いじめが起き、そして進行しているときには加害者や被害者に様々な心理が働きます。
その心理状態の変化が、いじめの長期化やエスカレートしていくことへとつながっていきます。どちらの心理状態も変化していき、様々なケースや結末へと向かっていきます。
この記事では、いじめの加害者・被害者の心理について紹介します。
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いじめをしてしまう人には心理的な要因がある
いじめが起きているとき、加害者と被害者にはそれぞれの心理が存在しています。
また、加害者の子どもの心理には共通点があることにも注目しなければいけません。
いじめは単一的な要因で起こるのではなく、子どもの心理や周辺の環境などが複雑に絡み合って起こるのです。
そして加害者と被害者の心理がそれぞれ影響し、長期化やエスカレートしていくことへとつながり、最悪の結果を招くこともあります。
いじめを未然に防ぐため、そして起こってしまったときに適切に対処するためにも、いじめが起きているときの加害者の子どもの共通点や加害者と被害者の心理について知っておくことが重要です。
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いじめ加害者の子どもの共通点
なぜいじめを行ってしまったのか、加害者となってしまう要因に共通点があり、そのいずれか、あるいは複数が当てはまっていじめに発展していくと見られています。
いじめの対象となった子どもに遊びや快楽といった無関係で身勝手な理由で、自身のストレスを攻撃しやすい相手に対してぶつけることがあります。
いじめが起こりやすい環境は子どもにとってストレスが多い環境です。そのため子どもはストレスを発散するためにいじめを行います。いじめの対象となる生徒にはまったく身に覚えのないところから発生します。
このときの対象は、弱い者や無抵抗な者を標的にする傾向にあります。
ほかにも実際にいじめの中心となる子どもとの関係を維持したい、同調しなければ次のターゲットにされるなどの強迫観念からいじめに加担してしまうことがあります。
こういった要因が加害者の共通点として確認されており、いじめを発生させていると見られているのです。
(出典:J-Stage「なぜいじめはエスカレートするのか? 」)
いじめが起きているときの加害者と被害者の心理とは
加害者はどのような心理の下で、いじめという行為を行ってしまうのか、被害者はいじめを受けた際にどのような心理状況になっているのかについて紐解いていきましょう。
いじめ加害者の心理
加害者の心理としてはいじめを始めたときと、いじめが続く中での心理の変化があり、加害者の共通点と相まって様々な心理が働いています。
いじめが遊びや快楽を目的とした傾向にあるものは、なんとなくいじめたくなった、ストレス発散のため、いじめられている子どもの悪口をみんなで言うのが楽しかったからという理由です。
また、自分の力を誇示し、周りから認められたい、褒められたいという承認欲求から始まるケースもあるのです。
観衆や傍観者も加害者の一部
いじめの構造を見たとき、いじめる側である加害者といじめられる側である被害者の2層構造ではなく、そこにいじめをはやし立てる「観衆」、見て見ぬ振りをする「傍観者」を加えた4層構造であることが分かっています。
この観衆や傍観者の心理も合わさることで、事態はより悪化し、長期化や過激化していくことがあります。
観衆は直接手を下さないことから安全、とりあえず面白そう、従わないと後が面倒などの心理から、いじめを周りから眺め、はやし立てることでエスカレートさせてしまいます。
傍観者も被害者の味方をしたり、先生などに報告をすると自分もターゲットにされるという不安を抱き何もできず、「被害者にも悪いところがある」などといじめを肯定してしまうような心理が働くこともあるようです。
観衆や傍観者も加害者の一部となってしまい、いじめが止められない環境が構築されたり、長期化、行為をエスカレートさせる原因になっています。
(出典:文部科学省「いじめ対策Q&A」)
いじめ被害者の心理
ある被害者は加害者との関係を修復し、ほかの子どもとも親しくしようと考え、状況打開のための努力を行おうとしました。
しかし上手くいかず、母親や教師に窮状を訴えたことにより表面上は解決したかに見えましたが、母親や教師の指導が逆効果となり、いじめはエスカレートすることになったのです。
母親や教師には頼れず孤立した状態になり、じっと耐えるしかない、誰に救いを求めたら良いか分からない絶望的な心理状況に陥ることになりました。
ほかのケースでは、自分がいじめにあうことに激しい怒りを持ちながらも、母親や教師には心配をかけると思い訴えることができない、いじめられていることを認めて訴えることで、自分自身のプライドを傷付けることになることを恐れるといった心理に陥ることもあります。
このケースの被害者はいじめられていることを隠して生活し、孤立したときの不安な思いが忘れられず、だれとも親しくせず防衛的な態度になり、かつてこの子どもが持っていたリーダー性のある姿を失うことになりました。
被害者の中には、いじめられている状況が「まし」だと考えてしまう子どももいます。
以前に苛烈ないじめを受けていた場合に、その状況と比較し、いじめを訴え孤立するよりは、時々遊び相手になってくれる加害者に心理的につけ込まれてしまいます。
いじめに抵抗することの困難さや、親や教師に対する不信感からいじめをいじめと認めない心理が働きます。いじめられてもなお、加害者や周囲と友達や仲間でいたいという切実な願いが働くこともあるのです。
このように、親や教師にいじめを訴えないという心理に被害者が陥ることが多々あり、いじめの発覚が遅れたり、1人で抱え込んでしまう状況が生まれてしまいます。
(出典:東京都教職員研修センター「第1章 いじめの心理と構造」)
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いじめの加害者・被害者の心理を理解しよう
いじめは被害者にも原因があると言われることもありますが、決してそんなことはありません。
いじめを生んでしまう環境や状況、加害者の心理などが複雑に絡み合って起こるのです。
特に心理的な要因は、いじめの発生から長期化、過激化にもつながることから、特に理解しなければいけないものです。
いじめの防止と、発生してしまった場合の早期発見から対応などを行うためには、加害者の心理をもとに考えていく必要があります。
また被害者を徹底的に守り抜き、ケアをするためには被害者心理を理解することも大切です。
いじめを解決し、再発させず、真の意味で被害者を日常に戻すためにも、いじめの加害者や被害者のそれぞれの心理を知って、向き合っていきましょう。