産業廃棄物

産業廃棄物に関する資格がある!種類と取得方法を紹介

私たちが日常生活で捨てるごみや産業において発生するごみは「廃棄物」として処理されます。
その中でも特定のものを「産業廃棄物」と言いますが、これは適切な処理がなされなければ、環境への負担など様々な問題を発生させるため、資格を持っていなければ処理が行えません。

国連サミットで採択されたSDGsでは廃棄物による環境などへの問題を改善するため、目標12「つくる責任 つかう責任」のターゲットとして、12.5 「廃棄物の発生防止、削減、リサイクルおよび再利用(リユース)により、廃棄物の発生を大幅に削減する。」というものが掲げられています。

日本でも廃棄物による取り組みは進められており、産業廃棄物に成年被後見人、被保佐人、関しても厳しい規定が定められています。

この記事では産業廃棄物に関する資格の種類と取得方法について解説します。

産業廃棄物とは?種類や一般廃棄物との違いなど詳しく解説

産業廃棄物に関する資格とは

日本で制定されている廃棄物処理法によれば、廃棄物は一般廃棄物と産業廃棄物に分かれており、一般廃棄物の処理は「一般廃棄物処理業者」が事業許可を得て回収などを行い、「一般廃棄物処理施設」によって行われています。
処理責任は市町村が担い、一般廃棄物処理業者に事業許可を出しますが、一般廃棄物処理施設の設置と譲渡などの許可、監督は都道府県が行います。

それに対して、産業廃棄物は都道府県がすべて許可・監督を行っており、排出者が処理責任を担って、産業廃棄物処理業者が回収や処理を行い、産業廃棄物処理施設で適切な廃棄処分を行います。

ここで言う産業廃棄物は事業活動を行う過程で発生する燃え殻や汚泥、廃油、廃プラスチックなど、一般廃棄処理施設では処理できない特殊なものになります。特殊である以上、回収や処理など行うためには資格がなければいけません。
また、廃棄物の処理は厳しい規定が定められており、欠格要件(※)も存在します。それくらい廃棄物処理は厳格なルールの下で行われており、特に産業廃棄物はその種類によって取り扱いが変わることから、資格も数種類存在しています。

※欠格要件:申請者の一般的適性について、法に従った適正な業の遂行を期待し得ない者を類型化して排除することを趣旨とするものであり、産業廃棄物処理業者が欠格要件に該当するに至った場合には、許可を取り消さなければならないこと。

  • 日本で制定されている廃棄物処理法によれば、廃棄物は一般廃棄物と産業廃棄物に分かれて処理されている。
  • 一般廃棄物の処理は「一般廃棄物処理業者」が事業許可を得て回収などを行い、「一般廃棄物処理施設」によって行う。
  • 産業廃棄物は都道府県がすべて許可・監督を行っており、排出者が処理責任を担って、産業廃棄物処理業者が回収や処理を行い、産業廃棄物処理施設で適切な廃棄処分を行う。

  • (出典:環境省「廃棄物処理法の概要」)
    (出典:環境省「産業廃棄物処理業及び特別管理産業廃棄物処理業」,2020)

    産業廃棄物に関する資格と種類


    産業廃棄物の処理の許可と監督は都道府県が行っています。ただし、産業廃棄物は種類によって非常に危険なものもあり、危険度が高いものや管理をする側は国の管轄で資格の認可を行っています。
    つまり国家資格と都道府県知事によって認可されるもの2つに分類されます。

    国家資格は「特別管理産業廃棄物管理責任者」と「廃棄物処理施設技術管理者」の2種類、都道府県知事による認可は「産業廃棄物収集運搬業」「産業廃棄物処理業」「特別管理産業廃棄物収集運搬業」「特別管理産業廃棄物処理業」の4種類が該当します。

    特別管理産業廃棄物管理責任者

    特別管理産業廃棄物とは「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物」と廃棄物処理法では規定されています。
    これは特別管理産業廃棄物だけでなく、特別管理一般廃棄物も該当します。
    必要な処理基準を設けており、通常の廃棄物よりも厳しい規制の下で処理を行っているため、国の管理により資格を得る必要があります。

    特定管理産業廃棄物は廃油や廃酸、廃アルカリ、感染性産業廃棄物、廃PCBやPCB汚染物などの特定有害産業廃棄物などが含まれます。
    特別管理産業廃棄物管理責任者の役割は、特別管理産業廃棄物の排出状況の把握や処理計画の立案、保管状況の確認や委託業者の選定、適正な委託の実施など適正な処理の確保が求められます。

    資格を取得する方法

    特別管理産業廃棄物管理責任者は国家資格ではありますが、特別管理産業廃棄物管理責任者の選任要件を満たしている人が、財団法人が主催する講習を受講することで資格を得ることができます。
    廃棄物処理法の改正により、基本的に届出は必要ありませんが、都道府県によっては条例などにより届出を必要としているところもあるので、各自治体の担当部局に問い合わせる必要があります。
    また選任要件は感染性産業廃棄物か、そうでないかで異なるので、事前に確認する必要があります。

    選任要件(感染性産業廃棄物)
    医師、歯科医師、薬剤師、獣医師、保健師、助産師、看護師、臨床検査技師、衛生検査技師または歯科衛生士
    2年以上環境衛生指導員の職にあった者
    大学、高等専門学校において医学、薬学、保健学、衛生学もしくは獣医学の課程を修めて卒業した者、またはこれと同等以上の知識を有すると認められる者

    選任要件(感染性産業廃棄物以外)
    資格・学歴課程修了した科目・学科廃棄物の処理に関する技術上の実務経験
    環境衛生指導員2年以上
    大学理学、薬学、工学、農学衛生工学、化学工学2年以上
    理学、薬学、工学、農学
    これらに相当する課程
    衛生工学、化学工学以外3年以上
    短大・高専理学、薬学、工学、農学衛生工学、化学工学4年以上
    理学、薬学、工学、農学
    これらに相当する課程
    衛生工学、化学工学以外5年以上
    高校・旧制中学土木科、化学科
    これらに相当する学科
    6年以上
    理学、農学、工学に関する科目
    これらに相当する科目
    7年以上
    (学歴要件なし)10年以上
    イからチまでと同等以上の知識を有すると認められる者

    廃棄物処理施設技術管理者

    廃棄物処理法によれば、廃棄物処理施設の設置者あるいは管理者は、施設に技術管理者を設置することが義務付けられています。
    それが廃棄物処理施設技術管理者であり、学歴・経験などの要件を備え、かつ講習などを修了したものに資格が与えられます。
    この資格を得た人は廃棄物処理施設において、法律に反する処理などが行われていないか管理・監督することが役割として与えられます。

    資格を取得する方法

    この資格は一般財団法人日本環境衛生センターが開催する講習会を受講することで取得できます。講習は「基礎・管理課程」と「管理課程」に分かれており、要件に合わせて選択し、受講します。
    基礎・管理課程は実務経験が不足している人用の講習であり、施設の種類ごとに必要な知識や技能に関する学科を基礎から履修して、技術管理者の能力認定をしてもらいます。受講日数は全部で10日であり、開催地が全国的にも限られているのが特徴です。
    それに対して管理課程は受講資格要件を満たしている人用の講習であり、こちらも施設の種類ごとに必要な知識や技能に関する学科の履修を行います。
    ただし基礎・管理課程とは異なり、受講日数は4日間で開催地が全国主要都市なので、受講しやすくなっています。

    都道府県による産業廃棄物処理業の許可

    都道府県による産業廃棄物処理業の許可は以下の4つが該当しました。

  • 産業廃棄物収集運搬業
  • 産業廃棄物処理業
  • 特別管理産業廃棄物収集運搬業
  • 特別管理産業廃棄物処理業
  • 運搬業に関しては産業廃棄物または特別管理産業廃棄物を収集し、運搬する役割を担っています。
    運搬するもので区分されているため、取り扱う産業廃棄物を確認した上で許可を得る必要があります。
    処理業に関しても産業廃棄物、あるいは特別管理産業廃棄物を処理施設において適切に処理する役割を担います。こちらも処理するもので区分されます。
    これら4種類はいずれも許可要件を満たしていれば、都道府県に届出を行うことで許可を得ることができます。

    産業廃棄物処理の許可要件

    都道府県による産業廃棄物処理の許可要件は、その事業に適した施設および申請者の能力が、事業に対して的確かつ継続して行うことができるものとして、環境省令が定める基準に適合することが条件となります。

    収集運搬業においては、飛散や流出、悪臭の発散の恐れがない設備を持つことはもちろんのこと、積替施設がある場合には、飛散や流出、地下への浸透、悪臭の飛散が起こらないように必要な処置を行った施設でなければいけません。

    また処分業では、対象となる廃棄物の処理に適する施設を持つことなどの基準があり、これらを「施設に係る基準」として規定しています。
    申請者の能力に係る基準」もあり、これは収集運搬や処分を的確に行える知識や技術に加えて継続して行うことができる経理的基礎を身に付けているというものになります。
    この2つの基準を満たしていることが要件になります。
    これらを満たした上で、一般財団法人が主催する講習会課程を受講して、修了証を受領すれば都道府県によって認可を受けられますが、欠格要件に1つでも該当すれば講習会を受けることができないので注意が必要です。

    欠格要件

  • 成年被後見人、被保佐人、破産者
  • 禁錮以上の刑に処せられてから5年を経過しない者
  • 廃棄物処理法等の環境関連法、刑法などの法律違反によって罰金以上の刑に処せられてから5年を経過しない者
  • 廃棄物処理業、浄化槽清掃業の許可を取り消された者で取消しの日から5年を経過しない者(廃業した場合も同じ)
  • 暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
  • 暴力団員などがその事業活動を支配する者
  • その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者
  • 産業廃棄物は種類によって非常に危険なものもあり、危険度が高いものや管理をする側は国の管轄で資格の認可を行っている。(国家資格と都道府県知事によって認可されるもの2つに分類)
  • 国家資格は「特別管理産業廃棄物管理責任者」と「廃棄物処理施設技術管理者」の2種類、都道府県知事による認可は「産業廃棄物収集運搬業」「産業廃棄物処理業」「特別管理産業廃棄物収集運搬業」「特別管理産業廃棄物処理業」の4種類が該当する。
  • 欠格要件に1つでも該当すれば講習会を受けることができない。

  • (出典:環境省「特別管理廃棄物規制の概要」)
    (出典:環境省「廃棄物処理法の概要」)
    (出典:環境省「廃棄物処理施設技術管理者講習」)
    (出典:愛知県環境局「あいちの環境」)
    (出典:日本産業廃棄物処理振興センター「産廃知識 産業廃棄物処理業の許可要件」,2019)

    産業廃棄物は厳しい規定・資格者のもとで処理されている

    産業廃棄物は適切に処理されなければ、環境や私たちの生活に様々な悪影響を与えます。

    危険であるものも含まれているため、国や都道府県の管理の下、厳しい規定が設けられて処理が行われています。

    これらの情報は、産業廃棄物処理に関する資格を取ろうと思っている方、仕事上取らなければいけない方にとっては知っておくべき情報です。
    また、SDGs目標達成のためにも、国や自治体だけでなく私たちも廃棄物を適正な方法で処理することがより良い世界につながります。

    それぞれ資格要件や許可要件がありますので、しっかりと把握した上で、必要な資格や許可を取るようにしましょう。

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    この記事を書いた人
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