健康福祉

健康格差とは?原因や解決するために必要なことを知ろう

格差社会という言葉を耳にしたことのある人は多いのではないでしょうか。
近年、日本でも格差が広がっていることを報道されることがありますが、健康についても格差が広がっています。

たとえば、裕福な家庭で育つ子どもと貧困な家庭で育つ子どもでは、健康状態に大きな差があります。これは開発後進国の問題ではありません。健康格差の問題は、先進国でも大きな問題となっています。

健康格差の問題は、各自一人ひとりで解決するには限界があります。健康格差が生じる原因が社会的要因であるからです。この記事では、そういった健康格差の原因や解決方法についてわかりやすく解説していきます。

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健康格差とは


健康状態は、生物学的な背景、あるいは最新の医療技術へアクセスできるかどうかに依存していますが、それだけでその人が健康かどうかを判断することはできません。

健康状態は、主にその集団に属する社会経済的状態にも依存しています。所得、学歴などの社会経済的状態や、雇用形態・職種といった労働環境によって、各人の健康状態は異なるのです。

例えば高齢者では所得が低いほど、その後の死亡や要介護認定を受けやすいことが研究から示されています。

仕事と健康の関連については、性別、管理職・非管理職、事務作業員・肉体労働者によって脳卒中の発症率がそれぞれ異なります。非正規雇用者では心理的ストレスを感じる割合が高くなる傾向があります。

さらに、ジェンダーと健康の関係について、日本の女性は家庭と仕事の葛藤が大きく、精神的健康が低い状態にある傾向があり、それが他国に比べて男女差が大きいことも明らかとされています。

他にも、性的マイノリティは、不健康な行動をとる傾向が高いことや、精神的・身体的な健康状態が悪いことが研究によって示されています。

このように、各人の置かれた社会経済的状態によって健康状態に差があることを健康格差と言います。

健康格差は、生育、居住、就労、年齢、保健医療制度の利用状況などによって生じ、そうした状況を形作るのは、すなわち、政治的、社会的、経済的なものによります。規模の大小、貧富の差、洋の東西、南北半球の別にかかわらず、あらゆる社会に健康格差は存在しています。

健康格差の問題は、開発途上国だけの問題ではなく、先進国においても重大な問題です。生まれついた社会によって健康格差ができることは、本人一人の責任ではなく、社会が引き起こしている不平等だと言えます。

健康格差が生まれてしまう原因は?


健康格差は、年齢や性別など変えがたい特質の要因と、世帯の経済状態、教育水準、居住地域などといった社会的な要因によって生じるものです。つまり、健康状態の差は、本人の責任ではなく、社会が引き起こしている社会的な要因が健康格差を引き起こしていると考えられるんです。
それでは、健康格差が生まれてしまう原因は一体何なのでしょうか?以下では節を分けて詳しく説明していきます。

原因1:経済状態

一般に、健康格差を生み出す最も重要な原因であると言われるのが経済状態です。低所得の人ほど良くない生活習慣をしている傾向があり、それが各人の健康状態に影響を与えます。所得が高い人ほど、ジムやランニングを日常的に行っている人が多く、早起きを習慣化している割合も高く、健康的な生活習慣を身に着けている傾向があります。

また、雇用形態や企業規模と、ストレスとの関連を調べた研究によれば、男性ではパートタイマー、女性では派遣・契約社員が、最も高い割合で心理的ストレスを感じていることが示されています。

つまり、所得が低いパートタイマー、派遣・契約社員については、そうでない人よりも高い割合で心理的なストレスを抱えているのです。このように、各人の経済状態によって健康状態に差が生まれることから、経済状態は健康格差の要因と考えられています。

原因2:教育水準

教育水準も健康格差を生み出す重要な要因です。教育水準が低い人ほど、健康状態が悪い傾向があります。

着衣・食事・入浴などの日常生活動作は、男性では教育水準が低いと支障を訴える傾向があることが明らかとされています。

食事の準備や請求書の処理など、より高度な手段的日常動作についても、男女とも教育水準あるいは所得水準が低いと支障を訴える傾向がみられます。

さらに、親の教育水準が高いほど子どもが健康に育つ傾向があることが示されています。

原因3:居住地域

どこに住んでいるかも健康格差を生み出す要因です。イギリスやアメリカなどの格差の大きい国では、所得格差の大きい地域に住んでいる人に不健康な人が多いことがわかっています。

日本においても、所得格差の大きい都道府県ほど、住民の主観的健康感と幸福感が低いことが明らかとされており、こうした研究結果から、どこに住んでいるかによって健康状態には差があることが明らかとされています。

(出典:「健康格差社会への処方箋」,2017)

健康格差を解決するために必要なこととは


健康格差は、経済状態、教育水準、居住地域など様々な社会的な要因によって発生しているものなので、一つの機関、自治体などで解決することは難しい問題です。

したがって、健康格差を解決するためには、様々な地方自治体による政治的支援、関係者全員が同意できる共通のビジョン、部門間のコミュニケーションを潤滑に保つシステムの構築、関連の専門知識や実体験を持つ国内外の人物の活用などが必要ではないでしょうか。

健康格差から、自分や大切な人の健康を守るためには、「ストレスと上手に付き合う」「人間関係を豊かにする」「健康に悪い生活習慣を改める」「地域や職場のコミュニティーの絆を大切にする」ことが重要です。

そして、何より、自分が健康を損ねたことを自分の責任だけのものとしないことです。ここまで説明してきたように、健康格差は私たち一人ひとりではどうしようもない部分もあることから、健康を損ねた場合には、すぐに専門的知識のある医師などに相談することで、健康状態を改善することが重要です。

(出典:健康長寿ネット公式サイト)

健康格差について知り、私たちにできることを考えよう


健康格差の問題は開発途上国だけの問題ではなく、先進国においても大きな問題です。健康格差の問題はすでに欧米諸国において顕在化していますが、将来的に日本でも問題となるでしょう。

健康格差は個人の責任で発生するものではなく、社会的な要因によって発生します。したがって、健康格差の問題を解決するためには、政治的あるいは社会的な取組みが必要です。すでに政府や自治体では健康格差を是正する取り組みがスタートしていますが、その認知度は低いのが現状です。

私たち個人も健康格差の問題を正しく認識しておく必要があります。健康格差の問題を正しく認識できれば、正しい行動をとれるからです。まずは健康格差がなぜ生じるのかについて理解した上で、私たち一人ひとりにできることを考えていくことが重要です。

(出典:日医総研ワーキングペーパー

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