「ゴールドリボン運動」という活動をご存知でしょうか。
小児がん患者の子供たちとその家族を理解・支援するべく「認定NPO法人ゴールドリボン・ネットワーク」が立ち上げた運動です。
日本では毎年、約2,100人の子どもたちが小児がんと診断されています。
成人のがんと比べると患者数が少ないため、小児がんに対する一般の方の認知や支援はまだ十分とは言えません。
「小児がんを患う子どもたちの力になりたい」
そう考えたアフラック生命保険株式会社(以下、アフラック)は、日本で「ゴールドリボン運動」が始まった当初から賛同し、積極的に啓発や支援に取り組んでいます。
ゴールドリボン運動とは
ゴールドリボン運動は、小児がん患者とその家族を支援するための運動です。
一般的に、15歳未満の子どもが発症するがんのことを指す小児がん。日本では年間で約100万人が新たにがんと診断されており(※1)、そのうち、小児がんは約2,100人だと言われています(※2)。
成人のがんに比べ症例数が少ないことから認知や支援の機会に恵まれず、薬や治療法の開発が遅れているのが現状です。
ゴールドリボン運動は、小児がんを取り巻く現状や研究の重要性を広く社会に知らせることで、小児がん患者と家族に対するサポートや、資金調達や治療法の開発につなげることを目的としています。
※1) 国立がん研究センターがん情報サービス:最新がん統計(2019年データ)
※2) 国立がん研究センターがん情報サービス:小児・AYA世代のがんの罹患率(2009-2011年データ)
ゴールドリボンウオーキングで小児がん支援
ゴールドリボン運動の具体的な取り組みの一つが、2007年から実施されているゴールドリボンウオーキング。ゴールドリボンウオーキングは、小児がんの社会的な問題に対する意識を高め、小児がんの子どもたちへの理解と支援の輪を広げることを目的としたチャリティーイベントです。
小児がんは、稀ながんであることから、一般的な認知度が低いという現状があります。まずは小児がんを知ってもらうことが、理解や支援の第一歩となります。
ゴールドリボンウオーキングは「イベントを通して、一人でも多くの方に小児がんを知ってもらいたい」という想いから始まりました。
参加者がゴールドリボンのTシャツやバッグを身につけてウォーキングするこのイベントは、毎年4月25日の「小児がんゴールドリボンの日」の時期に実施されており、これまでにのべ54,000人以上の方々が参加しました。
(提供:ゴールドリボンウオーキング実行委員会)
アフラックでは、小児がん啓発のため、2007年からゴールドリボンウオーキングに特別協賛しています。
ゴールドリボンウオーキングは、単なる疾患啓発だけでなく、参加費や寄付を通じて小児がん研究や患者さん・ご家族の支援につながる取り組み。昨年は小児がんを診療している病院や研究機関、小児がん関連の支援団体など35の団体に寄付が届けられ、病院の環境整備や小児がん治療の研究に役立てられています。
小児がんは治療できる病院の数が少なく、適切な治療を受けるためには遠く離れた病院に行かなくてはならないケースも少なくありません。そうした子どもたちがきちんと治療を受けられ、ご家族も安心してサポートできるよう環境を整えることも、小児がん治療の課題です。
2023年は5月13日に東京・お台場でゴールドリボンウオーキングが開催され、会場には約2,000人の参加者が集まりました。出発式でスピーチをした小児がん経験者のお二人は、治療後の長期的な影響や、周囲の理解の必要性について次のように述べています。
13歳の時に右の骨盤にユーイング肉腫が見つかり、手術や抗がん剤治療などを経験した大学生は、次のように語りました。
「手術をしたら歩けなくなる可能性があると言われた時は、大好きな釣りができなくなるのか、将来の夢を諦めないといけないのかと、今までにないほどの絶望感に襲われました。しかし、抗がん剤が効いたことで今は歩けるようになり、大好きな釣りにも行けています。ただやっぱり、腰痛はずっと続いています。治療が終わったのになんでこんなに痛みが残っているんだろう、と悔しくなることもあります」
痛みや不安を抱えつつも、現在は前を向き「思春期で入院している子たちが、小さなことでも話せて、冗談を言い合えるような場を作りたい」という目標を持っていると言います。
「最終的には起業をして、困難を抱えている子どもたちの夢を一緒に叶えるお手伝いをしたいです。さまざまな理由でやりたいことができない状況になった子、生まれつきの事情がある子などの気持ちを救える存在になる。それが、いまの私の目標です。」
(提供:ゴールドリボンウオーキング実行委員会)
8歳の時に骨肉腫と診断され、現在も治療を続けている現在小学6年生の清水さんは、今回初めてイベントに参加しました。清水さんは自身の経験から、みんなの理解が大切だと感じ、いま「小児がんについて」知ってもらう活動をしています。
「治療していた2年間は、学校には行っていませんでした。クラスのみんなが手紙を書いてくれたり、千羽鶴を折ってくれたりしたのが嬉しかったです。小児がんは、身近な人ももしかしたらなるかもしれない病気だから、みんなに正しく知ってもらって、共感してくれたら嬉しいです」
将来は獣医さんか裁判官になりたい、と話す清水さん。治療中は、将来の夢のことを考えてモチベーションを上げていたと言います。
「友達や家族の支えがあり、一人じゃないから頑張れた」
今まで助けてもらったぶん、これからは周りの人たちへの感謝を忘れず、いつか誰かの役に立てるよう努力していきたいと話してくれました。
清水さんは、主治医の先生から聞いたある言葉を今も大切にしているそうです。
「笑っているといいことがあるよと先生が言っていました。『笑う門には福来る』という言葉もあるので、いま病気で治療中の人にも笑っていてほしいと思います」
(提供:ゴールドリボンウオーキング実行委員会)
小児がんの子どもたちが少しでも生きやすく、笑顔でいられる社会を目指して、ゴールドリボン運動の活動は続きます。
ゴールドリボン運動を支援して、小児がんの子どもたちが安心して暮らせる社会を
がんは加齢に伴う病気だと認識されていることが多く、日本での小児がんの認知度はまだまだ低いのが現状です。
小児がんは患者数そのものが多くないことから、薬の開発がなかなか進みません。
また、患者が未来ある子どもであることから、治療後の人生が長い = サポートすべき期間が長いという課題があります。小児がんには、私たちのサポートが必要です。
小児がんの子どもたちやご家族へのサポート、治療法の研究開発につなげるために、ぜひ皆さまのご支援をお願いいたします。
(提供:ゴールドリボンウオーキング実行委員会)