2016年、熊本県では短い期間で二度にわたる大きな揺れを記録する震災に見舞われました。多くの被害が生まれ、避難生活を送らなければならない人が大勢でました。
2019年の現在でも自宅に帰れず、仮設住宅で過ごす人がいます。
仮設住宅には入居できる期間が決まっていますが、熊本県ではこの期間を1年延長することを国に申請し、受託されました。
この記事ではみなし仮設住宅やその制度について紹介します。
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熊本県は国に仮設住宅の入居期限延長を申請
2016年に2度の大きな揺れが襲った熊本地震は九州、特に熊本県に大きな打撃を与えました。これにより住居が倒壊し、住めなくなってしまった人もいます。
このような被災者は仮設住宅での生活を余儀なくされることが多いですが、仮設住宅にも入居期間が決められており、その期間を過ぎると退去を勧告されてしまいます。
熊本地震での仮設住宅も例に漏れず、入居期間の終了が近づいていましたが、熊本県は2018年10月1日に国に対して入居期間を最長1年間再延長することを申請し、国が同意したと発表されました。
これは公共事業や工期の長期化で、自宅再建や入居を予定している災害公益住宅の完成が間に合わない世帯かあることを想定し、各市町村の意見を募り用件を決め、このような申請を行ったと言う背景があります。
2019年7月末時点では、熊本県内で避難生活を送っている人は約9,000人となっています。
(出典:熊本県公式サイト)
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みなし仮設住宅(民間賃貸住宅借上げ制度)とは
みなし仮設住宅は民間賃貸住宅借上げ制度と言い、住居が全壊等の被害を受けて自身の資力では住居が確保できない被災者に対して、民間賃貸住宅を借り上げ無償で提供する制度です。
この対象となる人は以下の通りです。
入居者の条件
このような条件にあたり長期的に自身の住居で居住できないと市町村長が認める人を対象としています。
住居の修理で一時的に居住できない場合は対象外ですが、そもそも自らの財産で住居が確保できない人や災害救助法に基づく住宅応急修理制度を利用していない人もこの対象となります。
(出典:熊本県公式サイト)
借上げ住宅の条件と費用負担など
この制度にて利用できる借上げ住宅には以下のような条件があります。
借上げ住宅の条件
このような賃貸を県や市が賃主と被災者で三者契約を締結することで借り上げ、被災者に無償で提供します。
つまり家賃、礼金、仲介手数料、退去修繕負担金、火災保険等損害保険料、入居時修繕負担金は県あるいは市の負担として支払いが行われます。ただし限度が決められていますので、それを超える費用は被災者負担となる可能性があります。
また光熱水費、管理費、共益金、駐車場費、自治会費、入居者の故意あるいは加湿による損壊の修繕費用、退去修繕負担金の限度を上回る場合は入居者である被災者の負担となります。
入居期間は2年間を限度とした定期建物賃貸契約です。
この期間内に退去する場合、災害救助法に基づいているため違約金はかからないものとして取り扱われます。
被災者はこのような住居を利用する場合、対象となる条件を満たした物件を探し、申込み期限までに入居申請を行います。その後認可され、三者契約が行われれば制度の利用が可能です。
(出典:国土交通省公式サイト)
(出典:熊本県公式サイト)
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供与期間の延長について
みなし仮設住宅の供与期間は、基本的に延長はできません。
ただし以下のような「供与期間内に退去できないやむを得ない理由」がある場合は期間延長を申請することができます。
このような条件を満たす被災者で、賃主及び入居者ともに再契約の意向があり、延長申請の上認められた場合は、三者契約を結んだ県あるいは市との再契約が締結されます。
その際の家賃や仲介手数料、火災保険や損害保険は三者契約を交わした県か市が負担し、入居者の負担はこれまでと変わらりません。
この再延長は原則として契約終期の翌日から最長1年間となります。
供与期間の延長は基本的に地方自治体の権限だけでは決められず、先述したように県が国に申請を出して認可されなければいけません。
これは三者契約を行うのは県や市町村になりますが、入居費用を負担しているのは実質的には補助金を出す国であり、地方自治体だけの問題ではないためです。
国から現状を鑑み延長の決定を先に出すこともありますが、基本的には自治体からの要請を受けて政府で検討され判断されます。
熊本県では既にこの認可が下りているため、上記の条件を満たしているのであれば、当初の契約より長く住むことが可能となっています。
(出典:熊本市公式サイト)
以前の暮らしを取り戻すために、熊本を支援しよう!
熊本地震の被災地では、今も復興のために様々な事業や活動が行われています。
地震が発生してから3年が経ちますが、熊本県では今も多くの被災者が避難生活を送っている状態です。
私たちは被災した地域や県に対し、義援金や寄付を送ったり、その土地の名産品を買うなどして被災地を応援することができます。
今も仮設住宅で暮らす人が一日でも早く元の生活に戻れるよう、支援してみてはいかがでしょうか。