絶滅危惧種(海)

絶滅危惧種に指定される魚は?世界規模で見てみよう

絶滅危惧種はこの世界の様々な場所に分布しています。

当然日本にも絶滅危惧種となってしまった生物はいますが、私たちの食に関わる魚類の中にも絶滅の危機に瀕しており、個体数をこれ以上減らさないための対策も打ち出されています。

これは日本だけでなく、世界でも言えることです。

この記事では絶滅危惧種に指定されている魚やそれらを守る対策などを世界規模で解説していきます。

海の絶滅危惧種とは?レッドリストにある魚・海洋生物の種類・数、原因と対策についても紹介!

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世界規模で見る、海の絶滅危惧種

日本を含む世界中の様々な地域に絶滅危惧種が存在しています。

生物は生息するのに適した環境の中で生きていますが、人間の活動によって環境を破壊されれば個体数を減らし、いずれは地球のどこにも住むことができず、絶滅してしまいます。

現在の日本でも相当数の種類の生物が絶滅危惧種に指定されていますが、世界規模で見ればさらに多くの絶滅危惧種を抱える国が存在します。

下記は世界規模で見たときに絶滅危惧種が多い国をランキングにしたものです。(2017年時点)

順位
1エクアドル
2アメリカ合衆国
3マダガスカル
4インドネシア
5マレーシア
6メキシコ
7タンザニア
8中華人民共和国
9インド
10ブラジル

エクアドルはガラパゴス諸島が所属する国ですが、この島には多くの生物が生息しています。

この島には太古から生息する生物などが、今もそのままの姿で生息しており、チャールズ・ダーウィンが進化論である「種の起源」を発表するきっかけとなった島でもあります。

世界最大のリクガメといわれている「ガラパゴス・ゾウガメ」も生息しており、多くの研究者や観光客が動植物に出会いを求めて訪れる場所でもあります。

しかしそれゆえに人の手が入ること、そして人間が引き起こす要因によって、この生命の島の自然が脅かされ、個体数を減らし絶滅に瀕している生物が多数存在しています。

IUCNとレッドリスト

世界規模での絶滅危惧種の取りまとめはIUCN(自然及び天然資源の保全に関する国際同盟(通称:国際自然保護連合))という組織が行っています。

1948年にスイス・グランのジュネーブ郊外に設立されており、自然及び天然資源の保全に関わる国家や政府機関、国際的非政府機関などの連合体として専門家による調査研究を行い,関係各方面への勧告や助言、開発途上地域に対する支援などを実施しています。

特にワシントン条約とラムサール条約との関係は深く、締結国の意思決定に資する科学的な情報提供や事務局業務も担っています。

この組織の調査、研究報告として定期的に報告・公表されるのが「レッドリスト」です。こちらには世界の絶滅危惧種をまとめ、その現状などを記載しています。

2019年12月時点でレッドリストには全体で112,432種の生物が記載されており、うち30,178種が絶滅危惧種として評価されています。

※ワシントン条約:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約
※ラムサール条約:水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約
※レッドリスト:絶滅の恐れのある生物リストの通称

  • 2017年の時点で世界一絶滅危惧種が多い国はエクアドル
  • 世界規模での絶滅危惧種の取りまとめはIUCNという組織が行っている
  • 2019年12月時点でレッドリストには全体で112,432種の生物が記載されており、うち30,178種が絶滅危惧種として評価されている
  • (出典:外務省「絶滅危惧種の多い国」,2017)
    (出典:外務省「エクアドルという国-日本・エクアドル外交関係樹立100周年」)
    (出典:外務省「国際自然保護連合(IUCN)」,2019)

    世界で絶滅危惧種に指定される魚

    世界的に絶滅危惧種に指定されている魚は非常に多いです。

    世界的にも30,000種以上の生物が絶滅の危機にありますが、これは評価を受けている生物の27%であり、確認されているだけで3割近くが絶滅危惧種であることが分かります。

    その中に魚類も一定数含まれていますが、その中には日本固有のニホンウナギ(学術名:Anguilla japonica)も登録されています。ニホンウナギは絶滅危惧IB類(※)と評価されており、今も個体数は減少しています。

    また熱帯魚として飼育されたり、食用魚として漁獲されたりするカイヤン(学術名:Pangasianodon hypophthalmus)という魚は東南アジアでは有名です。

    カイヤンはチャオプラヤ川やメコン川流域が原産であり、こちらも絶滅危惧IB類として記録され、個体数は減少傾向です。

    同じくインド太平洋の熱帯海域に生息するメガネモチノウオ(学術名:Cheilinus undulatus)も絶滅危惧IB類に指定されていますが、「ナポレオンフィッシュ」という別名の方が有名かもしれません。

    熱帯魚の中にも絶滅危惧種に指定されているものはいます。シルバーシャーク(学術名:Balantiocheilos melanopterus)はマレー半島などに生息する熱帯魚ですが、個体数を大きく減らし、絶滅の危機に瀕しています。

    南アフリカ方面に分布するブラックマッセルクラッカー(学術名:Cymatoceps nasutus)は絶滅危惧II類に分類されており、このまま行けば絶滅の危険が増大しています。

    これらはあくまで一部であり、インド洋などに分布するものを主に紹介しましたが、世界にはあまりに多くの魚類が絶滅の危機に瀕しています。

    そしてこれらは確認されているものだけで評価されているので、まだ確認できていないものも含めると、さらに多くなる可能性があります。

    (※)近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの

  • 世界的にも30,000種以上の生物が絶滅の危機にあり、評価を受けている生物の27%が絶滅危惧種である
  • 日本の魚の中ではニホンウナギが絶滅危惧IB類と評価されている
  • (出典:IUCN「RED LIST」)

    絶滅危惧種を保護するための世界的な取り組み

    生物の絶滅は加速度的に進んでいます。これは人間の活動による環境の破壊や乱獲などが大きな要因となっていますが、この野生生物の生息や生育環境の保全、乱獲の防止、絶滅危惧種の保護増殖といった様々な取り組みが世界各地で行われています。

    取り組みは各国政府で異なるものもありますが、世界で共通して締結し、取り組んでいるものの一例に先ほど出てきたワシントン条約があります。

    ワシントン条約

    この条約は1973年に採択され、1975年に発効された野生動植物の国際取引の規制のための条約です。

    1972年に開かれた国連人間環境会議において「特定の種の野生動植物の輸出、輸入及び輸送に関する条約案を作成し、採択するために、適当な政府又は政府組織の主催による会議を出来るだけ速やかに召集する」ことが勧告されました。

    それを受け、1973年にアメリカおよびIUNCが中心となってこの条約の作成を進め、ワシントンD.C.で採択・締結されています。

    野生動植物の国際取引の規制を輸出国と輸入国とが協力して実施することにより、絶滅のおそれのある野生動植物の保護をはかることを目的としており、2018年9月末時点で182カ国および欧州連合が締結しています。

    この条約により規制は3種類に分けられており、その中でも絶滅のおそれがある種で取引による影響を受ける、あるいは受けるおそれがあるものに関しては、商業目的の取引の禁止はもちろんのこと繁殖目的を含む学術目的の取引は可能ですが輸出国、輸入国双方の許可書が必要となります。これを含めた輸出入規制は以下の通りになります。

    基準規制内容対象種の例
    絶滅のおそれのある種で、取引による影響を受ける、あるいは受けるおそれのあるもの
  • 商業目的のための取引禁止
  • 学術目的(繁殖目的を含む)の取引は可能
  • 輸出国、輸入国双方の許可書が必要
  • ジャイアントパンダ
    アフリカゾウ
    トラ
    チンパンジー
    クモノスガメ
    アジアアロワナなど
    現在は、必ずしも絶滅のおそれはないが、取引を規制しなければ絶滅の危機のおそれがあるもの
  • 商業目的の取引は可能
  • 輸出国政府が発行する輸出許可書が必要
  • ホッキョクグマ
    トモエガモ
    カメレオン
    ピラルクなど
    締約国が自国内の保護のため、他の締約国の協力を必要とするもの
  • 商業目的の取引は可能
  • 輸出国政府の発行する輸出許可書、または原産地証明書などが必要
  • ワニガメ(アメリカ)
    セイウチ(カナダ)
    ハナガメ(中国)
    タイリクイタチ(インド)

    魚の絶滅危惧種を増やさないために日本で行われている取り組み

    日本も1980年にワシントン条約の締約国となり、厳正な規制のもと、絶滅のおそれがある生物を守っています。

    それに加え「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(通称:種の保存法)」を1993年に施行しており、この法律によって国内の取り扱いを規制しました。

    しかし違法取引が後を絶たないことから、2013年にはこの法律が改正され罰則の大幅強化が行われています。

    また魚の保護に関しては淡水魚と海水魚で取り組みが異なります。

    淡水魚に関しては「淡水魚保全のための検討会」を設け、河川や湖沼、水田・水路、ため池など生息環境の連続性の回復や、重要機能の保全と再生などを中心に取り組みを行っています。

    海水魚を含む海洋生物の保護には、自然公園や自然海浜保全地区などの海洋保護を設定し、自然再生の取り組みや管理の充実などを行っています。

    さらに淡水魚、海水魚ともに減ってしまった個体数の増殖を行っている種もあります。
    その一例に絶滅したと思われていたカワバタモロコの繁殖があります。この淡水魚は2004年に水路で発見され、そこから個体数を増やすために徳島県水産研究課が中心となって繁殖の取り組みが行われ、何度かの失敗を経て個体数の増加に成功しました。

    このカワバタモロコは環境の影響を受けやすい淡水魚であることから、個体数が増えたことで今度は魚たちが生きていける環境を再生・保全していく取り組みを行っています。

  • 1975年にワシントン条約が発効され、日本は1980年に締約国となった
  • ワシントン条約に加え、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(通称:種の保存法)が施行し国内の取り扱いを規制されたが、違法取引が後を絶たないことから2013年にはこの法律が改正された
  • 魚の保護に関しては淡水魚と海水魚で取り組みが異なる
  • (出典:外務省「ワシントン条約」,2019)
    (出典:政府広報オンライン「希少な野生生物を守る 「種の保存法」」)
    (出典:環境省「淡水魚保全のための検討会」)
    (出典:環境省「二次的自然を主な生息環境とする 淡水魚保全のための提言(とりまとめ案)」,2016)
    (出典:環境省「海洋生物多様性保全戦略」)
    (出典:環境省「グッドライフアワード」)

    絶滅危惧種を増やさないためには一人ひとりの取り組みが必要

    世界では多くの絶滅危惧種が存在し、そのままにしておけば絶滅を待つだけとなってしまいます。

    それらの生物が絶滅していけば生物多様性が維持できなくなり、生態系の崩壊や私たち人間の生活にも影響を及ぼすことになります。

    そうならないためにも各国が絶滅危惧種を保護するための取り組みを行っていますが、私たちもこの取り組みを知り、協力していく必要があります。

    絶滅危惧種を増やす要因の1つが地球温暖化や気候変動、環境破壊によるものです。

    これらは私たち人間の生産活動から起きているものであり、私たち一人ひとりがこれらを防ぐための取り組みをしていかなければ、本当の意味で共存はできません。

    絶滅危惧種の現状、そしてその要因についても学び、私たちにできることを始めていくことが重要です。

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