熊本地震

熊本地震で相次いだ災害関連死、防ぐ方法はある?

日本では地震、台風、大雨など様々な災害が起こっています。

熊本地震では地震による直接的な死亡例よりも災害関連死が相次いで起こりました。

災害関連死は以前から問題視されていましたが、これを防ぐための対策などが講じられています。
こちらでは災害関連死について、そしてそれを防ぐ方法などをご紹介します。

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熊本地震の死者の多くは災害関連死


熊本地震をはじめ、地震が起こったときに発生する被害として、地震による直接的な被害よりも、二次災害や地震関連での被害が相次ぐことが多いとされています。

死者に関しても同様に、地震により直接亡くなる方よりも、災害が原因で死亡する「災害関連死」が多くみられます。

実際に熊本地震では亡くなった270人中、215人が災害関連死として認定されています。
このように認定された事例としては、避難中に車内で疲労による心疾患を起こし死亡した人や慣れない避難所生活で肺炎状態となり入院先で死亡した人、エコノミー症候群の疑いで死亡した人などがいると報告されています。

(出典:内閣府公式サイト)

災害関連死とは

この災害関連死とは、災害による直接的な死亡ではなく、災害で受けた傷や避難生活での負担が原因で死亡してしまうことを言います。

政府が定める定義としては「当該災害における負傷の悪化又は避難所生活等における身体的負担による疾患により死亡し、災害弔慰金の支給に関する法律に基づき災害が原因で死亡したものと認められたもの」を災害関連死と定めています。

地震の場合、災害関連死として亡くなる方は多くいます。

エコノミー症候群とは

この災害関連死の要因の1つとして該当することがあるのがエコノミー症候群です。

これは飛行機での窮屈なエコノミークラスで長時間同じ姿勢でいたときに起こる疾患です。
長時間同じ体勢でいることにより血流が悪くなり血管に血の塊が作られます。そこに痛みや腫れが生じ、それが肺であった場合は肺塞栓症などを起こして死亡する病気です。

災害の場合は車などで避難生活を送ることもあり、窮屈な環境の中で長時間の睡眠などを余儀なくされます。

これによりエコノミー症候群を起こして亡くなってしまうケースがあります。熊本地震や東日本大震災でも同様のケースが見られました。

4時間以上窮屈な場所で同じ体勢をとっている人や高齢者、肥満体質の人、最近大きな手術を受けた人、妊婦の人、がん患者の人はこのエコノミー症候群を起こす危険性があります。

(出典:内閣府防災情報のページ)
(出典:厚生労働省検閲所 FORTH)

災害関連死を引き起こす要因

災害関連死を引き起こす要因はいくつかあります。復興庁が出した「東日本大震災における震災関連死に関する報告」によれば、東日本大震災では原子力災害による避難の影響が大きいとしています。

避難生活は肉体的あるいは精神的疲労が大きく、避難所での生活が負担となって死亡してしまう事例が多いです。

実際熊本地震でも高齢者で避難生活から体調を崩し死亡した例も報告されています。先ほど挙げたエコノミー症候群も避難生活の弊害と言えます。

また地震で負傷した、あるいはこのような避難生活で体調を崩した際、地域の病院が機能していない状態で適切な診察を受けられなかったという要因も災害関連死を引き起こすこととなっています。

病院などの機能喪失は、そこに入院していた重篤患者にも影響を与えました。動かすことができない状態の人を長時間かけ移動させなければいけないケースも発生しており、それが原因で死亡したという事例もあるのです。
これもまた災害関連死として取り扱われます。

(出典:復興庁公式サイト)

災害関連死を防ぐために必要なこと


このような災害関連死を防ぐために、国では様々な対応策を打ち出しています。

まずは初動対応であり、発災から72時間が救命救助活動の重要な時間帯として、人的・物的資源の配分を人命救助に最優先に投入するとしています。

また災害時要援護者対策として避難支援のガイドラインの見直しを行い、情報提供や支援物資の備蓄、確保、輸送、避難所生活、仮設住宅入居などに関しての対応を整備しました。

さらにできるだけ安全で確実な避難を広域で行えるようなマニュアル化の動き、避難所生活での高齢者、障がい者、妊産婦、乳幼児や子どものいる家庭への配慮を行うなど、災害関連死を起こしやすい人を優先し、サービスの提供を行うことも検討されています。

他にもライフラインの迅速な復旧と、物資の円滑な供給も災害関連死を防ぐためには大切なことです。
特にTKB(トイレ・キッチン・ベッド)の環境を少しでも早く取り戻すことで、災害関連死を減らすことも可能だと考えられています。

TKBの環境が大切

TKBとはT(トイレ)K(キッチン)B(ベッド)の3つの頭文字をとった合言葉です。
避難所生活で問題となるのはこの3つが失われることで生活に大きな負担がかかることです。

避難所での生活は当然過ごしやすいものとはいえません。しかしそれが原因で肉体的及び精神的疲労が大きくなってしまいます。
それをできる限り減らし、災害関連死を防ぐための対応が必要不可欠であると、これまでの災害から結論付けられました。

海外では災害時に簡易ベッドの使用や、1人当たりの空間の確保、トイレの配置数の基準などにおいて国際的な「スフィア基準」が取り入れられています。

人が過ごす上で可能な限り負担が少なく、精神的にも過ごしやすい環境を作っていかなければ、災害関連死は増え続ける一方になります。

災害が起こった際には過ごしやすい避難生活の環境をできるだけ速やかに整えることが重要なのです。

(出典:全日本民医連公式サイト)
(出典:内閣府 TEAM防災ジャパン)

避難所の対応や環境にも改善が必要か


災害が起こったときには多くの人が避難所へと移動してきます。
そのため、避難所のキャパシティに対し余裕がなくなる、あるいは人員オーバーになるような避難所も存在します。

そうなった場合、避難所の生活は非常に窮屈なものとなるでしょう。使える空間も狭くなり、必要な物資も不足することが多く、衛生的にも決して良い状態とはいえません。

そのままの環境で過ごしていれば、肉体的・精神的疲労が蓄積してしまうため、避難所の対応や環境改善のあり方についても考えていく必要があると言われています。

日本は地震大国であり、台風などの到来も多いため災害に見舞われやすい国です。
そのため避難所生活を送る可能性も多いため、災害関連死を防ぐための対策は必須とも言えるのです。

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この記事を書いた人
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