格差社会とは?原因や問題点、対策など徹底解説!


私たちが住むこの世界は、様々な格差が存在する格差社会です。
その原因は様々で、複雑に絡み合うことで難しい問題にまで発展しています。

原因そのものは身近にあるものから、国の制度に関わるものまでいくつもありますが、格差を是正するためにはこれらを知っておく必要があります。
この記事では格差社会とは何か、原因や問題点、対策などを解説します。

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格差社会とは

格差社会という言葉は、バブル崩壊後の不況下においてしばしば聞かれるようになった言葉です。

格差社会の定義は「成員(※1)が、特定の基準から見て隔絶された階層に分断された社会であり、特に所得・資産面での富裕層と貧困層の両極化と、世代を超えた階層の固定化が進んだ社会」というように記されています。

定義にもあるように、格差社会において最も問題になりやすいのが、経済格差や所得格差です。
資本主義を謳う以上、競争原理が働き、その経済や所得に差が生まれるのは必然ではありますが、その差は格差と呼べるほど大きなものとなっています。

また、これらの格差は経済や所得だけに留まらず、資産や教育、情報といった様々なものから生まれます。
格差は各国の国内だけで起こっている問題ではなく、世界全体で国と国との間にも生じており、富裕層と貧困層という階層や富裕国と貧困国という格差としても現れています。

※1 成員:団体・組織を構成している人(メンバー)

  • 格差社会の定義は「成員が、特定の基準から見て隔絶された階層に分断された社会であり、特に所得・資産面での富裕層と貧困層の両極化と、世代を超えた階層の固定化が進んだ社会」とされている
  • 格差社会において最も問題になりやすいのが、経済格差や所得格差
  • 格差は国内だけでなく、世界全体や国と国との間でも生じている
  • 格差社会に陥る原因や問題

    格差社会は、先述したように経済格差や所得格差について言及されることが多いです。
    それはあらゆる格差が生まれる原因に、経済格差や所得格差が大きく関わっているためであり、これらが起因となって連鎖的に資産や教育、情報などが固定化され移動が難しい社会ができあがっています。

    経済格差や所得格差が生まれる原因を紐解くと、その理由は日本国内と海外ではやや異なるところがあります。
    日本の経済格差については後述しますが、海外の経済格差についてはアメリカやインドを例に挙げることができます。

    経済大国としても知られるアメリカでは様々なチャンスがありますが、その分だけ貧富の差も広がりやすい状況にあります。経済成長を続けているアメリカでは、一部の富裕層の資産は増加しているものの、一般層の資産はほとんど増加していません。
    このような問題は急激な経済成長を進める中国や、IT大国と呼ばれるようになったインドなどでも発生しています。
    例えばインドでは、国内の識字率の低さからIT関係に就職できる人は一部であり、その一部の労働者が高い所得と恵まれた労働環境で働くことができますが、それ以外の人は所得が低くなる傾向にあり、格差を助長しています。

    少子高齢化や教育格差、ひとり親世帯の増加なども格差社会拡大の原因に

    経済格差や所得格差は格差社会を生み出す大きな要因となっていますが、ほかにも少子高齢化による社会保障費の増大が低所得者に大きな負担となっています。

    また貧困という負の連鎖による格差の拡大は、教育格差やひとり親世帯の増加の原因になります。
    典型的な例として挙げられることが多いのが、所得の低下あるいは低所得者の子どもが必要な学校外教育を十分に受けられないことによる教育格差です。
    この格差によって将来的な就業の選択が狭まり、非正規雇用の増大にもつながると言われています。

    ひとり親世帯においても同様に、特に母子世帯は収入が少なく貧困状態に陥ることも少なくないため、所得格差はもちろん教育格差なども生まれてしまい、格差社会が広がる大きな原因の一つとなっています。

  • 日本と海外では、経済格差や所得格差の原因は異なる
  • 貧困という負の連鎖による格差の拡大は、教育格差やひとり親世帯の増加の原因になる
  • 特に母子世帯においては収入が少なく貧困状態に陥ることも少なくないため、所得格差や教育格差が生まれてしまい、格差社会が広がる原因の一つとなっている
  • 格差社会が広がる日本

    日本は戦後の高度経済成長などを経て発展してきましたが、1990年代のバブル崩壊とともに長い不景気へと陥ることになりました。
    その頃から格差社会という言葉が見え隠れするようになり、今では国内の至る所で格差社会は広がり続ける状況が生まれています。

    日本が格差社会かどうかを知る上で重要となるのが、所得格差を測るためのジニ係数の存在です。
    ジニ係数は所得格差を示す指標であり、その係数は0に近いほど完全な所得分配ができており、1に近いほど1つの世帯が所得を独占していることを表しています。
    所得についての算出で使われることが多く、当初所得(※2)ジニ係数と再分配所得(※3)ジニ係数の2種類があります。

    日本では3年ごとに所得再分配調査を行っており、厚生労働省によると2017年に行われた調査では当初所得ジニ係数が0.5594、再分配所得ジニ係数が0.3721という結果になりました。
    これは2014年の結果と比べて当初所得ジニ係数が0.0110、再分配所得ジニ係数が0.0038低下しており、改善が見られることが分かっています。

    ただ一方では、当初所得ジニ係数が0.5を超えており、1に近いことから一部の富裕層に所得が集まりつつある現状も示唆しています。
    これに加えて、日本における貧困層の現状についても知っておく必要があります。貧困層として特に増加しているのが高齢者層とひとり親世帯です。
    日本ではひとり親世帯が増加の一途をたどっていますが、特に母子世帯の貧困率が高い傾向にあります。

    厚生労働省では貧困率についての調査・公表を行っており、可処分所得(※4)が同省の定める貧困線を下回っている母子世帯の割合が51.4%、父子世帯の割合が22.9%、ふたり親世帯でも5.9%存在しています。

    さらに可処分所得が貧困線の50%を満たしていない、いわゆるディープ・プアと呼ばれる世帯の割合が母子世帯では13.3%、父子世帯が8.6%、ふたり親世帯で0.5%いることも明らかになっています。
    また高齢者においても月収が10万円未満で生活している単身世帯が37.8%も存在しており、加えて貯蓄がない単身世帯も35.6%いることから、3割ほどの単身世帯の高齢者が逼迫した生活をしており、貧困に陥っている状況にあります。

    ※2 当初所得:所得税や社会保険料を支払う前の雇用者所得
    ※3 再分配所得:当初所得から差し引き公的年金などの現金給付や医療や介護などの現物給付を加えたもの
    ※4 可処分所得:給料から税金や社会保険料などを差し引いた収入のこと

    日本が格差社会に陥る原因とは

    日本が格差社会となった背景には、バブル崩壊後の不況下における雇用や地域格差も大きな要因となっています。

    高度経済成長期に施行された労働派遣法は、現在緩和によって業種の限定はなく、原則自由化されたことで、この制度は人材確保に利用され、多くの非正規雇用が生まれました。経費を削減するための方法としては正当なものですが、その傾向が強くなったことで非正規社員が増加していきました。
    正規社員と同等の仕事を与えられますが、所得や待遇には大きな差が出てしまい、社会保障などがまともに受けられず、低所得の労働者が増加することになったのです。

    この制度によって、所得格差は拡大することになりました。母子世帯が貧困に陥る原因の一つもこれが挙げられます。
    仕事と家事・育児を両立しなければいけないなどの理由から、正規社員として雇用される割合が低く、非正規雇用として低所得や待遇の悪い中で労働を強いられることになります。

    また人や物は都市部に流入していくことから、大都市と地域で大きな経済格差が生まれています。
    そうなれば地方にある企業の発展は妨げられ、そこで雇用される人の収入は伸びず、非正規雇用も増える可能性が高まります。
    このような所得格差は教育格差にもつながり、低所得の世帯の子どもは学校外の学習を満足に受けられず、格差が広がることになります。

  • ジニ係数は所得格差を示す指標のこと
  • 2017年に行われた調査では当初所得ジニ係数が0.5594、再分配所得ジニ係数が0.3721
  • 日本が格差社会となった背景には雇用や地域格差も大きな要因となっている
  • (出典:厚生労働省「平成29年所得再分配調査報告書」,2017)
    (出典:労働政策研究・研修機構「「第5回(2018)子育て世帯全国調査」結果速報」,2018)
    (出典:内閣府「世帯類型別にみた「高齢者の経済・生活環境」について」,2016)

    格差社会を解決するための対策

    格差社会は所得格差を中心とした原因によって広がっています。そのため、この所得格差を解消するための対策が、どの国でも急務です。

    不平等や産業構造などをなくすための対策として行われていることは、国の情勢などにも関わるため異なりますが、日本では所得格差などを是正するために政府が働き方改革を打ち出しました。これは日本国内で格差を助長する要因となっていた不平等や非正規雇用による格差など、様々な境遇によって生まれていた所得格差を改めるための政策です。

    この改革により人材が活躍できる環境を整備し、就労が困難で所得が満足に得られなかった人々が収入を得る機会と選択肢を増やすことを目指しています。
    特に主要となる対策として、長時間労働の是正や有給休暇の取得を挙げていますが、これらを改善することで、子育てや介護、健康面の問題などを理由に働けなかった人々が働きやすい環境を整備しています。

    またこの改革の一環として、同一賃金同一労働を進めています。これは非正規雇用による格差を是正することを目的としています。
    同一企業内で、正規雇用の労働者と非正規雇用の労働者の間に、基本給や賞与などあらゆる待遇において、不合理な待遇差を設けることを禁止しています。

    ほかにも、日本では導入されていませんが、海外の一部の国ではベーシックインカムが導入されています。
    ベーシックインカムとは政府が国民すべてに、生活に必要な最低限の金額を無条件に支給する制度を言います。
    所得格差の是正にはなりませんが、教育や健康などの格差を縮めることにはつながりがます。

  • どの国でも所得格差を解消するための対策が急務
  • 日本では所得格差などを是正するために政府が働き方改革を打ち出した
  • 働き方改革の主要な対策として長時間労働の是正や有給休暇の取得、同一賃金同一労働を進めている
  • 格差社会のない社会を実現するために

    格差社会の存在は私たちにとって大きな問題として存在しています。
    それは格差そのものが様々な要因から生まれており、複雑に絡み合っているため、どれか一つを改善しても、格差是正を進めるための一歩にしかならないためです。

    また格差を広げることは容易でも、縮めることは難しいことから、国際機関や各国の政府が懸命に対策を講じても、是正のために長い時間が必要となります。
    ただ時間がかかるからといって、何もしなければ格差がなくなることは永遠に来ないでしょう。長い道のりがあるのであればなおさら、すぐにでも行動に移していくべき問題です。

    まずは原因や問題点を知り、対策を考えていくことで改善は見られていくでしょう。
    そして格差社会の解決のためには、行政や関連機関だけが考えていくだけでは不十分です。格差の中に身を置く当事者だからこそ見えることもあります。
    誰かに任せて格差がなくなるのを待つのではなく、自分から行動して格差を是正していけるように取り組んでいくことが必要です。

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