(2025年3月31日時点の情報を元にした記事です)
「混乱の中を不安な気持ちで過ごすミャンマーの人々のために寄付したい!」
と思うものの
・どのような人道支援が必要とされている?
・どのような支援団体が寄付を募っているの?
・寄付はどのようにしたらいいの?
と疑問を感じる方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、その疑問に答えるべく、混乱の中にあるミャンマーの人々を支援する団体について紹介します。
具体的には
- ミャンマー地震の被害状況
- 被災地で必要とされている支援
- ミャンマーで地震被害に遭った人々を支援する団体と概要
の順にご紹介します。
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ミャンマー地震の現状(2025年3月31日時点)

まずは、今回ミャンマー中部で起こった地震の規模や被害状況について、解説します。
ミャンマー地震の規模
2025年3月28日午後12時50分(現地時間)、ミャンマー中部の都市マンダレー近郊を震源とするマグニチュード7.7の大地震が発生しました。
気象庁によると、今回の地震は、ミャンマーがインドプレートとユーラシアプレートの境界付近に位置するという地質的特徴に関係しているとされています。2つの断層が水平方向にずれる「横ずれ断層」型の地震ということです。
ミャンマー地震の被害状況
報道によると、この地震により少なくとも1,700人以上が死亡、3,400人以上が負傷したとされています。行方不明者も300人以上に上るとみられ、被害は今後さらに拡大する可能性があります。
震源に近いマンダレー周辺では建物の倒壊が相次いでいます。現地からの映像では、多数の建造物や仏教寺院が崩れ落ちている様子が確認されており、橋の崩落や道路の寸断など、被害の深刻さが浮き彫りになっています。
特に、山岳地帯や地方の集落では道路の損壊や土砂崩れによりアクセスが困難となっており、救援活動が思うように進んでいない状況です。
隣国のタイや中国でも揺れが観測され、タイのバンコクでは高層ビルの倒壊により18人が死亡、数十人が負傷。行方不明者もあり、被害は国境を越えて広がっています。
ミャンマーでは2021年の軍事クーデター以降、政治的混乱と内戦が続いており、民主派勢力や少数民族武装勢力との対立によって、約350万人が避難生活を余儀なくされています。
約5,700万人の人口のうち、2,000万人近くが人道支援を必要としているのが現状で、今回の地震は、すでに深刻な人道危機にさらされている状況をさらに悪化させる恐れがあります。
ミャンマーの軍事政権は非常事態を宣言し、国内外に対して異例の支援要請を行いました。現在も通信や交通の混乱が続いており、正確な被害状況の把握とともに、被災地への速やかな支援が求められています。
ミャンマーで必要とされている支援(2025年3月31日時点)
現在、ミャンマー現地では支援団体が調査活動を開始しています。今後求められる支援内容として、以下のような項目が挙げられます。
- ・支援ニーズの調査
- ・食料、飲料水、衛生用品などの物資支援
- ・医療物資や医療サービスなどの医療支援
- ・安全な避難場所の確保
- ・子どもや高齢者・障がい者への心理社会的ケア
- ・教育の再開・学習支援
- ・長期的な復興支援と生活再建
以下に、項目ごとに詳しく解説します。
支援ニーズの調査
必要な支援を必要な場所に的確に届けるためには、現地の正確なニーズ把握が欠かせません。特に、山岳部や道路が寸断された地域では、被害の全体像がまだ明らかになっていない状況です。
こうした中、現地の支援団体や国際NGOは、通行可能なルートを探りながら現地入りし、被災者への聞き取りを重ねて状況を把握する取り組みを進めています。
食料、飲料水、衛生用品などの物資支援
住宅や市場の倒壊により、食料や水の入手が困難となっている地域もあります。避難生活を送る人々には、穀類、水、調理器具、毛布、マット、乳幼児用ミルクやおむつ、生理用品などの生活必需品が急務です。
また、避難所などの集団生活による感染症拡大を防ぐため、石けんや消毒液などの衛生用品の配布も必要です。
医療物資や医療サービスなどの医療支援
地震による負傷者の急増と、医療インフラの損壊により、現地の医療体制は深刻な打撃を受けています。
設備や人員が不足している中、テントや屋外での簡易診療が行われており、医薬品、消毒液、包帯などの物資支援と、医療スタッフの派遣が求められています。
安全な避難場所の確保
伝統的な建物の多くが倒壊し、都市部・農村部問わず多くの住民が屋外や空き地で夜を過ごしている状況です。
3月末のミャンマーでは朝晩に冷え込む地域もあり、風邪や低体温症のリスクも懸念されています。また、昼夜の寒暖差が大きい地域がある一方、被害が大きかった被災地のマンダレーは、猛暑が続いているようです。そのため、水分補給や日差し避けも必要とされます。
耐久性のあるテントや簡易住宅など、継続的に安心して過ごせる避難スペースの確保が急がれます。
子どもや高齢者・障がい者への心理社会的ケア
突然の大地震によって、被災者の多くは強い不安や恐怖を抱えています。中でも子どもたちは、けがや心的外傷を負ったり、家族と離ればなれになったりと、特に大きな心理的影響を受けています。
ミャンマーでは地震前から紛争や貧困、避難生活が続いており、支援を必要としていた子どもたちが多くいました。今回の地震によって、そうした子どもたちがさらに過酷な状況に置かれています。
家族を失った高齢者や、支援を受けにくい障がいのある方々に対しても、心のケアや安心して過ごせる環境の提供が欠かせません。適切な支援が届かないままでは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)など、長期的な精神的影響を及ぼすおそれがあります。
教育の再開・学習支援
学校の倒壊や避難所化により、授業が継続できなくなっている地域もあります。子どもたちの学びの場を確保するため、仮設教室の設置や、避難先での教育継続支援が早急に求められています。
教育支援は、被災後の心の安定にもつながる重要な支援です。
長期的な復興支援と生活再建
今後は住宅やインフラの再建だけでなく、地域産業の立て直し、雇用の回復など、生活基盤の再建が必要になります。
マンダレーはミャンマー第2の都市であり、文化的・経済的に重要な拠点です。観光業や農業が主要な産業として地域経済を支えており、これらの回復に向けた支援も不可欠です。
ミャンマーの人々を支援するために私たちができること
2025年3月28日に発生したミャンマー地震では、広範囲に深刻な被害が及び、多くの人が支援を必要としています。
現地では政府や国際機関、NPOが連携し、救助・医療・物資配布などの緊急支援を進めていますが、山間部では支援が届きにくい地域も多くあります。
こうした中、日本を含む各国の民間団体も現地入りを始めています。特にNPOは柔軟に対応できますが、活動には資金が不可欠です。
私たちにできる最も効果的な支援は、信頼できる団体への寄付です。寄付はクレジットカードや銀行振込で簡単に行え、必要な支援に迅速に活用されます。
また中長期的な支援には継続寄付も効果的です。
一人ひとりの行動が、被災した人々の命と未来を支える力になります。
ミャンマーの人々の支援活動に寄付できる支援団体を紹介!
ここでは、「ミャンマーで被災した人々へ寄付したい」と考えている方へ向けて、ミャンマーで支援活動をしている団体を紹介します。(団体紹介は随時追加していきます)。
【寄付先1】ワールド・ビジョン・ジャパン
ワールド・ビジョン・ジャパンは、約100カ国において保健、水・衛生、生計向上、教育、栄養といった分野での開発援助や緊急人道支援を通じて、困難な状況で生きる子どもたちのために活動している国際NGOです。
今回のミャンマー地震においても、現地のミャンマー事務所スタッフや関係機関と連携し、発生直後から情報収集を開始。同日中(日本時間3月29日未明)には緊急支援の実施を決定し、迅速に対応を開始しました。
地震により被害を受けた被災者へ、以下の緊急支援を届けていきます。
- ・水、食料、避難所、緊急キットなどの支援物資の提供
- ・子どもの保護活動
- ・現地のニーズに応じた支援
【寄付先2】プラン・インターナショナル
プラン・インターナショナルは、女の子が本来持つ力を引き出すことで地域社会に前向きな変化をもたらし、世界が直面している課題の解決に取り組む国際NGOです。
2025年3月28日にミャンマーで発生した地震により、甚大な被害が生じています。プラン・インターナショナルは今回の地震を受けて、子どもの保護専門のスタッフを被災地に派遣し、緊急支援物資や生理用品を含む衛生用品の支給、子どもの保護などの活動を進めていく予定です。
【寄付先3】特定非営利活動法人 難民を助ける会(AAR Japan)
難民を助ける会(AAR Japan)は1979年に日本で発足した国際NGOです。
自然災害・紛争時の緊急支援、難民支援、障がい者支援、地雷対策などを、日本を含め世界17カ国で実施しています。特に困難な状況にある方たちに迅速に支援を届け、中長期的な支援を行うことが特徴です。
AAR Japanは協力団体と連携して、ブルーシート、蚊帳、衛生用品、調理しないで食べられるインスタント食品、飲料水、太陽光電源などの緊急物資を配付する予定です。また、ヤンゴン事務所に加えて、東京から緊急支援チームを派遣して被災者のニーズを把握し、緊急支援を進めます。
【寄付先4】ピースウィンズ・ジャパン
ピースウィンズ・ジャパンは、国内外で自然災害や紛争、貧困などにより人道的・生活的危機に直面する人々を対象に、教育、水衛生、保健、シェルター、生計支援、弱者保護、物資配布などの分野で支援活動を行っています。
ピースウィンズ・ジャパンが運営する災害緊急支援プロジェクト「空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”」では、医師や看護師を含む緊急支援チームが日本から現地へ出発しました。
現在、日本およびミャンマーの関係機関と連携を図りながら、医療支援や物資提供を含むさまざまな支援の可能性を模索しています。
ミャンマー地震に関するよくある疑問
ミャンマーについて、よくある疑問をまとめました。
- ミャンマーってどこにあるの?
- ミャンマーでは地震はよく起こるの?
- 日本政府や国際社会はどんな支援をしているの?
ミャンマーってどこにあるの?
ミャンマーは東南アジアに位置し、タイ、ラオス、中国、インド、バングラデシュと国境を接しています。
首都はネピドー、かつての首都ヤンゴンやマンダレーなどが主要都市です。
ミャンマーでは地震はよく起こるの?
ミャンマーは地震多発地帯であるヒマラヤ造山帯の南端にあたる活断層地帯に位置しています。過去にも大きな地震が発生しており、今回の地震(M7.7)は、過去数十年で最大級の規模です。
特に今回は、山岳部やインフラが脆弱な地域を震源としたため、建物の倒壊や道路の寸断、通信障害が相次ぎ、大きな被害につながりました。
日本政府や国際社会はどんな支援をしているの?
日本政府は、JICAを通じた緊急援助物資の提供や、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)への資金協力などを検討中とされています(※2025年3月末時点)。
すでに国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は1億スイスフラン(約113億円)規模の緊急支援を決定しており、現地ではユニセフや国際NGO、各国政府が人道支援を開始しています。
日本国内のNPOやNGOも、寄付を募りながら対応を進めています。
ミャンマー地震の被災者への支援は今すぐできる
この記事では、ミャンマーで必要とされている支援や、今私たちにできる支援方法について紹介しました。
記事の内容をまとめます。
- ・被災地では、食料・水・医療物資・避難所・心理的ケアなど幅広い支援が必要とされている
- ・今すぐできる最も効果的な支援は、信頼できる支援団体への寄付
- ・クレジットカードや銀行振込で、すぐに支援を届けることが可能
「ミャンマーで地震の被害に遭った人々のために、今すぐ自分にできることをしたい」と思う方は、支援団体のホームページを確認してみてください。
災害の復興支援について詳しく知りたい方はこちらの記事もご一読ください。
>>災害や紛争の復興支援にはどんな活動がある?あなたにできることを紹介