カンボジアは東南アジアの中でも経済成長が著しい国として注目されており、今後の都市化が期待される国でもあります。
その一方で貧困に関しても深刻な問題を抱えており、行政の対策もあまり進んではいない状態で貧富の差は拡大の一途を辿っています。
これに対して国際的な支援が行われ、現地の人々を救おうと動いています。
この記事ではカンボジアの貧困問題の現状、そして現地で行われている支援について紹介します。
5億人以上が貧困と言われるアジアの現状、原因、対策について解説
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カンボジアの国とは
カンボジアはインドシナ半島の南部に位置し、正式名称は「カンボジア王国」という立憲君主国家です。
プノンペンを首都とし、面積は18.1k㎡と日本の約2分の1弱の大きさで、人口は2018年時点で1億6,300万人ほどと推定され、人口の90%がカンボジア人(クメール人)とされています。
政体は上述したとおり立憲君主制をとっており、主要産業は農業、工業、サービス業で、国内総生産(GDP)はサービス業が最も多くを占めています。
(出典:外務省公式サイト)
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カンボジアの貧困の現状は?
カンボジアは2005年に13.3%の経済成長率を示し、ここ5年も7%を維持しています。首都には次々と超高層ビルが建設され都市化も進んでいます。
しかしその一方でプノンペン、シュムリアップ、シアヌークビルの3都市を除く農村部は取り残され、そこに住む人口の80%がこの恩恵を受けられずにいます。
カンボジアではこのような貧富の差が広がる一方であり、人口の35%は1日1ドル以下での生活を強いられ、その90%は農村部に住んでいる人々だと報告されています。
そして貧困により、食糧不足や栄養失調で苦しんでいる人がいるのです。
3都市による経済成長や発展は著しいですが、未だに人身取引や子どもの搾取が横行しているのも事実です。
また農村部ではインフラの整備が進んでおらず、安全な水を利用できる割合はわずか15%程度だと言われています。
他にも小学校の留年率が24%と高く、就学前の教育施設に通う3~5歳児は9%しかいません。
さらにポル・ポト政権時代の知識人の処刑と学校教育の廃止、校舎の破壊などで教員、そして教育施設がほとんど失われており、教員不足の問題や良好な校舎が5割程度しかないなど教育を受けられる環境が整っていないことも貧困に拍車をかけています。
(出典:世界銀行公式サイト)
(出典:国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所公式サイト)
(出典:外務省公式サイト)
カンボジアに対し行われる支援
ポル・ポト政権時代に多くのものが失われ、解放された後も再建や復興が進まず、やっとの思いで政治的安定と経済発展による平和構築への動きがみられています。しかし、カンボジアではそうした状況から多くの人が取り残され、貧困に苦しめられているのです。
カンボジアのように政治的な問題や貧富の差の拡大が激しい国となると、国家間の支援、そして民間レベルの支援の両方がなければ改善や解決は困難です。
そこで世界の国々がカンボジアに対し支援を行っていますが、日本政府もカンボジアに対して2つの支援を行っています。
またNGO・NPOにより行われている支援についても紹介します。
日本政府の支援
日本からは無償資金協力である「人材育成奨学計画(若手行政官の日本留学支援)」と「シハヌークビル港経済特別区における貨物混載倉庫等の建設支援(経済社会開発計画)」を支援として実施しています。
これは過去の政権や内戦によって失われてしまった人材の育成、そして経済発展を促すためのそれぞれの支援になります。
人材育成奨学計画
ポル・ポト政権により行われた知識人の処刑、またその後の内戦により失われた有能な人材を育成により取り戻すための計画です。
高等教育機関の整備も不十分であることから、カンボジアの若手行政官などを日本の大学院に招き、そこで修士あるいは博士学位を取得してもらうための支援を行います。
これにより経済社会基盤の更なる強化を促す取り組みです。
シハヌークビル港経済特別区における貨物混載倉庫等の建設支援(経済社会開発計画)
シハヌークビル港経済特別区のさらなる復興を目指し、この区域に物流企業の進出に必要な倉庫や荷役機械などの建設支援を行います。
現在カンボジアの国内総生産(GDP)の年平均は約7%と高く、コンテナの取り扱い量もシハヌークビルは急速に伸長しています。
このことから、港の活性化や外国直接投資の拡大を図ることで、産業振興支援を通じた経済社会開発への寄与を目的としています。
(出典:外務省公式サイト)
NGO・NPOの支援
NGO・NPOによる支援の一例として、子どもの保護や乳幼児保育の促進、水と衛生状況の改善、教育支援が行われています。
どれも今のカンボジアにとって問題や不足している項目であり、重要な支援です。
子どもの保護、乳幼児保育の促進
カンボジアでは子どもへ身体的あるいは精神的な暴力を振るう両親や親族、弱い立場にある子どもたちに対する差別があるなか、行政や地域レベルで子どもの保護に関する制度や仕組みが整っていない状況です。
また、乳幼児に対しての知識が不足していることで母子ともに栄養不良が見られ、乳幼児が死亡することも少なくありません。
そこで暴力から子どもたちを守り、女の子に対する暴力を予防し差別をなくすための取り組みが行われています。
また子どもの保護を推進するだけでなく、乳幼児保育への理解促進と教育、障害がある子どもに対しての支援、こどもの栄養・衛生状況の改善と言った乳幼児保育の促進を支援しています。
水と衛生状況の改善
貧困世帯が集中する農村部では衛生的なトイレの設置ができておらず、屋外排泄などが行われており安全な水の利用も難しい状況です。
そのため安全な水や衛生施設の整備のため、行政への技術支援を行うとともに給水設備の維持管理を含む衛生状況の改善や家庭や学校でのトイレの利用、手洗いなど衛生習慣の定着化を指導する支援が行われています。
教育支援
かつての知識人の処刑、そして教育施設の破壊、またそこからの復興・復旧が遅れていることで子どもたちの教育の機会は失われています。
そこで全ての子どもが学齢期に小学校へ入学し、中学中退をせず卒業まで学び、その後は職業訓練校に進める環境づくりを目指した支援が行われています。
また、不足している教師の育成や学校給食の導入、障がいがある子どもの学習支援なども同時に実施しています。
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私たちができる支援を考えてみよう
カンボジアでは多角的な支援が必要な状況であり、そのどれかが欠けてしまえば貧困問題の解決は遅くなってしまいます。
そのため行政、そして民間の支援は絶え間なく進むことが望まれますがNGO・NPOの支援には寄付などの助力が不可欠です。
そこで私たちの寄付が大きな力となります。
寄付によって各団体の活動や物資調達が行われ、現地の人々を救う支援が行えるのです。
その他にも物の寄付やボランティア活動など、様々な支援の方法があります。
私たちができることを考え、そして行動に移していくことがカンボジアの貧困に苦しむ人々を救う支援になるのです。