オンライン授業は多くのメリットがあり、これまでの学習スタイルを変える革新的な授業方法でもあります。
自宅にいながら学習できることから、注目を集めることとなりましたが、なぜ注目を集め、おすすめされるのでしょうか。
この記事ではオンライン授業がおすすめの理由と日本の普及率などを紹介します。
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オンライン授業がおすすめの理由
オンライン授業は新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために行われた外出自粛から注目され始めました。
オンライン授業そのものはかなり前からありましたが、注目され始めたのは、休校になったことで様々な問題が発生したことによるものだと考えられます。
自宅から授業を受けることができる
オンライン授業は1つの場所に集まる必要がありません。
インターネット上にある教材を各々でアクセスし勉強する方法や、ネットワークを通じて映像をつなぎ授業を行うため、自宅にいながら授業を受けることができます。
これは画期的なことであり、場所の制約を受けないだけでなく、時間効率が良くなるといったメリットがあります。
授業を行う側は本来生徒を迎える教室などの空間が必要となりますが、その確保が必要なくなります。
授業を受ける側も同様に、移動の時間が必要ありません。この利点を用いれば、離島や過疎地に住んでいても変わらぬ教育を受けることができます。
このような土地では、子どもの少なさから閉校になることもあります。そうなったとき、子どもは長時間の登校を余儀なくされてしまう可能性があります。
しかしオンライン授業を導入すれば、生徒が少なくても本州の学校などと合同で授業を行うことが可能です。また、離島や過疎地にいながらでも小中学校までしっかりと修了することもできます。
このように、平等に授業を受けられる可能性があることもおすすめの理由です。
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仕事や会議・研修にも利用できる
新型コロナウイルスの感染拡大など、予期せぬ災害が起こったとしても、オンライン授業ができる環境が整っていれば、遠隔授業に切り替えて授業を継続していくことができます。
その他にも、この技術や方法は会社の仕事や会議、研修にも使える手法であることから、オンライン授業の普及に注目が集まっています。
オンライン授業の形式によってメリットが変わる
オンライン授業には2つのタイプがあります。それが同期型オンライン授業とオンデマンド型授業です。
同期型オンライン授業のメリット
同期型オンライン授業は従来教室で行われている授業にかなり近い形での授業を行います。
そのため授業を行う側は、これまで教室で行っていたスタイルをほぼ変えることなくオンライン授業に移行することができます。
また、リアルタイムで授業を行えるので、質問にもすぐに答えてもらうことができます。
オンデマンド型授業のメリット
オンデマンド型授業は、オンライン上に設置された映像や音声、資料といった教材を視聴して学習するため、自分の都合の良い時間に学習できます。
同様に苦手な教科や復習したいポイントも、自宅にいながら映像などをもとに、自分のペースで効率よく学習できることから、生徒ごとの環境による教育格差を埋めることにもつながります。
加えて、先の内容を学習したいという子どももいるのであれば、オンデマンド型授業を活用して、予習を進めていくともできるでしょう。
オンデマンド型のみで学習することはもちろんのこと、授業によっては同期型オンライン授業とオンデマンド型授業を合わせて行えるため、授業を受けられなかった生徒のフォローもできる点もオンライン授業のメリットです。
従来の授業では、欠席した生徒のフォローはし辛く、補習などで行うことになるので、教師や講師と生徒両方の負担になりかねません。
しかし、自宅にいてもオンデマンド型授業によって、時間の都合が合うときに補えることで負担を軽減することができます。
オンライン授業は多くの可能性を提供できる学習方法なのです。
オンライン授業の普及率は?
オンライン授業は学校だけでなく塾や習い事などにも有効な手段です。海外では高等教育だけでなく、初等・中等教育からオンライン授業を活用し、継続的に教育を行っています。その普及率は高い国も少なくありません。
一方で日本での普及率はあまり高くないという現状があります。
文部科学省が新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う、臨時休校に際し、休校中の家庭学習をどのような指導で行っているのか、といった調査を公立小学校、中学校、高等学校および特別支援学校などに行いました。
その調査によると、教科書や紙媒体の教材を利用した家庭学習については100%の実施率なのに対し、いずれかのデジタル教材を活用した家庭学習を実施したのが全体の39%、同期型オンライン授業による家庭学習は5%しか実施されていないと言う回答でした。
もちろん、私立学校などでは独自にオンライン授業を導入している学校もあったようですが、公立の学校では導入があまり進んでいないことが伺えます。
またこの調査は複数回答があるため、デジタル教材を用いた家庭学習の39%の中には、同期型オンライン授業による家庭学習の5%も含まれている可能性があります。
(出典:文部科学省「新型コロナウイルス感染症対策のための学校の臨時休業に関連した公立学校における学習指導等の取組状況について」,2020)
オンライン授業が普及しない理由とは
オンライン授業が普及していない理由はいくつか挙げられます。
その1つが、財政的負担です。機器の導入は授業を行う側、受ける側双方にあるため、受講環境を整えるにはある程度の費用負担が不可欠となります。
費用負担
受ける側はスマホやタブレットなどが活用できることもあることから、負担軽減は行える可能性がありますが、授業を行う側はそうも行きません。
映像編集や資料作成ができるパソコンやタブレットに加え、スクリーンやスキャナー、プリンター、インターネット環境と無線LANの配置など用意しなければいけないものは数多くあります。
また、機器の故障や不具合が起こらないようにICT(情報通信技術)環境を整備することも含めた予算確保が必要となることから、敬遠されがちです。
加えて教師や講師の負担が増えることになります。環境の構築は専門家に任せることもできますが、場所によっては教師や講師に任せられることも少なくないようです。
教師や講師の負担
さらに年間を通じた計画的な準備や、事前準備の時間と労力がかかることから、負担が大幅に増える危険性もあります。普及率を増加させるためには、これらの負担を取り除く必要があります。
文部科学省ではこれらの負担軽減のため、ICTの機器の整備や環境構築に、支援員などの人材配置や各自治体からの補助金制度などの支援を進めています。
また教師や講師の心理的負担の軽減のために、オンライン授業の周知や研修会の実施を行うことも進められています。
教材については、すでに教育委員会が独自に作成した授業動画や、その他の企業などが作成したデジタル教材などを活用することで負担を軽減することもできるようです。
オンライン授業が普及しない理由の中には、実際に行うリスクや技量・経験の不足なども挙げられています。
スムーズにオンライン授業を行うスキル
機器の故障などにより途中で授業が中断してしまう可能性はもちろん、授業によっては出欠以外の成果確認の方法などを模索しなければ、生徒に効果的な授業が行えない可能性もあります。
スムーズにオンライン授業を行う上では、これらのリスクへの工夫も必要ですが、デジタル機器を通して円滑にコミュニケーションを取りつつ、授業を行うスキルも必要となります。
これまであまり行われてこなかった方法を取り入れるというのはリスクが付きまとうものであり、最初は模索も必要となりますが、海外や国内で以前から行われている事例として、ALT※を取り入れた遠隔学習や英会話講師と生徒がそれぞれ1対1で行う遠隔学習などが行われています。
これらをもとに、オンライン授業の経験値を上げていくことが方法として挙げられます。
これらの普及しない理由以外にも今後問題が発生するかもしれませんが、適宜対処していくための環境とシステム作りをしていくことが、普及率を増加させるための方法として考えられます。
※ALT:外国語指導助手
(出典:文部科学省「なぜ遠隔教育が広く普及しないのか」,2018)
(出典:文部科学省「遠隔教育システム活用ガイドブック」,2018)
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オンライン授業はおすすめ!普及させる対策をしよう
現在の日本でもオンライン授業を導入している学校や塾、習い事はあります。
しかし、その普及率は他国と比べてもそれほど高くなく、導入も緩やかにしか進んでいませんでした。
新型コロナウイルスの感染拡大により、導入が一気に増えた教育現場もありますが、それでもすべてに導入されたわけではありません。
紹介したとおり、いくつかの理由により日本では普及率が増加していかないという現実がありますが、行政などの呼びかけにより、少しずつでも進めていこうとしています。
オンライン授業はメリットも多いため、いずれは当たり前に行われる未来が来るかもしれません。
そのとき、受講できない環境や、あるいは導入できない状況にならないように、オンライン授業について理解し、いつでもできるように準備しておくことが大切です。
また、社会全体の導入を待つのではなく、受講や導入などに積極的にチャレンジしていき、可能性を広げてみてはいかがしょうか。