イエメンでは紛争の激化・長期化の影響を受け、深刻な飢餓状態が続いています。また現状では十分な食糧や医療体制が整っているとはいえず、病気の蔓延や栄養失調といった問題が発生しているため、イエメンは多くの支援を必要としている状態です。
とはいえ、飢餓に苦しむイエメンを支援しようにも、「どの団体へ寄付すればイエメンを支援できるのか分からない」という人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、イエメン支援について以下の内容をご紹介します。
- ・イエメンを支援している(寄付できる)団体
- ・現在のイエメン情勢
- ・支援団体への寄付でよくある疑問
イエメンの支援に興味がある人は、ぜひ最後までご覧ください。
イエメンを支援している寄付先の団体を5つ紹介
ここでは「イエメン支援のために寄付したい」と考えている方へ向けて、寄付アドバイザーの河合さんのおすすめコメントとともに、支援している5つの団体を紹介します。
【おすすめ団体を5つ紹介】
【寄付先1】公益財団法人 日本ユニセフ協会:知名度の高さが信頼に
ユニセフはこんな人にオススメ!
- ・子どもが笑顔でいられる社会になってほしい
- ・世界の色々な国で多くの問題があるので、どこを支援したらいいかわからない
- ・活動歴が長い団体には安心を感じる
ユニセフは190の国と地域で子どもたちの命と健やかな成長を支えるため、保健、栄養、水と衛生、教育、児童労働などからの子どもの保護、緊急支援・人道支援の分野で活動しています。
イエメンでは医療支援や安全な水の提供、子どもへの様々な支援などを実施しています。
活動を通して「すべての子どもの権利が実現される世界」を目指しています。
寄付アドバイザー河合さんの注目ポイント3つ!
- 国連機関ならではのスケールの大きな質の高い支援ができる。2019年のワクチンの供給数は24億回
- マンスリーサポートでできることが具体的に示され、支援の成果の報告が充実
- 著名人、企業・団体などユニセフの多くの支援者の存在が活動を支えている
ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら
>>【実際どう?】ユニセフの気になる評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説
【寄付先2】NPO法人アクセプト・インターナショナル:独自の受け入れモデルでテロや紛争解決へ
アクセプト・インターナショナルはテロ組織に加入してしまった人達の脱過激派・社会復帰のために、スキルトレーニングやカウンセリングなどを提供しています。
「排除するのではなく、受け入れる」をコンセプトに、テロや紛争の解決に取り組んでいます。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- 前例のない取組みへの挑戦。テロ・紛争解決という分野、紛争地や、テロ組織から投降した人やギャング、社会に居場所がない人々に対する取組みなど、深刻ではあるものの、多くの人々が取り組んでいない問題に前例を創る覚悟をもって取り組む。
- 1日50円からの継続的な寄付とともに、大使(アンバサダー)として活動する「アクセプト・アンバサダー」という制度もユニークな参加方法。
- 「パリ平和フォーラム」での採択をはじめ、国内外での表彰に象徴されるように、各プロジェクトが着実に成果を積み上げている。日本国内でも在日ムスリムの方への緊急プロジェクトや更生保護の担い手創出の取組みを開始するなど、組織と活動を成長させている。
ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら
>>【実際どう?】アクセプト・インターナショナルの気になる評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説
【寄付先3】認定NPO法人国境なき医師団日本:医療のない場所がなくなる世界へ
紛争、自然災害、貧困など、緊急性の高い医療ニーズに応えることを目的に独立・中立・公平な立場で医療・人道援助活動を行っています。
常に患者のニーズに応えるべく最善を尽くし、過酷な状況にある人たちの苦しさを軽減することを目指し活動を続けています。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- 2021年で創立50年を迎え、ノーベル平和賞を受賞するなど十分な実績がある医療支援団体
- 支援を受ける現地の人の生の声にフォーカスした活動レポートは、各支援地の実情がわかりやすくまとめられている
- 日本の活動資金の約94%が寄付で賄っていることから、必要な場所に必要な支援が届けれるなど柔軟性をもった活動ができている
【寄付先4】認定NPO法人国連UNHCR協会:ノーベル平和賞受賞団体
2019年末の時点で7,950万もの人々が難民として世界に存在しており、UNHCRは、難民の保護や支援に取り組んでいます。
国連UNHCR協会は、UNHCR公式支援団体として日本社会と難民や最前線で援助活動に従事する人々をつなぐことを使命とし、日本国内でのファンドレイジング活動と世界の難民問題に関する知識の普及と啓発活動をしています。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- 1954年と1981年にノーベル平和賞を受賞するなど活動への国際的評価がなされている
- 2020年の寄付は総額57億9487万円に達し、寄付金の96.8%を占めるUNHCR寄付金のうち約84.5%にあたる47億4637万円をUNHCR本部に送金している
- 1991年2月から2000年12月までの10年間で組織規模も予算も2倍の成長。国連難民高等弁務官として人道危機の最前線で活動し、難民支援の新しい枠組みを作りあげた緒方貞子さんの功績。
【寄付先5】認定NPO法人国連WFP協会:飢餓のない世界を目指す
WFP国連世界食糧計画は飢餓のない世界をめざして、紛争や自然災害などの緊急時に食料支援を届けるとともに、途上国の地域社会と協力して栄養状態の改善と強い社会づくりに取り組んでいます。
国連WFP協会は日本国内において、世界の飢餓問題やWFP国連世界食糧計画の食料支援活動に関する情報発信を行い、日本社会からの物心両面の貢献が格段に高まることを団体の目的としています。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- 「緊急支援」「学校給食プログラム」「母子栄養支援」など、寄付の使途を選択して支援ができるようになっている
- 毎日のお買物で学校給食を支援できる「レッドカップキャンペーン」はマークのついた対象商品を購入すると、その売り上げの一部が企業から寄付される仕組みで、2011年開始以来、累計1,500万人以上の子どもたちに学校給食を届けている
- 国連WFP協会は、募金活動や企業・団体との協力関係の推進、広報活動を通して日本における支援の輪を広げている。結果日本は世界有数の支援国として国連WFPの活動を支えている
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現在のイエメン情勢はどうなっている?
イエメンでは2015年に紛争が始まって以降、経済崩壊や食糧不足が発生しており、民間人への被害も広がっています。
紛争の激化に伴い食糧や燃料の価格が高騰し、沿岸地域での戦闘勃発により国内の漁業・農業は崩壊しました。イエメンの人口の3分の2が飢餓状態にあるとされ、十分な栄養をとれず命を落とす子どもも珍しくありません。
そこで支援団体の日本ユニセフでは、4,000カ所のプライマリー・ヘルスケア・センターと130カ所の栄養治療センターにて、重度の急性栄養不良への治療支援をしています。また500万人以上を対象に安全な飲料水を提供したり、子どもへの心理社会的支援や地雷リスク教育など、直接的な支援も行っております。
日本ユニセフについて、詳しくは以下をご一読ください。
【寄付先1】公益財団法人 日本ユニセフ協会:知名度の高さが信頼に
支援団体への寄付でよくある3つの疑問
ここでは、支援団体へ寄付する際に抱きやすい3つの疑問にお答えします。
【支援団体への寄付でよくある3つの疑問】
- 寄付を続けられなくなったら途中で辞められる?
- 寄付金が少ない(多い)けれど問題ない?
- 団体へ寄付したら確定申告は必要?
1.寄付を続けられなくなったら途中で辞められる?
寄付は途中で辞めても問題ありません。
定額寄付(マンスリーサポーター)をしている場合は、支援団体へ一度寄付をストップしたいことを伝えれば問題なく辞められます。また、単発寄付の場合は特別な申出は必要ありませんので、また寄付ができるようになったら支援を再開するだけです。
2.寄付金が少ない(多い)けれど問題ない?
寄付金額は少なくても多くても問題ありません。寄付する気持ちと行動が大切ですので、金額の大小は気にしなくて大丈夫です。
ただし、定額寄付(マンスリーサポーター)の場合は、寄付できる最低金額が500円以上などと決められている場合があります。小銭を寄付したい場合は募金の方が寄付しやすい可能性があるため、支援団体でおこなっている寄付の種類を公式サイトなどで確認してみましょう。
なお、「寄付と募金の違いがよく分からない」という人はこちらの記事で解説しているためご一読ください。
3.団体へ寄付したら確定申告は必要?
寄付をしても確定申告は必ずしも必要ありません。ただし、寄付金控除を適用するときには確定申告が必要です。
寄付金控除は税負担の軽減に繋がるためお得な制度です。寄付金控除を適用するには寄付金の最低金額や寄付先団体の条件があるため、詳しくは以下の記事をご一読ください。
イエメンを支援するため、寄付をはじめてみませんか?
ここまで、イエメンの支援ができる寄付先やイエメン情勢などについて解説しました。ここで、紹介した内容をまとめます。
- ・ユニセフなど多くの団体がイエメンを支援している
- ・イエメンは国民の3分の2が飢餓状態にある危機的状況
- ・イエメンへの支援は団体への寄付でサポートできる
日本では紛争や内戦が起こる事態は非常に稀です。しかし、イエメンでは今現在も多くの人・子どもたちが紛争に巻き込まれ、十分な医療や食糧を必要としています。
もし少しでも「イエメンを支援したい」と感じた場合は、今回ご紹介した寄付先を参考にしてみてくださいね。
▼イエメンを支援しているおすすめ団体
団体名 | 寄付アドバイザーが見た注目ポイント |
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日本ユニセフ協会 | ・国連機関ならではのスケールの大きな質の高い支援ができる。2019年のワクチンの供給数は24億回 ・マンスリーサポート(月2,000円など、寄付額は任意)でできることが具体的に示され、支援成果の報告が充実 ・著名人(親善大使を担う人もいる)、企業・団体などユニセフの多くの支援者の存在が活動を支えている |
アクセプト・インターナショナル | ・脱過激派への取り組みでテロ組織を縮小させることで、平和的に紛争解決へ導く団体 ・独自の社会復帰モデルが2020年パリ平和フォーラムにて日本初の選出 ・ケニアにて130名以上のギャング組織を解散、ソマリアにて年に約220名の投降兵・逮捕者を受け入れ |
国境なき医師団日本 | ・2021年で創立50年を迎え、ノーベル平和賞を受賞するなど十分な実績がある医療支援団体 ・支援を受ける現地の人の生の声にフォーカスした活動レポートは、各支援地の実情がわかりやすくまとめられている ・日本の活動資金の約94%が寄付で賄っていることから、必要な場所に必要な支援が届けれるなど柔軟性をもった活動ができている |
国連UNHCR協会 | ・1954年と1981年にノーベル平和賞を受賞するなど活動への国際的評価がなされている ・2020年の寄付は総額57億9487万円に達し、寄付金の96.8%を占めるUNHCR寄付金のうち約84.5%にあたる47億4637万円をUNHCR本部に送金している ・1991年2月から2000年12月までの10年間で組織規模も予算も2倍の成長。国連難民高等弁務官として人道危機の最前線で活動し、難民支援の新しい枠組みを作りあげた緒方貞子さんの功績。 |
国連WFP協会 | ・「緊急支援」「学校給食プログラム」「母子栄養支援」など、寄付の使途を選択して支援ができるようになっている ・毎日のお買物で学校給食を支援できる「レッドカップキャンペーン」はマークのついた対象商品を購入すると、その売り上げの一部が企業から寄付される仕組みで、2011年開始以来、累計1,500万人以上の子どもたちに学校給食を届けている ・国連WFP協会は、募金活動や企業・団体との協力関係の推進、広報活動を通して日本における支援の輪を広げている。結果日本は世界有数の支援国として国連WFPの活動を支えている |
記事の内容は以上です。もし、今あなたが
「どの団体に寄付するか決めかねている・・・」
「海外の子どもたちを支援できる寄付先をさらに知りたい・・・」
とお思いなら、寄付アドバイザーが「海外の子ども支援の寄付先や寄付の方法」を解説する人気記事をおすすめします。
気になる方はぜひ以下をご一読ください!
>>海外の子どもたちを支援するには?課題別のおすすめNPO団体や寄付の方法を解説
NPO組織基盤強化コンサルタント office musubime代表/関西チャプター共同代表・准認定ファンドレイザー
大学卒業後、国際協力分野のNGOにボランティアスタッフとして参加。その後、国際交流・協力分野の中間支援組織へのインターンシップ、職員を経て、office musubime (オフィス ムスビメ)を2011年7月に設立。
寄り添って伴走する第三者として、身近な相談相手や多様な人・団体をつなぐ役割を通し、組織診断・組織基盤強化、ファンドレイジング支援など、各団体の支援に取り組む。
大阪マラソンチャリティ事務局担当や、国際協力や子ども/子育て支援、まちづくり分野、コミュニティ財団などの役員、大学の非常勤講師としてNPO論やボランティア論などの担当も。