AAR Japan[難民を助ける会]の活動を応援したい、と考えているものの
「寄付はちゃんと活動に使われるの?」
「寄付が何に使われるのか知りたい」
という方のために、AAR Japan[難民を助ける会]の寄付の使い道を調査しました。
調査した結果を先に紹介すると、2023年度は
・寄付金は約86%が支援事業費として活用
・難民支援、緊急支援、障がい者支援などを実施
・17か国、56万3,575人に支援が届いた
と困難な状態にある人のために寄付が適正に使われていることがわかりました。
寄付を考えている方はぜひこの機会に始めてみてください。
調べた内容について詳しく解説します。
AAR Japan[難民を助ける会]の寄付の使い道は?集めた寄付金の使い方について紹介!
ここでは、AAR Japan[難民を助ける会]に寄付・募金したお金がどのように活用されているのかについて、以下の視点で紹介します。
活動報告書から見る、AAR Japan[難民を助ける会]への寄付金の使われ方
2023年度のAAR Japan[難民を助ける会]の全支出額は、約17億2,100万円です。そのうち約86%が支援事業費に充てられています。そして残りの約14%も、提言・発信、広報・ファンドレイジング、管理費等、支援活動を行うために間接的に必要になるコストのために利用されています。
支援事業費は、2023年度は具体的には以下のような活動に充てられています。
①海外での活動
・難民支援
避難生活を送る難民への食料配付、子どもや情勢へのカウンセリング、生計支援、教育・育成支援、衛生環境の整備など。
・地雷・不発弾対策
地雷や不発弾、簡易型の即席爆発装置(IED)などの危険から身を守るためのリスク回避教育、被害者支援、地雷除去。
・障がい者支援
障がい者の経済的自立を後押しする活動、すべての子どもたちに開かれた教室、学習施設、地域で障がい児の学びを支えるための体制づくりを推進。
・感染症対策
不衛生な環境や医療施設の不足などによって、感染症で命を落とす状況を改善するため、感染症の正しい知識と適切な治療を提供。
災害・緊急支援
紛争や大地震の被災地で食料品、テントや毛布などの緊急支援物資の提供。
②国内での活動
・2024年1月に発生した能登半島地震、2023年7月に福岡県、秋田県を襲った大雨による被災者を対象に食料物資支援を開始。福祉施設、高齢者や障がい者世帯に家電や家屋の修理も実施。また東日本大震災被災者への交流活動、地域防災の普及なども継続しています。
AAR Japan[難民を助ける会]に毎月1500円(1日50円)寄付すると何ができるのか紹介
(公式サイトより)
AAR Japan[難民を助ける会]に、毎月1500円の寄付を1年間継続すると、例えば十分なケアを受けられない障がいのある子どもが、半年間リハビリや教育支援を受けられるようになります。
さらに、
・3000円/月 → 難民の子どもたち7人が学校で1年間勉強するための文房具を届けられる。
・5000円/月 → 地雷が埋められた危険な土地(バスケットボールコート1面分)が安全な土地に生まれ変わる
といったことが可能です。
そもそもAAR Japan[難民を助ける会]への寄付・募金は必要なのか?寄付する理由を紹介!
AAR Japan[難民を助ける会]への寄付を考えている方の中には、「そもそもAAR Japan[難民を助ける会]に寄付は必要なのだろうか?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、寄付金は必要です。
その理由は
です。
詳しく説明します。
AAR Japan[難民を助ける会]の活動は必要なのか?
近年、世界の難民・国内避難民の数は増加傾向にあり、2023年末時点では約1億1,730万人に上ります。これは世界人口の1%以上に当たります。また、難民・避難民全体の40%を18歳未満の子どもが占めており、親を失った子どもたちも少なくありません*。
難民問題は政治・経済・民族・宗教・歴史的背景などが複雑に絡み合っています。先進国で暮らす私たちにとっても、難民問題は他人事ではありません。グローバル化した今日においては、例えば輸入品1つをとっても、日本に暮らす私たちの生活は海外と綿密に結びついています。
また、日本国内でも、震災や原発事故などで日常が奪われ、暮らしていた街にいられなくなる可能性があります。また、他の国が攻めてきて海外へ避難しなければならない可能性も決して0%ではありません。私たちが難民になることも考えられるのです。
難民問題を解決するには、国連機関や国際援助機関、各国政府、民間企業、NGOやNPOなどの市民社会が協力して難民支援に取り組むことが不可欠です。
国際協力は国が担うべきだという意見があるかもしれませんが、政府として国際協力でできることには制約があり、財源にも限りがあります。
また、それぞれの組織や機関は専門性を持っており、得意分野を活かして役割分担をすることで、効果的に支援を届けられます。
AAR Japan[難民を助ける会]、は現地の人々へのきめ細やかな支援活動を行っており、寄付はより多くの人を救うことを可能にします。
そのため、難民支援に取り組むAAR Japan[難民を助ける会]の活動は、社会から必要とされていると言えるでしょう。
AAR Japan[難民を助ける会]の活動に寄付は必要なのか?
2023年度の年次報告書を見ると、AAR Japan[難民を助ける会]の収入の約34%を寄付金が占めていることがわかります。
収入の多くを占めている民間機関や公的機関からの資金は、使い道が指定されていることが多いです。一方で寄付金は、その時に一番必要とされる地域・活動のために活用されます。
寄付金は緊急で必要な支援にすぐに活用できるといった柔軟性があることから、活動を支える大切な資金となっています。
AAR Japan[難民を助ける会]の寄付・募金で実現した支援
現在、ロシアの軍事侵攻によって発生している多くのウクライナ避難民に対しても、AAR Japan[難民を助ける会]は緊急支援活動をおこなっています。
軍事侵攻が始まった日の翌日には緊急支援募金を開始し、調査を実施。国内避難民が身を寄せるウクライナ西部のカトリック修道院への1万ユーロ(約120万円※当時のレート)の資金提供を皮切りに、現地団体と協力して、食料や医薬品、衛生用品、子ども用衣類などの支援物資を送っています。
また、モルドバへ避難している難民へも、食料支援や子どものための遊び場の開設などの支援を行っています。
このような支援活動は、寄付が原資となっており、困難な状況に直面している人々への支援として届けられています。
ウクライナのみならず、紛争が起きてる国や社会情勢が不安定な国、福祉制度が整っていない国、避難民や支援を必要としている人々が数多くいるのが現状です。これらの人々を救うためには、みなさんからの寄付が大きな力となります。
AAR Japan[難民を助ける会]を支援するには?寄付の方法を2つ紹介!
ここからは、AAR Japan[難民を助ける会]を支援するための寄付の方法について紹介します。
AAR Japan[難民を助ける会]への寄付には、主に以下2つの方法があります。
- AARマンスリーサポーター(継続寄付)
- 都度寄付
1. AARマンスリーサポーター(継続寄付)
AARマンスリーサポーターとは、毎月継続的に寄付をする支援者です。
継続寄付により、AAR Japan[難民を助ける会]の活動を持続的に支えられます。
AAR Japan[難民を助ける会]では、毎月1,000円~継続的に寄付ができます。
送金方法は、クレジットカードまたは金融機関からの自動引落の2種類から選択が可能です。
また、希望する方には申し込み後に活動や現地の様子を伝える会報が届きます。
継続寄付は、「長引く避難生活を送る難民の今とこれからを支援したい」「手間なく継続的な支援をしたい」という方におすすめの寄付方法です。
2. 都度寄付
都度寄付は、自分の好きなタイミングで好きな金額を寄付できます。
クレジットカード、郵便局・コンビニエンスストアからの送金、団体の銀行口座への振込みといった支払い方法から選択できます。また、寄付金の使い道を指定して寄付をすることも可能です。
都度寄付は、「手元にあるお金を難民や被災者のために少しでも活用したい」「NPO・NGOに初めて寄付をする」という方におすすめの寄付方法です。
AAR Japan[難民を助ける会]への寄付は継続寄付がおすすめ!その理由を解説
AAR Japan[難民を助ける会]への寄付は、継続的に寄付をするARRマンスリーサポーターになるのがおすすめです。
ARRマンスリーサポーターがおすすめな理由は以下です。
もちろん、一度の寄付でも大きな力になりますが、難民が安心して国に戻れるようになるには長い年月がかかることが非常に多いため、継続的な寄付が必要です。
また、紛争や迫害などが原因で故郷を追われた難民は、緊急時には極限の状況下で緊急支援を待っています。月々の安定した財源があるからこそ、援助物資を備蓄し、備えた体制づくりができ、迅速な援助活動が可能になるのです。さらに、未来を見据えた中長期的な支援にも繋がります。
安定した支援によって、より多くの難民の命を救い安定した支援を届けるためにも、継続的な寄付を検討してみてはいかがでしょうか。
【参考】AAR Japan[難民を助ける会]の活動内容
AAR Japan[難民を助ける会]は現在の下記の分野を中心に活動しています。
- 難民支援
- 地雷・不発弾対策
- 障がい者支援
- 災害支援
- 感染症対策/水・衛生
- 提言/国際理解教育
難民支援
難民・避難民は、着の身着のまま避難し何も持っていないことが多いです。
そこでAAR Japan[難民を助ける会]では、現場に駆けつけて状況を調査。水や食料をはじめ、命をつなぐための緊急時に必要な物資を届けています。
また、難民は短期間で祖国に戻れることが少ないため、AAR Japan[難民を助ける会]では、教育環境の整備や生活支援、コミュニティ形成などを通じて避難先での暮らしを支えています。
地雷・不発弾対策
(公式サイトより)
地雷や不発弾をすべて除去するには、長い年月が必要です。そこでAAR Japan[難民を助ける会]では、地雷の危険と隣り合わせで生活している人々が被害に遭わないよう、地雷回避教育を実施しています。
また、経済的な事情などで医療サービスになかなかアクセスできない地雷・不発弾の被害者も多くいます。そこでAAR Japan[難民を助ける会]は、車椅子や義足を提供したり、リハビリの機会を提供したりしています。
障がい者支援
(公式サイトより/©Yoshifumi Kawabata)
世界の人口の15%以上は障がい者であり、そのうち8割は開発途上国に住んでいると言われています。
社会福祉制度が整っていない国や地域では、リハビリや補助具が十分に普及していません。AAR Japan[難民を助ける会]は、障がい者に対するリハビリ指導や補助具の提供を行っています。
また、「インクルーシブ教育」を推進する活動も実施。インクルーシブ教育とは、すべての子どもたちが必要な配慮を受けながらともに学ぶ機会を得られることです。
他にも、AAR Japan[難民を助ける会]では障がい者のための職業訓練校をミャンマーで運営し、障がい者の社会的・経済的自立をサポートしています。障がい者がともに学び、自立するためには長期的な支援と行政への働きかけが必要です。
災害支援
(公式サイトより)
AAR Japan[難民を助ける会]は、災害発生直後のなにもない緊急時に被災地へ必要な物資を届けたり、復興支援を通じて中長期的なサポートを継続したりしています。
近年では、アフガニスタン豪雨、トルコ沖地震、タジキスタン豪雨被災者支援などの支援を行っています。
また、日本で起きた災害にも支援を展開しています。
その1つが、2011年3月に発生した東日本大震災です。発災直後から緊急支援を行い、10年以上が経過した今でも被災地での復興支援を続けています。
感染症対策/水・衛生
(公式サイトより)
AAR Japan[難民を助ける会]では、新型コロナウイルス感染症やマイセトーマ(細菌・真菌によって筋肉や骨が徐々に侵されていく感染症)から人々を守るための取り組みをしています。
具体的な活動としては、衛生啓発や衛生用品の配付、早期診療・治療の促進などです。
またパキスタンの小学校では、手洗い場の設置やトイレの建設なども行っています。衛生啓発活動として、正しい手洗いの仕方なども教えました。
提言/国際理解教育
AAR Japan[難民を助ける会]では、より良い社会を目指して提言/国際理解教育を行っています。
「紛争や貧困などの問題を解決するには、直接的な支援だけでなく、改善策を提言したり市民社会を巻き込むことが重要」と考えているからです。
また、国際協力に気軽に参加できる機会を提供するため、ワークショップやチャリティコンサートなどさまざまな形でのイベントを開催。世界の課題を広く伝える活動をしています。
AAR Japan[難民を助ける会]への寄付をしてみませんか?
ここまで、AAR Japan[難民を助ける会]の寄付・募金の使い道や寄付の方法などを紹介しました。
この記事の内容をまとめます。
「紛争や災害などにより困難に直面している人々を支えたい」と考えている方は、ぜひAAR Japan[難民を助ける会]への寄付・募金を検討してみてくださいね。
一方で「AAR Japan[難民を助ける会]以外に難民を支援している団体を知りたい」と考えている方は、こちらをご一読ください。