世界全体で感染拡大に歯止めが掛からない新型コロナウイルス感染症。
2020年6月10日、日本においても約1万7,000人以上の感染者が報告されました。
そんな中、日本は感染者数が収束段階に入っており、新しい生活様式などを政府が打ち出し、新型コロナウイルスと共に生きながら経済活動を回していく在り方を模索しています。
この記事では、学生に焦点を当てて、新型コロナウイルスによって受けている影響や、新しい生活様式への変化、学生に対する支援などをピックアップして解説します。
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新型コロナウイルスによって学生が受ける影響は?
新型コロナウイルス感染症によって、学生たちは大きな打撃を受けました。
アルバイトを失う学生の急増
新型コロナウイルス感染者が日本で爆発的に増加したことによって、政府が各企業に自粛を要請。
これによって交通インフラの減便、店舗の休業、「自宅で過ごそう」という家庭内での自粛生活などが浸透しました。
この大きな変化によって、学生たちは大きな打撃を受けました。
大学・短大・専門学校などで学ぶために、親元を離れて一人暮らしをしている学生は、年間の学費とは別に生活費なども賄わなければなりません。
そのため、多くの学生は奨学金を学費に充て、生活費をアルバイトで工面するなどしながら生活しています。
しかし、学生アルバイトを多く採用する飲食業界では、店舗内の3密リスクの観点から店舗を一時的に休業。
人件費削減などの苦渋の選択で、学生がアルバイトを解雇されることも珍しくなく、アルバイトが無くなったことで、生活費を工面することができないという問題に直面しているのです。
そのような暗い流れの中でも、良いニュースもあります。
例えば、複数の地方自治体で、繁忙期を迎えて「人手が欲しい」農業と「安定してアルバイトできる場所を求める」学生をマッチングされるサービスがスタートしました。
多くの学生が働いている業界から、少し視野を広げることで安定して働くことができるアルバイトが見つかるかもしれません。
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生活困窮による望まない退学・休学
前段で説明した「アルバイトの解雇」以外にも、両親が働いている会社の業績悪化によって給与削減や休業措置を取られる場合も大きな問題となります。
また、両親が飲食店などの自営業を営んでいる場合、売り上げが全く立たなくなってしまうことも十分に考えられます。
このような複合的な要因が絡んで、学校の退学・休学を考える学生は増加傾向にあります。
何よりも大きな問題は、「学びたいけど続けられない」という自分の意思とは関係なく退学をしなければならない部分です。
学校での勉強を続けたいと考えている学生たちに対して、支援が求められています。
オンラインでの就職活動
新型コロナウイルスの流行によって、今までの就職活動では当たり前だった合同企業説明会、筆記試験、集団面接などの様式の実施が難しくなりました。
これによって過去に前例のない「オンライン選考」を取り入れる企業が増え、就職活動中の学生も困惑しています。
また、オンライン選考を行うため必要なWebカメラやパソコンなどの購入費用が掛かることから、学生の負担は増大してしまいます。
しかし、苦肉の策とも言われていた「オンライン就活」は、合同企業説明会においては、ブースの移動時間などがなくなり、多くの企業との接触機会の増加につながりました。
また、地方学生にとって大きな交通費・宿泊費などの出費削減にも効果を発揮しており、オンラインのメリットも多くあります。
今後は、オフラインとオンラインのバランスを上手く取りながら、新型コロナウイルスと共に生活するための就職活動における仕組みの整備が求められます。
企業の業績低迷による内定取り消し
すでに就職活動を終えて卒業を待つ学生たちにも、新型コロナウイルスの影響はありました。飲食・宿泊・航空業界などあらゆる業種で業績が悪化し、内定取り消しや入社時期延期などの対応を行う企業も出てきました。
また、問題なく入社できたとしても、人の動きなどが止まったことで実践的な研修ができない問題も浮上し、新入社員のモチベーションをどのように維持していくかも課題となります。
内定取り消しにあった学生を受け入れる企業が手を挙げたり、会社も様々な研修を組みながら工夫を凝らしていますが、新入社員たちの理想と現実のギャップを埋めるのは容易ではありません。
教職課程に必要な「教育実習」に影響
「教育実習」とは、実際に学校に出勤し、授業参観や授業・ホームルームや部活動の担当を体験することです。
学校の教員を目指している方は、教育実習は必修科目となっており、中学校の免許取得には120時間以上、高校の免許取得には80時間以上の教育実習が必要となります。
しかし、新型コロナウイルスの拡大によって4月開始予定の学校は相次いで授業開始を延期したため、教員を志望する学生の「教育実習」が行えない状態が長く続きました。
この状況を考慮した文部科学省は、2020年5月1日に、教員免許取得のための教育実習については、一部を学生が所属する大学などの授業に振り替えることで、期間を短縮できるとする通知を都道府県教育委員会や大学に提出しました。
これは大学や教育委員会などの足並みを揃える必要がありますが、新型コロナウイルスによって変更を余儀なくされた大きな影響であることは間違いありません。
新型コロナウイルスによって影響を受けた学生に対する支援
ここからは、新型コロナウイルス感染症の流行によって実際に影響を受けた学生に対する支援策をいくつか紹介します。
学生支援緊急給付金
「学生支援緊急給付金」は新型コロナウイルス感染症拡大による影響で、世帯収入の減収、アルバイト収入の減少が余儀なくされている背景から、学校での勉強を続けられない事例が増加することを少しでも支援するために策定された給付金制度です。
大学・短大・高専・専門学校のほか、留学生なども給付を受けられる可能性があり、将来の経済社会基盤を確保するという目的も込められています。
市区町村や県が行う学業支援給付金制度など
居住している市区町村や県によっては、自治体独自の学業支援制度を創設している場合もあります。
千葉県流山市では、「新型コロナウイルスに関する学生支援」として学費の一部を負担する制度などを立ち上げています。
まずは今住んでいる市区町村や県に対して、自身の現状を相談することで利用できる制度を知ることも大切です。
(出典:文部科学省「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』の創設)
(出典:千葉県流山市「新型コロナウイルスに関する学生支援のご案内」)
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新型コロナウイルスにより影響を受けた学生に支援を!学業を継続する支援制度を詳しく知ろう
この記事では、新型コロナウイルスによって学生たちが受ける影響についてまとめました。
影響は受けたのは教育現場にいる学生だけでなく、スポーツ大会などの行事が中止や延期になった学生の将来にも関わったかもしれません。
また、これまでとは違う方法で就職活動が行われることもあり、学生にとってメリットもあればデメリットもあるでしょう。
そのような学生たちのためにも、日本では様々な支援制度が用意されています。
少しでも支援を受けるためにも、まずは、国や自分が住んでいる自治体が行っている支援制度を知ることから初めてみてはいかがでしょうか。