格差社会は世界中のあらゆる国や地域で起こる問題であり、複雑な原因によって成り立っているため、是正が難しいと言われています。
それでも各国は情勢に合わせた対策を講じており、効果が見られるものもあります。
日本も例外ではなく、格差社会是正のための取り組みを行っています。
この記事では、格差社会を解決するためにはどのような対策が必要なのか紹介します。
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格差社会はなぜ起こる?
2020年時点、世界全体で問題として提起されているものの一つに格差社会があります。
この格差社会とは人々の収入や財産など、経済における差が顕著であり、流動せずにある水準ごとに階層が固定化された状態を指しています。
これだけ見ると、収入や資産の差だけに限定したものに見えますが、実際には格差の問題すべてを含みます。
このような所得や資産の格差が生まれる原因、そしてこの格差によって発生する次の格差すべてが格差社会を構成する要素となっています。
一例を挙げれば、経済的な格差の拡大が富の再分配(※)を機能させておらず、富裕層はより裕福になり、低所得者層はより貧困になって困窮してしまいます。
これにより健康や教育、基本的なインフラのアクセスでさえ、格差が広がることにつながります。
所得や資産の格差は格差社会の中心にあり、それが世界中のあらゆる格差を生み出しているとも言えます。
日本でも貧困問題が深刻化していますが、一方で貧困に苦しんでいる人たちを支援している団体もあります。
下記の記事では、生活に困っている人たちへの寄付を考えている方に、おすすめの支援団体を紹介しています。
貧困に困っている人たちへの支援を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
>>貧困問題に取り組むNPO団体を支援したい!おすすめ団体を6つご紹介
もちろん、海外の国で貧困に苦しんでいる人たちを支援している団体もあります。海外の貧困支援に取り組んでいる団体について知りたい方は、下記をチェックしてみてください。
>>発展途上国を支援するには?物の寄付はできる?おすすめの寄付先を6つ紹介
ではなぜこのような格差社会が生まれてしまうのか、それはいくつかの要因に分けることができます。
※富の再分配:格差を縮小させるために租税制度や社会保障制度、公共事業などによって所得を動かすこと
不平等による格差
富の再分配が機能していないことは先述しましたが、これは国家間だけでなく各国国内や世界規模で起こっている問題です。
OECD(経済協力開発機構)が2014年に発表した調査結果では、人口上位10%の富裕層と、下位10%の貧困層の所得格差は9.6倍にもなることが明らかになっています。
この数値は1980年代と比較して7倍、2000年代からは9倍にも拡大し、格差が大きく開いていることが分かっています。
これはあくまで不平等の一例でしかありませんが、そのほかにも性別や地域、民族、障がい、社会的地位などあらゆる原因により、アクセスや機会、結果を決定付けてしまう不平等から、格差が生まれています。
家庭環境の格差、その他様々な要因で、子どもの学習にも格差ができています。
下記の記事では、困難な状況で困っている子どもたちへ学習支援を行っている団体を紹介しています。
子どもたちへの学習支援への寄付に興味がある人は、ぜひご一読ください。
>>子どもの学習支援がしたい!おすすめのNPO団体や寄付方法を解説!
(出典:労働政策研究・研修機構「OECDが報告書『格差縮小に向けて』を公表」,2015)
産業構造の変化による格差
格差社会は時代の変遷により、新たな格差が生まれる、あるいは助長されることがあります。その一つがグローバル化とともに世界に広がったIT化の波です。
ITの普及はデジタル産業の発展を助け、高度なスキルや専門知識を持つ人材が求められました。
一方で、従来の肉体労働などを必要とする産業は低スキルでも行える分、低賃金となり人材の二極化が進行しました。
その最たる例がインドです。インドではIT産業が盛んに行われるようになり、そこに従事できる高いスキルや知識を保有する人材は、質の高い労働環境や所得が得られました。
しかし教育の格差などから、国全体の識字率は低く、IT部門の職につけない人は所得が低くなる傾向にあり、格差が大きく開くことになりました。
これはインドだけで起こることではなく、技術が発展した国々で起こる実情であり、格差社会を広げる要因になっています。
非正規雇用増加による格差
日本でも格差を広げる原因として特に問題になったのが非正規雇用の増加です。
労働派遣法の改正に伴い、非正規雇用を行える業種の制限がなくなったことで、安い賃金で労働者を増やすために、非正規雇用が急激に増加していきました。
非正規雇用は労働者と雇用者双方が、雇用形態を選びやすいという利点がありましたが、それ以上に労働者側のデメリットが多かったことが格差拡大につながっています。
非正規雇用の労働者は、正規雇用の労働者と比べて所得が低く、社会保障などが受けられないケースもあり、不安定な状況で働かなくてはいけませんでした。
待遇が違うにも関わらず、労働内容や責任は正規雇用の労働者と変わらないという部分もあり、大きな負担にもなりました。
非正規雇用による格差の拡大は日本だけでなく、経済的に発展した国々でも問題となっています。
格差社会を解決するための対策
格差社会は所得格差を中心とした原因によって広がっています。そのため、この所得格差を解消するための対策が、どの国でも急務です。
不平等や産業構造などをなくすための対策として行われていることは、国の情勢などにも関わるため、それぞれ異なります。どのような対策が行われているのか、日本の対策などを中心に見ていきましょう。
働き方改革の導入
所得格差などを是正するために、政府が導入したのが働き方改革です。
これまであった不平等や非正規雇用による格差など、様々な境遇によって生まれていた所得格差を改めるため、人材が活躍できる環境を整備し、就労が困難で所得が満足に得られなかった人々が収入を得る機会と選択肢を増やすことを目指しています。
そこには年齢や性別、家庭環境などの事情など人々が働くことを諦める状況を作らず、就労機会を増やすことを明言しています。
特に主要となる対策として、長時間労働の是正や有給休暇の取得を挙げていますが、これらを改善することで、子育てや介護、健康面の問題などを理由に働けなかった人々が働きやすい環境を整備しています。
またこの改革の一環として、同一賃金同一労働を進めています。これは非正規雇用による格差を是正することを目的としています。
同一企業内で、正規雇用の労働者と非正規雇用の労働者との間に、基本給や賞与などあらゆる待遇において、不合理な待遇差を設けることを禁止しています。
これにより不平等な労働条件や環境を作らず、雇用形態によらない公正な待遇を確保することを企業に求め、格差社会とその大元となる所得格差を是正する効果を期待しています。
ベーシックインカムの導入
日本ではまだ導入されていませんが、ベーシックインカムによる格差の是正も議論に挙がります。
海外の一部の国ではすでに導入されていますが、ベーシックインカムとは、政府が国民すべてに、生活に必要な最低限の金額を無条件に支給する制度を言います。
日本では無条件ではないものの、生活保護制度が用意されていますが、これは条件を満たさないことも多く、また財政難などが起こった場合に必要な人への支給が滞る場合もあるため、セーフティネットとしての役割には疑問が残ります。
ベーシックインカムはこのような、支給されないという条件が基本的にないため、富裕層と貧困層の格差をなくすために有効であると考えられます。
所得格差の是正にはなりませんが、教育や健康などの格差を縮めることにはつなげられます。
ここで懸念される事項にベーシックインカムにより労働生産性が落ち込むのではないかということがしばしば挙がりますが、実際に導入した国で労働生産性の低下は見られませんでした。
ただ幸福感の向上は見られたものの、雇用には効果があまり見られなかったことや、財政負担をどうするかといった問題など課題もいくつか挙げられます。
こちらの本では、ベーシックインカムの考え方や、歴史的経緯がわかりやすく解説してあります。
ベーシックインカムについての知識を深めたい方におすすめの入門書です。
格差社会をなくすための対策に協力を
格差社会は大きな枠組みとして社会全体、あるいは世界全体で起こっていることであり、国によってその原因などが異なることから、一貫した対策が行いにくい問題でもあります。
そのため各国政府では、自国の内情に合わせた対策を講じ、実施していかなければなりません。
日本の働き方改革はまさしくその一つと言えますが、法整備を行い、施行しただけでは効力を発揮することはできません。
雇用については企業側がこれまでの方針を切り替え、労働者に対して長時間労働の是正や有給休暇を取得しやすい環境を整えていくことが重要です。
また賃金に関しても、雇用形態に関わらず格差をなくすための見直しが必要になります。
そして対策への協力は企業だけでなく、労働者も行わなければいけません。
個人レベルで有給を取得しやすい環境や、取得していく行動を起こさなければ、広がってはいきません。
加えて長時間労働についても一人ひとりが動き、効率的な労働と定時に退社するという雰囲気を作っていかなければ、改善は見込めないでしょう。
これらの対策は格差社会是正のための一例でしかありませんが、あらゆる対策について協力できるものには取り組みを行っていくことが重要です。
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