持続可能な開発目標として制定された「SDGs」は、発展途上国のみならず先進国自身が取り組むユニバーサルなものであり、世界各国が積極的に取り組んでいます。
制定された17のターゲットの中に、「気候変動」の問題が挙がっていることからも「地球温暖化」は世界で考えなければならない問題となっているのです。
今回は地球温暖化の原因から今後考えられる影響について解説します。
地球温暖化のメカニズムや原因、現状は?私たちへの影響やすぐにできる対策も解説
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地球温暖化の原因とは
地球の平均気温は14℃前後ですがもし大気中に水蒸気、二酸化炭素、メタンなどの温室効果ガスがなければマイナス19℃くらいになってしまいます。
太陽から地上に降り注ぐ光は地球の大気を素通りして地面を暖めその地表から放射される熱を温室効果ガスが吸収し大気を暖めているからです。
近年産業活動がさらに活発になり二酸化炭素・メタン、さらにはフロン系などの温室効果ガスが大量に排出されます。その後、大気中の濃度が高まり熱の吸収が増えた結果気温が上昇します。
そのほかにも、森林が減少したことや化石燃料の使用などにより大気中の温室効果ガスの濃度は急激に増加しました。
この現象が地球温暖化と言われています。
(出典:全国地球温暖化防止活動推進センター 「地球温暖化の原因と予測」)
(出典:気象庁 「地球温暖化の原因」)
温室効果ガスとは
温室効果ガスとは主に二酸化炭素や、メタン・フロン類のことを言います。
大気の中にはこれらがわずかに含まれており、赤外線を吸収し再び放出する性質があります。
先述したように、温室効果によって地球の平均気温はおよそ14℃に保たれています。二酸化炭素は大気中の約0.04%とわずかですが、最も温暖化への影響が大きいガスです。
温室効果ガスの種類は主に以下のようになります。
ガスの種類 | 特徴 |
---|---|
二酸化炭素(CO2) | 代表的な温室効果ガス。化石燃料の燃焼の際に発生する。 |
メタン(CH4) | 天然ガスの主成分で、常温で気体。よく燃える。稲作、家畜の腸内発酵、廃棄物の埋め立ての際に発生する。 |
一酸化二窒素(N20) | 数ある窒素硫化物のなかで最も安定した物質。他の窒素酸化物(例えば二酸化窒素)などのような害はない。燃料の燃焼、工業プロセスの際に発生する。 |
CFC、HCFC類 | 塩素などを含むオゾン層破壊物質で、同時に強力な温室効果ガス。モントリオール議定書で生産や消費を規制。スプレー、エアコンや冷蔵庫などの冷媒、半導体洗浄などに用いられる。 |
HFC(ハイドロフルオロカーボン類) | 塩素がなく、オゾン層を破壊しないフロン。強力な温室効果ガス。スプレー、エアコンや冷蔵庫などの冷媒、化学物質の製造プロセスなどに用いられる。 |
PFC(パーフルオロカーボン類) | 炭素とフッ素だけからなるフロン。強力な温室効果ガス。半導体の製造プロセスの際に発生する。 |
SF6(六フッ化硫黄) | 硫黄とフッ素だけからなるフロンの仲間。強力な温室効果ガス。電気の絶縁体などに用いられる。 |
(出典:南房総市 「温室効果ガスってどんなもの?」)
地球温暖化による影響は?
地球温暖化が進行するとどんな影響が出るのか地球規模でいくつか解説します。
海面の上昇
地球温暖化によって海面が熱膨張し、ここ数年で一気に海面が上昇しました。1901年から2010年の110年間で世界の海面水位は1年当たり平均で約1.7ミリメートル上昇しており、1993年から2010年の間は約3.2ミリメートル上昇しています。
近年で著しく上昇していることにより、地球温暖化に伴って海面水温も上がっていることが考えられます。
生態系の変化
植物や生物にも地球温暖化の影響が出ています。例えば、気温の上昇により桜の開花日が1953年以降10年ごとに1.0日の割合で速くなっているのです。
また、先述したように海水が暖かくなることによりサンゴの白化も進んでいます。他にも温暖化による生息地の減少などの影響を受ける生物も存在し、個体数の減少や絶滅の危機に陥ることも懸念されています。
農業への打撃
気候変動により強い雨や暑い日が増えています。地域によって気温の上昇により穀物の収穫量がプラスになることもありますが、強い日差しによる果樹の日焼けや着色不良なども起こり、ほとんどは収穫量の減少や品質の低下などの影響を受けます。
(出典:環境省「 STOP THE温暖化」,2017)
地球温暖化により予想されている未来
IPCC第5次評価報告書によれば、2081年から2100年の世界の平均地上気温は、1986年から2005年の平均よりも最大で4.8℃上昇すると予測しているそうです。
このまま温室効果ガスを排出し続けたとすると2.6~4.8℃の気温上昇が予測され、21世紀末に温室効果ガスの排出をほぼゼロにしたとすると、これが0.3~1.7℃になると予測されています。
それ以外にも将来的にはさらなる海面水位の上昇、湿潤地域と乾燥地域で降水量の差の拡大、海氷の減少、海面水温の上昇などが大きな変化と言えるでしょう。
(出典:環境省 「STOP THE 温暖化 2017」)
地球温暖化を防ぐために、まずは現状を知ろう
この記事では、地球温暖化の原因と今後考えられる影響について解説しました。
地球温暖化は、進行していくことで想像を超える大きな変化を招きます。
まずは現状を知ることからスタートし、自身ができることから始めましょう。
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