熊本地震

熊本地震で断層が大きくずれた理由・原因は?

熊本地震は大規模な地震となりましたが、それは断層が大きくズレたことが関係していると言われています。
ここでは断層がズレた原因や理由について紹介していきたいと思います。

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各地で地震が連鎖した熊本地震


熊本地震の前震で規模が大きかったものは、以下の通りです。

発生日 2016年4月14日
発生時刻 21時26分
持続時間 約8秒
震源 熊本県熊本地方(北緯32度44.5分 東経130度48.5分)
震源の深さ 11km
規模 マグニチュード6.5
最大震度 震度7

熊本地震の本震は、以下の通りです。

発生日 2016年4月16日
発生時刻 1時25分
持続時間 約20秒
震源 前震よりも西北西に4.5kmの位置(北緯32度45.2分 東経130度45.7分)
震源の深さ 12km
規模 マグニチュード7.3
最大震度 震度7

規模の大きさがわかります。

(出典:内閣府防災情報のページ)

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益城町で断層のずれによる亀裂がみつかる


今回の熊本地震は、2016年4月14日に起きた「日奈久断層」の北端で発生したマグニチュード6.5の地震がきっかけとなっています。さらに15日にも地震が発生し、そのときの地震が「布田川断層」を刺激したことで16日の本震につながりました。そして、布田川断層の動きから阿蘇地域や大分県付近でも地震が誘発されていきました。

地震後に研究者が調べたところによると、日奈久断層から布田川断層に沿って約30kmにわたって地表地震断層が発見されました。これは、もともと活断層が発見されていなかった阿蘇のカルデラ内にまで延びており、益城町では畑の畔や畝が2.2mも横にズレていることが確認されています。

活断層による地震の特徴として、大きく揺れるだけではなく、断層による地面のズレが発生することがあります。熊本地震では、基礎部分にズレが生じたために傾いたり崩壊した建物などが多くありました。

ただ、この地震では水平のズレのみだったので、被害は抑えられたとされています。もし上下の揺れ(ズレ)が加わっていれば、さらに被害は大きくなったでしょう。

この布田川断層は、30年間に大きな地震を起こす可能性は「ほぼ0~0.9%」とされていました。
専門家による調査評価によれば、

  • 活動する間隔は8000年~2万6000年
  • 最後の大地震は約6900年前~2200年前
  • とされていたのです。

    「0.9%」という数値はほとんど起こらないと判断したくなる数値ですが、活断層の中では「やや高い」と判断される数値です。

    東北大学災害科の研究所による地震後に行われた調査では布田川断層の活動間隔は、2000~4000年であることがわかりました。
    では、九州中央部の活断層はどうなっているのでしょうか。
    日本はほとんどの地域で、プレート同士のせめぎあいが行われていることで陸地が圧縮されています。

    しかし、九州は南北に引っ張られるような構造になっていて、九州北部と九州南部は毎年3cmずつ伸びているとされています。その引っ張られる力の中心が、九州中央部になるのです。

    九州の中央部東側の別府湾から大分市、由布市、九重町にかけて、大地が縦に引っ張られたときに動く断層が多数あり、これは熊本市から島原市へと続いています。
    この大地の裂け目には阿蘇山や雲仙普賢岳などの火山が多くあります。

    活断層の近くに火山が多くあるのにも理由があります。
    火山の周辺は、その地熱が高いために岩盤が脆くなり断層ができやすくなるのです。
    さらに、火山にあるマグマだまりの膨張や収縮で岩盤が動くこともあります。
    そのため、断層が多い場所、火山が多い場所では地震が発生しやすくなっていると言えるのです。

    布田川断層の近くをみていくと、まず阿蘇山があり、益城町には赤井火山、西原村には大峰山という火山があります。
    これがこの地域に地震が起こる原因になっているのです。

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    活断層とは

    世界の中でも日本はまれにみる「地震の多い国」です。世界で起こっている地震のうちの約10分の1は日本で発生していると言われています。

    地球の表面は「プレート」という大きな板のような岩の層で覆われています。
    日本は「海のプレート」である太平洋プレート、フィリピン海プレート、そして「陸のプレート」である北米プレート、ユーラシアプレートなどいくつものプレートが接している間に存在しています。

    フィリピン海プレートは現在も少しずつ沈み込んでいっています。年間に数cmから10cm程度のゆっくりしたスピードで、陸のプレートの下に潜り込もうとしているのです。そのときにユーラシア大陸プレートも一緒に引っ張られて沈んでいこうとします。

    それが続くと伸ばした輪ゴムが手を放すと急激に戻ってくるように、プレートも激しく戻ってきます。このときに巨大地震が発生するのです。この地震が「海溝型地震」です。

    少しずつプレートが引っ張られている状態が続いていると、微弱な地震が起こることがあります。これが大地震の前の前兆地震と言われるもので、実はこの数年間のうちに日本の南部や南西部でこういった地震が多発しています。

    2016年には熊本地震や鳥取地震、2018年には島根地震、大阪北部地震、日本の近くの国を見ても2016年と2018年には台湾で地震、2016年には韓国でも大きな地震が起きました。これらの地震が、ユーラシア大陸プレートが引っ張られて起こっている歪みが限界にきているという考え方もあります。

    このひずみが限界にくると、陸のプレートの中でも地盤が弱い場所、つまり断層部分がズレて動いてしまいます。これが「内陸型地震」です。今回の熊本地震はこれに当たります。

    これが大地震の前の前兆地震と考えると、さらに大規模な地震がこの先くる可能性があるということになります。そういった考えによって、ここ数十年~数百年のうちに「南海トラフ大地震」が来ると予測する研究者もいるのです。

    (出典:気象庁公式サイト)

    大きな傷跡を残した熊本地震


    こうした活断層の動きによって発生した熊本地震は、人命や建物に大きな傷跡を残しました。地震大国である日本では、まだまだ地震が起きる可能性があります。できる限りの準備をして地震に備えること、被害をこうむった地域を支援、応援していくことが重要なのです。

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