炊き出し ボランティア

ボランティア

炊き出しボランティアとは?参加する方法や支援団体も紹介

炊き出しボランティアとは、食事を通じて困窮者や被災者を支える活動であり、地域や災害現場で重要な役割を果たしています。

「炊き出しボランティアってどんな活動?」

「自分にも参加できる?準備は何が必要?」

そんな疑問を持つ方に向けて、本記事では以下の内容をお届けします。

  • ・炊き出しボランティアの概要
  • ・参加方法や注意点
  • ・支援を行っているおすすめ団体

この記事を通して、炊き出しボランティアの意義や具体的な取り組みを知り、あなたも社会貢献の一歩を踏み出してみませんか。

炊き出しボランティアとは?

炊き出し ボランティアとは

炊き出しボランティアとは、食事を通じて困窮者や被災者の生活を支える活動です。ホームレス・失業者・災害被災者など、支援を必要とする人々に温かい食事を提供し、ときには生活相談や物資の支援も行います。

特に災害時は、おにぎりやパンといった炭水化物中心の食事で栄養が偏りがちなため、栄養バランスの取れた食事を提供することが重要です。この活動は心身の健康を守り、社会復帰や生活再建への第一歩を後押しする役割を果たします。

なお、厚生労働省の調査によれば、全国には約2,820人のホームレスが確認されており、大都市を中心に支援が必要とされています。(参照:ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)結果 – 厚生労働省

ホームレスの人々を対象にした炊き出しについては、以下の記事を参考にしてみてください。

>>ホームレスの人々のための炊き出し活動とは?

炊き出しはホームレス以外も対象になる?

炊き出し ホームレス

炊き出しはホームレスだけでなく、食事に困るすべての人を対象とした支援活動です。経済的な困窮や生活の不安定さを抱える人々にも、必要に応じて温かい食事を提供します。

また、災害時には避難生活を送る被災者への重要な支援手段となり、栄養のある食事が身体を癒し、心の安らぎをもたらします。

さらに、炊き出しの場は人々の交流を生み出し、安心感や笑顔を共有するきっかけとなることから、単なる食事支援を超えたコミュニケーションの場としても機能します。

ボランティアの報酬はある?

ボランティア 報酬

炊き出しを含む多くのボランティア活動は、報酬を求めない無償の活動が基本です。「自主性」「社会性」「無償性」が特徴で、活動の意義そのものがやりがいとされています。

ただし、「有償ボランティア」として交通費や謝礼が支給される場合もあります。この場合、交通費の支給は基本的に非課税ですが、一定の条件を満たすと報酬とみなされ、源泉徴収の対象となることに注意が必要です。

また、支給される「お車代」なども扱いに違いが出るため、詳細を確認することが重要です。

炊き出しボランティアに参加する理由

ボランティア 参加 理由

炊き出しボランティアに参加する理由のひとつは、直接的な社会貢献を実感できる点です。困っている人々に温かい食事を提供することで、達成感ややりがいを感じられるため、参加する人も少なくありません。

また、普段の生活では触れることのない社会課題や多様な人々と接することで、新たな価値観や知見を得る貴重な機会にもなります。こうした経験は、個人の成長や社会認識の深化にもつながり、学びの場としての意義も大きいといえるでしょう。

炊き出しボランティアに参加する方法

炊き出し ボランティア 参加 方法

炊き出しボランティアへの参加方法は、支援団体やイベント情報を通じて知ることが一般的です。参加を希望する場合は、活動内容や募集条件を確認し、必要な準備を整えることが重要です。

参加方法

炊き出しボランティアに参加するには、支援団体を通じた情報収集が重要です。

一般的なボランティア募集サイトでは募集情報が少ないことがあるため、「炊き出し ボランティア 地域名」や「炊き出し ボランティア 被災地名」での検索が有効です。団体の公式サイトやSNSをチェックし、募集要項に従って応募しましょう。

現地のスタッフに直接問い合わせることで、リアルタイムの情報を得られる場合もあります。事前に活動内容や必要な持ち物を確認し、円滑な参加準備を心がけましょう。

必要な準備

炊き出しボランティアに参加する際は、事前準備が成功の鍵となります。

まず、現地の状況やニーズを調査し、求められる支援内容を把握することが重要です。自治体や団体の指示に従い、自分の役割を明確にしましょう。

また、自己完結型の行動を心がけ、自分の食事や宿泊場所を事前に確保する必要があります。被災地や対象者に迷惑をかけず、支援を最優先に考える姿勢が求められます。

なお、持参する物品は以下のように準備してください。

  • ・手洗い系:ハンドソープ・ペーパータオル・アルコール消毒液
  • ・調理系:食材・エプロン・バンダナ/ぼうし・マスク(人数×回数分)・使い捨て手袋・清潔な器具・台ふき(2枚×回数分)・使い捨て食器(食数×回数分)・キッチンペーパー
  • ・設営系:作業台(調理用と配布用)・ガスコンロ(2台)・ガスボンベ(2口用 1本)・着火器具
  • ・運搬・保管系:クーラーボックス(1〜2個)・保冷材
  • ・その他:ゴミ袋(45L用5~10枚、汚れた器具持ち帰り用にも)

これらを持参することで、現場での活動がスムーズになります。特に衛生管理や効率的な調理・配布が求められる炊き出し現場では、適切な準備が多くの人々への支援を効果的にするポイントとなります。

参照:一般社団法人 日本家政学会編「炊き出し 衛生マニュアル」

炊き出しボランティアで気をつけるべきこと

炊き出し ボランティア 気をつける

炊き出しボランティアでは、衛生管理と体調管理が重要です。

食中毒を防ぐための徹底した衛生管理に加え、体調不良時の参加は避けましょう。また、地域住民や対象者との適切な関わり方を心がけ、尊重と思いやりを持って行動することが大切です。

衛生管理と体調管理

炊き出しボランティアでは、衛生管理と体調管理が最優先事項です。特に食中毒予防の三原則である「つけない」「ふやさない」「やっつける」を徹底しましょう。

調理者は、活動前後に石けんでしっかり手洗いを行い、水が使用できない場合は、おしぼりやウェットティッシュで汚れを取り除いてアルコール消毒も実施します。そのうえで使い捨て手袋を必ず着用してください。

食品はできるだけ加熱し、生ものは避けることが基本です。中心部までしっかり加熱した食事を提供しましょう。

おにぎりを作る際は、ラップや使い捨て手袋を使い、直接手で触れないようにします。また、包丁やまな板、ふきんなどの調理器具は、使用後に熱湯で消毒・煮沸、または薄めた塩素系漂白剤に浸けるといった洗浄・消毒を行います。

加えて、体調管理も非常に重要です。下痢・嘔吐・発熱・手の傷がある場合は、参加を控えてください。活動前には十分な睡眠を取り、体調を整えてから参加することが求められます。

地域住民や対象者との適切な関わり方

炊き出しボランティアでは、地域住民や対象者と良好な関係を築くことも活動の一環です。

基本的なあいさつをしっかり行い、笑顔で接することで信頼感を高められます。また、遅刻や欠席が避けられない場合は必ず事前に連絡を入れ、約束を守る姿勢を示すことが重要です。

さらに、自分の役割を十分に理解し、責任を持って遂行することが求められます。わからないことがあれば遠慮せずに質問し、指示を正確に守るよう努めましょう。活動中は、自主的で積極的な態度を持ちつつ、対象者への配慮を忘れないことが大切です。

また、写真撮影や対象者への個人的な質問は控え、プライバシーを尊重しましょう。自分の価値観や判断を押し付けず、対象者の立場を理解するよう心がけることが重要です。

炊き出しで被災者やホームレスを支援する団体5選

炊き出し 支援団体

ここからは、炊き出しで災害地の被災者やホームレスを支援する5つの団体を紹介します。

団体の活動内容に興味がある場合は、ボランティアに参加できるか確認してみましょう。ボランティアへの参加が難しい場合でも、寄付を通じて支援を行うことが可能です。まずは、自分にできる形での関わりを考えてみましょう。

特定非営利活動法人 難民を助ける会(AAR Japan):世界14カ国で難民を支援

AAR Japan[難民を助ける会]はこんな人にオススメ!

  • ・日本発の難民支援活動を行っている団体を応援したい
  • ・40年の長い歴史がある信頼できる団体に寄付したい
  • ・国連に公認・登録されているなど国際的に評価された団体に安心を感じる

AAR Japan[難民を助ける会]は世界14カ国で紛争・自然災害・貧困などにより困難な状況に置かれている人々を支援しています。現在は日本の他にアジア、中東、アフリカの12の国に事務所を持ち、難民支援や地雷不発弾対策などの活動を行っています。

AAR Japan[難民を助ける会]は、能登半島地震の被災地で他団体と連携し、避難所での炊き出し活動を実施。震災発生後、約1万3300食の温かい食事を届け、多くの被災者を支援しました。

詳しくはAAR Japan[難民を助ける会]の公式ページをご確認ください。

>>AAR Japan[難民を助ける会]に関する記事一覧はこちら

空飛ぶ捜索医療団ARROWS:国内外で豊富な災害支援の経験を有する

ARROWS

ARROWSは、医師・看護師・救助チーム・災害救助犬など医療とレスキューのプロフェッショナルとともに、ヘリコプターなどの航空機を有する民間レスキューとして大規模災害の被災地にいち早く駆けつけ、医療を軸とした災害緊急支援活動を展開しています。

ARROWSは、2024年7月に能登半島地震の被災地である石川県珠洲市にて、「みんなの馬株式会社」協力のもと「能登復興祭」を開催。ゼンショーグループの「トロナジャパン」による提供で、焼き立てのピザやエビフライの炊き出しを行いました。

国内含む33カ国で豊富な災害支援の経験を持つ認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンを核に組織されたプロジェクトチームです。

ARROWSは日本における災害支援のパイオニアを目指しています。

詳しくは空飛ぶ捜索医療団ARROWSの公式ページをご確認ください。

また運営団体であるピースウィンズ・ジャパンの口コミ評判を知りたい方は、こちらも参考にしてみてください。
>>【実際どう?】「ピースウィンズ・ジャパン」の気になる口コミ評判は?寄付先として信頼できるかを徹底解説

一般社団法人 ピースボート災害支援センター(PBV):10万人以上がボランティアに参加

2011年の設立以来、海外31カ国・国内54地域での被災地支援を実施。現場経験を活かした研修や訓練を実施し、防災・減災教育にも力を入れています。

能登半島地震では、ピースボート災害支援センターが社会福祉協議会や行政と連携し、避難所での炊き出しや物資配布、在宅避難者への支援調整を行いました。なお、同地震におけるボランティア募集は2024年8月末をもって終了していますが、今後も地域復興支援の一環として、多様な取り組みを継続していく予定です。

「すべての人々が互いに助け合える社会」を目指しています。

詳しくはピースボート災害支援センターの公式ページをご確認ください。

認定NPO法人日本ビッグイシュー基金:路上脱出ガイドが特徴的

『路上脱出ガイド』の配布、健康・住居等の相談業務を軸に多面的にホームレス問題に取り組んでいます。

貧困問題の解決と「誰にでも居場所と出番のある包摂社会」の形成に向けて活動を続けています。

また、ビッグイシュー基金の活動は、「ホームレスの自立支援」「社会への政策提案」「市民参加の促進」という3つの柱で展開されています。これにより、生活困窮者が再び社会で役割を果たす機会を得られるよう支援しています。

詳しくはビッグイシュー基金の公式ページをご確認ください。

認定NPO法人セカンドハーベスト・ジャパン:日本初のフードバンク

様々な理由で廃棄される食品を引き取り、それらを児童養護施設、DV被害者のためのシェルター、ホームレス、こども食堂などに届ける活動を行っています。日本でのフードセーフティネットの構築を目的にしています。

セカンドハーベスト・ジャパンの取り組みは、食品廃棄問題の解決と貧困層への支援を同時に行っています。個人や法人問わず、お金や食品の寄付、ボランティアとしての参加が可能で、幅広い形で支援の輪を広げています。

詳しくはセカンドハーベスト・ジャパンの公式ページをご確認ください。

炊き出しボランティアに参加して社会貢献をしよう!

炊き出し ボランティア

この記事では、炊き出しボランティアの社会的意義や参加方法、支援団体について詳しく解説しました。炊き出しボランティアを始める際に押さえておきたいポイントは、以下のとおりです。

  • ・炊き出しボランティアでは、困窮者や被災者に温かい食事を提供し、心身の健康と社会復帰を支援する
  • ・参加には地域の団体への連絡や事前の準備が重要
  • ・活動は衛生管理や地域住民との適切な関わり方を心がけることが大切

炊き出しボランティアは、食事を通じて人々に笑顔や安心を届ける意義深い活動です。この記事を参考に、ぜひあなたも次の一歩を踏み出してみませんか。もし参加が難しい場合は、寄付という形で支援することも可能です。

多くの団体では、月額1,000円からの定額寄付を受け付けており、これにより持続的な支援が実現します。小さな行動が、大きな支援につながります。

この記事を書いた人
gooddoマガジンはソーシャルグッドプラットフォームgooddo(グッドゥ)が運営する社会課題やSDGsに特化した情報メディアです。日本や世界の貧困問題、開発途上国の飢餓問題、寄付や募金の支援できる団体の紹介など分かりやすく発信しています。 なお、掲載されている記事の内容に関する「指摘・問い合わせ」「誤字脱字・表示の誤りの指摘」につきましては、こちらの報告フォームよりご連絡ください。

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