猛暑

猛暑日とは?日数は年々増えている?

  • 2020年7月22日
  • 2023年2月8日
  • 猛暑

日本には四季があり、夏になるとその暑さに気を付けながら生活をしなければいけない日も出てきます。
以前はこのような暑い日は少なかったと記録されていますが、現在は命を脅かすような暑さとなる日が増加しています。
この記事では夏に増加する猛暑日について、推移なども含めて紹介します。

猛暑の原因とは?気候変動について見直そう

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年々日数が増加している猛暑日とは?


天気予報などで猛暑日という言葉が度々聞かれるようになりましたが、これは気象庁によって決められた気温を超えたときに使用され、警戒を呼びかける言葉となっています。

他にも真夏日や夏日といった言葉がありますが、基準は最高気温が35℃以上の日を猛暑日、30℃以上35℃未満の日を真夏日、25℃以上30℃未満の日を夏日と言います。

この猛暑日という言葉は、天気予報や気象情報の解説などで用いる予報用語の中には元々存在しませんでした。
1996年に予報用語が改正されて以来、約10年ぶりの2007年改正において、熱中症と共に予報用語として追加されたのが、この猛暑日です。

では、なぜ猛暑日を追加しなければいけなかったのか、それまでに猛暑日という言葉がなかったのはなぜか、それには猛暑日の日数などが関係しています。

猛暑日の日数

猛暑日とは最高気温が35℃以上の日であり、人間の体温とほぼ変わらない気温あるいはそれ以上に高い気温になることもあります。

この猛暑日が2007年以降に予報用語に追加された背景には、その日数に関係があります。

1910年以降、気象庁で観測した全国の日最高気温の統計を見ると、猛暑日、つまり35℃以上を観測した日数が1994年頃から大きな変化を見せていることが明らかになっています。

1994年以前の日本で、35℃以上を記録した日数は2日以下の年がほとんどであり、2日以上を記録したのは1924年、1928年、1942年、1961年、1978年、1985年の計6年です。
しかも1942年以外は3日以下であり、猛暑日の日数はそれほど多くありませんでした。
1942年だけは例外で5日以上も猛暑日を記録しており、全体的にも気温が高い夏であったことが伺えます。

一方で1994年には猛暑日が6日以上になり、記録的な暑さとなりました

1942年から2007年までの66年間のうち、猛暑日が2日以上あった年は8年でした。それに対して2008年から2021年までの14年間のうち、猛暑日が2日以上あった年も8年でした。
年数としては同じですが、2008年以降は14年という短い期間に8年もあり、うち2018年は7日以上、2020年は5日以上の猛暑日が観測されています。

実際、気象庁の統計では信頼度数99%で、猛暑日が1910年から2019年までの100年あたりで1.9日増加していることが報告されており、猛暑日の年間日数は徐々に増加しています。

また、気象庁からの発表では、猛暑日の平均年間日数が1992年から2021年の30年間だと約2.55日、統計の最初1910年からの30年間だと約0.8日であり、比較すると3.3倍も増加していることが分かります。

猛暑日の増加に加えて全体的な気温も上昇傾向にある

猛暑日が増えたことで、年間の平均気温や最高気温などにも変化が見られます。

気象庁の観測によると、30℃以上を記録する真夏日の日数は、1910年から2019年までの100年で約6日の増加が分かっています。
真夏日の平均年間日数は、1990年から2019年までの最近30年間で約41日であり、1910年から1939年の35日と比べて、約1.2倍も増加しているというデータもあります。

また、猛暑日を多く記録した1942年(5日以上)、1994年(6日以上)、2018年(7日以上)で東京の最高気温を比較したところ以下のようになりました。

猛暑日が多かった年 最高気温
7月 8月 9月
1942年 36.3℃ 38.9℃ 35.8℃
1994年 35.6℃ 39.1℃ 32.9℃
2018年 39.0℃ 37.3℃ 33.0℃

どの年も3ヶ月にわたって35℃を超える猛暑日があったことが分かります。
その中でも1942年と2018年は40℃に迫る非常に暑い日があったことが伺えますが、特に2018年は最高気温について興味深いデータも残っています。

順位 都道府県 地点 観測値
起日
1 静岡県 浜松 41.1 2020年8月17日
1 埼玉県 熊谷 41.1 2018年7月23日
3 岐阜県 美濃 41.0 2018年8月8日
3 岐阜県 金山 41.0 2018年8月6日
3 高知県 江川崎 41.0 2013年8月12日
6 静岡県 天竜 40.9 2020年8月16日
6 岐阜県 多治見 40.9 2007年8月16日
8 新潟県 中条 40.8 2018年8月23日
8 東京都 青梅 40.8 2018年7月23日
8 山形県 山形 40.8 1933年7月25日

このデータは気象庁でまとめられた観測史上最高を記録した気温の順位です。

データを見てみると上位10位のうち、2018年以降に観測した最高気温が上位3位を占めており、全体でも7つの記録がランクインしています。

1994年から2022年までの28年間では、猛暑日でも最高気温が40℃を超えている日もあることから、ここ数年で最高気温の大きな上昇が見られるということになります。

  • 2007年に「猛暑日」と「熱中症」は予報用語に追加された
  • 1990年~2021年の猛暑日の平均年間日数は1910年~1939年と比べ約3.3倍増加している
  • 1994年から2022年までの28年間では、最高気温が40℃を超えている日もある
  • (出典:気象庁「大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化」,2019)
    (出典:気象庁「観測開始からの毎月の値」,2019)
    (出典:気象庁「歴代全国ランキング」,2022)

    猛暑日の日数増加による被害


    猛暑日や真夏日、そしてその日数の増加は私たちの生活に大きな影響を及ぼします。
    その1つが「猛暑日」と共に予報用語に追加された「熱中症」です。

    熱中症とは体温の上昇により、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温の調節機能が働かなくなり、さらなる体温の上昇やめまい、痙攣(けいれん)、頭痛など様々な症状を起こす病気です。
    毎年多くの人が熱中症で救急搬送されたり、最悪の場合死に至ることもあるため、怖い病気です。

    総務省消防庁の報告によれば、猛暑日や真夏日が多かったとされる2010年には5万6,119人、2013年には5万8,729人、そして観測史上最高気温を相次いで記録した2018年には9万5,137人が、熱中症により救急搬送されています

    また、2013年から2021年における熱中症による救急搬送数の全体の46~60%が65歳以上の高齢者となっており、体力などが衰えた高齢者や抵抗力のない子どもが熱中症になりやすい傾向にあります。

    暑さ指数(WBGT)

    熱中症による被害は2010年頃から急速に増加しており、その対策が講じられてきました。

    その中の1つに暑さ指数(WBGT)の導入があります。
    これは熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。
    この指標は単位こそ気温と同じ℃(摂氏度)ですが、人体と外気との熱のやり取りに着目しており、人体の熱収支に与える影響の大きい湿度、日射・輻射など周辺の熱環境、気温を取り入れた指標です。

    暑さ指数が28℃を超えると熱中症患者が著しく増加する傾向にあり、真夏日や猛暑日となればその危険性は高まります。
    28℃以上31℃未満を「厳重警戒」とし、31℃以上は「危険」と定め、全ての生活活動で熱中症が起こる危険性があると示されています。

    特に「厳重警戒」では外出の際に炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意すること、「危険」では、高齢者は安静状態でも発生する危険性が高く、外出はなるべく避け、涼しい室内に移動することを推奨されています。

    熱中症は、屋外だけでなく屋内でも起こる可能性があり、猛暑日はもちろんのこと真夏日であっても注意して生活する必要があります。

  • 観測史上最高気温を相次いで記録した2018年には9万5,137人が熱中症により救急搬送された
  • 2013年~2021年における熱中症による救急搬送数の全体の46~60%が65歳以上の高齢者であった
  • 熱中症対策のため「暑さ指数(WBGT)」が導入された
  • (出典:環境省「熱中症とは何か」,2017)
    (出典:環境省「平成30年度 消防庁における熱中症対策」,2018)
    (出典:環境省「熱中症はどのくらい起こっているのか」,2019)

    猛暑日には特に徹底した熱中症対策を


    猛暑日の日数は増加傾向にあり、今後も増える可能性があります。
    年によっては冷夏と表現されるような平均気温が低い夏もありますが、その中でも数日真夏日や猛暑日を記録することがあるほど、夏季の気温が高くなっています。

    これは地球温暖化が1つの要因となっているのは明らかです。
    温室効果ガスの増加により、地球の温度が内部に蓄積されることで、特に日差しの強い夏の気温が上昇しています。

    全体的な気温の上昇は熱中症を含めた様々な被害だけでなく、自然環境や生態系にも多大な影響を与えています。

    しかし、猛暑日が増える原因は私たちの生活や経済活動にあるため、猛暑日を減らせるような具体的なアクションを考え、実行していかなければなりません。
    また、熱中症は非常に危険であることから、毎日の気温に着目してこまめな水分補給などの対策を行いましょう。

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