南アジアは今、経済成長率で非常に高い割合を示しており、世界から注目されています。
その一方で、貧困率の高さでも問題視されており、現在も改善がなかなか進まない地域もあるのです。
多くの人が貧困にある状態を改善するため、世界から様々な支援が行われていますが、私たちにもできることはないのでしょうか。
この記事では南アジアの貧困の現状や行われている支援などを見ていきます。
5億人以上が貧困と言われるアジアの現状、原因、対策について解説
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南アジアの貧困の現状は?
南アジアは2018年の経済成長率が6.9%と世界で第1位を誇る成長率を見せています。これはインドの景気回復が著しいことが底上げし、このような結果になっています。
インドでの景気政策が上手くいっている証拠でもありますが、一方でインドの貧困率は今も高いままとなっています。
また南アジア地域の他の国に関しては財政再建が鈍化していることもあり、国内の景気が良いとはいえない状況です。
そのような現状もあり、インドを含めた南アジア地域では貧困率が高くなっているのです。
世界で第1位の貧困率となっている地域がサハラ以南のアフリカであり、その貧困率は50%以上という報告があります。
それに次ぐのが南アジア地域であり、貧困率はおよそ36%、インドだけでも30%以上となっており、全体的に貧困率が高いことが分かります。
(出典:世界銀行公式サイト)
(出典:日本ユニセフ 公式サイト)
(出典:国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所公式サイト)
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大規模な洪水で農業にもダメージ
各国の財政が思うように回復せず、貧困対策を行えていない状況に加え、南アジア地域を取り巻く環境も貧困の要因の一つとなっています。
南アジア地域では2017年から2019年にかけて相次いで洪水の被害を受けています。
赤道に近い国も多く、モンスーンの影響で豪雨が降り続き、大洪水が各地を襲いました。
これにより多くの命が奪われただけでなく、生活基盤を失い、避難生活を余儀なくされた人が大勢います。
2017年には1,288人の死亡が確認され、4,500万人以上に影響を与えたと推測されています。2018年の豪雨でも1,200人以上が犠牲となり、100万人が避難生活を強いられました。そして2019年には豪雨や洪水、落雷による死者は650人以上、100万人以上が避難したと報告されています。
これらの豪雨や洪水による被害は人的なものだけではありません。洪水では家屋だけでなく畑や農場も飲み込まれます。
これにより栽培していた作物は全滅し、収穫できないという状態が3年も続いているのです。国によっては農業を産業の主としているところもあり、国の財政だけでなく、人々が生活する術を奪ってしまうことになります。
これにより農業で生計を立てている人にとっては収入が得られなくなるばかりか、農場の再建などに費用が必要となり、さらなる貧困状態へ陥ってしまう原因にもなりました。
(出典:日本ユニセフ 公式サイト)
南アジアで行われている貧困に対する支援とは
このような南アジアの貧困に対して様々な支援が行われています。
その一例として、食糧支援ではタンパク質などの栄養源となるミルクや卵を得るための家畜の飼育、子どもの栄養や健康管理に関する研修などが実施されています。
また家庭菜園による野菜栽培とその調理方法の指導、発育の確認のための定期的な身体測定の促進も行っています。
しかし洪水での被害もあったことから、緊急の食糧支援や生活必需品の配布、浄水器などの設置と言った支援も同時に行われました。
さらに、収穫できた作物を少しでも適正な価格で販売し、生産者に適切な収入を得てもらうため、フェアトレードを推進している支援団体もあります。
これにより農業で生計を立てている人たちの収入を増やし、貧困から脱せられるように取り組んでいます。
保健衛生に関しては妊産婦の検診の促進や、子どもの病気への対処法と知識の普及、井戸の水質検査と浄水フォルターの配布、トイレの設置とその利用や衛生習慣の啓発などを行い、貧困地域の衛生状態の維持を促しています。
全ての地域で行われているわけではありませんが、貧困に苦しく南アジア地域の各国ではこのような支援が必要とされているのです。
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南アジアの人々のために私たちにもできることを考えよう
南アジアでは今も貧困に苦しむ人々が大勢います。
貧困改善のための雇用政策などが実施できず、失業率が高い国、収入が低い国、農村部と都市部での経済格差が激しい国など様々な理由で貧困が解決できない状態にあります。
それに加えて先述した自然災害による被害は、貧困層の人々を苦しめることとなりました。
この状況から脱するためには多種多様な支援が必要です。
そのため世界各国の政府や関係機関が支援を行っていますが、より人々に直接的な支援ができるのはNGOやNPOなどの活動といえるでしょう。
彼らの活動は現状を改善し、少しでも早く自立した生活ができるようにするための支援でもあります。
そのような団体を支えるために、私たちの寄付が大きな力となります。
寄付は少額から行うことができ、インターネットを通じて簡単にできるので手間もほとんどありません。フェアトレードでこのような国の人々が作る製品を買うのも良いでしょう。
貧困層の人々に私たちができることはあります。彼らが1日でも早く貧困状態を抜け出すためにも、私たちができることから始めてみてはいかがでしょうか。