不登校になる原因は様々ですが、小中学校と高校では少々異なる部分があります。
義務教育である小中学校とは違い、高校では留年もあるため、不登校への対応や取り組みも異なります。
この記事では高校で不登校になる原因や、通信制高校を選択するメリットなどを紹介します。
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高校と小中学校では不登校の要因が違う
不登校は小中学校生および高校生など、誰にでも起こり得ることであり、珍しいことではありません。
文部科学省のデータによると、高校の不登校の状況については2018年時点で5万2,723人であり、高校生1,000人あたりでは16.3人となっています。
小中学校では、年々不登校の生徒数が増加傾向にありますが、高校は少し違う結果になりました。
2004年から2009年にかけては減少傾向、そこから2012年までは増加、そして2016年までは減少に転じ、2018年までは増加傾向にあります。
このように増減を繰り返しているという特徴が見られるのが高校の不登校の現状です。
また文部科学省は、不登校の定義を以下のように記しています。
何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席したもののうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの
(引用:文部科学省「不登校の現状に関する知識」)
2018年時点、文部科学省の調査によると、高校の国公私立で不登校生徒5万2,723人のうち、欠席日数が30~89日間の生徒は4万1,573人(78.9%)であり、90日以上の生徒は1万1,150人(21.1%)でした。
小中学校との違いはここにもあり、小中学校で欠席日数が90日以上の不登校の生徒は58.1%と6割近くも占めているのに対して、高校では2割程度です。
これは小中学校と違い、高校では中途退学や原級留置(留年)があることが理由に挙がります。実際に、不登校の生徒に対する中途退学の割合は25.4%、原級留置(留年)は6.9%もいました。
中途退学は年々減少傾向にはあるものの、欠席日数が増えれば留年があることを考えると、中途退学をするか、学校に復帰するかの選択を迫られる場面もあります。
(出典:文部科学省「平成30年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」,2019)
高校で不登校が起こる原因とは
なぜ高校で不登校の生徒が出てしまうのか、その理由を調査すると学校や家庭に係る要因に加えて本人に係る要因が絡み合い起こっていることが分かりました。
不登校の理由を突き詰めると一人ひとり細かく違うため、理由をすべて羅列することはできませんが、主な理由は下記の通りです。
学校に係る要因 |
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家庭に係る要因 |
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本人に係る要因 |
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2018年に文部科学省が発表したデータによると、学校に係る要因として「いじめ」が最も多く79.8%でした。
また、高校の不登校全体(5万2,723人)のうち、本人に係る要因として「無気力の傾向がある」が主な理由であると回答した人が1万7,359人(32.9%)と最も多くなっています。
(出典:文部科学省「平成30年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」,2019)
高校で不登校になった子どもに親ができる対応は?
学校に通わなくなった我が子を見て、親は対応に迫られることになります。
まずは子どもから原因や理由を聞くことが求められますが、その場合、正論で追い詰め、叱責など追い詰めるようなことはしないようにすることが重要です。
最も苦しんでいるのは不登校になった本人であり、過度のストレスから緊急避難的な行動として不登校になっているとはいえ、普通に学校に行けないことに追い込まれている状態なのです。
そのため、失跡したり追い詰めてしまうと頼る先であるはずの親にまで見離されたと感じ、心を閉ざして何も話してくれなくなってしまうかもしれません。
親としての焦りや不安などがあっても、学校に行けない理由を冷静に聞いてみることが重要です。
不登校の原因や理由が明確に無い、本人もなぜか分かっていないといったケースもあるため、思春期にいる高校生は対応が非常に難しいのです。
また、不登校の原因となる人間関係の問題は友人だけでなく、教職員・部活顧問とのトラブルや距離感によるものもあります。
そのため、子どもが話してくれるまで少しずつコミュニケーションを取り、具体的なアドバイスなどは避けるようにしましょう。
その上で子どもの意思で学校に行けるときは行く、行けないのであれば子どもが回復するまで休養させるという考えでいることが大切です。
無理やり行かせようとはせず、子どもの自主性や心身の回復を待つことを優先しましょう。
復帰・回復できるまでにどれくらいの期間がかかるかは子どもによっても違い、人それぞれ対応は異なるため、正解というものを選び出すのは難しいです。
原因や理由によっては、学校や支援センターなどの関連機関への相談や、カウンセリングやフリースクールの学習支援なども受けることを視野に入れると良いでしょう。
基本的には、欠席日数が増加することによる進級の危機の回避よりも、子どもの回復を第一に考えて取り組むべきです。
(出典:秋田県総合教育センター「不登校への対応 ノープロブレム大丈夫」)
通信制高校も選択肢の一つ
高校を不登校による留年やそれに伴う中途退学となってしまった場合(中学卒業後)、選択肢としては通信制高校への編入という選択肢があることを知っておくと良いでしょう。
文部科学省によると、通信制の課程は「全日制・定時制の高校に通学することができない青少年に対して、通信の方法により高校教育を受ける機会を与える。」としています。
全日制は平日の昼間の授業、定時制は夕方・夜間の授業、通信制は必要なときのみ登校し、ほとんどが自宅学習となります。
通信制高校の不登校の生徒に対する大きなメリットは下記の通りです。
上記のほかにも、通信制高校は同じような悩みを抱えている生徒もいることから、自分だけではないことを実感できる場所にもなるでしょう。
近年は、通信制高校も新しい選択肢として認知されるようになってきていることから、学校側の受け入れ体制も充実しており、学習方法も選べるため、子どもにあったペースでの学習を行い、高校卒業を目指すことができます。
無理に学校に行かせるのではなく、このような選択肢もあることで不登校から学校を卒業できることを知っておきましょう。
(出典:文部科学省「定時制・通信制課程について」)
多感な時期の高校生を不登校から救おう
高校生は大人になる手前ということもあり、様々な環境や人間関係に悩みを抱えやすい時期でもあります。多くのストレスを1人で抱えてしまった子どもは、学校に行く意義や気力を失って不登校になってしまうことがあります。
しかしそれは甘えや怠けではなく、自らを守るための防衛行動であり、気力を回復するための手段です。
それを一番に理解してあげられるのが親であり、世間体などではなく、多様性のある選択肢を提示し、子どもの主体性を取り戻させてあげることが大切になります。
しっかりと子どもに向き合い、子どもにあった選択肢を一緒に考えてあげましょう。
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