世界では多くの移民が、それぞれが持つ理由により住んでいた土地を離れ、ほかの地域や他国へと移動していきます。
それは日本も例外ではありません。中国をはじめとした近隣国からは多くの移民が出ており、その一部は日本にも流入してきます。
この記事では、日本の移民対策、人口の減少と外国人労働者について紹介します。
移民とは?どのような問題があり、どのような政策が行われているの?
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日本は移民大国なのか
移民とは「本人の法的地位や移動の自発性、理由、滞在期間にかかわらず、本来の居住地を離れて、国境を越えるか、一国内で移動している、または移動したあらゆる人」と定義されており、これは陸続きの土地からだけでなく、海を越えてもやってきます。
日本は先進国であることから、経済的にも発展していると見られており、治安も比較的安定しているため、出稼ぎや勉学などの理由から多くの労働者や留学生が訪れます。
その結果として、2018年時点で日本は移民受け入れを行っている主要な国の中でも第4位に位置するほど多くの移民を受け入れています。
日本より多い国はドイツが第1位で約138.4万人、アメリカが第2位で約109.7万人、第3位がスペインで約56万人と多くの移民を1年間で受け入れています。
日本は52.0万人を2018年に受け入れていますが、以前から毎年30万人前後の移民を受け入れていました。
その背景には日本の人口減少などの理由が存在していますが、現状として日本は世界的に見て、多くの移民を受け入れる移民大国であることは確かです。
(出典:OECD「International Migration Outlook 2020」)
日本における移民政策
多くの移民が流入してくる中で、日本はどのような移民政策を行っているのでしょうか。
それを見ていく上で一つ改めておきたいのが、日本においては「移民」と「外国人労働者」は別のものとして区別している点です。
政府では2018年時点で、移民政策をとらないというスタンスを表明しています。ただし外国人労働者は受け入れる体制を作り、労働力の確保を政策として進めています。
ここで政府が示す「移民」とは国籍取得を前提とするものであり、在留期間を制限して、家族の帯同を基本的に認めないという姿勢をとっています。
あくまでも移民政策ではなく、外国人の人材を受け入れ、外国人労働力の確保を拡大するために、短期的な移住における在留資格を設けて対応するというものでした。
それに伴い、入国管理法(外国人労働者受け入れ拡大を目指す改正出入国管理法)では、2019年から新在留資格として特定技能と創設しました。
これによると在留期間は1年、半年または4ヶ月ごとの更新、通算で上限5年までと短い期間での在留となっています。
技能水準は試験などで確認の上、満たしていれば在留資格を得られますが、居住している国で家族がいたとしてもその帯同は基本的に認めないという方針は変わっていません。
つまり、あくまで外国人労働者を受け入れているだけであり、移民の受け入れは行わないという考えの下、政策を進めています。
移民の定義は国際的に明確な取り決めはなされているわけではありませんが、基本的に移動の自発性、理由、滞在期間に関わらない移動を行う人と認識されているため、国際的な調査データでも日本に来る外国人労働者は、世界から見れば移民とされているということです。
世界基準で見れば、多くの外国人が日本に来て在留し、労働している以上、移民を受け入れていることになります。しかし日本からすれば移民政策は行っておらず、移民の受け入れは基本的にしていないというスタンスなのでしょう。
なぜ日本は移民政策を行わないのか
海外では移民を受け入れる国それぞれに移民政策があり、法整備などを進めています。
一方で日本は移民の受け入れは行わず、外国人労働者を受け入れているだけであるというスタンスを貫いています。それではなぜ移民を受け入れず、移民政策を行わないのでしょうか。
それは日本における行政の縦割り構造が要因にあると考えられています。法務省では、外国人を管理の対象としているのですが、これは入国管理法などにより、外国人が日本で不法行為を働いた際に監督責任を問われるのが同省であるためです。
また厚生労働省では移民の流入により、国内労働者が締め出され、社会保障費の増加が起こると危惧しており、どちらの省も移民政策による外国人の大量流入には消極的です。
一方で、経済産業省は日本の競争力強化を図るためにも、労働力として、あるいは専門職に就く外国人労働者の受け入れには積極的な取り組みを見せています。
ほかにも関係省庁の思惑が絡み合いますが、このように移民政策は多面的な要素を持ち合わせており、他分野にまたがる問題でもあることから、担当部署の利害調整を行うと、どうしても全体像を描くことが難しいのです。
しかし、現実問題として日本の人口は減少が進み、労働力不足にも陥ろうとしています。そのような状況を続けていけば、現状の規模のGDP(国内総生産)は維持できなくなり、労働生産性を伸ばすことができなくなるため、あくまで移民ではなく短期間の外国人労働者を受け入れるという考えに留まっています。
日本が外国人労働者を受け入れる理由
日本政府が外国人労働者の受け入れ体制を強化したのには理由があります。
2020年時点の日本は少子高齢社会であり、2008年に人口増加のピークを迎えて以降、減少の一途をたどっています。
ただ減少しているだけでなく、15~64歳の割合が大きく減少し、15歳未満の子どもも年々減少し続け、65歳以上が急激に増加しています。
これにより総人口に占める労働力人口の割合は、ほかの主要国と比較しても減少ペースが顕著に現れています。
日本の総人口に占める労働力人口の割合は60.1%であるのに対して、アメリカが62.8%、カナダが65.7%、ドイツが60.9%、イギリスが63.5%とどの国と比べても低くなっています。
人口減少と少子高齢化による国内各地での人手不足の顕在化は、需要の増加に対応しきれず、国内の経済成長を妨げる要因になっているのです。
実際に15歳以上の人口と労働力人口を見ても、2010年以降は15歳以上の人口が増加せず頭打ちとなり、労働力人口は2012年頃に一度減少し、そこから多少増加はしているものの、大きな伸びは見せていません。
今後さらなる高齢化が進むと予想される以上、労働力人口も減少かかろうじて変化しないという動きしかしないと考えられます。
国内の日本人で労働力を望めない以上、需要の増加に対応するためには、海外から労働者を受け入れるべきだと考えた政府は、外国人労働者の受け入れ拡大へと舵取りを行ったのです。
これにより2017年のデータではありますが、日本では127.9万人の外国人労働者が就労していることが分かっています。
そのうち、就労目的で在留が認められる人は約23.8万人、技能実習が約25.8万人、特定活動が約2.6万人であり、日本の生産業などを支えています。
(出典:労働政策研究・研修機構「10月1日現在人口の推移 1920年~2019年」,2019)
(出典:労働政策研究・研修機構「15歳以上人口、労働力人口 1948年~2019年 年平均」,2019)
(出典:労働政策研究・研修機構「性別・年齢階級別人口・労働力人口・労働力率(2016年)」,2016)
(出典:衆議院「外国人労働者と移民に関する質問主意書」)
日本でも移民を受け入れていくために
日本ではあくまで短期間での在留資格を持った外国人労働者の受け入れを行っていることが分かりました。
しかしグローバル化していく社会において、世界全体の人口の増加や、地域の治安の悪化、災害による避難など様々な理由で移民は増加する可能性があります。
実際にヨーロッパでは中東やアフリカで起こる紛争などが原因で、一時期多くの移民や難民が一気に押し寄せ、混乱が起こりました。ピーク時ほどではないものの、今でも移民や難民の問題は起こっています。
日本は島国であることから、陸続きの国ほど多くの移民が流入することはありませんが、先進国の一つとして困っている人の受け皿を作る必要があるのではないでしょうか。
もちろん日本固有の文化や、もともと生活している日本人を守るための配慮はしなければいけませんが、政策を持ってして移民を受け入れられる体制を少しずつでも整えていくことも考えていかなければいけない時代になっています。
また政府だけでなく、私たち自身も同じ世界に生きる人間として、困っている人を助けるための行動を考えていくことが必要とされています。
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