自然がもたらす恵みは、私たちの生活に無くてはならないものです。この恵みを次世代にも受け継ぎ、持続可能な社会を目指すためには、大切な自然を守り続ける必要があります。
しかし、自然保護に貢献したいと思っているものの、
・自然保護が必要な理由は?
・自然保護団体に寄付したお金は何に使われている?
と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、自然保護について以下の内容をご紹介します。
- 自然保護活動を行う団体
- 自然に関する世界の現状
- 自然保護活動への寄付でよくある疑問
自然保護活動への寄付を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
自然保護活動に寄付できるNPO支援団体を5つ紹介!
ここでは、「自然保護活動に寄付したい」と考えている方へ向けて、寄付アドバイザーの河合さんのおすすめコメントとともに、自然保護活動を行っている5つの団体を紹介します。
【自然保護活動を行っている団体5つ】
【寄付先1】一般社団法人グリーンピース・ジャパン:政府や企業からの支援を受けない独立性に特徴
私たちの暮らしと、動物たちの命を揺るがす環境問題への解決策を作り出すために、全国のサポーターとボランティアと提言活動、調査・分析活動などをしています。
活動を通して「緑豊かで平和な世界」の実現を目指しています。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- 政府や企業からの財政支援は受けないことを掲げ、個人の寄付のみに支えられている独立性が特徴
- 独自の科学的調査によって、目に見えにくい事実を明らかにし、政府や企業、国際社会に働きかけることで、環境問題を解決に導いてきた実績
- 報道関係者向けに最新のプレスリリースや写真・映像、国際性・専門性を活かした資料・データの提供が強み
ネットの口コミ評判を知りたい方はこちら
>>【実際どう?】グリーンピースの気になる評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説
【寄付先2】公益財団法人日本自然保護協会:絶滅危惧種を守る活動
環境教育、調査研究、環境政策への提言などの活動をしています。
「人と自然がともに生き、赤ちゃんからお年寄りまでが美しく豊かな自然に囲まれ、笑顔で生活できる社会」の実現に貢献します。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- 絶滅危惧種を守る活動から、地域プロジェクト、担い手育成、そしてコロナ禍の中でのおうちでできる自然観察の提案など、活動の幅広さと私たちの生活とのつながり
- 研究者の科学的調査活動や社会への啓発活動が自然保護の活動には必要で、そのための寄付を募る必要性がわかる
- 身近な自然観察や子ども対象のイベント、寄付付き商品を買って応援ができるなど、私たちができることもいろいろあることがわかる
【寄付先3】公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン):環境保全と生物多様性を守るために活動中
「地球温暖化を防ぐ」「持続可能な社会を創る」「野生動物・森や海を守る」ことを、化学的な知見に基づき活動しています。
人間と自然が調和して生きることができる未来を築くことを目指しています。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- パンダのマークで知られ、約100カ国で活動している国際的な環境保全団体。科学的調査や国際的な発言力・影響力、政府・産業・研究者・地域との協力、成果をめざした活動への注力などが強み
- WWFジャパンは、1971年に世界で16番目のWWFとして東京で設立、2021年に50周年を迎える。内閣府にその活動の公益性を認められた、公益財団法人。秋篠宮皇嗣殿下が名誉総裁でもある
- 約12億円の活動収入のうち、個人会員からの寄付が68%を占め、個人サポーターは約43,000人。個人の寄付により活動が支えられている。さかなくんなど著名人の支援者もいる
【寄付先4】認定NPO法人FoEJapan:持続可能なエネルギー社会を目指す
気候変動に対して、原子力に依存しない持続可能なエネルギー社会へのシフトに向けて政策提言、普及啓発活動などを行っています。
「全ての生命が共生する平和で持続可能な社会」を目指しています。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- 活動理念(Justice、Sustainability、People Power、System Change)に沿った活動
- 現地の⼈々の視点に⽴って環境問題の実態と根本原因を調査・分析、連帯することでうねりを起こし、より⼤きな⼒で⾏動し社会の仕組みを変える一連の活動とその実績
- 季刊のニュースレター『Green Earth』や書籍・冊子に活動がまとめられ、資料としても充実
【寄付先5】コンサベーション ・ インターナショナル・ジャパン:地球環境と人間の幸福に貢献
コンサベーション・インターナショナルは、気候変動や生物多様性、水、海洋、食料保障などの問題に取り組む国際NGOです。最先端の科学と掛け合わせた革新的な施策を世界規模で実践することで、次世代に豊かな自然を引き継ぐことのできる持続可能な社会を実現し、地球環境と人間の幸福(Human Well-being)に貢献することを目指しています。
寄付アドバイザーが見た注目ポイント!
- 1987年の創設以来、70か国以上、600万平方キロメートルを超える大陸と海の保護活動に取り組んできた実績。現在、29か国に拠点を持ち、世界中2,000のパートナーと協働しながら、グローバルな規模で自然保護を行っている。
- 「自然は人間を必要としない。人間には自然が必要。」という言葉や自然資本という考え方、「コンサベーション」の定義が持続可能な開発の源流となった考え方となるなど、メッセージ性のある発信に特徴がある。
- パートナーには政府機関、国際機関、他のNPO/NGO、基金・財団、大学などの学術機関、そして多数の企業などがあり、グローバルなネットワークに加えて国内でも多様なパートナーシップが組まれ、共に課題に取り組んでいることがうかがえる。
自然保護は必要?世界の現状を紹介
世界では、動物や植物の絶滅危惧種が増加しています。これらの生物が絶滅してしまうと、生態系のバランスが崩れて私たちの生活に悪影響を及ぼす可能性も。持続可能な社会を実現させるために、私たちには自然を守る義務があります。
1:動物
国際自然保護連合(IUCN)によると、世界には3万種以上の絶滅危惧種が確認されており、その数は増加していると言われています。その理由には密猟や森林伐採、地球温暖化、環境汚染などの問題が関係しています。
私たちが日常的に廃棄しているごみも、動物たちの命に大きく関わっており、その中でも近年問題になっているのが海洋プラスチックごみです。ポイ捨てなどによって海に流出してしまったプラスチックごみを、ウミガメなどの動物がエサと間違えて食べてしまうという問題を耳にしたことのある人もいるのではないでしょうか。
グリーンピースでは、企業や政府への働きかけを通じて、このような環境問題から動物を守る活動に取り組んでいます。過去には、2030年までに世界の海の30%を海洋保護区にする必要を訴え、海洋保護条約への日本政府の参加を求める署名活動を実施。世界で350万筆を超える署名を集めました。
2:植物
植物も動物同様に、絶滅危惧種の増加が進んでいます。特に、森林伐採や園芸売買などを目的とした違法な乱獲などが大きな要因になっています。
また、地球上でたった数カ所でしか育たず、もともとの個体数が少ない植物もいます。このような植物は、特殊な環境に適応して生きている場合が多く、少しの環境の変化で絶滅してしまいます。
そのため、地球温暖化などによって引き起こされる気候の変化も、植物絶滅の要因の一つであり、私たち人間の活動と間接的に関与していると言えるでしょう。
自然保護活動の寄付でよくある疑問
ここからは、自然保護活動への寄付を検討するときによくある4つの疑問を紹介します。
- レッドリストとは?
- 寄付は何に使われるの?
- 寄付は途中でやめてもいい?
- 寄付をすると確定申告が必要?
疑問1.レッドリストとは?
レッドリストとは、絶滅の恐れがある野生生物の種をまとめたリストのこと。絶滅危惧種を保護するためには、その種の現在の状態を調査・評価してまとめる必要があるためです。
IUCNのレッドリストには、2024年10月時点で16万3,040種がこのリストに記載されており、そのうち4万5,321種が絶滅危惧種として登録されています。
出典:IUCN RFed List of the Threatened Spicies
疑問2.寄付は何に使われるの?
寄付されたお金は、生物や自然環境を守るための活動資金になります。
例えば、絶滅危惧種とされている生態系の調査や研究、植林活動、動物保護といった活動をおこなうための資金として使われます。
疑問3.寄付は途中でやめてもいい?
寄付は途中でストップしても大丈夫です。継続的な寄付を途中でやめるのはもちろん、単発の寄付でも問題ありません。経済的に無理をせず、自分のペースで寄付をおこなうことが大切です。
疑問4.寄付をすると確定申告が必要?
個人が認定NPO法人などの特定の団体に寄付をすると、確定申告時に「寄附金特別控除」を受けられる可能性があります。
(寄附金の合計額-2,000円)×40%を税額から控除できるため、本来税金として徴収されるはずだった金額の一部を、サポートしたい団体のために使えます。
>>寄付をすると節税できる?おトクに寄付する6つのポイントを解説!
自然保護活動の支援のために私たちにできること
ここまでの内容をまとめます。
- 自然保護活動をおこなう団体に寄付したい場合は、「グリーンピース・ジャパン」「日本自然保護協会」「WWFジャパン」「FoE Japan」「コンサベーション ・ インターナショナル」がおすすめ
- 絶滅危惧種の動物・植物は世界的に増えている。生態系のバランスを保ち、持続可能な社会を目指すためにも自然保護が不可欠
- 寄付は途中で止めても大丈夫。経済的に無理をせず自分のペースで寄付しましょう
自然保護活動への支援を検討している方は、ぜひ今回ご紹介した情報を参考にしてみてくださいね。
また、具体的な寄付方法は、各支援団体によって異なります。疑問点がある場合は、電話やメールで直接問い合わせてみましょう。
▼この記事で紹介したおすすめ団体
団体名 | 寄付アドバイザーが見た注目ポイント |
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グリーンピース・ジャパン | ・政府や企業からの財政支援は受けないことを掲げ、個人の寄付のみに支えられている独立性が特徴 ・独自の科学的調査によって、目に見えにくい事実を明らかにし、政府や企業、国際社会に働きかけることで、環境問題を解決に導いてきた実績 ・報道関係者向けに最新のプレスリリースや写真・映像、国際性・専門性を活かした資料・データの提供が強み |
日本自然保護協会 | ・絶滅危惧種を守る活動から、地域プロジェクト、担い手育成、そしてコロナ禍の中でのおうちでできる自然観察の提案など、活動の幅広さと私たちの生活とのつながり ・研究者の科学的調査活動や社会への啓発活動が自然保護の活動には必要で、そのための寄付を募る必要性がわかる ・身近な自然観察や子ども対象のイベント、寄付付き商品を買って応援ができるなど、私たちができることもいろいろあることがわかる |
WWFジャパン | ・パンダのマークで知られ、約100カ国で活動している国際的な環境保全団体。科学的調査や国際的な発言力・影響力、政府・産業・研究者・地域との協力、成果をめざした活動への注力などが強み ・WWFジャパンは、1971年に世界で16番目のWWFとして東京で設立、2021年に50周年を迎える。内閣府にその活動の公益性を認められた、公益財団法人。秋篠宮皇嗣殿下が名誉総裁でもある ・約12億円の活動収入のうち、個人会員からの寄付が68%を占め、個人サポーターは約43,000人。個人の寄付により活動が支えられている。さかなくんなど著名人の支援者もいる |
FoE Japan | ・活動理念(Justice、Sustainability、People Power、System Change)に沿った活動 ・現地の⼈々の視点に⽴って環境問題の実態と根本原因を調査・分析、連帯することでうねりを起こし、より⼤きな⼒で⾏動し社会の仕組みを変える一連の活動とその実績 ・季刊のニュースレター『Green Earth』や書籍・冊子に活動がまとめられ、資料としても充実 |
コンサベーション・インターナショナル | ・1987年の創設以来、70か国以上、600万平方キロメートルを超える大陸と海の保護活動に取り組んできた実績。現在、29か国に拠点を持ち、世界中2,000のパートナーと協働しながら、グローバルな規模で自然保護を行っている。 ・「自然は人間を必要としない。人間には自然が必要。」という言葉や自然資本という考え方、「コンサベーション」の定義が持続可能な開発の源流となった考え方となるなど、メッセージ性のある発信に特徴がある。 ・パートナーには政府機関、国際機関、他のNPO/NGO、基金・財団、大学などの学術機関、そして多数の企業などがあり、グローバルなネットワークに加えて国内でも多様なパートナーシップが組まれ、共に課題に取り組んでいることがうかがえる。 |
自然保護活動以外にも世界で起きている様々な社会問題に対して支援活動を行っています。寄付先を悩んでいる方は、以下の記事もぜひチェックしてみてくださいね。
>>寄付先のおすすめNPO団体は?失敗しない選び方を専門家が徹底解説!
寄付先の選び方ガイド:河合将生(まさお)さん
NPO組織基盤強化コンサルタント office musubime代表/関西チャプター共同代表・准認定ファンドレイザー
大学卒業後、国際協力分野のNGOにボランティアスタッフとして参加。その後、国際交流・協力分野の中間支援組織へのインターンシップ、職員を経て、office musubime (オフィス ムスビメ)を2011年7月に設立。
寄り添って伴走する第三者として、身近な相談相手や多様な人・団体をつなぐ役割を通し、組織診断・組織基盤強化、ファンドレイジング支援など、各団体の支援に取り組む。
大阪マラソンチャリティ事務局担当や、国際協力や子ども/子育て支援、まちづくり分野、コミュニティ財団などの役員、大学の非常勤講師としてNPO論やボランティア論などの担当も。