猛暑

猛暑はヨーロッパでも問題になっている!気候変動で死者も

  • 2020年7月22日
  • 2022年12月23日
  • 猛暑

近年の日本は夏になると気温の上昇による猛暑日の発生や、豪雨、大型の台風などに襲われることが度々あります。これにより大きな被害を受けてきましたが、どれも気候変動により発生している気象災害です。

これは日本だけに限らず、世界中でも影響を及ぼしており、特にヨーロッパでは日本より大きな被害を受けている国もあります。
この記事ではヨーロッパでの猛暑の問題について、気候変動を踏まえて紹介します。

猛暑の原因とは?気候変動について見直そう

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世界を襲う気候変動による猛暑


世界では近年、地球温暖化など気候変動による影響で気温の上昇が見られており、その影響が各地で観測されています。
それは日本も例外ではなく、豪雨の増加や台風の大型化、暖冬など様々な形で現れています。その中でも私たちが生活する上で過酷となっているのが気温の上昇であり、夏場の猛暑日の増加です。

猛暑日とは最高気温が35℃以上を記録した日のことであり、人だけでなく多くの生物の生命を脅かす気温となる日を言います。
この猛暑日が1994年以降増加傾向にあり、2018年には年間の猛暑日が7日以上、7月には最高気温が観測史上最高の41.1℃を記録するなど、私たちの生活を確実に脅かす気候になっています。
これは日本だけに限りません。2018年の異常気象は世界各地で観測されており、特に猛暑となる高温を記録した地域も見られました。

例えばアフリカ北部にあるモロッコでは43.4℃、サハラ砂漠では51.3℃を観測しています。赤道付近であるため元々暑い地域ですが、この気温はすでに異常なまでの数値に来ています。
また、赤道からやや遠くにあるアメリカ西部であってもカリフォルニア州デスバレー国立公園で52℃、ロサンゼルス近郊でも48.9℃を記録しています。

猛暑ではないですが、ロシアでも寒さで知られるシベリアで2018年6月の日最高平均が29℃であり、平年の日平均より3℃上昇していることが明らかになりました。

さらに、2021年には北米及びヨーロッパ南部で、2022年にはヨーロッパ西部で、夏の顕著な高温を記録しました。

このように世界では今、気温の上昇と夏場の猛暑の増加が各地で猛威を奮っています。

  • 猛暑日とは最高気温が35℃以上を記録した日のこと
  • 日本では2018年7月に観測史上最高の41.1℃を記録した
  • 世界中で猛暑日が1994年以降増加傾向にある
  • (出典:環境省「気候変動適応法の施行について」,2018)

    死者も出ている!ヨーロッパにおける猛暑の問題とは


    世界各地で気温が上昇し、夏には猛暑となる地域は数々ありますが、その傾向はヨーロッパでも見られます。
    日本における猛暑日の増加は1994年頃から起こっていました。比較的同緯度にあるヨーロッパの国々でもその傾向はありましたが、特に大きな被害が起こった年が2003年のヨーロッパを襲った熱波による猛暑です。

    日本の気象庁における熱波の定義は「広い範囲に4~5日またはそれ以上にわたって、相当に顕著な高温をもたらす現象」とされています。
    また「相当に顕著な高温」としては、平年値が最も高い時期においてかなり高い気温を目安としており、明確な数値としての定義はありません。
    しかしその上でヨーロッパの広い範囲では、2003年6月に気温が、平年よりも高い傾向が続きました。

    8月にはフランスのパリで40℃を超えることがあり、非常に暑い日が続きました。
    2002年と2003年の同時期の平均的な地表付近の気温の差を取ると、フランスやドイツ、チェコ、イタリア北部で前年より気温が10度以上高くなりました。

    ヨーロッパ各地は日本と緯度が近いですが、この地域独特の気候により、日本と比べて涼しかったこともあって当時は冷房設備があまり普及していませんでした。
    その中で突然の熱波に襲われ、熱中症にかかる人が続出し、多くの死者を出すこととなりました。

    世界保健機関の2004年の推計によれば、最も被害が大きかったフランスは14,802人の死者が出たと言われています。
    他にもイタリアで3,134人、ポルトガルで2,106人、イギリス・ウェールズで2,045人とどの国も多くの死者が出ました。
    この熱波は人体だけでなく、農作物にも影響を与え、高温や乾燥により多くの作物が深刻な被害を受けました。
    加えて森林火災が拡大する原因にもなり、2003年はフランスをはじめとしたヨーロッパ各地で記録にも記憶にも残る夏となりました。

    近年のヨーロッパの猛暑日や熱波事情

    近年のヨーロッパの猛暑や熱波の状況はどうなっているのでしょうか。
    ここ10年あまりの記録では、2010年にはヨーロッパを含め、北半球中緯度の7月の平均気温が多くの地域で平年と比べて高くなるという現象が起きました。
    これによりヨーロッパからロシア西部、東シベリア、アメリカ東部で異常高温となりました。加えて日本でも猛暑日と真夏日の増加が観測された年でもあります。

    2010年は日本でも熱中症による死者が過去最高の1,731人にものぼり、非常に過酷な真夏日や猛暑日が続いた夏でもありました。
    また2018年には日本で最も猛暑日が多い7日以上を記録し、熱中症による死者数が2番目に多い年でもありましたが、世界でも厳しい暑さを経験した夏になりました。

    世界的に見ると、2018年8月の平均気温は、最高気温を記録した2016年8月と0.2℃差の観測史上4番目の高温となりました。
    ヨーロッパに目を向けてみると、イギリスでは1976年、2003年、2006年に並ぶ史上最高気温を観測し、ドイツやフランスでは史上2番目、北欧やバルト諸国でも史上最高を記録しています。
    加えて、スペインとポルトガルでは8月に熱波を観測するなど、欧州にとっても過酷な夏であったことが伺えます。

    一方で翌年の2019年は世界気象機関の報告により、7月の世界の気温が、史上最も暑い月とされている2016年7月と同水準か若干上回る見込みであるとしていました。
    また、2015年から2019年の5年間は「最も暑い5年間」であるとの予想も付け加えました。

    実際にフランスのパリで2019年6月に46℃を記録し、各地でも軒並み史上最高気温を更新することになりました。
    この影響はヨーロッパに留まらず北極圏にも及び、森林火災と大規模な氷の融解が起きました。さらに7月後半にはヨーロッパに2度目の大規模熱波が襲い掛かり、ドイツでは42.6℃、ベルギーでは41.8℃、ルクセンブルクで40.8℃、オランダで40.7℃と各国の国内最高記録が更新する事態になりました。
    イギリスのイングランド南部でも38.7℃と7月の気温では国内過去最高を記録し(当時)、フランスのパリ市内では42.6℃となり、1947年7月28日の7月の国内過去最高を更新しています。

    また、2021年には、ヨーロッパ南部を中心とした地中海周辺地域で、7月下旬から顕著な高温が続きました。 イタリア南部シチリア島のカターニアでは8月11日に最高気温44.4℃を、同じくシチリア島のシラクサでは最高気温48.8℃を、スペイン南部のコルドバでは8月14日に最高気温46.9℃を、トルコ南部のアンタリヤでは8月3日に最高気温44.8℃を観測しました。

    さらに翌年2022年には、ヨーロッパ西部を中心に、7月上旬から顕著な高温が続きました。スペイン南部のコルドバでは、7月12日、13日に最高気温43.6℃、フランス南部のトゥールーズでは、7月17日に最高気温39.4℃を観測。 また、イギリス東部のコニングスビーでは、7月19日に最高気温40.3℃を記録し2019年の記録を更新したのです。気温の上昇に伴い、スペイン、ポルトガル、フランスでは大規模な山火事が発生しました。

    ヨーロッパを襲う熱波と猛暑の原因

    ヨーロッパを度々襲う熱波はなぜ起きるのか、これにはいくつかの要因が考えられています。

    例えば2016年7月に世界中の気温を上昇させ、過去最高とした要因は強力なエルニーニョ現象によるものが大きかったとされています。
    では、過去最高が更新された2019年の熱波や各地の猛暑日の増加、気温の上昇もこのエルニーニョ現象が要因かと言われると、そうではありません。

    この年の各地の猛暑日は人間活動により引き起こされる気候変動によるものであり、これにより熱波の多頻発化及び長期化、激甚化に拍車をかけていることが、様々な国や機関から報告されています。
    同様に、日本でも甚大な被害をもたらした2018年の猛暑や、欧州での熱波の発生も人為起源による気候変動が要因の半分であると考えられています。

    もう半分は少雨による土壌の乾燥や、北寄り配置のジェット気流による夏季を通じた高気圧の卓越など広域スケールの気象パターンと、高い海面温度が長期化したことによりもたらされた異常高温だとしています。
    しかし、これももとを辿れば気候変動が少なからず関係しているのではないか、とも考えられます。

    また2018年の熱波のピークは2019年の夏に起こったほどではないものの、人為起源の排出が無かった場合の30倍である11~12%の確率で起こることから、21世紀半ばには常態、つまり毎年起こる可能性が示唆されています。
    このような2018年夏季の熱波の原因を分析した論文が、イギリス気象庁より英国王立気象学会誌を通して発表されました。

  • ヨーロッパでは2003年に熱波による猛暑で大きな被害を受けた
  • フランスは最も被害が大きく死者14,802人
  • 日本での猛暑やヨーロッパでの熱波の発生も人為起源による気候変動が要因の半分であると考えられている
  • (出典:環境省「2003年欧州の熱波による死者数」)
    (出典:JAXA「地球が見える 2003年」,2003)
    (出典:気象庁「平成 22 年(2010 年)7月の北半球中緯度の高温について」)
    (出典:国立環境研究所「世界気象機関、2018年夏の世界の高温など極端気象を報告」,2018)
    (出典:国立環境研究所「イギリス気象庁、2018年夏季にイギリスを襲った熱波の原因を分析」,2018)
    (出典:国立環境研究所「世界気象機関、2019年7月は史上最も暑い月または首位タイだったと報告」,2019)
    (出典:国立環境研究所「世界気象機関、欧州が2019年2度目の熱波に襲われたと報告」,2019)
    (出典:気象庁 令和3年(2021年)8月17日 ヨーロッパ南部を中心とした顕著な高温について)
    (出典:気象庁 令和4年(2022年)7月22日 ヨーロッパ西部を中心とした顕著な高温について)

    気候変動による猛暑の問題はヨーロッパをはじめ世界に広がっている


    気候変動は世界中で問題視されており、対策が講じられています。その影響は様々なところで出ていますが、その1つが猛暑日や熱波の増加です。

    ヨーロッパは2000年以前まで地域によっては日本よりも涼しい場所として知られていました。
    しかし現在は日本の観測史上最高気温である41.1℃を大きく上回る気温を記録する観測所があるほど暑い地域となりました。
    この夏季の高温により熱中症となる人は多く、各国で最高レベルの高温警報が発令される事態にまでになりました。

    要因である気候変動、特に地球温暖化の影響であることが近年日本を含む各国の研究機関で明らかとなり、その関連性から地球温暖化への対策を早急に行わなければいけないという危機感が高まっています。
    このまま対策を行わなければ、猛暑日や熱波の頻度は増えていくと予想されています。
    対策を講じたとしても、ある程度の猛暑日の増加は考えられますが、それでも何もしないよりかは抑えられます。

    地球温暖化を含む気候変動は私たちの人間活動、つまり人為起源によるものがほとんどです。
    各国の行政や関連機関が行う温暖化対策も重要ですが、私たちにできる取り組みについても考え、意識して行動することが将来の猛暑日の緩和につながります。

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    この記事を書いた人
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