感染症

新型コロナウイルスによって医療関係機関が抱える廃棄物処理の問題とは?

WHO(世界保健機関)が正式にパンデミック宣言を行うほど、世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスの感染拡大は、2020年7月時点でも衰えていません。
世界の感染者数は2020年7月末時点で1,700万人を突破し、総死亡者数は67万人を超えました。

日本での感染者数増加は流行期と比較して落ち着いてきたものの、経済活動の自粛などが響き、雇用や社会全体の減収などにつながっています。

この記事では、新型コロナウイルスの問題点の中でも注目されにくい、廃棄物処理問題について紹介します。

新型コロナウイルスの日本での現状


2020年1月に神奈川県在住の中国籍の男性が日本で初めての感染者となってから、2020年8月2日時点で3万8,000人以上もの感染者が確認され、国内死者数は1,000人を超えました。

2020年5月には感染者数増加が緩やかに減ったことで、緊急事態宣言が解除され、2020年6月には、東京など首都圏の1都3県のほか、北海道の都道府県をまたぐ移動の自粛が解除されました。

政府は新型コロナウイルスで経済打撃が大きい観光業界などを中心に補助金支援を行っていますが、東京での感染者が100人を超える日があることから予断の許さない状況が続いています。

  • 2020年1月に日本で初めて感染者が出てから3万3,000人以上もの感染者が確認されている
  • 国内死者数は1,000人以上
  • 政府は新型コロナウイルスで経済打撃が大きい観光業界などを中心に補助金支援を行っている
  • (出典:厚生労働省「新型コロナウイルスに関連した患者等の発生について(8月2日各自治体公表資料集計分)」,2020)

    新型コロナウイルスの感染が広がりやすい医療機関で行われている対策とは?

    次に、実際に集団感染が起こりやすい医療機関で行われている具体的な対策について解説します。

    面会の禁止

    病院の入院患者が新型コロナウイルスに感染すると、健常者よりも免疫力が低下している場合が多いため、命の危険に晒される危険性が高まります。
    そのため、入院患者の親族においても全面的に面会を禁止する措置が行われています。

    医療従事者の個人防護具の装着

    感染症病棟などの最前線で作業を行う医療従事者は、新型コロナウイルス患者がいるエリアに入る際には個人防護具を装着して入室します

    また、感染防止用具の着脱などに消毒がし切れなかったりすると、感染の可能性が上がることから慎重な対応が日々求められています。

    一般受診の完全予約制導入

    「新型コロナウイルスかもしれない」と感じた時に予約せずに病院に駆け込むと、通院を行っている患者などに感染し、命を落とす危険性があります。
    そのため症状があると感じた際には、相談ダイヤルに問い合わせをし、指示を仰ぐことが求められています。

    病棟の施錠

    関係者以外が病棟に入れないようにするため、病院の入り口を施錠する期間もあります。
    入院患者や関係者には、専用のカードキーを渡して随時返却します。
    すべての診療を予約制にすることで、外部からの感染リスクを大幅に減少できます。

  • 医療機関では、入院患者の親族においても全面的に面会を禁止する措置が行われている
  • 医療従事者は、新型コロナウイルス患者がいるエリアに入る際には個人防護具を装着して入室している
  • 新型コロナウイルスの症状があると感じた際には、相談ダイヤルに問い合わせをし、指示を仰ぐことが求められている
  • (出典:⼀般社団法人 日本環境感染学会「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド 第 3版」,2020)

    医療機関での廃棄物処理方法とは?

    医療関係機関から発生する廃棄物には、治療に利用したガーゼのほか、血液や体液などの液状のもの、注射針やメスなど人間の体に触れるものなど多岐にわたります。

    これらの医療機関で出る廃棄物の処理方法について紹介します。

    注射針、メスなどの鋭利なもの

    注射針やメスは、容器に入れた際に袋から飛び出したりしないよう、耐貫通性のある頑丈な容器に入れることが求められています。
    具体的には、プラスチック製容器などに密閉性を高めて入れることが求められています。

    血液などの液状または泥状のもの

    容器から血液などが漏れ出すことで、感染が広がる可能性を防ぐため、漏洩しない密閉容器に入れることが求められています。
    プラスチック製容器に入れた上で、中から液がこぼれないように対策を施すことが大切です。

    血液等が付着したガーゼ等再利用しないもの

    誰かが触れることを避けるため、丈夫なプラスチック袋で二重にしたり、袋に入れてから容器としてダンボールを利用したり、耐久性を高めることが大切です。

    在宅医療で発生するごみの場合

    在宅医療に伴って出る廃棄物は、国の指示によって一般廃棄物として取り扱うことになっています。
    例えば、チューブ・カテーテル類は体液や血液が逆流して付着する可能性があることから、プラマークが付いていても可燃ごみとして出す必要があります。

    また、小さいポリ袋などに入れて、空気をしっかり抜き口を縛ってから出しましょう。
    このような対策は衛生処理とプライバシー保護の点でも効果があります。
    その他、使用済み注射針などは、地域によって薬局や医療機関で回収している場合もあります。最寄りの医療機関などに確認しておくと良いでしょう。

  • 医療関係機関から発生する廃棄物は、中身が飛び出し、誰かが触れることを避けるため、プラスチック製容器に入れたり、袋で二重にしたり、ダンボールを利用したりして、耐久性を高めることが必要
  • 在宅医療に伴って出るチューブ・カテーテル類の廃棄物は、体液や血液が逆流して付着する可能性があることから、プラマークが付いていても可燃ごみとして出す必要がある
  • 使用済み注射針などは、地域によって薬局や医療機関で回収している場合がある
  • (出典:環境省「廃棄物処理業における新型コロナウイルス 対策ガイドライン」,2020)

    医療機関内での新型コロナウイルス感染防止対策とは?

    最後に、医療機関内での感染リスクを軽減するために私たちができることを紹介します。

    風邪の症状が出ても、基本的には自宅待機が原則

    新型コロナウイルス流行期では、新型コロナウイルス患者を受け入れられる病床数が限られていたことから、臨時措置として近隣のホテルに軽症者を移動させるという策を取っていました。

    重症患者の人に治療を優先させるために、微熱などの軽い症状であれば自宅待機を心がけましょう。

    地方自治体の新型コロナウイルス専用ダイヤルに連絡

    発熱があってから、数日が経過したものの熱が下がらない場合は、各地方自治体が用意している新型コロナウイルス専用ダイヤルにアクセスすることを検討しましょう。

    専用ダイヤルでは、自分の身に起きている症状を細かく説明し、電話を担当する人の判断でPCR検査や病院の紹介などを行います。
    強い症状ではないが、数日間続いていて不安がある人などは、一度相談して見るのも良いでしょう。

    苦しくなった際には緊急外来を利用する

    自宅待機を行っていたが、呼吸が苦しいなど我慢できない症状が続いた場合は、緊急外来を利用しましょう。
    そして電話した際に「新型コロナウイルスに感染しているかもしれない」と一言伝えるだけで、緊急救命士も防護服を利用する判断を行えます。
    緊急外来を利用する際にも、医療従事者の人への感染を防ぐ配慮が求められます。

  • 微熱などの軽い症状であれば自宅待機をすることで医療機関内での感染リスクを軽減できる
  • 各地方自治体は新型コロナウイルス専用ダイヤルを用意している
  • 緊急外来を利用する際に「新型コロナウイルスに感染しているかもしれない」と一言伝えるだけで、緊急救命士も防護服を利用する判断を行える
  • (出典:厚生労働省「新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センター」,2020)

    新型コロナウイルス感染を防ぐため正しく廃棄物処理をしよう

    この記事では、新型コロナウイルスにおける日本の現状と、医療機関が行っている新型コロナ対策、医療機関から排出される廃棄物の処理方法などを解説しました。

    在宅医療なども少しづつ浸透している中で、使用した医療器具の処分方法などを捨てる人の知識に依存せず、廃棄物処理について一人ひとりが知っておく必要があります。

    感染を広げないことを念頭におき、廃棄物処理の方法を見直しましょう。

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