ミャンマーは東南アジアでも経済成長が著しく、貧困率が低下していることで注目されています。
しかし都市部と地方では貧富に格差があり、貧困率は低下していても、地方では貧困層が集中し、問題が解決しているとはいえない状態です。
またロヒンギャの問題も抱えており、様々な支援を必要としています。
ミャンマーの貧困の現状や現地で行われている支援、そしてロヒンギャの問題について解説します。
5億人以上が貧困と言われるアジアの現状、原因、対策について解説
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ミャンマーはどんな国?
ミャンマーは東南アジアのインドシナ半島西部に位置し、正式名称は「ミャンマー連邦共和国」です。
面積は68万k㎡と日本の約1.8倍もありますが、人口は2014年時点で5,141万人とやや少なく、約7割はビルマ族が占めており、母国語はミャンマー語です。
主要産業は農業、天然ガス、製造業となっており、輸出品目は天然ガスをはじめ、衣類や米、豆類、鉱物が含まれています。
1886年にイギリス領インドに編入されましたが、第二次世界大戦後の1948年に独立し、共和国制を政体とする国になりました。
(出典:外務省公式サイト)
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ミャンマーの貧困の現状とは
ミャンマーの貧困率は現在低下の傾向にあります。
2017年に世界銀行とミャンマー政府が協力してまとめた報告書では、2004年には32.1%だった貧困率が、2015年には19.4%にまで改善しました。
これはミャンマーの経済成長が著しく、世帯消費の拡大などが要因とみられています。
しかし都市と地方との経済格差は改善されておらず、インフラが整っていない地方では輸送コストの高さなどから雇用がないため、格差は開く一方となっています。
さらにラカイン州は地方の中でも貧困率の高さが顕著です。2014年の国連開発計画(UNDP)の分析によると、この州の貧困率は78%と、他の地方と比べても断トツの高さとなっています。
これはこの地に住むラカイン人とロヒンギャ族とのかつての衝突が原因となっていると考えられており、この貧困がロヒンギャ問題にもつながっているとの見方もあります。
(出典:世界銀行公式サイト)
(出典:国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所公式サイト)
ロヒンギャ問題とは
ラカイン州には約100万人のロヒンギャ族が住んでいると言われています。
彼らは国籍を持たず、ミャンマー政府も彼らを認めていないため、公にロヒンギャ族という言葉は存在しないと言われています。
1990年代からロヒンギャ族は差別と激しい迫害にあい、ラカイン州での衝突によってロヒンギャ族の多くは、隣国であるバングラデシュへ避難を始めました。
避難してきた人々からの証言によると、一般市民が激しい暴力や性的暴行を受け、家族を殺され、家屋を焼かれたなど残虐な行為の数々があったと言われています。
これが世に言う「ロヒンギャ問題」であり、世界でも注目されている問題なのです。
(出典:国連UNHCR協会公式サイト)
ミャンマーで行われている支援活動とは
ミャンマーでは、ロヒンギャ難民への支援とミャンマーで貧困に苦しむ人々への支援の双方が行われています。ロヒンギャの問題は深刻ですが、ミャンマー国内の貧困層の存在も見逃せない問題です。それぞれで行われている支援活動を紹介します。
ロヒンギャ難民への支援
バングラデシュの難民キャンプに逃れてきた人々は満足な食事ができず、不衛生で過酷な環境下での生活が続いています。
5歳以下の40%以上の子どもが発育不良に陥り、2歳以下の子どもの半数以上が貧血の症状を訴えるほど食糧が足りていない状況です。そのため急性栄養不良の治療やビタミンAの投与、ワクチンの接種など栄養や保健の支援が行われています。
また、安全な水の利用と衛生的なトイレの確保を行う支援や、教育支援なども可能な限り行われています。
バングラデシュは気候の影響を最も受けやすい国といわれており、ロヒンギャ難民キャンプにモンスーンが直撃し、避難場所が豪雨による洪水、地すべりなどの被害を受け、仮設住宅が倒壊しています。このような災害に対しての緊急支援も行われている状況です。
教育支援
ミャンマーの都市と地方の経済格差による貧困を理由に学校へ通えない子どもがいることから、地域のお寺の学校が受け入れを行い、教員の質の向上など支援が行われています。
またこのような学校に通うための費用の負担を減らすための支援募金による奨学金の支給を行い、学校に通えるようにするといった教育支援も行われています。
女の子や子どもへの支援
女の子や子どもたちには、自立して収入を得ていけるようにライフスキル教育を行ったり、ジェンダーに基づく暴力の予防と対応サービスを受けるための支援が行われています。
特に女の子は安定した職に就くことが難しいことも多いため、裁縫技術を身につけてもらい職を得られるよう、指導も行われています。
日本政府やODAによる支援
NGOやNPOなどによる支援だけでなく、日本政府やODAによる支援もミャンマーに向けて行われています。
主な支援としては「先端医療施設設立のための援助」、「国際空港に航空機監視装置を設置し安全と輸送力の増強」の2つです。
ミャンマーに先端医療施設設立のため日本が86億円援助
ミャンマーではこれまで先端医療を実施できる施設がなかったことから、高度な医療を受診できる施設を設けるため、そして日本の医療メーカーの新市場創設を期待し、先端医療施設設立のための援助を86億円拠出して行っています。
国際空港に航空機監視装置を設置し安全と輸送力の増強を支援
またミャンマーの運輸インフラ能力の向上と持続的な成長に寄与することを目的として「航空機監視システム改良計画」を対象とした28億2,800万円を限度とする無償資金協力を行い、安全と輸送力の増強を支援する取り組みも実施されています。
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ミャンマーの人々のために私たちができることを考えよう
ミャンマーは国内の貧困層、ロヒンギャ民族の問題といずれも緊急の支援を必要とする課題を抱えています。
上記の通り国家レベル、あるいは民間レベルでの支援が行われていますが、特に支援団体による活動には限界があります。それは、これらの活動が寄付によって行われているためです。
このような問題を解決するためには私たちが積極的に寄付していくことが重要となります。これは間接的にミャンマーで貧困に苦しむ人々を助けることになるのです。
私たちがミャンマーで貧困に苦しむ人、そしてロヒンギャ民族の人々を助けるためにできることを考え、行動に移していくことが大切といえるでしょう。