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感染症で亡くなる子どもが多い国と日本の違いは?日本が行っている取り組みとは

この記事を要約すると

世界では様々な場所で感染症が原因で子どもが亡くなっています。
日本では治療や予防ができる感染症であっても、途上国の子どもたちは医療サービスが受けられないために治せるはずの感染症が原因で亡くなっています。
感染症で亡くなる子どもたちを救うために、どのような支援方法があるのでしょうか?

SDGs「すべての人に健康と福祉を」の達成のために、感染症になる子どもたちに必要な対策や支援とは

感染症で亡くなる子どもが多い国やエリアとは?


2017年には、世界で生後1カ月間に亡くなった新生児の数は250万人にのぼりました。サハラ以南のアフリカ、あるいは南アジアに生まれた子どもが生後1カ月間に命を落とす確率は、高所得国に生まれた子どもの約9倍となっています。

加えて、世界で5歳未満で亡くなる子どもの半数がサハラ以南のアフリカ地域に集中しており、さらに30%が南アジア地域で起きています。
サハラ以南のアフリカ地域では、子ども13人に1人が5歳の誕生日を迎える前に命を落としますが、高所得国ではその割合は185人に1人の割合と大きな差があるのです。

子どもたちが5歳になる前に亡くなる原因

5歳未満で亡くなる子どもの死因は、出産時の合併症、肺炎、下痢、新生児敗血症、またはマラリアなどが多く、これらはほとんどが予防可能あるいは治療可能な病気です。
5歳から14歳の子どもでは溺死や交通事故死などの負傷による死が顕著になっています。

また、肺炎・下痢・マラリアなどの感染症も多くの子どもの死亡要因となっています。
感染症は不衛生な環境や水などを摂取したり、寄生虫によって感染します。

不衛生な水により下痢を引き起こした場合、身体から水分を奪い、子どもたちの体力を消耗させ死につながるのです。

子どもたちが感染症にかかってしまう原因

開発途上国において、子どもたちが感染症にかかる理由は、経済的な貧しさ、医療整備の遅れ、知識不足などが挙げられます。開発途上国の住民の多くは経済的に貧しく、満足な食事が摂れずに栄養不足の状態にあることが多いです。
さらに水道や井戸、トイレなどの衛生設備が整っていない環境で暮らしているため感染率も高くなってしまいます。

感染症になった場合でも、医師や看護師、検査技師、医薬品が不足していたり、予防接種などの十分な医療サービスを受けられないことが多いのです。
また、衛生や予防についての情報が得られないことも感染症が広がってしまう理由となっています。

(出典:日本ユニセフ 公式サイト)

世界と日本の死亡原因には大きな違いが


2018年に、ユニセフ(国連児童基金)・世界保健機関(WHO)・国連経済社会局(UNDESA)の人口部門および世界銀行グループにより構成される国連の「死亡率推計に関する機関間グループ(IGME)」が発表した報告書によると、2017年に死亡した15歳未満の子どもの数は推定630万人とされています。

これは、世界のどこかで5秒に1人の割合で子どもが亡くなっていることを意味していますが、そのほとんどが予防可能な要因によるものです。

日本と世界の5歳未満児の死亡率を比較すると、大きな違いが見られます。

世界 日本
肺炎 15% 7%
下痢 8% 2%
マラリア 5% 0%
髄膜炎 2% 1%
分娩時の問題 12% 5%
早産 18% 9%
けが 6% 6%
エイズ 1% 0%
はしか 2% 0%
先天性 9% 41%
その他 32% 28%

(出典:日本ユニセフ 公式サイト)

これらの病気のうち、肺炎・下痢・マラリアといった感染症に属する病気は、家庭などできちんと対策をすれば予防することができる病気です。しかし、今もなお毎日6,000人以上の子どもたちが、これら3つの病気が原因となって命を落としています。

対して日本で一番多い死因は先天性のものとなり感染症の割合が少ないことから、病気を治すための医療サービスが受けられていることがわかります。

(出典:IGME『Levels and Trends in Child Mortality 2018(2018年度版 子どもの死亡における地域(開発レベル)別の傾向)』

5歳未満児の死亡は特定の地域に集中

2017年の乳幼児死亡総数の約3割に相当する150万人以上が、これら3つの感染症の犠牲となっているのです。そしてその8割がサハラ以南のアフリカと南アジアに集中しています。

この背景には、途上国の子どもたちの多くが栄養不良に苦しんでいるという現状があります。栄養不良は、5歳未満児の死亡の約半数に関係しているとも言われています。

栄養不足に加えて、医師の数が不足していることも、子どもが感染症で亡くなる大きな原因です。日本の医師の数は国民414人に対し1人いるのに対して、世界では数万人に対し医師1人という国も珍しくありません。

病気になっても適切な治療を受けられないことによって、先進国では助かるような病気となってしまった子どもも命を落としているのです。

(出典:日本ユニセフ 公式サイト)

医療が行き届いていない地域に対して日本の団体が行っている支援活動は


医療が行き届いていない地域の子どもたちを守るためには、どのような方法があるのでしょうか。

近年では、医師でなくても地域の保健員などが肺炎やマラリアの診断を可能にする簡易検査キットが導入されていたり、下痢や肺炎を予防することのできる新しいワクチンが普及したことによって、感染症による子どもの死亡率が大幅に低くなっています。

また、様々な活動団体が、感染症予防のための知識について啓蒙活動を行ったり、親や子どもたちに対する教育活動を行っています。
しかし、地域保健員など、現地で活動する人々が、アフリカだけでも今後約10年間で420万人が不足すると予想されており、予断を許さない状況であることに変わりありません。

幼い子どもたちにとって、最も大きな脅威となっている肺炎は、早期発見と早期治療が生死を分けることになります。肺炎に対しては、早期の診察とワクチンによる予防が有効な手段です。

また、病気に対する治療だけではなく、清潔な水を供給することも下痢などに有効的な予防策です。ORS(経口補水塩)や予防接種で命を守る一方で、井戸や水道、トイレの整備をすることによって、多くの命を救うことができます。

蚊が媒介するマラリアは抗マラリア薬と防虫処理済みの蚊帳で撃退することが可能です。発症後24時間以内に薬を投与しないと死のリスクが高まりますが、蚊帳を使用することによって、感染を予防できます。

一人でも多くの子どもの命を守るために…


先進国であれば日常的に受けられるような基礎的な保健医療サービスを受けることができず、開発途上国に住む多くの子どもたちが亡くなってしまう現状が問題となっています。

今後、病気に対して最も脆弱である新生児を救うための医療ケアや、母子を救うための医療を無償化するための政策を後押しすることなどにも尽力することを通じて、現在の高い乳幼児死亡率を大幅削減することが必要です。

感染症の多くは、発生源をなくすこと、感染経路を遮断すること、子どもの免疫力を高めることによって予防することができるものです。

一人でも多くの子どもの命を救うために、まずは現状を知ることから始めてみませんか。

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