少子化

日本の少子化の現状は?このまま進行するとどんな影響がある?

  • 2020年2月17日
  • 2022年7月15日
  • 少子化

日本の少子化問題は十数年前から取り上げられており、日本政府が主導する取り組みが行われています。
しかしニュースなどで報道される出生数や出生率はあまり芳しくありません。
日本の少子化は現在どのような状況になっているのか、このまま進行するとどうなってしまうのか、この記事で紹介します。

日本の少子化問題とは?原因や将来への影響を知り対策を考えよう

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日本の少子化の現状

1992年に発表された国民生活白書によれば、合計特殊出生率(一人の女性が出産可能とされる15歳から49歳までに産む子供の数の平均)が人口を維持するのに必要な水準を相当期間下回っている状況を少子化と定義しており、1970年代半ばから日本では少子化現象が続いています。
既に40年以上、少子化が続いている日本の現状は非常に深刻な状況と言わざるを得ません。

少子化が続く現状を数値的な推移で見てみましょう。

まずは現在の各層における人口と、その割合です。
人口の層は0~14歳の年少人口、15~64歳の生産年齢人口、65歳以上の高齢者人口に分けられますが、2018年時点でのデータは以下のようになっていました。

  • 総人口:1億2,644万人
  • 年少人口:1,542万人(12.2%)
  • 生産年齢人口:7,545万人(59.7%)
  • 高齢者人口:3,558万人(28.1%)

割合は各層の人口が総人口に占めるものを算出しています。生産年齢人口が半分以上を占めており、高齢者人口の割合が年少人口の割合よりも高いことが分かります。
出生数と合計特殊出生率に関しては1949年と1973年、そして2017年を比較してみます。

1949年は第一次ベビーブームに1973年は第二次ベビーブームに含まれており、この年がその時期の中で最も多くの出生数となっています。
1949年の出生数は269万人で合計特殊出生率は4.32と過去最高でした。それに対して1973年はそれぞれ209万人、2.14と減少しています。
この2つの年と比較した2017年のそれぞれの数値は出生数が94.6万人、出生率が1.43となり、出生数は過去最低を記録しました。
1966年には一度大きく出生数、出生率が減少したときがありましたが、それでも136万人、1.58を記録しています。

先述した現在の各層の人口と割合を第一次ベビーブームがあった1950年付近で比較すると、年少人口は35.4%と今の3倍近くありました。
総人口も違うので割合だけでは正確な比較はできませんが、それでも実際の出生数や出生率も合わせて比較しても、非常に低いというのが現状です。

第1次ベビーブームと第2次ベビーブームとの間では出生数が一時的な回復を見せていますが、それ以降は減少の一途を辿り、総人口の減少と共に将来を担う年少人口も引き続き減少すると考えられています。
(出典:内閣府「平成30年度少子化の状況及び少子化への対処施策の概況」,2019)

今後予測される少子化

2010年に日本の総人口はピークを迎え、その後は減少が進んでいます。
またこれまでのデータと現状から予測された推移は非常に厳しいものとなっています。

総人口は減少していく中で高齢者人口の層は増加し続け、2050年代にはピークを迎えます。
しかし少子化が続いていることから、今後出生率が好転しない限りは、生産年齢人口は大幅に減り続け、2050年には49.3%と総人口に対して50%を割り込むと予測されています。

年少人口の割合も、10.6%と現在より1.6%減る形になりますが、総人口自体が減少しているので、実際の年少人口の数値は1077万人と470万人近くも減ると考えられています。

  • 日本では1970年代半ばから40年以上少子化が続いている
  • 1949年は第一次ベビーブーム、1973年は第二次ベビーブームがあった
  • 総人口は減少していく中で、高齢者人口の層は増加し続け、2050年には総人口に対して50%を割り込むと予測されている

国内・海外の出生率の違い

都道府県別の出生数や諸外国との比較からも、現在の少子化の現状を見ていきましょう。
どちらも2017年の合計特殊出生率のデータを元に比較しています。また諸外国との比較には、日本を含む7カ国での比較と、アジア圏の隣国や付近にある地域で日本を含む5ヵ所との比較を行っています。

都道府県における出生率の違い

2017年の全国の合計特殊出生率は先述したとおり1.43です。
これを都道府県別に比較したとき、1.43を上回るのは35都道府県です。その中でも最も高いのは沖縄県の1.94、続いて宮崎県の1.73になります。反対に最も低いのは東京都の1.21、次点が北海道の1.29です。

全国の出生率である1.43を下回る都道府県に注目したところ、北海道・東北地方では北海道、宮城県、秋田県の3道県になります。
関東・甲信地方では埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県の5都県、近畿地方では京都府、大阪府、奈良県の3府県が下回っています。
中部地方や中国・四国地方、九州・沖縄地方では出生率が1.49を超えており、九州地方や沖縄県ではそのほとんどが1.60を超える出生率となっています。

出生率が最低を記録した東京都やそれに次ぐ北海道は2005年から順位を変えていません。しかし東京都は2005年が1.00、北海道が1.15だったこともあり、2017年までに増加していること、そして増減幅で言えば全国的に見ても高い水準となっています。

諸外国と比較

それでは日本と諸外国との出生率でも比較してみましょう。
比較対象となるのはフランス、スウェーデン、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリアです。

1950年から今までの全体の傾向と2017年の合計特殊出生率を比べてみます。
1950年、日本は諸外国の中でも最も高い出生率でした。
しかしそこから急激に出生率が低下し、代わりにアメリカが1960年にかけて大きく出生率を伸ばしていましたが、一時的なものであり、1970年から1980年にかけては出生率は低下傾向にありました。

そんな中で1990年頃から出生率が回復する国も見られます。
実際にアメリカ、フランス、イギリス、スウェーデンはその割合に違いはありますが、増加傾向となっていました。
日本とイタリア、ドイツは2000年以降緩やかに増加傾向にはあるものの、それらの国と比較すると低い水準です。

このような推移のもと2017年時点での合計特殊出生率はフランスが最も高い1.90で、最も低いのはイタリアの1.32、日本はイタリアに次いで1.43と低い水準を記録しています。

国・地域 合計特殊出生率(%)
フランス 1.90
スウェーデン 1.78
アメリカ 1.76
イギリス 1.76
ドイツ 1.57
日本 1.43
イタリア 1.32

アジア圏での国や地域とも比較してみましょう。
韓国、香港、台湾、シンガポールと比較したとき、1970年時点では韓国が4.50以上と最も高い出生率を誇り、続いて台湾、香港、シンガポールと並んで、日本は2.1程度と大きく差をつけられていました。
しかしそれ以降は減少が続き、2007年には日本が最も高い出生率となって推移してきました。その結果、2017年の日本の出生率1.43に対して、これらの国は以下のような出生率となっています。

国・地域 合計特殊出生率
日本 1.43
シンガポール 1.16
香港 1.13
台湾 1.13
韓国 1.05

これでアジア全ての現状が分かるわけではありませんが、日本の隣国や地域では、合計特殊出生率は低い水準であり、これらの国は日本を含め、現在人口置換水準を下回っているため、今後人口は減少の一途を辿る危険性があります。

  • 2017年の全国の合計特殊出生率を都道府県別に比較したとき、1.43を上回るのは35都道府県あった
  • 1950年、日本は諸外国の中でも最も高い出生率だったが急激に出生率が低下した
  • 2017年時点でアジア圏合計特殊出生率は低い水準であり、これらの国は日本を含め、現在人口置換水準を下回っている

(出典:内閣府「平成30年度少子化の状況及び少子化への対処施策の概況」,2019)

早急な対策と回復が求められる日本の少子化

日本は今、人口置換水準を下回り、総人口が減少を続けています。同時に生産年齢人口が減少し、将来的にこの層にあたる年少人口も減少していること、そして毎年の出生数が100万人を割り込んでいることから少子化が急速に進行しています。
このまま少子化が進行していけば、生産年齢人口が少ないことにより、経済が下降すると同時に増え続ける高齢者層を支えきれず、社会保障は破綻する危険性もあります。
他にも様々な問題が起こりますが、それはそう遠くない未来に訪れる可能性が高いでしょう。

日本政府は1990年代に少子化を定義し、少子化を防止する対策への取り組みや、様々な政策を打ち出してきましたが劇的な回復には至っていません。
仕事や出産後の生活、経済的な理由などいくつかの要因がありますが、これらを打開していかなくては、日本はいずれ立ち行かなくなります。

政府の対策だけでなく少子化について考え、出産や子育てなどがし易い環境を作るなど、できることをしていかなければ私たちの将来も危うくなります。
今日からできることを周りと協力しながら取り組んでいくことが、現状の少子化問題を打開していく上での第一歩です。

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この記事を書いた人
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