不登校になる原因や理由は、個々の状況を踏まえれば千差万別です。
しかし不登校を解決するためには、その原因を把握することが大切であることから、ある程度の大まかな分類がなされています。
この記事では、不登校になる原因や理由の大まかな内訳と解決方法について紹介します。
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不登校になる原因・理由とは
文部科学省によると、不登校の定義は下記のようになっています。
「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席したもののうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」
(引用:文部科学省「不登校の現状に関する知識」)
この定義は1998年以降に用いられるようになり、それ以前は学校嫌いなどの分類になっていました。
このような定義ができたのは、実際に上記の要因や背景により、30日以上欠席が続く子どもが増加したことにあります。
2018年時点の文部科学省の調査によると、小中学校における不登校の状況は小中学校では16万4,528人、高校でも5万2,723人となっており、特に小中学校は年々増加傾向でした。
また小中学校のうち、不登校となって90日以上欠席した生徒は58.1%と半数以上を占めていることも分かっています。
なぜこれだけの生徒が不登校になってしまうのか。その原因や理由も文部科学省が行った調査・アンケートなどで明らかになっているのです。
不登校になる原因は学校よりも家庭の割合が高い
文部科学省による不登校の原因・理由についての調査で、学校に係る状況よりも家庭に係る状況の割合が高いという結果が出ています。
学校に係る状況として最も多い回答は、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」です。この項目の割合は小学生で21.7%を占め、中学生でも30.1%と2~3割の生徒がこの問題を抱え、不登校になるというデータが得られました。
次に高いのは、「学業不振」であり、小学生が15.2%、中学生が24.0%で、学習内容が難しくなる中学生の割合が高いことが分かります。
学年が上がるにしたがって学習内容が難しくなり、小学校から中学校に上がれば授業の速さが増すことから、授業についていけないなどの理由で不登校になるケースがあるようです。
中学校は高校への進路、つまり入試も控えているため余計に不安を抱えやすい時期でもあります。
また「入学・転編入学・進級時の不適応」が続き、小学生が4.5%、中学生が7.7%でした。
小学生は「教職員との関係をめぐる問題」も同率で4.5%になりました。
不登校になる原因として注目されることがある「いじめ」は小学生で0.8%、中学生で0.6%と全体的にも低めとなっています。
ほかにもクラブ活動や部活などへの不適応、学校の決まりなどを巡る問題なども学校に係る状況に挙がっています。
それに対して家庭に係る状況は、小学生で55.5%と半数以上を占め、中学生でも30.9%と全体で比較しても最も高い割合を示していました。
この家庭に係る状況は、両親の別居や離婚、近親者の死別など、生活環境の劇的な変化、親子関係を巡る問題、家庭内の不和などが挙がります。
家庭内の事情が子どもに大きな影響を与える
子どもにとって家庭とは、帰るべき場所であり安らげる居場所の一つです。しかしその家庭環境が崩れてしまえば、子どもの大きなストレスになることは避けられません。
特に心が成長する時期にある小学生や中学生などの多感な時期には多大な影響から登校できなくなってしまうこともあります。
家庭内に係る要因の一つである両親の別居や離婚は、子どもにとってショッキングな出来事であり、ストレスの増加につながります。
また、両親の不和だけでなく、親近者の死や環境の変化も子どもへの影響として挙げられます。
これらはあくまで例であり、子どもは一人ひとり個性が異なるので、必ずしも当てはまるわけではありませんが、目安として知っておきましょう。
(出典:文部科学省「平成30年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」,2019)
(出典:国立教育政策研究所「第3章 不登校 」 )
(出典:神奈川県教育委員会「誰もが和らぐ学校を目指して」,2019)
不登校になる生徒が出たとき学校ができること、解決方法とは
子どもが不登校となってしまうと、最も接することが多くなるのは保護者です。
そのため保護者が何かしらの取り組みをするしかないように見えますが、学校や教育委員会、関係機関などと連携して、組織的に解決をしていく方法もあります。
下記では、学校にできることは何なのか、解決方法はどのようなものがあるのか紹介します。
学校にできること
不登校の原因や理由を見たとき、学校に係る状況には、人間関係によるもの、学業や部活動、学校の決まり・環境によるものの3つに分類することが可能です。
特に人間関係や学業は大きな割合を占めており、これらが学校やクラスの環境にも関わってくるとも言えます。
そのため学校が不登校を生まないためにできることは、学業不振とならないように「わかる授業」を行う工夫や、子どもたちが一人ひとり役割を持ち、存在感を得られる「居場所づくり」、豊かな人間関係を築ける「絆づくり」を図ることです。
これらはクラス担任や副担任だけでなく、教科担任や養護教諭、教頭、校長に至るまですべての教職員の協力と努力のもとに成立します。
また学習に関しては、子どもたち一人ひとりの教育的ニーズに適切に対応していく支援教育の理念を持つことも求められているのです。
月3日以上の欠席をする生徒がいる場合でも、担任だけでなく教育相談コーディネーターや学年職員、養護教諭、部活動の顧問などを中心としたチーム体制を作り、早期の発見と対応を行うことができます。
子どもの負担にならないよう配慮しながら、電話や手紙、可能ならば家庭訪問などで生徒に働きかけをして関わっていくことも大切です。
長期的な休みになったとしても、学校教育により積極的に支援をしていく意識を持ち、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、教育支援センター、児童相談所、民間のフリースクールなど外部機関との連携も行っていく必要があります。
(出典:神奈川県教育委員会「誰もが和らぐ学校を目指して」,2019)
不登校になる原因・理由は子どもによって様々
不登校の原因や理由が子どもにとって様々であり、複数の要因が複雑に絡まっているなど、状況を把握しなければ分からないことも多々あります。
しかし不登校になりそう、あるいはなったからといって、強引に子どもを学校に行かせようとするのは逆効果です。
不登校を解決するためには、子どもと向き合い、原因や理由をじっくり話しながら見つけ出していき、その上で、解決できる方法を一緒に考えていくことが大切になります。
また、不登校になりかけや、不登校になった直後は心理的に不健康な状態であることが多いため、保護者によってはストレスを感じて冷静さを欠くこともあるかもしれません。
子どもが不登校になると不安になるかもしれませんが、落ち着いて子どもと向き合う時間を作りましょう。
保護者だけで抱え込むと大きな負担となるため、学校や関連機関にも協力を仰ぎ、連携して子どもが再び登校できるように模索してください。
今や不登校は珍しいことではないため、支援などもしっかり行われており、登校できるまでの個人差はありますが、復学できる可能性は十分にあります。
また、復学以外にも家で学習できるホームスクールや通信制といった学習方法もあります。
まずは子どもとコミュニケーションを取り、一緒になって解決策を考えてみてください。
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