アフリカでは紛争や迫害、気候変動や貧困などを理由に、住み慣れた場所から離れて難民となる人が大勢います。
生活環境も整わない中で暮らしているアフリカ難民のために、どのようなことができるのかを紹介します。
アフリカの人々が難民となる原因や現状、キャンプでの暮らしや必要な支援とは?
また、どうしようもない理由で祖国を奪われた難民のために少しでも貢献したいという思いのある方は、難民支援に取り組む団体を応援してみませんか?
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過酷な環境での生活を強いられるアフリカ難民
紛争や暴力行為と自然環境の悪化から、中央アフリカ、コンゴ民主共和国、ナイジェリア、ソマリア、カメルーン、南スーダン等では国内避難民が急増しています。また、難民は10年間で3倍となりました。
2018年にアフリカでは、2,640万人が支援を必要とする一方で、世界中の難民の20%を受け入れています。難民を受け入れている国が恩恵を受けられる社会経済プログラムを促進中ですが、ブルンジやマリ、中央アフリカなどでは資金不足が慢性的で、援助計画が困難になっており、停止せざるを得ない状況です。
気候変動による食糧危機などによって、身の安全のために家を離れるアフリカ難民は大勢います。そのような難民が集まって生活する場やキャンプは、日常生活を送るための設備などが十分に整っていません。
医療施設や医薬品の不足によりマラリアやはしかで苦しむ人や、食糧不足により栄養失調となる子どもがたくさんいます。
世界中からNPO・NGOなどの非営利団体が集まり支援活動を行っていますが、それでも十分なケアができない状況です。
さらに気候変動や食糧難といった過酷な環境が、避難生活を苦しいものにしています。
- アフリカ難民は10年間で3倍となった
- アフリカでは、2,640万人が支援を必要とする一方で、世界中の難民の20%を受け入れている
- 難民キャンプは、日常生活を送るための設備などが十分に整っていない
(出典: 国連UNCHR協会公式サイト「UNCHRの難民支援」,2018)
(出典: 日本ユニセフ 公式サイト「中央アフリカ共和国 深刻な栄養危機、避難民の増加 ユニセフ最新報告書発表 アフリカの“見捨てられた”危機の状況が明らかに」,2018)
(出典:日本ユニセフ 公式サイト「ブルンジ 母親から母親へ 栄養の知識を伝える コミュニティの行動変容で、子どもの栄養改善に取り組む」,2016)
(出典: 国境なき医師団公式サイト「コンゴ民主共和国:足りない水、相次ぐ火災、幼い子どもたちに病気が広がる」,2017)
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難民キャンプで起こっている問題とは?
アフリカの難民キャンプで起きている問題をご紹介します。
食糧・栄養
中央アフリカ共和国では、長引く社会不安の中で食糧生産が低迷しています。
避難民は市場を利用することも難しく、暴力的な衝突が続いているので支援による食糧保障も望めません。
ブルンジ共和国でも同様に、人道支援や食糧輸入の能力低下により食糧保障が困難な状況です。
ダイヤモンドや金が豊富な中央アフリカでは、その資源をめぐる武装グループ同士の対立によって、市民の生活が脅かされています。
その結果、2018年9月末の時点で中央アフリカ国内の避難民は64万3,000人にのぼり、57万3,000人以上が周辺の国々へと逃れています。
強制的な避難生活は子どもたちの栄養危機をもたらしています。過去2年間の調査では、18の国内避難民居住地のうち16もの地区で重度の急性栄養不良率が緊急事態を示す基準値を超えたとされています。
(出典: 日本ユニセフ 公式サイト「中央アフリカ共和国 深刻な栄養危機、避難民の増加 ユニセフ最新報告書発表 アフリカの“見捨てられた”危機の状況が明らかに」,2018)
(出典: 日本ユニセフ 公式サイト「ブルンジ 母親から母親へ 栄養の知識を伝える コミュニティの行動変容で、子どもの栄養改善に取り組む」,2016)
水・衛生
アフリカ中部に位置するコンゴ民主共和国の南東、タンガニーカ州では1年ほど対立する勢力の争いが続き、2017年には避難生活を続ける人が50万人以上います。
州都カレミの外にあるキャンプにいた人々は州都に集まり、その多くは地面の上で眠る生活です。
医療活動を行う国際NGOが提供する非公式キャンプには21万人ほどの国内避難民が生活していますが、安全な水が不足しています。
疾病を防ぐためには難民1人あたり1日に20リットルの水が必要なため、全体で1日に400万リットルは給水しなければなりません。
しかしこの国際NGOが1ヵ月かけて配る量に相当します。ほかの団体の給水量を足しても、必要な水が確保できていません。
(出典:国境なき医師団公式サイト 「コンゴ民主共和国:足りない水、相次ぐ火災、幼い子どもたちに病気が広がる」,2017)
医療
水不足は水を媒介する疾患や疾病が流行するリスクにつながります。
州都カレミの非公式キャンプでは、国際NGOが医療援助をしていましたが、過去3ヵ月での診察は1万6,410件にも及んでいます。
その大半は5歳未満で、マラリアや栄養失調、はしかの症状が出ていました。
さらに移動診療を展開したところ、患者の半数近くはマラリアにかかっていたそうです。
(出典: 国境なき医師団公式サイト「コンゴ民主共和国:足りない水、相次ぐ火災、幼い子どもたちに病気が広がる」,2017)
環境
難民が流入する地域での環境整備が十分に行われないことが問題になっています。
アフリカ東部のウガンダは周辺から多くの難民を受け入れてきました。就業や教育、医療サービスなどを提供してきましたが、南スーダンやコンゴ民主共和国などから膨大な数の難民が流入しているため(2018年3月時点の難民申請者は140万人を超える)、環境整備が追いつきません。
道路は支援物資を運ぶトラックの往来により修復が必要ですし、学校も不足しています。病院では医薬品が足りず、井戸を使える回数も制限される状況です。
(出典:独立行政法人 国際協力機構JICA公式サイト「“難民に寛容な国”ウガンダをサポート:人道支援と開発支援をつなぐ第一歩を踏み出す」,2018)
教育
ウガンダには紛争による被害から逃れる難民が多く流入し、2016年から1年間で難民の人口は22万人から100万人に増加しました。
ウガンダのビディビディ難民居住地では、28万人の難民のうち71%が子どもです(2017年時点)。
紛争に巻き込まれて財産を失い、困窮する生活の中で育児放棄や子どもに対する虐待、搾取が問題になっています。
このような状況で教育の機会を失い、学校へ通えない子どもは大勢います。
(出典: ワールド・ビジョン・ジャパン公式サイト「難民受け入れ国別ランキング【2018年統計】私たちの難民支援」,2018)
- 中央アフリカ共和国では、長引く社会不安の中で食糧生産が低迷
- コンゴ民主共和国の南東、タンガニーカ州の州都カレミでは、必要な水が確保できていない
- 水不足は水を媒介する疾患や疾病が流行するリスクにつながる
- 難民が流入する地域での環境整備が十分に行われない
- ウガンダのビディビディ難民居住地では、28万人の難民のうち71%が子どもで教育の機会を失っている
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アフリカ難民のために私たちにできる支援とは
過酷な環境下で生活を続けるアフリカ難民のために、どのような支援ができるのかをご紹介します。
寄付
たとえ少額でも募金により支援活動をサポートできます。
例えば、寄付は子どもの教育のために筆記用具やノートの購入に役立てられます。あるいは病気から子どもを守るための予防接種や、発育に必要な栄養治療食を購入できます。
継続寄付
クレジットカードなどにより、毎月自動的に一定額を寄付できます。
毎回寄付をする手間がかかるという方は、一度登録すれば自動的に寄付ができるので便利です。
長引く紛争による難民の支援は継続的に行う必要があります。
継続的に安定した寄付は、より大きな力となるのです。
都度の寄付
思い立ったときに任意の金額を寄付できるのが都度の寄付です。
毎月の定額寄付が難しくても、余裕のあるときだけ寄付したい、今すぐ支援したいと思っている方などにおすすめです。
遺贈や遺言による寄付
遺言により、相続人以外にアフリカの難民のために財産の一部、あるいは全部を寄付できます。
この場合特定の法人への寄付ということで、相続税の対象にはなりません。
ただし対象となる法人は、独立行政法人や社会福祉法人などに限られます。
物資の寄付
アフリカでは日常生活に必要な物資が不足しています。自分たちの身の回りのもので不要となったものでも、支援物資として寄付できます。
靴下や肌着などのほかに、不要となった文房具や本、書き損じたハガキや使わない切手など寄付できるものはたくさんあります。
物資を寄付する際は寄付を受け付けている団体を探し、事前に寄付の旨を伝えておく必要があります。
ボランティア
アフリカ難民の支援につながるボランティアには、海外ボランティアや海外インターンシップといった手段があります。
現地で活動する地域コミュニティに参加することで、その発展に貢献できます。
また、日本で活動を支えるサポートスタッフとしてもボランティアを受け付けていることがあるため、各団体の募集情報をチェックしてみると良いでしょう。
情報の拡散
日本からでも、アフリカ難民のためにできることはまだあります。たとえば、今アフリカの難民キャンプではどのような状況になっているのか、どんな支援が必要とされているのかをSNSなどで情報発信することです。
その情報を見た人がアフリカ難民の現状を知ることで、募金や寄付といった活動につながっていくかもしれません。
- 募金やお金や物資を寄付することで、NPO・NGOの支援活動をサポート
- 現地デノボランティア活動や日本国内でのサーポートスタッフとしてのボランティア活動
- SNSなどを使って情報発信し、アフリカ難民の現状を周知する
まずはできることから無理なく支援を始めよう
アフリカ難民への支援は、小さな活動でも多くの人が取り組むことで、安全かつ安心できる生活へとつながります。
無理のない範囲で募金をしたり、不要となった日用品を寄付するだけでも、確実にアフリカで困っている人の役に立つのです。