典:環境省「気候変動と土地:気候変動、砂漠化、土地の劣化、持続可能な土地管理、食料安全保障及び陸域生態系における温室効果ガスフラックスに関する IPCC特別報告書」,2015)
(出典:環境省「人々の暮らしと砂漠化対処」)
砂漠化が及ぼす影響
砂漠化は人為的要因で起こります。過剰な農耕や放牧、伐採などが起因していますがその影響は直接人々に返ってきています。
砂漠化の進行は農業や牧畜業など、食料の生産基盤が失われることになるので貧困が加速することになります。
また都市への人口集中や難民の増加による社会全体への悪影響が拡大する恐れもあり、環境や資源、保健衛生、安全保障、社会経済など様々な領域に影響を及ぼし、問題を引き起こします。
この砂漠化による悪循環は作物や飼料、日用品などを生態系に依存しなければいけない開発途上国で深刻化するケースが多いです。
アフリカ諸国では厳しい干ばつに見舞われたことで食料の生活基盤となる土地の劣化に直面し、森林や水などの自然資源の過剰摂取を行わざるを得ませんでした。
これにより土地の劣化をさらに進行させてしまうという悪循環に陥ったと言う例もあります。
このように砂漠化は土地の劣化を起こすだけでなく、そこに住む人々や生態系に悪影響を及ぼします。
環境への影響
砂漠化による土地の劣化は、それまで生息していた生物の住処を奪うことになるため、生息地や生物多様性の喪失が起こります。
また地下水かん養量(降雨や河川の水が地下に浸透して帯水層に供給された水の量)や水質、土壌の肥沃度の低下が引き起こされます。
他にも土壌浸食や砂嵐、砂の侵入、堆積の増加も進行します。
資源への影響
環境同様に資源となる生物多様性が喪失します。そして放牧を含む農業生産の減少や水不足が深刻となり、食糧不足が進む可能性があります。
保健衛生への影響
資源への影響から食糧不足が起こり、それによる栄養失調や飢餓が広がっていきます。
さらに水不足から、管理されていない不衛生な水などを使わざるを得なくなり、水による感染症や呼吸器系疾患の人が増加する可能性もあるのです。
安全保障への影響
砂漠化により土地が劣化すれば、そこで人が暮らすのは難しくなります。
そうなるとまだ砂漠化が進んでいない土地や水資源をめぐって対立が起こる危険性も考えられます。
また突発的な洪水や砂塵などによる災害が起こった時、荒れ果てた大地では土壌浸食の増加など障害がさらに増えることになります。
社会経済への影響
農業生産ができない、また食糧不足による食べ物や水の高騰から貧困が増加する恐れがあります。
資源にアクセスできない人々が発生し、都心部などへの人口の移動や難民の発生が懸念されます。
- 砂漠化による土地の劣化は、生物の生息地や生物多様性の喪失が起こる
- 食糧不足が進む可能性がある
- 水不足から、水による感染症や呼吸器系疾患の人が増加する可能性がある
- 農業生産ができない、また食糧不足による食べ物や水の高騰から貧困が増加する恐れがある
(出典:環境省「人々の暮らしと砂漠化対処」)
砂漠化を防ぐための取り組みや対策
砂漠化を進めないためには様々な対策を行う必要があります。
対策としてできることは個人レベルから国家レベルまでありますが、政府間では既に砂漠化対処条約を締結し、国家間で砂漠化に対処して干ばつの影響を緩和するための措置が講じられています。
砂漠化が進行している地域の多くは途上国であり、経済を農業生産に頼らざるを得ない国もあることから、過度な農耕や牧畜を行い、砂漠化を進行させてしまっています。
そのため先進締約国は開発途上締約国の行動計画に対する支援を優先させることを条約で定めています。
現在も資金供与や技術提供などを行っていますが、砂漠化を今後進行させないために第一にできる対策は現在砂漠化が起こっていない土地をそのままの状態で保てるよう、十分な資源を配分して対処と緩和のための努力を住民の参加の元に行っていくことです。
土地が劣化する原因となる行為を止め、劣化してしまった土地を回復させるために、植林や環境保全型農業の導入を行うことも対策として挙げられます。
また砂漠化、土地の劣化の防止だけでなく、他のSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みもつなげて行うことで、相乗効果を産むことが期待されます。
例えばサハラ以南のアフリカの農地の25%で土地と水の管理の改善ができれば、作物収穫量は50%に増加し、2200万トンの食糧確保が可能になるという好循環を生みます。
これにより移住してしまった人が戻ってきて生産活動が再開され、雇用が生まれれば、貧困や飢餓も同時に改善できます。
今後、こう言った砂漠化、土地の劣化を防止するための対策から他のSDGsの目標達成に向けた総合的な取り組みが、問題解決への糸口へと繋がります。
- 政府間では既に砂漠化対処条約を締結し、国家間で砂漠化に対処して干ばつの影響を緩和するための措置が講じられている
- 先進締約国は開発途上締約国の行動計画に対する支援を優先させることを条約で定めている
- 砂漠化、土地の劣化の防止だけでなく、他のSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みもつなげて行うことで、相乗効果を産むことが期待される
(出典:外務省「砂漠化対処条約」,2019)
(出典:国連広報センター「砂漠化について考える。日常を非日常にしないために。」,2017)
私たちにもできる砂漠化防止への取り組み
砂漠化は人為的要因によって起こることから、政府や関連機関、そして現地に住む人々による取り組みへの参加は不可欠となります。
しかし砂漠化の要因は気候的なものもあるのです。
地球温暖化や気候変動による影響は大きく、乾燥化や異常少雨、干ばつにより砂漠化は起こります。
地球温暖化や気候変動は私たちの生活から出る二酸化炭素などの温室効果ガスや大気汚染、水質汚染などが原因です。
世界の砂漠化を根本的に改善するのであれば、地球温暖化の緩和への対策も行わなければいけません。
二酸化炭素を出さないために、私たちができることは節電による電力供給の抑制や公共交通機関などを使うことによる二酸化炭素の排出量削減です。
私たちの生活が、遠くはなれた土地で砂漠化を進める要因となっています。今こそ生活を見直し、砂漠化について知り、私たちができることに取り組んでいくことが重要です。
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