現代の学校教育において、大きな問題の一つとなっているのがいじめです。
いじめを苦にした自殺が問題視されたことから、法整備がなされ、支援や取り組みなどが整えられてきました。
学校でのいじめを防止する対策や、いじめを早期発見・対応するための取り組みを文部科学省が示しています。
この記事では、学校のいじめに対する対策や取り組みについて紹介します。
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学校のいじめに対する基本的な認識
いじめはコミュニティがある場所ではどこでも起こる可能性があるものです。
特に学校は多感な時期を過ごす子どもたちが集まる場所であることから、様々な理由でいじめが起こりやすくなります。
そのため学校ではいじめを未然に防止する対策や、いじめが起こったときの早期発見と対応の取り組みが示されています。
いじめの防止や早期発見・対応には学校とすべての教職員が自らの問題として受け止め、取り組んでいくことが重要な課題です。
その上で教職員は基本的な認識として「弱いものをいじめることは人間として絶対に許されない」という認識や、いじめられている子どもの立場に立ち親身に指導を行うという認識を持っています。
また、いじめは家庭教育のあり方が大きな関わりを持っていることや、教師の児童生徒への指導の在り方が問われている問題であることも合わせて示されています。
そして家庭と学校、地域社会などすべての関係者が役割を果たし、一体となっていじめの問題に真剣に取り組むことが必要であることが教職員共通の認識です。
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学校のいじめ対策や取り組み
学校のいじめ対策や取り組みは、「実効性のある指導体制の確立」や「生徒への適切な教育指導」、「いじめの早期発見・対応」、「いじめを受けた生徒(被害者)へのケアや弾力的な対応」、「家庭や地域社会との連携」に分けることができます。
それぞれどのような対策や取り組みがあるのか、紹介します。
実効性のある指導体制の確立
いじめが起こった際、いかに迅速に対応して悪化を防ぎ、表面上ではなく根本的な解決に行きつけるかが重要です。
そのため、いじめの発生についてきめ細かな状況把握を行い、学校および教育委員会は相互に連絡や報告を密に行うことが求められています。
校長をリーダーとして、教職員の役割分担や責任の明確化を図り、全教職員が密接な情報交換を行うことで共通認識を持ち、連携して指導に取り組むという実効性の高い体制作りをします。
いじめが起こったとき、子どもが1人で抱えてしまうのと同様に、その訴えを学級担任が抱え込むこともあり得るため、校長への適切な報告がなされるような組織作りも合わせています。
また、学校ごとにいじめの問題についての教職員の共通理解や指導力の向上を行うために、事例研究やカウンセリング演習などの実践的な校内研修が必要です。
生徒への適切な教育指導
いじめは様々な原因や理由により起こり、直接いじめをする加害者だけでなく、周りでいじめをはやし立てたり、見て見ぬ振りをする傍観者に存在により、早期発見を妨げ、長期化やいじめのエスカレートを起こします。
そのためいじめの防止も含め、すべての生徒への指導として「いじめは人として絶対許されない」という認識を持ってもらうことが大切です。
観衆や傍観者であっても加害者と同様に許されることではなく、いじめを大人に伝えることが正しい行為であることも合わせて指導します。
生徒がいじめを報告すると、次の標的にされる恐怖もあるため、教職員が徹底して生徒を守り通すことも言葉と態度で示すことが必要です。
被害者になっても友人や教職員、親に必ず相談できることを伝えておくことで、1人で抱え込む状況を作らないように指導します。
また道徳教育が教科として導入されたことで、お互いを思いやり尊重することや、生命や人権を大切にする態度の育成などを適切に指導し、いじめ問題を解決するためにはどう関わったら良いかを、子どもが主体的に考える場を設けます。
ほかにも、加害者となった生徒が心理的な孤独感や疎外感を感じ、次のいじめに発展することを防ぐための指導も継続し、いじめを許さない学級経営を行います。
いじめの早期発見・対応
いじめを迅速に発見するためには、常に子どもたちの様子に目を行き届かせていかなければいけません。
ただ、学級担任であっても子どもたちの関係や状況をすべて把握することは難しいため、生徒の悩みを教師が受け止められる環境づくりをします。
生徒には全人格的な接し方を心がけ、日頃からできるだけ深い信頼関係を築くことが必要です。
また、いじめを見つけるための積極的な取り組みとして、スクールカウンセラーや養護教諭など学校内の専門家との連携を行い、生徒だけでなく親からのいじめの訴えや、兆候などのサイン、些細な事象であっても受け止め、教職員同士で情報交換などを行い、事態の把握も行います。
早期の対応には事実関係の究明も必要となるため、被害者の心理的圧迫感を受け止めつつ、本人だけではなく友人関係などからも情報収集を行い、事実関係を正確かつ迅速に把握するように学校側は努めます。
被害者へのケアと弾力的な対応
いじめが起こったとき、最も留意すべきは被害者の心のケアです。いじめを受けた生徒は何よりも心に大きな傷を負い、その後の生活や将来に支障をきたす可能性があります。
そのため被害者に対して親身な教育相談を充実させるために、スクールカウンセラーなどの活用や養護教諭との連携を積極的に図ることや、全教職員の教育相談に関する能力向上に向けた校内研修などが必要です。
また生徒指導室とは別に教育相談室を設け、被害者が相談しやすい環境の整備も同時に行います。
いじめが一時的に止まっても、再発してしまっては意味がありません。そのため被害者の立場に立ち、緊急避難的に欠席を容認することも良いものとされています。
保護者と十分な連携を取りつつ、学習に支障が出ないような工夫など十分な措置を講じることや、被害者と加害者のグループ替えや席替え、あるいは学級替えなども必要に応じて行うことが可能です。
親の希望によっては関係学校の校長や関係者の意見も十分に踏まえつつ、就学すべき学校の指定の変更や区域外就学を認めるなどの措置も配慮しながら行うことが学校には認められています。
家庭や地域社会との連携
いじめの問題に対しては、その現場となり得る学校での対応が重要となりますが、それだけに固執すると解決できないこともあります。
学校でいじめを把握した場合には、迅速に親や教育委員会に報告をし、適切な連携を図る必要があります。
またいじめの対処方針指導計画などの情報について、積極的な公開と保護者の理解や協力を求めること、いじめ問題に関して学校と保護者や地域の代表との意見交換機会なども設けます。
(出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援について」)
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学校の対策や取り組みに協力していじめ問題を解決していこう
子ども同士で起こったいじめの解決を子どもだけに任せておくことはできません。
いじめがいかに恐ろしく、残酷なものか理解できていない子どもは際限なくいじめを行ってしまう可能性もあります。
被害者だけでなく加害者も含め、親や学校が解決に向けた取り組みに加わっていくことが必要です。
しかし、親だけの対応では解決に行き着くのは難しく、学校だけでも取り組みが不足することがあります。
そのため、学校の内外で取り組めるように地域社会と連携した対策を行うことが大切です。