少子化

日本政府が行う少子化対策や内容について知ろう

日本は1970年代から少子高齢化社会が続いています。その中でも少子化は深刻な状況であり、このままいけば将来的にいくつも起こる問題が取り返しのつかない状態にまで陥る可能性もあります。

そうならないためにも日本政府は少子化対策に関する法律を定め、基本的な方針のもとに取り組みを行っています。

日本政府が行う少子化対策や内容について紹介します。

日本の少子化問題とは?原因や将来への影響を知り対策を考えよう

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少子化とは?

少子化とは出生率が低下し、子どもの数が減少することを表した言葉です。

1992年に出された国民生活白書で使用され、「少子社会の到来、その影響と対応」というテーマの中に、少子社会の現状や課題を説明する上で政府の公的文書内で初めて解説・分析が行われました。

それによると、出生率の低下やそれに伴う家庭や社会における子ども数の低下傾向を「少子化」、子どもや若者が少ない社会を「少子社会」と表現しています。

さらに15歳から49歳までの女子の年齢別出生率を合計したものを「合計特殊出生率」と言い、1人の女子が仮にその年次の年齢別出生率で一生の間に産むとした子どもの数に相当します。

「合計特殊出生率」には、「期間合計特殊出生率」と「コーホート合計特殊出生率」の2種類があって、一般的には期間合計特殊出生率が使われます。

この「合計特殊出生率」が、人口を維持するのに必要な水準を相当期間下回っている状況を「少子化」と定義しており、日本では1970年代半ば以降、この「少子化現象」が続いています。

少子化社会対策基本法

このような状況に対して、日本の少子化を抑制するため「少子化社会対策基本法」が制定され、2003年9月から施行されました。

この法律は、国民生活に深刻かつ多大な影響をもたらす急速な少子化進展への対策を目的としています。

日本では家庭や子育てに夢を持ち、かつ、次世代の社会を担う子どもを安心して生み育てることができる環境を整備し、子どもが健やかに育ち、子どもを生み育てる者が誇りと喜びを感じることのできる社会を実現し、少子化の進展に歯止めをかけることが求められています。

少子化社会において考え得るべき施策の基本理念を明らかにし、少子化に的確に対処するための施策を総合的に推進することを規定した法律です。

「少子化社会対策基本法」に定められる基本的施策を元に日本の少子化対策は行われています。

  • 少子化とは出生率が低下し、子どもの数が減少すること
  • 日本の少子化を抑制するため「少子化社会対策基本法」が制定され、2003年9月から施行
  • 「少子化社会対策基本法」とは、国民生活に深刻かつ多大な影響をもたらす急速な少子化進展への対策を目的としている

(出典:内閣府「第1部 少子社会の到来とその影響」)
(出典:厚生労働省「少子化社会対策基本法の概要」)

日本の少子化対策

日本の少子化対策として、2004年、2010年、そして2015年にそれぞれ「少子化対策大綱」を閣議決定しています。

これは少子化社会対策基本法に、「少子化に対処するための施策の指針として、総合的かつ長期的な少子化に対処するための施策の大綱を定めなければならない」と定めているためです。

この少子化対策に対する、基本的な考え方や目標、重点課題、実際に行われている対策や推進体制などが大綱内に盛り込まれ、閣議決定を経て実施されています。

最新である2015年に閣議決定された内容を元に日本の少子化対策を紹介します。

基本的な考え方と基本目標

少子化は、個人・地域・企業・国家に至るまで多大に影響するものであり、日本の社会経済の根幹を揺るがす危機的状況であるとしています。

その一方で少子化危機は克服できる課題であることから、直ちに集中して取り組むとともに、粘り強く少子化対策を推進し、結婚や妊娠、子ども・子育てに温かい社会の実現に向けて、社会全体で行動を起こすべきであると提唱しています。

そういった考えの元に少子化対策は進められてきましたが、2015年以降は新たな局面を迎え、結婚や子育てしやすい環境となるよう、社会全体を見直し、これまで以上に対策を充実させることを基本的な考えとしています。

その上で、個人の決定に特定の価値観を押し付けたり、プレッシャーを与えたりすることがあってはならないことに留意しながら、結婚や子どもについての希望が叶う社会をつくることを基本的な目標と定めました。

この考え方と目標を軸として、2016年から2020年までの5年間を集中取組期間と位置づけ、重点課題を設定し、各段階に応じた切れ目のない取り組みを行いました。
さらに2020年5月に、長期的な少子化に対処するための指針として「少子化社会対策大綱」を策定しました。

重点課題

2015年までの少子化対策から設定された重点課題は以下の通りです。

  • 子育て支援施策を一層充実
  • 若い年齢での結婚・出産の希望の実現
  • 多子世帯へ一層の配慮
  • 男女の働き方改革
  • 地域の実情に即した取組強化

それぞれの重点課題について、簡単にまとめました。

子育て支援施策を一層充実

「子ども・子育て支援新体制」の円滑な実施が課題となっていたため、以下の3点に重点が置かれました。

・財源を確保しつつ、保育の受け皿確保などによる量的拡充と保育士などの処遇改善等による質の向上を実施
・都市部のみならず地域の実情に応じた、地域子育て支援拠点、一時預かり、多様な保育などの充実のために子育て支援に関する施設・事業の計画的な整備
・待機児童解消のため「待機児童解消加速化プラン」や「保育士確保プラン」の策定

若い年齢での結婚・出産の希望の実現

出生率が低下する要因には若者の結婚・出産を希望する人が減少していることにあると考えられており、これには経済的な不安が背景にあります。

そのため若者の経済的基盤を安定させること、高齢世代から若者世代への経済的支援の促進、若年者や低所得者への政治的負担の軽減などが課題として挙げられています。

さらに結婚に対する取組支援として、自治体や商工会議所による結婚支援を実施していくことも盛り込まれています。

多子世帯へ一層の配慮

出生率が低いことだけでなく、一世帯あたりの子ども人数が少ないことも少子化の要因の1つです。

多子世帯の子育ての負担を減らすため、子育て・保育・教育・住居などの負担軽減や自治体、企業、公共交通機関などによる多子世帯への配慮・優遇措置の促進が重点課題に挙がっています。

男女の働き方改革

出産後の子育てに対し、子育ての大変さや仕事との両立の難しさから出産や子育てに対する不安があると考えられており、男性と女性が協力して育児ができるような男女の働き方改革も課題となっています。

長時間労働の是正や、人事評価の見直し、経営者などの意識改革、男性の育児休暇取得への促進など、男性の意識・行動の改革、そして子育てと両立できる職場環境整備や多様な働き方の推進、女性の継続就労やキャリアアップ支援などが盛り込まれています。

地域の実情に即した取組強化

出産や子育てには地域的な課題もあるため、地域の強みを活かした取り組みや、地方創生と連携した取り組みも重点課題として挙げられています。

きめ細かな少子化対策の推進

少子化対策の推進には結婚、妊娠・出産、子育て、教育、仕事と各段階に応じた支援に加え、社会全体で行動し、推進していく必要があります。

各段階に応じた支援

結婚・ライフデザインを構築するための情報提供
妊娠・出産・「子育て世代包括支援センター」の整備
・産休中の負担軽減
・産後ケアの充実
・マタニティハラスメント・マタニティハラスメントの防止
・周産期医療の確保・充実など
子育て・経済的負担の緩和
・三世代同居、近居の促進
・小児医療の充実
・地域の安全向上
・障害のある子ども、貧困の状況にある子供など様々な家庭、子供への支援
教育・妊娠や出産に関する医学的・科学的に正しい知識の教育
仕事・正社員化の促進や処遇改善
・ロールモデルの提示
・「地方創生」と連携した地域の雇用創出

社会全体で行動し、推進していく対策

結婚、妊娠、子供・子育てに温かい社会づくり・マタニティマーク、ベビーカーマークの普及
・子育て支援パスポート事業の全国展開
企業の取組・企業の少子化対策や両立支援の取組の「見える化」と先進事例の情報共有
・表彰や「くるみんマーク」普及によるインセンティブ付与

施策の推進体制

施策を推進するにあたって、その推進体制も定められています。

政府の推進体制としては内閣総理大臣をトップとする「少子化社会対策会議」を中心に、「まち・ひと・しごと創生本部」と連携しつつ、政府一体で推進しています。

また施策の検証と評価に関しては、数値的目標を設定し、自治体や企業も対象とした検証評価の方針を検討し、2020年に少子化社会対策大綱を策定しました。

  • 少子化社会対策基本法に、「少子化に対処するための施策の指針として、総合的かつ長期的な少子化に対処するための施策の大綱を定めなければならない」と定めている
  • 結婚や子どもについての希望が叶う社会をつくることを基本的な目標と定めた
  • 少子化対策の重点課題は以下の5つ
    子育て支援施策を一層充実、若い年齢での結婚・出産の希望の実現、多子世帯へ一層の配慮、男女の働き方改革、地域の実情に即した取組強化

(出典:内閣府「少子化社会対策大網」

少子化対策を打ち出しているものの、日本の合計特殊出生率は回復の兆しが見られません。
下記の本では、日本の少子化対策の失敗と現状について詳細に解説しています。

少子化問題は日本だけの問題ではありません。そこで、他の国の少子化対策に目を向けてみてはいかがでしょうか。下記の本は、パリ郊外で二児を育てる著者がフランスの少子化対策と日本の子育ての違いについて解説しています。

日本の、私たちの将来を守るために少子化対策は必須

日本は現在深刻な少子化状態として、将来的な問題がいくつも浮上しています。

それに加えて超高齢化も進行しており、社会全体で先行きの不安が募っています。長期的な対策としては少子化を抑制し、出生率を上げることが大切です。

結婚や出産、育児をしやすい社会の実現を願う声は多く、それが出生率を上げる後押しとなると考えられています。そのような社会を構築するために日本全体が一丸となって取り組む必要があります。

基本的な方針は政府が決めていますが、少子化である現状を改善するためには私たちにもできることを進めていくことが何よりも大切なことです。

少子化問題に貢献している民間団体も存在します。認定NPO法人フローレンスでは小規模保育園や病児保育、ひとり親支援を行うことで子育てしやすい社会を目指しています。

1か月1,500円からの寄付で個人でもその活動を支援することが可能です。インターネットから手軽にすぐ寄付を通じて支援できるため、気になる方はぜひチェックしてください。
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この記事を書いた人
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