難民

イエメン難民で支援が必要な人は2400万人超!現状を知り緊急支援に協力しよう

現在も続いているイエメン内戦は、2014年9月にホーシ派がハーディ政権に対してクーデターを起こしたことがきっかけでした。

ホーシ派は首都サヌアを制圧するだけでなく、アブドラボ・マンスール・ハディ大統領を追放。この内戦は1万人以上の死者を出すなど、深刻な状況となっています。

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世界最悪の人道危機、イエメン内戦とは?

イエメン内戦が勃発したきっかけについて、もう少し詳しく見てみましょう。
そして世界最悪の人道危機ともいわれるこの内戦は現在どのような状況なのでしょうか。

イエメン内戦のきっかけとは

イエメン共和国は、もともと南イエメンと北イエメンに分かれていました。南イエメンとはイギリス植民地から独立、北イエメンはオスマン・トルコ帝国からそれぞれ独立し、統一されたことによりできた国です。

しかし元南イエメンがさらに独立を求めたことから、北イエメンと南イエメンが紛争を始めたのです。

紛争が治まったあとも軍事独裁政権は継続して行われ、情勢は不安定な状況が続いていました。この状況の中2011年に反政府運動が高まり、ハーディ政権に対してホーシ派勢力がクーデターを起こし首都サヌアを拳握。

それに対してハーディ政権側はサウジアラビアが主導となっている軍事連合が鎮圧をしたことからこの内戦は始まりました。

サウジアラビアの連合軍には、アメリカの支援もあり2015年3月にはホーシ派に対して空爆を開始。このクーデターを起こしたホーシはイランの勢力であり、イエメン内戦ではありますがイエメンとイランの戦争ともいえるのです。

ホーシ派のクーデターを抑えるためとはいえ、アメリカが支援しているサウジアラビアの連合軍に対しては、戦争を起こしている疑いの声がありました。

しかし実際にアメリカ国内で、軍事支援の声が高まったのは10月にジャーナリストのジャマル・カショギがイスタンブールにて殺害された時なのです。

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イエメンのホデイダにおける停戦合意を発表

2018年に国連にて和平協議が終了したことから、停戦の発表を行いました。
停戦は、ホーシ派側がイエメンの主要な港となるホディアを含む3つの港から撤退することが条件となりました。

国連がそれぞれの港を監視をし、撤退部隊の市外や国外への移動、捕虜の確保などの内容も盛り込まれています。

2018年に行われた和平協議の前に、アメリカのトランプ大統領はこれまで連合軍として支援してきたサウジアラジアに対して、「民間人の犠牲を減らさなければ、軍事面での支援を削減する」と表明を出しました。

これは子どもたちの乗るバスが、サウジアラビアの誤爆により襲われ多くの命が失われたためアメリカでも批判が高まる事態となったのです。

(出典:外務省「イエメン共和国基礎データ」,2019)
(出典:法務省「イエメン人権報告書 2017年度版」,2017)

3年以上の内戦による影響

イエメンの内戦は停戦を迎えたとはいえ、2018年時点で内戦の影響により2,400万人が人道支援を待ち続けている状況となっています。それだけではなく、安全な環境さえも保証されていない状況なのです。

また、もともとイエメンは内戦が起こる前から中東の中でも最貧国といわれていました。
しかし長年の内戦の影響で国民に十分な物資も送られていない状況であり、インフラは壊滅し国連は最も深刻な度合いを示すレベル3を宣言したのです。

このレベル3という数字は、イラクやシリアと同じ状況であり、なかなか停戦へと結びつかず現在でも大きな影響が残っているのです。

(出典:国連難民高等弁務官事務所UNHCR「この国で人道支援を待ち続ける人 2400万人超」,2018)

現在も大きな不安を抱える人々

停戦が合意されたとはいえ、問題が解決するとは限らず市民は不安な状況のままであることは間違いありません。
また停戦合意したあとに、武力衝突があったとの報道もありました。そして、狙われているのは、国民だけではありません。

国内、そして国外からの援助をしている団体も命を狙われているのです。実際にエイメンで医療活動をしていた人々も命を落としています

医療活動や援助をする人たちは中立の立場であり、銃撃禁止のマークが車や建物などに付けらるにも関わらず、いきなり銃撃を受けることも少なくないのです。

またイエメン自体が混乱しているため、正しい情報が入りづらく、どこで誰が亡くなったかという内容を把握することも容易ではありません。

ただこれまでと違うのは、国連が関与しており関連した問題も国連が主導で動くことにより、解決へ進展することが期待されています。

(出典:法務省「イエメン人権報告書 2017年度版」,2017)

イエメン難民の悲惨な状況とは

イエメンの内戦は現在停戦状態となっていますが、現状でもイエメン難民の状況は悲惨であるといえます。

アメリカはこの状況についてホーシ派のバックボーンであるイランが原因だと言っています。それでは実際にはイエメン難民は現在どのような状況なのでしょうか。

イエメン難民の状況

イエメンでは、2015年の内戦勃発以来、390万以上の人が避難、2,400万人におよぶ人々が支援を待ち続け、イエメンの総人口のおよそ80%が人道支援を必要としています。

また人口の9割が家から離れた暮らしを余儀なくされ、避難した人数は内戦が始まった2015年3月から累計すると300万人を超えるのです。

この数値は世界最悪の人道危機といわれるほどの状況です。

イエメン難民は毎日の食糧や住む場所がないだけでなく、いつ命を落とすのかわからない状況です。

子どもたちは全員が学校へ通えるわけではなく、学校へ通っている子どもたちも安全は保障されていないのです。また多くの子どもたちは外で遊んでいる時や、学校へ登下校する時に犠牲になっています。

2019年3月には、イエメン内戦が停戦しているにもかかわらず攻撃が停まらず、イエメンのホディダで子どもが5名犠牲になったと発表されました。和平合意や停戦だけでは、イエメンの子どもたちを守ることができていないのが現状なのです。

(出典:国連難民高等弁務官事務所UNHCR「この国で人道支援を待ち続ける人 2400万人超」,2018)
(出典: ユニセフ「イエメン・ホディダ 各国が支援表明後も、攻撃やまずホディ打で子ども5人犠牲に」,2019)

下痢とコレラ感染

2019年に発表された情報によると、イエメンで急性水溶性下痢症とコレラの患者数、死亡者数が急激に増えていることがわかりました。

2019年に入ってから感染者は約10万9,000人、死亡は190人となっています。

また患者の3分の1にあたるのが5歳未満の抵抗力の弱い子どもということもわかりました。
まだ内戦中の2年前に100万人以上の感染者が出ましたが、水道施設や衛生面での復旧が行われないまま現在でも患者が増加している状況です。

難民生活は食料の不足だけでなく、衛生面でも不安な環境です。この環境は感染病にかかりやすく、常に命を落とす可能性がある状況で子どもたちは暮らしているのです。

  • イエメンの内戦は現在停戦状態となっているが、現在もイエメン難民の状況は深刻
  • イエメンでは、2015年の内戦勃発以来、390万以上の人が避難、2,400万人におよぶ人々が支援を待ち続けている
  • 難民生活は食料の不足だけでなく、不衛生で感染病にかかりやすく、常に命を落とす可能性がある状況に置かれている

(出典:ユニセフ「イエメン 急増する下痢とこれら感染」,2019)

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私たちにもできる支援がある

日本にいながらも、私たちにもイエメン難民を救うための支援をする方法があります。

イエメン難民は安全面が保証されない状況が続き、環境の悪い場所で避難生活を続けています。現地では、保健や水、衛生関連の支援が続けられています。

また、イエメンの子どもたちに十分な教育を受けさせるために、学校の施設の改善や給食支援、さらにこれまで給与を受け取っていなかった教師や学校の職員に手当の支給なども行われています。

学用品や学校の復興のためにも様々な支援が続けられており、イエメンが復興するためには子どもたちが教育を受けることは必須なのです。

こうした活動を行う国際機関やNPO・NGOに対し、私たちは「寄付」という方法で間接的に参加することができます。
寄付は少額から行うことができ、負担のない範囲で支援活動をサポートできます。

一人ひとりの寄付が少額であっても、多くの人が寄付をすることで、イエメンで人道危機に瀕しているたくさんの人の支えになるのです。

  • 日本にいながらもイエメンの人々を救うための支援ができる
  • 現地では様々な分野の支援が行われているため、その活動を行うNPO・NGOに寄付することで支援につながる
  • 一人ひとりの寄付が少額であっても、多くの人が寄付をすることで大きな力になる

内戦で苦しむ人々に日本から支援の手を差し伸べよう

イエメンの内戦は2015年から続き、2018年11月に停戦となりましたが今でも多くの人々が難民となり、毎日の食料がない状況で、安全な環境すら守られていません。

またイエメンでは夏は暑くなり、コレラなどの感染症になりやすい状況となります。ただでさえもしっかりとした栄養を摂取できておらず、抵抗力が弱まっている子どもたちは感染症になりやすいのです。

そこで多くの支援団体では、支援を集め食料や、避難場所、また衛生設備などの設置を進めています。これらの活動を続けるためにも、少額の寄付をすることも大きな支援となります。

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この記事を書いた人
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