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難病の子どもや親を寄付で支援したい!寄付できる団体を5つ紹介

  • 2021年9月21日
  • 2023年12月25日
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「難病」と聞くと不治の病、ずっと入院している、などのイメージを持ってしまう人もいるのではないでしょうか。実は難病にも様々なものがあり、一見病気を持っていないように見える人たちもいます。
だからこそ、見た目では分からない患者や家族の辛さがあります。</spanたとえば病気そのものの辛さ以外にも、精神的な辛さや経済的負担などです。
このような辛さを緩和するためには、難病の患者や家族への支援だけでなく、社会の理解も必要とされています。

また難病の子どもたちやその親を支援したい!と思うものの、

・難病と闘う子どもたちや家族が直面する問題にはどのようなものがあるのか
・どんな支援団体があってどのような活動をしているのか
・どのような支援の方法があるのか

と思うことはありませんか?

そこでこの記事では、難病の子どもとその親の支援活動をする団体について以下の内容をご紹介します。

具体的には

  1. 難病支援をする団体一覧と概要
  2. 難病の辛さとは
  3. 寄付に関するよくある質問

の順にご紹介します。

難病支援に寄付できる団体を5つ紹介!

ここでは、「難病患者や家族を支援している団体へ寄付したい」と考えている方へ向けて、寄付アドバイザーの河合さんのおすすめコメントとともに、支援している5つの団体を紹介します。

寄付アドバイザー :河合将生(まさお)さん
NPO組織基盤強化コンサルタント office musubime代表/関西チャプター共同代表・准認定ファンドレイザー
寄り添って伴走する第三者として、各団体(NPOなど)の支援に取り組んでいます。

【寄付先1】認定特定非営利活動法人 日本IDDMネットワーク:1型糖尿病の根絶が究極の目標


1型糖尿病患者を救う・つなぐ・解決する取り組みを3つの約束とし、ネットワークの拡大・支援、政策提言、調査研究、療育相談などの活動を行っています。

インスリン補充が必須な患者とその家族一人ひとりが希望を持って生きられる社会を実現すること、2025年に1型糖尿病を「治る病気」にすることを目指しています。

寄付アドバイザーが見た注目ポイント!

  1. 発症後間もない患者さんへ「正しく病気を理解」してもらい、また、同じ病気の「仲間がいつもすぐそばにいる」ことを知ってもらうために、糖尿病専門医による解説をわかりやすくまとめた冊子や療養に役立つツールの入った「希望のバッグ」を贈っている。
  2. 1型糖尿病研究基金を設立し、1型糖尿病の「治療」「根治」「予防」につながる研究に対して資金提供をしている。
  3. 幼い患者本人と親だけでなく、祖父母や先生に向けたパンフレットを作成し周囲の理解と協力を促している。

【寄付先2】一般社団法人日本難病・疾病団体協議会:1,000人以上の難病サポーター


患者・家族の交流、社会への啓発、国会請願などの行政への働きかけ、難病患者サポート事業による研修活動、患者団体の国際連携の推進を行っています。

活動を通じて「誰でもが安心して暮らせる社会」をつくることを目標に取り組みを続けています。

寄付アドバイザーが見た注目ポイント!

  1. 難病・長期慢性疾病、小児慢性疾病等の患者団体及び地域難病連で構成する”患者・家族の会”の中央団体という特徴
  2. 1,000人難病サポーターや、資金造り活動として、不要入れ歯のリサイクルの支援方法
  3. 患者や家族の思いを多くの人に知ってもらう機会として、5月23日は難病の日として啓発

【寄付先3】公益財団法人難病医学研究財団:専用サイトで詳細な情報提供


難治性疾患等に関する調査研究の実施及び助成、関係学術団体等との連携などの公益活動等の推進などを行っています。

「国民の健康と公衆衛生及び福祉の向上並びに科学技術の振興を目的」に取り組んでいます。

寄付アドバイザーが見た注目ポイント!

  1. 難病の原因を解明し、治療方法を開発するため、政府の研究助成にとどまらず民間資金による積極的な協力活動を進めるため設立された経緯
  2. インターネットの専用サイトで、難病関係情報の詳細な提供は団体ならではの特徴
  3. 寄付者をウェブサイト上でお名前を挙げて紹介し(匿名希望の方は匿名で)、感謝を示している

【寄付先4】認定NPO法人難病のこども支援全国ネットワーク:難病の子どもたちと家族の「いのちの輝き」を高める活動を行う


難病の子どもたちとその家族のために、相談の場の設置、子どもが安心して参加できるイベントの開催、啓発活動などを行っています。

難病の子どもとその家族にとって、明日への希望と勇気になる団体を目指しています。

寄付アドバイザーが見た注目ポイント!

  1. 医師、看護師、社会福祉士、精神保健福祉士、認定遺伝カウンセラーなど専門職の相談員が難病や慢性疾病・障害のある子どもを育てる家族からの相談に応じる電話相談室を設置している。また、希少難病の方々のお友だち探しのお手伝い「お友だち紹介」もしている。
  2. 山梨県北杜市白州にレスパイト施設(レスパイトは休息・一時休止の意)「あおぞら共和国」の整備。サマーキャンプなどを開催し、患者や家族がリラックスできる場とともに、交流の場も提供している。
  3. 生活環境に制約の多い子どもが楽しく過ごせるために、遊びのボランティア「プレイリーダー」を養成し、活動が継続するための支援を行っている。

【寄付先5】公益財団法人 メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン:難病と闘う子どもたちの夢をかなえる


難病と闘っている子どもたちの夢をかなえる活動を行っています。

活動で子どもたちに勇気を与えることに加え、非営利組織として社会貢献の「場」を提供する有意義な存在となることを目指しています。

寄付アドバイザーが見た注目ポイント!

  1. 世界42か国に支部を置いて活動する世界最大の「願いをかなえる(wish granting)」ボランティア団体、メイク・ア・ウィッシュの日本支部。
  2. 子どもの夢をかなえて「あげる」のではなく、夢をかなえるのに必要な、さまざまな手配や配慮をし、そのお手伝いをする。子どもの家族と力を合わせ、夢の実現というかけがえのない体験に向かって進むプロセスにも重きを置く。
  3. オリジナルグッズのウィッシュベア専用のインスタグラムアカウントを作成。ウィッシュベア保有者がウィッシュベアとともに撮影された風景・日常の一コマを投稿することでメイク・ア・ウィッシュの活動を応援する人たちがつながる場を提供。

見た目にはわかりにくい難病の辛さ

難病と聞くと、治療が難しい病気、完治が難しい病気というイメージがあるのではないでしょうか。しかし実際のところ、難病とはどのような病気を指すのでしょうか?詳しく見てみましょう。

「難病」は、医学的に明確に定義された病気の名称ではありません。いわゆる「不治の病」に対して社会通念として用いられてきた言葉です。そのため、難病であるか否かは、その時代の医療水準や社会事情によって変化します。

難病対策

医学的な定義ではありませんが、平成26年に成立した「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)では、
難病とは

  1. 発病の機構が明らかでなく
  2. 治療方法が確立していない
  3. 希少な疾患であって
  4. 長期の療養を必要とするもの

と定義されています。
またこの難病法において、難病患者の医療費助成に消費税などの財源が充てられることになり、患者やその家族にとって安定的な医療費助成制度が確立しました

「病気である状態の辛さ」「治療が難しい辛さ」以外にも、表面的には分かりにくい難病患者とその家族が抱く、以下のような辛さがあります。

  • ・外見上病気とわからないものも多く、周囲の理解を得にくい
  • ・疾患によっては皮膚などに症状があり「病気がうつる」などと誤解されることがある
  • ・病気そのものの情報も治療法の情報も少ない
  • ・医療機関やサポートに関する情報が入手しにくい
  • ・同じ病気を持つ人が周りにいなくて不安や情報を共有できない
  • ・治療代に関する経済的不安がある
  • ・入院や在宅治療をしているため学校に通えない
  • ・入院付き添いや介助が中心の生活になり、親や家族の精神的な負担が大きい
  • ・周囲の理解を得るのが難しい、まだまだ社会の理解が得られていない

難病支援の寄付でよくある5つの疑問

ここからは、寄付でよくある5つの疑問について解説します。

【難病支援団体への寄付でよくある5つの疑問】

  1. 指定難病とは?
  2. 小児慢性特定疾病とは?
  3. 難病の子どもを持つ親は支援できる?
  4. 寄付は途中でやめてもいい?
  5. 寄付をすると確定申告が必要?

1.指定難病とは?

指定難病とは、難病法において難病に加え

  1. 患者数が本邦において一定の人数(人口の約0.1%程度)に達しないこと
  2. 客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が成立していること

の2つの条件が追加されたものです。
指定難病数は適宜検討追加され、平成30年4月時点で331疾病です。

また、指定難病患者は令和元年度末時点で全国に946,000人います。
この指定難病患者数は指定難病受給者証を持つ者の総数で、「指定難病」でも、軽傷から中等症の中で医療費の公的負担を得られない(指定難病受給者証を持っていない)患者は含まれていません。

2.小児慢性特定疾病とは?

小児慢性特定疾病とは

  1. 慢性に経過する疾病
  2. 生命を長期に脅かす疾病
  3. 症状や治療が長期にわたって生活の質を低下させる疾病
  4. 長期にわたって高額な医療費の負担が続く疾病
  5. 以上全ての条件を満たし厚生労働大臣が定めるもの

です。

2019年7月現在、16疾患群762疾病が対象となっています。患者数は2017年時点で約83,000人です。

3.難病の子どもを持つ親は支援できる?

難病の治療は通院、入院、在宅介助など経済的な負担が大きいです。
指定難病も小児慢性特定疾患も医療費の助成を受けることができ、自己負担額は2割、自己負担の上限額も定められています。
しかし、軽症者は助成の対象にならない、また助成を受けられる患者であっても通院などの交通費、医療保険に入れないなどの面で経済的に苦しい状況にある親は多いです。また、入院・通院の付き添い、在宅介助などで思うように働けない親もいます。

難病患者に奨学金を給付する団体や、難病の子どもの願いを叶えるお手伝いをする団体などがあります。
また、親の孤立を防ぐために相談の窓口を設ける団体や、親同士をつなげ情報や悩みを共有するためのネットワークを作る団体があるので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

4.寄付は途中でやめてもいい?

月ごとの継続寄付は、途中でやめることも可能です。
各団体、手続きの方法がホームページ等に載っているので確認してみてください。事務手続きの関係上、退会申し出のタイミングから実際の正式な手続きまでのタイムラグがある場合もあるので、注意が必要です。
また、一度退会したあとも再度継続寄付ができるようになったら再開することも可能です。

もし継続寄付が不安であれば、単発の都度寄付を最初から選択する方法もあります。

5.寄付をすると確定申告が必要?

寄付をしたからといって必ずしも確定申告が必要なわけではありません。ただし寄付金控除を受けたい場合は、確定申告が必要になります。
確定申告を行うことで自己の負担を減らせるので、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
こうした控除を受けることで自分の負担が多少減り、継続的な寄付へと繋がりやすくなるでしょう。

寄附金控除について詳しく知りたい方は、以下記事をご一読ください。

関連記事

>>寄付金控除の仕組みとは?確定申告の方法も紹介

難病支援のために私たちにできること

ここまで、難病の子どもやその家族を支援する団体の概要やよくある疑問にお答えしてきました。記事の内容を下記にまとめます。

  1. 難病患者には、病気そのものの辛さ以外に外から見えにくい辛さがある
  2. 難病患者を支援する団体には患者の相談の場を設けたり、患者同士がつながる場を作ったり、難病の研究事業を助成したりする団体がある
  3. 継続寄付が不安でも途中でやめることもできる。また、最初は都度寄付から始めてみるものあり

難病の子どもやその親を支える活動をする団体の支援は、寄付を通じて手軽にできます。「寄付を通じて、支援を必要とする難病患者や屋族をサポートしたい」という方は、ぜひ参考にしてくださいね。

▼難病の子どもやその家族を支援している団体

団体名 寄付アドバイザーが見た注目ポイント
日本IDDMネットワーク ・発症後間もない患者さんへ「正しく病気を理解」してもらい、また、同じ病気の「仲間がいつもすぐそばにいる」ことを知ってもらうために、糖尿病専門医による解説をわかりやすくまとめた冊子や療養に役立つツールの入った「希望のバッグ」を贈っている。
・1型糖尿病研究基金を設立し、1型糖尿病の「治療」「根治」「予防」につながる研究に対して資金提供をしている。
・幼い患者本人と親だけでなく、祖父母や先生に向けたパンフレットを作成し周囲の理解と協力を促している。
日本難病・疾病団体協議会 ・難病・長期慢性疾病、小児慢性疾病等の患者団体及び地域難病連で構成する”患者・家族の会”の中央団体という特徴
・1,000人難病サポーターや、資金造り活動として、不要入れ歯のリサイクルの支援方法
・患者や家族の思いを多くの人に知ってもらう機会として、5月23日は難病の日として啓発
難病医学研究財団 ・難病の原因を解明し、治療方法を開発するため、政府の研究助成にとどまらず民間資金による積極的な協力活動を進めるため設立された経緯
・インターネットの専用サイトで、難病関係情報の詳細な提供は団体ならではの特徴
・寄付者をウェブサイト上でお名前を挙げて紹介し(匿名希望の方は匿名で)、感謝を示している
難病のこども支援全国ネットワーク ・医師、看護師、社会福祉士、精神保健福祉士、認定遺伝カウンセラーなど専門職の相談員が難病や慢性疾病・障害のある子どもを育てる家族からの相談に応じる電話相談室を設置している。また、希少難病の方々のお友だち探しのお手伝い「お友だち紹介」もしている。
・山梨県北杜市白州にレスパイト施設(レスパイトは休息・一時休止の意)「あおぞら共和国」の整備。サマーキャンプなどを開催し、患者や家族がリラックスできる場とともに、交流の場も提供している。
・生活環境に制約の多い子どもが楽しく過ごせるために、遊びのボランティア「プレイリーダー」を養成し、活動が継続するための支援を行っている。
メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン ・世界42か国に支部を置いて活動する世界最大の「願いをかなえる(wish granting)」ボランティア団体、メイク・ア・ウィッシュの日本支部。
・子どもの夢をかなえて「あげる」のではなく、夢をかなえるのに必要な、さまざまな手配や配慮をし、そのお手伝いをする。子どもの家族と力を合わせ、夢の実現というかけがえのない体験に向かって進むプロセスにも重きを置く。
・オリジナルグッズのウィッシュベア専用のインスタグラムアカウントを作成。ウィッシュベア保有者がウィッシュベアとともに撮影された風景・日常の一コマを投稿することでメイク・ア・ウィッシュの活動を応援する人たちがつながる場を提供。

記事の内容は以上です。もし、今あなたが

「どの団体に寄付するか決めかねている・・・」
「寄付先の選び方を知りたい・・・」

とお思いなら、寄付アドバイザーが「あなたに合う寄付先の選び方」を解説する人気記事をおすすめします。
気になる方はぜひ以下のリンクからどうぞ!

>>あなたにピッタリの寄付先が選べる解説記事はこちら

寄付先の選び方ガイド:河合将生(まさお)さん

NPO組織基盤強化コンサルタント office musubime代表/関西チャプター共同代表・准認定ファンドレイザー

大学卒業後、国際協力分野のNGOにボランティアスタッフとして参加。その後、国際交流・協力分野の中間支援組織へのインターンシップ、職員を経て、office musubime (オフィス ムスビメ)を2011年7月に設立。
寄り添って伴走する第三者として、身近な相談相手や多様な人・団体をつなぐ役割を通し、組織診断・組織基盤強化、ファンドレイジング支援など、各団体の支援に取り組む。
大阪マラソンチャリティ事務局担当や、国際協力や子ども/子育て支援、まちづくり分野、コミュニティ財団などの役員、大学の非常勤講師としてNPO論やボランティア論などの担当も。

この記事を書いた人
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