地球温暖化

地球温暖化が及ぼす社会への影響とは?不作や不漁、感染症の拡大も

地球温暖化は、私たちが住む地球に様々な影響を与えています。多くの動植物をはじめ、環境や生態系などが被害を受けているのはご存じだと思いますが、その中には人間も含まれます。私たちが生きる社会は、地球温暖化の悪影響を受けて変わろうとしているのです。

この記事では、地球温暖化が社会に及ぼす影響について紹介します。

地球温暖化のメカニズムや原因、現状は?私たちへの影響やすぐにできる対策も解説

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進行する地球温暖化

世界全体の問題として取り上げられているものの1つに、地球温暖化があります。地球温暖化は現在も進行しており、深刻な状況になっています。

気候変動に関するIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)の第5次評価報告書では、1880年から2012年の期間に世界平均地上気温は0.85℃上昇したと言われています。

これは産業革命以降、人間の生産活動において、石油や石炭などの化石燃料を燃やしてエネルギーを得ていることが要因となっています。

化石燃料を燃やすことで大量の二酸化炭素が発生するのです。

経済史の成長と共に二酸化炭素の排出量は増え続けていき、その濃度は産業革命以前と比べて40%も増加しました。

増加傾向は今も継続しており、二酸化炭素濃度は濃くなり続けています。

このまま有効な地球温暖化対策を取らなかった場合、世界の平均気温の上昇はさらに進行すると予測されています。

21世紀末である2081~2100年の平均気温は有効な対策を取らないと、2.6~4.8℃上昇すると予想されています。

厳しい温暖化対策を取ったとしても、0.3~1.7℃上昇する可能性が高いと言われているのです。

また平均海面水位は、最大で82cm上昇すると考えられています。

地球温暖化はただ気温を上昇させるだけではありません。気温の上昇による影響も、海面水位の上昇も影響の1つでしかなく、それらはさらに生態系や自然環境、海水温や海洋循環など様々なものに影響をもたらします。

そして私たちの社会にも多大な影響を与えます。既にその影響が出ており、大きな被害として現れているものもあります。

  • 1880年から2012年の期間に世界平均地上気温は0.85℃上昇した
  • 21世紀末である2081~2100年の平均気温は有効な対策を取らないと、2.6~4.8℃上昇すると予想されている
  • 地球温暖化はただ気温を上昇させるだけではなく、生態系や自然環境、海水温や海洋循環など様々なものに影響を与える
  • (出典:環境省「地球温暖化の現状」,2019)

    地球温暖化は社会に様々な影響を与える


    私たちの社会は技術の向上と経済の発展により、便利な生活が形成されてきました。

    しかし同時に、地球に大きな負担を強いて、様々な問題を引き起こしています。その1つが地球温暖化であり、便利な生活のしっぺ返しが今起こっているといっても過言ではありません。

    地球温暖化は、私たちの生活に大きな影響を与えています。農作物や漁業などの生態系に関するものだけでなく、都市や水環境の問題、私たち自身の健康への影響などが挙げられます。

    農作物への影響

    農作物は気温や降水量、日照時間に影響され、栽培や収穫できる量が変わります。

    気温が上昇することや地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量の増加が、必ずしも悪い方向に影響するとは限りません。

    例えばシベリアやカナダなど中緯度地域の寒冷地では、気温の上昇と二酸化炭素の増加により農作物の収量が増える可能性があると考えられています。

    なぜなら作物の生育には、ある程度の温度と光合成に必要な二酸化炭素の存在が必須となるためです。

    ただしこれは2~3℃程度の気温上昇であり、地球温暖化の初期であることが前提です。

    また熱帯域では現在も高温下にあるため、イネなどに高温障害が出る可能性が懸念される気温で栽培されている地域があります。

    その上気温がこれ以上上昇すれば、高温障害や水不足により生産量は減少すると予測されています。

    これは日本でも同様であり、このまま温暖化が進行すれば、米の生産地は北へ移動せざるを得ません。

    品種の変更や耕作時期をずらすことで米の生産量の減少は止められるでしょうが、同時に冷涼な気候で生産する小麦へも影響が出始めるとが考えられます。

    日本では北海道などを中心とした北の地域で、アメリカでも緯度が高い地域で小麦を生産していますが、現在の主要な産地では収穫量が大幅に減少すると考えられています。

    こちらも涼しい季節に栽培時季をずらす、高温に強い品種を使えば収穫量をある程度確保できるだろうとはされていますが、現在の農業形態に大きな影響を与えることは確かです。

    果樹関係は気温の上昇に敏感であり、リンゴや桃などは温暖化に伴い品質が低下する恐れがあります。

    さらに現在の産地での栽培が困難となり、米同様に適地が北へシフトする可能性があるため、リンゴの主要産地が青森ではなく北海道になる、といった事態も起こりかねません。

    収穫量の減少や品質の低下は、経済を圧迫します。世界全体の収穫量が減れば、貿易による食糧供給が滞り、市場価値が上昇すると予想されます。

    結果的に食料は高価となり、途上国では食糧不足に陥る可能性もあります。飢饉が発生する可能性も危惧されており、社会全体にさらに大きな問題として浮上する可能性もあります。

    漁業への影響

    地球温暖化は、漁業にも大きな影響を与えています。

    現在、日本では多くの海産物の恩恵を受けています。しかし海に生息する魚介類も海水温や海洋環境の影響により生息域や漁獲量が変化するため、気温の上昇や二酸化炭素濃度の上昇は、海産物の漁獲量に深刻な影響を与えます。

    気温の上昇は海水温の上昇に、二酸化炭素濃度の上昇は海洋の酸性化につながるためです。

    例えばマイワシやスケトウダラなどは水温が冷たいときに漁獲量が増加し、スルメイカやカタクチイワシは水温が暖かい時に漁獲量が増加します。

    これまでも海水温は温暖期や寒冷期があり、それによって個体数を大きく増やす種が変化しました。

    しかし水温の上昇はこのメカニズムを狂わせ、寒冷期に増えていたマイワシやスケトウダラの個体数を減らすことが懸念されています。

    さらに水温の上昇により生息域が北へ移動することで、生息数の減少も確認されています。

    ブリは北海道での漁獲量が増加し、イセエビヤアワビなど磯根資源は、九州沿岸の磯焼けの拡大により減少しています。

    南方系のタコやカニなども北上が確認されており、今後各地の漁獲量の変化が予想されています。
    観光産業や海洋の生物多様性をもたらしているサンゴの白化現象などが発生しており、長期的に続けばサンゴは死滅してしまいます。

    サンゴの死滅は周辺の生態系を崩壊し、観光産業にも大きな影響を与える恐れがあります。

    都市・水環境への影響

    都市や水環境への影響は私たちの生活に直結するため、非常に深刻な状況です。

    水害による都市への被害も深刻です。近年は豪雨の増加や台風の大型化による被害が目立ちました。

    2018年に起こった平成30年7月豪雨では、広い地域で特別警報を発令しなければならないほど大量の雨が降り続き、河川の氾濫や浸水被害、土砂災害などが発生して多くの死者・行方不明者を出しました。

    2019年には台風15号と台風19号の影響により、千葉県で多くの浸水被害や長期的な停電が相次ぎ、物資的、人的、経済的にも甚大な被害が出ています。

    さらに都市部では多摩川など広い範囲で河川の氾濫が相次ぎ、浸水被害も多数発生しています。

    人的被害や住宅被害だけでなく、電気や水道、道路、鉄道などのライフラインへも影響を与えました。

    日本に限らず世界の都市はインフラ設備などが整えられていますが、このような災害が起これば大きな被害を受け、都市機能が麻痺してしまうこともあります。

    豪雨や台風だけでなく、竜巻や高潮など増加が影響し、経済的損失が膨大になると予想されます。

    洪水などの増加も私たちの生活に被害をもたらしますが、一方で異常少雨や干ばつによる被害を受けている地域もあります。

    異常少雨や干ばつは、農作物を水不足で育てることができず、人が生きていくための水も確保できない状況に陥ります。

    水環境自体が地域によって極端に偏っており、多い地域と少ない地域どちらにも大きな被害と損失を起こしています。

    これらの異常気象などによる被害額は増加しており、今後保険業界では対応できなくなる可能性も予測されているのです。

    健康への影響

    気温の上昇や環境の変化は、私たちの健康に影響を与え続けています。

    最高気温が30℃以上になると真夏日とされていますが、最近の東京の真夏日の日数は年間約46日であり、このまま行くと年間約103日まで増えて1年の3割近くが真夏日になると予測されています。

    真夏日が増えれば、熱中症患者も増加する可能性が高くなります。実際に35℃を超えると熱中症患者は急速に増加し、救急車の搬送数が増えていることがわかっています。

    また地域によってはマラリアやデング熱などの感染症の影響が拡大します。

    これらの感染症は気温が高い地域で確認されていますが、今後世界全体の気温が上昇し続ければ北上し、日本も潜在的な感染地域に入る恐れがあります

    マラリアやデング熱は人が適度な密度にいる環境で発生し、蚊を媒介として拡大していきます。

    衛生環境など様々な要因が重なるため、直ちに発生するとは考えにくいものの、アメリカ全土で拡大した西ナイルウイルスによる死者の増加のような前例があるため、油断はできません。

  • 農作物は気温や降水量、日照時間に影響され、栽培や収穫できる量が変わる
  • 気温の上昇や二酸化炭素濃度の上昇は、海産物の漁獲量に深刻な影響を与える
  • 近年は豪雨の増加や台風の大型化による被害が目立つ
  • 最近の東京の真夏日の日数は年間約46日であり、年間約103日まで増えて1年の3割近くが真夏日になると予測されている
  • 熱帯地方の感染症は気温が高い地域で確認されており、今後世界全体の気温が上昇し続ければ北上し、日本も潜在的な感染地域に入る恐れがある
  • (出典:国立環境研究所「人間社会への影響」)
    (出典:国立環境研究所「地球温暖化が日本に与える影響について」)
    (出典:全国地球温暖化防止活動推進センター「地球温暖化の影響予測」)
    (出典:気象庁「災害をもたらした気象事例」)
    (出典:気象庁「令和元年東日本台風(台風第19号)による大雨、暴風等」)
    (出典:気象庁「平成30年7月豪雨」)
    (出典:環境省「地球温暖化の現状」,2019)
    (出典:水産庁「磯焼け対策ガイドライン」,2015)

    地球温暖化から私たちの生活を守るために

    私たちの生活において、周辺環境はとても重要です。これまで人々の生活が発展してきたのは人間自身の力だけではなく、周りの環境があったからこそ成立しているのです。

    しかし生活が発展していく中でその環境を省みず、大きな負担を地球に課してしまいました。

    それが地球温暖化であり、気候変動など様々な影響を与えた結果が現れています。

    このまま有効な対策を打ち出さなければ、私たちの生活は崩壊へと進んでいくことになるでしょう。

    それを防ぐには、私たち一人ひとりがこの問題に向き合っていく必要があります。

    国際機関や各国政府、関連する組織や企業などもこの問題に取り組んでいますが、根本的な解決のためには私たちも協力しなければいけません。

    地球温暖化が及ぼす影響を知り、私たちにできることを始めていきましょう。

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