世界中の様々な地域で絶滅が危惧される生物がいます。それは、陸上だけでなく海洋にも広がり、日々深刻な問題となっています。
絶滅の原因はいくつかありますが、人間の生産活動が大きな原因と言っても過言ではないでしょう。
この記事では、人間の活動によって環境を破壊され、絶滅危惧種の数が増える原因と対策について解説します。
海の絶滅危惧種とは?レッドリストにある魚・海洋生物の種類・数、原因と対策についても紹介!
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絶滅危惧種とレッドリストとは
日本を含む世界中の様々な地域に絶滅危惧種が存在しています。生物は己の生態が生きていくのに適した環境を選んで生きていきます。
しかし人間の活動によって環境を破壊され、個体数を減らしている種がいます。
日本では現在、確認されているだけでも9万種類以上の生物が生息していますが、これまでに多くの種が生まれては自然環境の変化などで姿を消してしまった生物がいます。
それが今では加速度的に進んでおり、多くの生物が絶滅の危機に瀕しています。
これらの生物が地球上から完全に姿を消してしまうことを種の絶滅と言います。
日本国内だけでも相当数の種類の生物が絶滅危惧種に指定されていますが、世界規模で見ればさらに多くの絶滅危惧種を抱える国が存在します。
このような絶滅に瀕している生物を保護する活動が行われており、絶滅に瀕している生物を把握するために「レッドリスト」と呼ばれるものがまとめられています。
レッドリストと絶滅危惧種の分類分け
レッドリストとは絶滅の恐れがある野生生物の種をまとめたリストであり、元々はIUCN(国際自然保護連合)が作成したものが始まりです。
国際的なレッドリストとして扱われていますが、国や地域で利用する情報としては、その土地及び周辺で生息する生物の情報が分かればよいため、政府や地方自治体などでも独自に作成しています。
日本では環境省のほか、都道府県や市町村、NGOなどが作成しています。
IUCNも環境省も、レッドリストでは絶滅危惧種を全部で4種類に分けています。
絶滅の危機に瀕している種を絶滅危惧I類とし、その中でごく近い将来、野生での絶滅の危険性が高いものを絶滅危惧IA類(CR)、IA類ほどではないが危険性が高いものを絶滅危惧IB類(EN)に分類します。
また絶滅の危機が増大している種については絶滅危惧II類(VU)、現時点では絶滅の危険性は低いが、今後移行する可能性がある種を準絶滅危惧(NT)としています。
(出典:環境省「日本の絶滅危惧種と生息域外保全」)
(出典:環境省「レッドリスト」,2019)
海の絶滅危惧種一覧
日本の海の絶滅危惧種を一覧にまとめました。
2017年のデータですが、絶滅危惧IA類が8種、絶滅危惧IB類が6種、絶滅危惧II類が2種、準絶滅危惧が89種評価され、登録されています。
日本では魚や海洋生物など海の生物に関しては一部の種を除いて、絶滅危惧の評価が行われていませんでした。
しかし2012年に海洋生物への関心の高まりが見られたことから、レッドリストの作成に乗り出しました。
絶滅危惧種の多くは見たこともない名前が並んでいるかもしれませんが、その中にはニホンウナギなど日本固有の種であり、私たちの食を支えてきたものも含まれています。
【魚類】絶滅危惧種一覧
日本名 | 学術名 |
---|---|
絶滅危惧 IA 類(CR) | |
ゼブラアナゴ オオイワシ オオアオノメアラ タマカイ カスリハタ サラサハタ オオクチヌメリ クシヒゲヌメリ |
Heteroconger polyzona Thryssa baelama Plectropomus areolatus Epinephelus lanceolatus Epinephelus tukula Chromileptes altivelis Eleutherochir opercularis Eleutherochir mccaddeni |
絶滅危惧 IB 類(EN) | |
シロワニ ホウセキハタモドキ コイチ カンムリブダイ イトヒゲモジャハゼ カラス |
Carcharias taurus Epinephelus miliaris Nibea albiflora Bolbometopon muricatum Barbuligobius boehlkei Takifugu chinensis |
絶滅危惧 II 類(VU) | |
コクハンアラ オキナワキチヌ |
Plectropomus laevis Acanthopagrus chinshira |
準絶滅危惧(NT) | |
クロヌタウナギ ホシザメ シロザメ エイラクブカ スミツキザメ フトツノザメ カスザメ コモンサカタザメ ウチワザメ ドブカスベ メガネカスベ ガンギエイ メダマカスベ イサゴガンギエイ モヨウカスベ ヤジリエイ ナルトビエイ カワリアナゴ モバウツボ クダヤガラ チンヨウジウオ ミナミオクヨウジ サヨリトビウオ ベニメヌケ アラメヌケ ヒレグロメヌケ バラメヌケ サンコウメヌケ オオサガ タケノコメバル ニラミカサゴ カスリフサカサゴ ダンゴオコゼ ワタゲダンゴオコゼ ウバゴチ アカメモドキ ヒトミハタ マンジュウイシモチ コガネシマアジ センネンダイ イレズミフエダイ イトヒキフエダイ ヤンバルサギ シャムイトヨリ アマクチビ アマミフエフキ オオフエフキ ヤエヤマフエフキ ハクテンカタギ ヒメフウライチョウチョウウオ セジロクマノミ シロクラベラ クロベラ メガネモチノウオ シンジュカズナギ アカウオ(wakae 型) アカウオ(microcephalus 型) コモチジャコ アカハゼ ヌエハゼ ヒシヒレオオモンハゼ キイロサンゴハゼ セアカコバンハゼ ベニサシコバンハゼ シュオビコバンハゼ アカテンコバンハゼ イレズミコバンハゼ コバンハゼ アイコバンハゼ イチモンジコバンハゼ タスジコバンハゼ フタイロサンゴハゼ アワイロコバンハゼ クマドリコバンハゼ フタスジコバンハゼ ムジコバンハゼ(ヒトスジコバンハゼ) オオヒレコバンハゼ ヒメクロコバンハゼ シジミハゼ イッテンクロコハゼ パンダダルマハゼ カサイダルマハゼ ヨゴレダルマハゼ クロダルマハゼ アカネダルマハゼ ダルマハゼ ホシガレイ コウライアカシタビラメ マフグ |
Eptatretus atami Mustelus manazo Mustelus griseus Hemitriakis japanica Carcharhinus tjutjot Squalus mitsukurii Squatina japonica Rhinobatos hynnicephalus Platyrhina tangi Bathyraja smirnovi Raja pulchra Dipturus kwangtungensis Okamejei meerdervoortii Okamejei boesemani Okamejei acutispina Dasyatis acutirostra Aetobatus narutobiei Robinsia catherinae Gymnothorax richardsonii Aulichthys japonicus Bulbonaricus brauni Urocampus carinirostris Oxyporhamphus micropterus micropterus Hozukius guyotensis Sebastes melanostictus Sebastes borealis Sebastes baramenuke Sebastes flammeus Sebastes iracundus Sebastes oblongus Sebastapistes tinkhami Sebastapistes cyanostigma Caracanthus maculatus Caracanthus unipinna Parabembras curtus Psammoperca waigiensis Epinephelus tauvina Sphaeramia nematoptera Gnathanodon speciosus Lutjanus sebae Symphorichthys spilurus Symphorus nematophorus Gerres ryukyuensis Nemipterus peronii Lethrinus erythracanthus Lethrinus miniatus Lethrinus microdon Lethrinus reticulatus Chaetodon reticulatus Chaetodon oxycephalus Amphiprion sandaracinos Choerodon schoenleinii Labrichthys unilineatus Cheilinus undulatus Zoarchias macrocephalus Paratrypauchen sp. (wakae-type) Paratrypauchen sp. (microcephalus-type) Amblychaeturichthys sciistius Amblychaeturichthys hexanema Siphonogobius nue Gnatholepis yoshinoi Gobiodon okinawae Gobiodon axillaris Gobiodon histrio Gobiodon erythrospilus Gobiodon aoyagii Gobiodon sp. 2 Gobiodon sp. 3 Gobiodon sp. Gobiodon heterospilos Gobiodon rivulatus Gobiodon quinquestrigatus Gobiodon prolixus Gobiodon oculolineatus Gobiodon sp. 4 Gobiodon fuscoruber Gobiodon winterbottomi Gobiodon ater Bathygobius peterophilus Drombus simulus Paragobiodon lacunicolus Paragobiodon kasaii Paragobiodon modestus Paragobiodon melanosomus Paragobiodon xanthosomus Paragobiodon echinocephalus Verasper variegates Cynoglossus abbreviatus Takifugu porphyreus |
(出典:環境省「【魚類】海洋生物レッドリスト」,2017)
世界で絶滅危惧種に指定されている海洋生物
世界規模で絶滅危惧種を見たとき、あまりにも多くの海洋生物が指定されています。
数が膨大であるためリスト化はできませんが、魚類の中には先ほど出てきたニホンウナギを含め、その地域特有の固有種や食や生活を支えてきた種が個体数を減少させ、絶滅へと進み続けています。
レッドリストには絶滅危惧種ではない種も評価を受け登録されています。その数は112,432種にものぼりますが、魚類だけでも登録されている27%が絶滅危惧種となっています。
その中では特にサメやエイが多いとされています。
例えば現生物最大の種と言われているジンベイザメは絶滅危惧IB類に指定されています。
またジンベイザメやアオザメはフカヒレとしても取引されることから個体数を減らしており、絶滅危惧種となってしまいました。
サメ以外の生物だと、ガラパゴスオットセイやイワシクジラが絶滅危惧種IB類に指定されています。ただしこれはごく一部でしかありません。
魚類でもインド太平洋の熱帯海域に生息するメガネモチノウオやチャオプラヤ川やメコン川流域が原産のカイヤンが絶滅危惧IB類と評価されています。
メガネモチノウオはナポレオンフィッシュと言う別名があり、こちらの方が知られている可能性は高いです。
多くの魚や海洋生物が絶滅の危機に瀕しており、高い割合で今も個体数を減らし続けている現状があります。
また海は広く深いことから、私たちが知らないだけで、未確認の海洋生物が存在し、それが絶滅危惧種となっている可能性もあります。
確認されていないのは元々個体数が少ない可能性もあり、絶滅の危機に瀕しているのかもしれません。
(出典:IUCN「RED LIST」)
レッドリストにある海洋生物が絶滅に瀕する原因と守るための取組
海洋生物の多くが絶滅に瀕する原因には、私たちの生産活動が関わっています。
本来、生物が生きていける健全だった海が、私たちが何十年と続けてきた急速な開発や生産活動、環境破壊などにより汚染されてしまいました。
プラスチックゴミや油、工場排水、生活排水による汚染や、地球温暖化による海水温の上昇、温暖化の原因にもなっている二酸化炭素による海の酸性化が挙げられます。その影響で住処を追われ、生きていくことができなくなった種もいます。
またこのような間接的なものだけでなく、直接的なものもあります。
食や資源として乱獲したことによる個体数の急激な減少や、埋立などの開発による生息域の変化、外来種の持ち込みなどがそれにあたります。
このような人間の直接的あるいは間接的な要因で個体数が減ってしまい、絶滅しようとしている種を私たちの手によって守らなければいけません。
多くの種がこの世界から消えてしまわないよう、国際機関や政府、関係機関が中心となり海洋生物を保護する活動が行われています。
例えば日本政府は生態系や生物多様性を保全するために、海洋保護区を設定しています。これは日本だけでなく、世界的に行われている取り組みでもあります。
また開発事業を始める際も、事前に環境への影響を調査、予測、評価を行い、適切な環境保全に努めます。
漁業に関しても海洋資源を適切に保存し管理すること、そして漁具や漁法などの制限や規制区域・期間の設定、主要な魚種に対する漁獲可能量などの設定が行われています。
(出典:政府広報オンライン「海のプラスチックごみを減らし、きれいな海と生き物を守る!」,2019)
(出典:環境省「海のめぐみってなんだろう?」)
(出典:環境省「海とのつきあい方:”海洋保護区”で守る」)
(出典:環境省「わたしたちにできること:国の取り組み(2) -海の生物多様性への影響要因の解明とその軽減策の実施-」)
レッドリストにある絶滅危惧種の海洋生物を守ろう
一覧にも載せた多くの生物が、今も絶滅に向かっているかもしれません。それは私たちがこれまで行ってきたことの結果です。
もちろん人為的な要因だけでなく、自然的な要因も絶滅した原因に含まれているかもしれません。
しかし絶滅危惧種が再び適した環境に住み、個体数が増やせるように整えられるのも私たちの心がけ次第です。
地球温暖化などはすぐに防止できるものではありませんが、それでもできることから取り組んでいくべきです。環境破壊につながる行為はできる限り避け、環境に優しい活動に切り替えていくことも大切です。
特に海洋は変化が遅れてやってくるため、すぐにでも始めないとその効果が現れるのは数年後や数十年後になってしまいます。
同じ地球に住む生物として、絶滅に瀕している海洋生物を助けられる活動に取り組んでいきましょう。
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